【野球】延長10回に香西主将5失点の大誤算 死闘に敗れ泥沼4連敗

野球

東京六大学春季リーグ戦 5月16日 神宮球場

早大
4ー9
明大
      
TEAM 10合計
明大
早大

◆バッテリー

髙橋稀、佐宗、●香西ー尾形

◆二塁打

川尻

◆三塁打

なし

◆本塁打

德丸1号、2回ソロ

 立大戦で勝ち点を落とし、苦しいチーム状況が続く早大。16日、明大との4カード目に挑んだ。試合は2回に德丸快晴(スポ2=大阪桐蔭)の本塁打で先制。しかし7回、ノーヒットピッチングを続けていた髙橋煌稀(スポ3=宮城・仙台育英)が4失点を喫し、逆転される。その裏に打線が追いついたものの、10回に香西一希主将(スポ4=福岡・九州国際大付)がまさかの5失点。延長戦の末、9-4で敗戦した。

マウンドに集まる尾形と香西主将

 試合が動いたのは2回裏。早大は1死走者なしで德丸を迎えた。相手投手は大阪桐蔭高の同期・平嶋桂知(明大2年)。「高校時代から対戦していた」と自信を持って打席に立った。カウント0-2から151キロのストレートを振り抜くと、打球はライトスタンド中段へ。完璧な一発で早大が1点を先制した。

吠えながらベンチに戻る德丸

 早大の先発は髙橋煌。持ち前の直球に加え、この日は変化球がさえ渡っていた。序盤からテンポよくアウトを重ね、6回まで四球一つの無安打ピッチング。3回に四球で出したランナーの盗塁は、女房役の尾形樹人(スポ3=宮城・仙台育英)が刺し、小学校から続くチームメイト・「佐沼バッテリー」の連携を見せつけた。

 打線は2回からコンスタントに安打を記録するものの、あと一本が遠く追加点ならず。6回は1死満塁のチャンスをつくるものの、髙橋海翔(スポ3=山梨学院)と尾形が連続三振に倒れた。

三振しベンチに帰る尾形

 すると直後の7回表、髙橋煌が崩れる。先頭にこの日2つ目の四球を与えると、続く岡田啓吾(明大4年)は三塁への送りバント。しかしこの打球を処理した尾形と岡西佑弥副将(スポ4=智弁和歌山)が衝突し、オールセーフとなった。

 その後1死一、三塁となり、打者は内海優太(明大4年)。放ったセンターへの強烈な打球は阿部葉太(スポ1=神奈川・横浜)グラブの先をわずかに越え、2者が生還。痛恨の逆転を許した。

 さらに2死二塁、6番に入っていたルーキーの為永皓(明大1年)がインコースの直球を完璧に捉え、打球はライトスタンドに突き刺さる2ランホームラン。好投の髙橋煌がこの回一挙4失点を喫し、1-4のビハインドとなった。

先発の髙橋煌

 敗戦ムードが漂った早大であったが、この日はそのまま終わらなかった。この回から代わった浦久響(明大3年)を攻め立て、1死一、三塁のチャンスをつくる。この好機に川尻結大(スポ1=宮城・仙台育英)がレフト線を襲う二塁打を放ち、早大が1点を返した。

 さらに攻撃は続く。火消し役として登板した松本直(明大4年)の制球が定まらず、岡西、寺尾拳聖副将(人4=長野・佐久長聖)が連続四球。押し出しで1点差に詰め寄った。なおも1死満塁のチャンスに、德丸がセンターへの犠牲フライで同点に。しかし三塁を狙った二塁走者の岡西が暴走となり、攻撃が終わった。

押し出し四球を選びガッツポーズを見せる寺尾

 早大は8回1死から佐宗翼(スポ2=石川・星稜)にスイッチ。今季好調の左腕がこの日も安定した投球を見せた。9回は1死一塁からセンター前に強烈な当たりを放たれるが、セカンドの湯浅桜翼(スポ2=宮城・仙台育英)が決死のダイビングキャッチ。そのままグラブトスでゲッツーを完成させ、早大スタンドは大歓声に包まれた。

 しかし打線は勝ち越しならず。9回には1死一塁から打撃好調の岡西がバントを試みるが、バントファウルで追い込まれ、見逃し三振を喫した。チャンスを逃し、4-4の同点で試合は延長戦を迎える。

好リリーフを見せた佐宗

 10回からマウンドに上がったのは香西主将。絶大な信頼を誇る左腕だったが、この日は明大打線の猛攻に遭った。1死から連打で一、二塁のピンチを招くと、続く津田基(明大4年)にセンター前ヒットを打たれる。本塁封殺を狙ったセンター・阿部の送球は不運にもマウンドに当たって高く跳ね、手痛い勝ち越し点を許した。

 さらにピンチは続き、岡田、内海の適時打でこの回5失点。強力明大打線は香西主将のわずかなコントロールミスも見逃さなかった。

 その裏は1死から德丸がこの日2本目、尾形が3本目の安打を放つものの、守備から出場していた坂口優太(スポ4=國學院栃木)がショートへの併殺打に倒れて試合終了。意地は見せたものの、4-9で明大に屈した。

試合を終え、観客にあいさつをする香西主将

 早大は4連敗を喫し、天皇杯奪還はきわめて厳しい状況に。昨年から多くの主力選手が卒業した中、苦しい戦いが続いている。

 現在は立大、東大との3校で「最下位争い」を強いられている早大。東京六大学野球101年の歴史の中で、早大が最下位に終わったシーズンはわずか2度しかない。

 歴史的な不振に陥る中、残る試合で意地を見せることができるのか。ナインに試練が訪れている。

(記事 石澤直幸、写真 松田琳香、森若葉)

※写真は早スポ野球班のインスタグラムでもご覧いただけます。

早大打者成績

打順 守備 名前 10
(中) 阿部葉太 .179 二ゴ 中安 三振 右飛 三振
(指) 川尻結大 .444 三飛 投ゴ 三振 左線2 四球
走指 井櫻悠人 .000
(三) 岡西佑弥 .310 一ゴ 中安 四球 四球 三振
(左) 寺尾拳聖 .229 右飛 一邪飛 中安 四球 三飛
(右) 德丸快晴 .406 右本 三振 死球 中犠飛 中安
(一) 髙橋海翔 .250 三振 三振 三振
打一 佐藤寛也 .000 二ゴ 三ゴ
(捕) 尾形樹人 .286 二ゴ 二安 三振 右安 右安
(遊) 山根潤太郎 .045 左飛 犠打 四球
壽田悠毅 .429 中飛
坂口優太 .000 遊併殺
(二) 湯浅桜翼 .190 遊ゴ 右飛 右安 遊ゴ

早大投手成績

名前
髙橋煌稀 71/3 1.84
佐宗翼 12/3 1.23
香西一希 3.75

コメント

◆德丸快晴(スポ2=大阪桐蔭)

ーー本日の試合を振り返っていかがですか

 先制できて(髙橋)煌稀さんも流れ良く投げていましたが、7回に逆転されてから打撃陣がもうひと踏ん張りできませんでした。逆転できなかったことが痛かったと思います。

ーー先制の一発は大阪桐蔭高の同期の平嶋選手からでした。振り返っていかがですか

 2球で追い込まれたので、どんな球にも対応できるようにいった結果が、一番良い結果になったので良かったと思います。

ーー本日は自信を持って打席に向かっているように見えました

 高校時代に(紅白戦やシートバッティングで)よく対戦していたので、自信はありました。

ーー当時から平嶋選手は得意でしたか
 得意では全然なかったんですけど、今の自分の状態も悪くないので。打つぞという気持ちで打ちました。

ーー現在打撃好調ですがその要因は

 積極的にどんどん振れていってるので、そこがボールの見え方とかにもつながってきてるんじゃないかなと思います。

ーー首位打者も見える打率4割に乗りましたが

 1位が境(亮陽・法大2年)なので負けたくないのです。頑張って取りたいと思います。
※境も德丸、平嶋と同じく大阪桐蔭高出身

ーー大阪桐蔭高の同世代の選手が今神宮で躍動しています

 みんなで頑張ろうと言っていたので、もっともっと活躍していきたいです。

ーー今後の試合はどのように臨んでいきたいか

 相手の大学に負けないようにという思いです。小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)も「対抗して」と言っていたので、1つでも多く勝ちを取って終われるようにやっていきたいと思ってます。

ーー今後の試合への意気込みをお願いします

 明日からしっかり勝ち切って良いかたちで終われるようにやっていきたいと思います。