【フィギュアスケート】山田と穂積が2人そろって悲願の全日本進出!

フィギュアスケート

東日本選手権 10月30日~11月1日 ALSOKぐんまアリーナ

 全日本選手権(全日本)の舞台を懸けた東日本選手権が、群馬の地で開催された。男女シングル、そしてアイスダンスが行われた今大会。シングルでは、女子上位6人、男子上位9人が年末の全日本に出場することができる。早大からはシングルに2人、アイスダンスに2組が出場。シングルに出場した穂積乃愛(人通3=東京・駒場学園)と山田琉伸(人通4=埼玉栄)は共に全力を尽くした演技を披露し、念願の全日本の出場権を獲得した。

★シニア女子SP

 大会初日に行われたシニア女子SPに登場したのは穂積。悲願の全日本出場に向けて、緊張した面持ちながらも笑顔でリンクに上がった。まずは2回転アクセルを美しく成功させる順調な滑り出し。続くコンビネーションも、大きな過失なく着氷した。『24のカプリース』のリズムに合わせたフライングキャメルスピンではレベル4を獲得し、出来栄え点も1・14点と、着実に要素をこなしていく。しかし、演技後半の3回転ループで転倒。切り替えていこうとするも、持ち味のスピンでもレベルの取りこぼしが出てしまい、出来栄え点が伸び悩む悔しい結果に。演技後の穂積に笑顔はなく、「『なんでだろうな』という気持ちでいっぱい」と言葉を詰まらせながら振り返った。それでも49・59点と6位につけ、「諦めないで最後までつかみ取りにいきたい」と、全日本への望みをつないだ。

★シニア男子SP

 続いて行われたシニア男子SPには、山田が出場。6分間練習が始まってすぐは緊張していたというが、「やっていくうちにだんだん集中に持っていくことができた」と徐々に表情も柔らかくなっていく。演技が始まると、冒頭の3回転のコンビネーションを軽々と決める。続く2回転アクセルもミスなく着氷し、力みなく優雅にポーズをとっていく。3回転フリップも大きな乱れなく回り切り、フライングキャメルスピンではレベル4の評価を得た。テンポアップしていく『Stairway to Heaven』に合わせダイナミックに踊り上げる。最後はガッツポーズも飛び出し、「すごくいいものができた」と振り返る会心の演技となった。点数は自己ベストに迫る59・05点で11位。FSに向け、「最高の演技で東日本を終われたら」と、東日本選手権突破への決意を新たにした。

★シニア女子FS

 大会2日目に行われたシニア女子FS。全日本出場が懸かる大一番で、多くの歓声に包まれながら登場した。冒頭の3回転ルッツは、少しバランスを崩しながらもしっかりと着氷する。続く3回転フリップ、コンビネーションジャンプも美しく決め、ドラマチックな『The Legend of 1900』をしなやかに表現していく。コレオシークエンスでは1・10点の出来栄え点を獲得。後半のジャンプの乱れも最小限に抑え、一つ一つの要素を着実に丁寧に決めた。演技の勢いも増していき、柔らかい笑顔を浮かべながら、勝負のFSを見事に演じ切った。最後は「よくここまでやったな」とその場に座り込み、感極まった表情で客席に一礼。FS102・49点、総合152・08点の5位で初の全日本出場を決めると、「本当にここまでやってきて良かった」と笑顔を見せた。

★シニア男子FS

 シニア男子FSは大会最終日に行われた。「誰よりも練習してきた自信があるプログラム」で挑んだ山田。大声援に押され、リラックスした表情でリンクに上がった。3回転ルッツ+3回転トーループを華麗に決めると、スピーディーで伸びやかなスケーティングを見せていく。壮大な『Io ci sarò』のボーカルに合わせ、ダイナミックなスピンも披露した。演技後半、3回転ループでは手をついてしまうも、細かい音まで拾った振り付けや曲の盛り上がりに合わせたイーグルで、観客を曲の世界観に引き込んだ。終盤の3回転ルッツも美しく決め、点数をしっかりと稼ぐと、最後は両手を広げてフィニッシュ。SPに引き続き、客席に向けてガッツポーズをし、笑顔でリンクを後にした。FS115・55点、総合174・60点で7位とSPから順位を上げ、穂積に続いて全日本の出場権を獲得。「東日本選手権という緊張する舞台でこの演技ができてすごく良かった」と安どの表情を浮かべた。

★ジュニアアイスダンスRD

 大会2日目の最初の競技はジュニアアイスダンスRD。前日のSPから連戦となった穂積、田邊拓也(東洋大)組(「のあたく」組)が登場した。穂積は前回の黒い衣装から変わって、ピンクのきらびやかな衣装をまとい、リンクへ。田邊のケガが完治しておらず、リフトを最小限にするなど構成の変更があった中でも、最後まで笑顔で滑り切った。冒頭のツイズルを息ぴったりに回り、穂積、田邊ともにレベル4を獲得。『A Thousand Years』の優しいメロディーに合わせ、ゆったりと踊っていく。演技後半、『From Now On』に切り替わると、はつらつとしたダンスを披露。終盤、田邊がよろめく場面もありながらも、しっかりとポーズをとってフィニッシュ。演技後は苦笑いをする田邊に穂積が笑顔で肩をたたくなど、2人の仲の良さも垣間見えた。得点は35・61で3位。「できることに限りがある中では割といいものだった」と手応えを感じている様子だった。

★アイスダンスRD

 アイスダンスRDには、吉田唄菜、森田真沙也組(木下グループ)や、本田真凜、宇野昌磨組(トヨタ自動車)らビッグカップルがそろい、朝早い時間にもかかわらず、大勢の観客が詰めかけた。その中で、紀平梨花(鹿島/人通=沖縄・N)、西山真瑚(オリエンタルバイオ)組(「りかしん」組)が登場。『Golden Hour (Fujii Kaze Remix)』ではピアノのメロディーに合わせ、2人そろってきれいに音を拾った振り付けを披露。「難しいことをしよう」と取り入れた新技のダイナミックなリフトではレベル4を獲得し、高い出来栄え点も得る好調な滑り出し。後半の『This is What Falling in Love Feels Like』では、アップテンポになる曲調を捉え、めりはりをつけたポージングを見せる。ステップでは、1・73点の出来栄え点を獲得した。最後まで伸びやかなスケーティングで表情豊かに踊り切り、65・79点で2位発進となった。木下グループ杯から4点以上得点を伸ばし、練習の成果が「しっかり点数に表れてとてもうれしい」と語ったように、収穫のある演技となった。

★ジュニアアイスダンスFD

 連戦となった穂積の最後の出番は、ジュニアアイスダンスFD。穂積は黒地に金のラインが入ったクールな衣装で、田邊は白いシャツと黒のパンツを身に着けて登場した。曲のはじめの落ち着いたピアノのメロディーに合わせ、ゆったりとしたダンススピンで演技を始めると、息の合ったステップやダンスを披露する。曲の盛り上がりに合わせた指先まで美しいストレートラインリフト、氷上すれすれのカーブリフトのコンビネーションリフトでは、許容時間を超えてしまったため減点されたものの、集まった観客を魅了した。曲調が変わると、ジャッジ席に向けて銃で撃つポーズをし、ジャッジアピールも欠かせない。タイミングを合わせたツイズルもこなし、テンポアップしていく『Skyfall』に合わせ、妖艶な雰囲気を漂わせていく。再びジャッジ席の前で決めポーズを取り、物語の世界観を存分に表現した。演技後、2人は笑顔で手を取り合い、観客の声援に手を振って応えた。FD60・17点、総合95・78点の3位で、のあたく組初の東日本選手権を終え、「よく滑り切ったのでは」と振り返った穂積。3日間で4つのプログラムを滑り切るタイトなスケジュールを走り抜け、「体力的にも精神的にもすごくしんどかった」と言いいながらも、自身の演技をより多く見てもらえることについては「すごくうれしい気持ち」だと語り、3日間の激闘を終えた。

★アイスダンスFD

 「思い切って楽しんで滑りたい」とFDに臨んだりかしん組。直前の5分間練習では、他のカップルとぶつかりそうになるハプニングもあったが、無事に本番を迎えた。互いにしゃがんで額を突き合わせるポーズから演技は始まる。高さも勢いもあるステーショナリーリフトで観客の心をつかむと、そろったステップと豊かな表情で感動的な『Song For the Little Sparrow』を演じていく。シンクロナイズドツイズルでは紀平、西山共にレベル4を獲得し、1・70点の非常に高い出来栄え点を得た。『Mon Dieu』に切り替わると、切ない歌声に合わせ、情熱的で妖艶なリフトやスピンを披露。息の合ったキレのあるスケーティングと、ダイナミックなリフトで愛をテーマにしたプログラムを演じた。FD99・53点、総合165・32点で3位となり、りかしん組の成長をアピール。次戦のNHK杯に向けて、「もっと高い点数を目指して頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

(記事 石坂愛夏、上杉美結、川田真央 写真 川田真央)

結果

▽シニア女子

穂積乃愛

SP 49・59点 6位

FS 102・49点 4位

総合 152・08点 5位 

▽シニア男子

山田琉伸

SP 59・05点 11位

FS 115・55点 6位

総合 174・60点 7位 

▽ジュニアアイスダンス

穂積乃愛、田邊拓也組 

RD 35・61点 3位

FD 60・17点 3位

総合 95・78点 3位

▽アイスダンス

紀平梨花、西山真瑚組 

RD 65・79点 2位

FD 99・53点 3位

総合 165・32点 3位

コメント

※全て囲み取材より抜粋

山田琉伸(人通4=埼玉栄)

SP後

ーー今日の演技を振り返っていかがですか

 東京ブロック(東京選手権)でジャンプを全部やるということはできていました。ジャンプの質だったり、スピンの取りこぼしという部分はまだ詳細なスコアが出ていないので分かりませんが、自分の手応えとしてはすごくいいものができたなという感覚はあったので、良かったかなとは思います。

ーー6分間練習ではリラックスされているように見受けられましたが、今日のコンディションはいかがでしたか

 入った瞬間はすごく緊張して「これやばいな」と感じていて、どうしよう、というのがありました。やっていくうちにだんだん集中に持っていくことができて、緊張も集中に入るためのいい刺激になったので、うまく持っていけたかなと思います。

ーー最後にガッツポーズをしていましたが、点数について率直なお気持ちを教えてください

 東京ブロックより2点(上がって)ノーミスの演技もできました。後半の3回転ルッツ+3回転トーループを前半にしてこの点数を取ることができて、もうちょっと(点数が)出るかなと少し思いましたが、取りこぼしの部分だったりとかは少しあったと思うので、自己ベストに迫る点数を出せたのは良かったかなと思います。

ーーご自身のストロングポイントはどのようなところだと思いますか

 ジャンプのパワーとタイミングで、軽く跳ぶというのは、強みかなと思っています。

ーー今シーズンはどのようなところを目指していますか

 東日本選手権までは3回転アクセルなしで、とにかく仕上げて全日本(全日本選手権)に行くことなのですが、全日本に行けたらアクセルのみならず、新しいジャンプに取り組んだり、スピンなど表現の部分も細かく練習していければなと思います。

ーーFSに向けての意気込みをお願いします

 全日本に絶対行くという気持ちで東京選手権から東インカレ(東日本学生選手権)の後も含め、誰よりも練習してきた自信があるプログラムなので、ノーミスの中でも攻めたジャンプでのノーミスで、全部クリアで、今日の演技を超えるではないですが、最高の演技で東日本選手権を終われたらと思います。

FS後

ーー演技を振り返っていかがですか

 最近は、練習では全てのジャンプを曲で跳べるように仕上げ切っていたので、ループの手をついてしまったミスは珍しくて悔しい部分はありますが、東日本選手権という緊張する舞台でこの演技ができて、すごく良かったなと思います。

ーー今までこの大会に向けてどのような練習を重ね、どのようなことを発揮できたと思いますか

 ひたすらジャンプの苦手と向き合って、ジャンプのキレや回転の速度などを全部徹底的に(苦手を)消せるようにして、今回出場している東日本(ブロック)の選手の誰よりも練習してきた自信はあったので、その点は良かったなと思います。

ーー今日は大一番だったと思いますが、実際に滑っているときはどのようなことを考えていましたか

 ループをミスしてしまったときに、「ここから立て直さなければマズい」と思って、フリップ、ルッツが結果的にうまくいきましたが、焦りだったり、最初のルッツの前もすごく緊張していて、いけるという半分、怖いなというのもありました。ミスしてしまったときに後半の一番最後にルッツを入れるのかな、などをいろいろ考えたりしましたが、終始緊張していたかなと思います。最後の方は安どもありました。

ーーSPからFSまでいい流れを保つために意識していたことはありますか

 トレーナーさんも今回一緒に来ていただいていて、トレーナーさんと一緒に精神的な戦略だったり、氷の上での戦略を考えたり、氷に乗るとき全てを試合だと思って、全部つながっていると思って、頑張りました。

ーー今後の目標はありますか

 全日本では、今のSPの点数だと通過は厳しいと思うので、SPで通過できるように、今シーズンは既に仕上がってきている部分はありますが、FS含め、SPで仕上げというよりは上達を目指して、3回転アクセルジャンプを元に戻して持っていけるようにしたいなと思います。

ーーフィギュアだけでなく、その先の大きな将来の夢や目標はありますか

 大学1年生くらいからスケートの研究だったり、体づくりの研究だったり、トレーナーさんとお話をして答え合わせをしたりと、自分に生かすためにやっています。教える側も向いているなと思っているので、ケガのときにトレーナーさんにすごく助けられた思い出などもあって、トレーナーになるとか、コーチになるとか、そのような方面はありかなと考えています。

穂積乃愛(人通3=東京・駒場学園)

SP後

ーー今日の演技を振り返っていかがですか

 落ち着いてできていた気がするのですが、調子も悪くはなかったので、今何も映像などを見ずに感覚だけで言うと、「なんでだろうな」という気持ちでいっぱいです。

ーー東日本選手権での独特の緊張感はありましたか

 やはり全日本が懸かるというのがあるので、毎年東日本選手権は独特な緊張感の中でやるなとは思っているのですが、6分間に入ってからは、すごく淡々としていたなというのは自分の中で感じていて、落ち着いてはいたのですが、やはり緊張はありました。

ーーどのように緊張をほぐしましたか

 今シーズンに入って片っ端からやれることはやってきたと思うので、もちろんどのような選手でも緊張はあると思うのですが、その中でもここまで積み上げてきたという自信だけはもってやろうと思って滑りました。

ーールッツのところをコンビネーションにされましたが、意図や手応えはありますか

 もともとそれは構成通りで、3回転ルッツ、2回転トーループ、3回転ループが予定構成なのですが、夏季が終わってからルッツが割と自分のものになってきたという感覚があったので、跳べるジャンプということで、SPに組み込みました。

ーー明日はRDとFSの2本がありますが、そちらへの意気込みをお願いします

 ダンスに関しては、パートナー(田邊拓也・東洋大)がケガをしていてまだ完治していないので、リフトをやらないで別のものにするなど、構成が一部変更になってはいるのですが、今できることで、拓也くんは無理せずやってもらえたらなと思います。シングルは、まだ終わってちょっとポカンとしているところはありますが、しっかりと切り替えて諦めないで最後までつかみ取りにいきたいなと思います。

FS後

ーー今日も忙しい1日でしたが、いかがでしたか

 朝が早かったので、全部まとめて今日の出来事とはあまり思えないです。演技に口出ししたいことは本当にたくさんありますが、まずは一言、本当にここまでやってきて良かったなと感じています。

ーー演技が終わった瞬間に倒れ込んでいましたが、どういった感情が湧いてきましたか

 2つあって、今年の4月からアイスダンスとシングルの両方をやらせていただいているのですが、始めたときから「今年は東日本選手権でダンスがあって、自分は全日本を狙って東日本選手権に出る」という考えでした。すごくタイトなスケジュールで気持ちを切り替えてやらなければならないというのが今まで以上に求められる1年だなということを感じていて、それをずっと毎日頭に入れて練習してきていたので、まだFDが残っていますが、よくこの2つのカテゴリーをやり切ったなという気持ちです。あとは、辛いときや、ジャンプがうまくいかない期間を乗り越えて、この4年、5年くらい、すごくしんどい、自分にとってはとても大きい壁だったので、それをようやく一つ越えられたような気がしました。岡島(功治)先生のもとに戻ったときに「回転不足だ、回転不足だ」とずっと言ってはいましたが、演技が終わったときによくここまでやったな、というのを思って倒れ込んだというか、本当に片っ端からやれることを全てやってきて、苦手を潰してきて、工夫して、自分にどこが足りないのか、あとはこれが自分だと受け入れるということもすごくやってきて、密度の濃い1年だったなと思っています。まだ終わってはいませんが、一つ、東日本選手権を越えるというのが私の目標でもあったので、もう「はあ」という感じで倒れてしまいました。

ーー順位が分かり、(全日本に)行けると決まった瞬間はどのような心境でしたか

 まだ実感は湧いていませんが、良かったなと思って、100(点)と聞こえたときに「よし」と思いました。すごくうれしい気持ちになりましたし、東インカレが終わってから、岡島先生に「乃愛って全日本行ったことなかったっけ」と言われて、「ないです」と言うと、「今年は戦えると思う、ちゃんと戦えるところまできてると思う」と言ってくださいました。「一緒に全日本に行こう」と、東インカレが終わって一番自分が欲しいときにそういう言葉を先生の方から言ってくださったことにすごく感謝しています。今シーズンいろいろな大会に出てきて、振り返ってみればどれも着実に成長している試合だと自分でも胸を張って言えるのですが、その試合が終わったときはどうしても東日本選手権でやらなければ意味がないとすごく思ってしまっていました。東インカレも100点を超えてサルコウ、アクセル、アクセルも入って、自分の中で相当いい演技だったのですが、全然まだまだだし、100と出ても首をかしげてしまうような、「全てを東日本選手権に」という思いでやってきたので、今は力が抜けています。

ーー2つのカテゴリーに出ていて素人目から見ても大変そうでしたが、どこが一番大変でしたか

 やはり体力面ですね。今日の朝はシニアのフリーの公式練習が終わって15分後に6分間練習が始まったので、15分間で衣装に着替えて、身だしなみを整えて、気持ちをダンスに切り替えなければなりませんでした。ダンスとシングルは同じスケートではありますが、違う競技だと思うので、滑り方も少し異なりますし、本来であればダンスの靴、エッジも全て違う道具を使うので、切り替えがすごく大変でした。スケート年齢で言うと正直若くはないので、毎試合ダンスでもシングルでも自分が100パーセントのフィジカルで臨めるように、筋力の疲れをどこまで抜け切らせるか、回復させるか、どの程度緩めていいか、などを6月からずっと日常的にやってきました。今回はトレーナーさんが不在だったので、どこかが痛くなっても自分でどうにかしなければならないというのも、少ししんどかったです。

ーー昨日のSPからどのように切り替えましたか

 点数が出て、「あれ」というのが第一印象で、ただ上も下もすごく僅差であったとは思うのですが、しっかりと自分のやることをやれば、全日本に行けない未来が見えないというか、これで行けないはずがないと(思っていました)。緊張があって、どうしても不安にはなっていましたが、そのくらい練習はしてきたと思っているので、あとは自分に勝てるか、僅差にいる誰かに勝つのではなくて、自分自身をどこまで超えられるか、どこまで信じてあげられるかということだったと思うので、そこにフォーカスして、全集中させて、FSに臨みました。

RD後

ーー今日の演技を振り返っていかがですか

 できることに限りがある中では割といいものだったのではないかという印象があります。ブロックが終わってから、ケガの影響もあって片手で数えられるくらいしか練習ができていないので、すごく不安はありましたが、お互いができることを、という意識に切り替えて演技できたのは良かったのではないかなと思います。

ーーシングルではなく、カップルとして東日本に臨んでみて、シングルのときと心境の違いなどはありましたか

 今日はフリーの公式練習が終わってから15分で6分間練習に入るというタイトスケジュールだったのですが、頭をシングルからダンスに切り替えるのが思った以上に大変だなという印象がありました。やはり少し滑り方も異なりますし、相手がいることなので、すごく難しいなとは思いましたが、やはり両方やるからこそ得られるものだったり、考え方の変化だったりというのはすごくいいのではないかなと思います。

ーーのあたく組のアイスダンス初披露から2カ月弱ですが、成長を感じる点などはありますか

 ケガがあって、練習に間が空いてしまっているので、あまり「ここ」というのはもしかしたらないのかもしれませんが、前よりも思いやって滑るというか、相手のことを考えて滑るという点は2カ月間で得られたものかなと思います。

ーーしょまりん(本田真凜、宇野昌磨組・トヨタ自動車)効果もあって、ジュニアのアイスダンスもたくさんのお客さんがいますけれど、その中での演技というのはいかがでしたか

 前も後ろもたくさんお客さんがいらっしゃって、すごくうれしい気持ちとともに、最初に6分間練習に入ったときはすごくびっくりな気持ちもありました。自分たちはまだシニアのカテゴリーではないので、世の中で言われる戦国時代のようなものをあまり肌で感じることはありませんが、お兄さんお姉さんについていけるようなダンサーになれるように努力していきたいなと思います。

ーーやはりシニアのアイスダンスが盛り上がっているというのは刺激になっていますか

 そうですね(笑)。

ーーアイスダンスのキリアンホールドとワルツホールドの距離感というのはシングルにはないものだと思いますが、実際にトライしてみていかがですか

 やはり「いるな」というのが第一印象です。シングルのときは自由に自分で抑えたり、もうちょっと滑ってみたり、というテンションのかけ方がその日によってあったりすると思うのですが、それが許されず、自分が好き勝手動いてしまうと相手の邪魔になってしまったり、ぶつかって転倒につながったりする可能性もあるので、まだまだホールドに関しては詰めが甘い部分があるなという印象が強いです。うまくなっていく上でホールドは欠かせないものだと思うので、ケガが治ってから練習を積むときは、そこを意識して頑張ろうと思います。

ーー演技終了後に田邊選手に声掛けをされていたように見えましたが、どのようなお話をされましたか

 (田邊の方を見ながら)なんて言った?(笑)ちょっと覚えていないのですが、すごく(田邊はケガが)痛いと思うんです。シングルを私も配信で拝見しましたが、3回転+3回転に挑む姿や、端から見たら本当にケガが治っているのではないかという声ももちろんあると思いますし、私も「治ってるんじゃないの?」と思わずツッコミたくなるような滑りだったのですが、多分本人は相当痛みと戦いながらケアをして東日本選手権にシングルもダンスも持ってきたと思うと、パートナーとしては、まずはありがとうという気持ちが大きいです。FSもあると思うので、無理せずと言いたいところですけれど、ダンスは頑張ろうね、と思います。

ーーFDに向けて意気込みをお願いします

 FDも練習が足りていない部分や、リフトはもしかしたら変更して挑むことになると思うのですが、自分たちが今できることを100パーセントやれば、その分の結果はついてくると思っているので、今できることにコミットして頑張りたいと思います。

FD後

ーー今日の演技を振り返っていかがですか

 本来はリフトをやらずに、ただ滑るだけで、今日の朝までそれで行く予定だったのですが、一応中断と見なされたときの場合のために、本来よりは抜いてはいますが、急きょリフトを取り入れました。そういうことも加味してやろうとさっき決まって、急な変更でしたが、一応転ぶこともなく、客観的にまだビデオは見ていませんが、とりあえずよく滑り切ったのではないかと思います。

ーー今日のコンディション的にはいかがでしたか

 正直あまり寝られていなくて、3時間も寝られていないくらい体のケアも含めて気持ちが高ぶってしまったのもあって、なかなか休めませんでした。その中でもやるべきことは明確にあるので、ダンスとシングルはまた別物と考えて、ダンスも120パーセントを出し切れるようにという気持ちで今日は臨みました。

ーーアイスダンスは少しずつの積み重ねが大切な競技だと思いますが、これからどのような積み重ねをしていきたいですか

 全日本ジュニア(全日本ジュニア選手権)が次の大会になりますが、そこではリフトも含めて、もう少し詰めた演技がしたいなと思っています。ブロックからそもそもリフト以外の練習も積めていなかったので、おのおの滑っていました。田邊選手はシングルの方も滑っていなかったのではないかと思うので、本当にそもそも練習量が全くない状態の東日本選手権でしたが、収穫もありました。リフトはないにしてもまあまあの点数はいただけたり、リズムダンスはお互いがツイズルでレベル4を取ったりという、しっかり収穫もある大会だったので、いい点は伸ばしつつ、練習で詰めていけたらなと思います。

ーー今後も2つのカテゴリーで頑張っていく予定ですか

 とりあえず全日本ジュニアに向けて一つ一つ目の前のことに集中してやっていけたらいいなと思います。

ーー2つのカテゴリーをやってみて、いろいろ難しかったところがあると思いますが、どこが難しかったですか

 2つのカテゴリーと4つのプログラムを滑り切りましたが、RDからFSは正直そこまでではありましたが、昨日の夜から今日というのがすごく難しくて、どうしても少し満足感に浸ってしまうところがありました。頑張って切り離して、シングルはこれで良かったんだ、でもまだダンスが残っているからダンスを全力で頑張らなければいけない、と頭を切り替えたり、そもそも本当に睡眠時間が取れていないので、お互いケガをさせることのないように気を付けたりしなければなりませんでした。体力的にも精神的にもすごくしんどかったのですが、本当に両方大好きでやらせていただいているので、お客さんの前に出られる回数が他の方よりも多くて、皆さんに見ていただけると考えると、今はすごくうれしい気持ちでいっぱいです。

紀平梨花(鹿島/人通=沖縄・N)

RD後

ーー木下杯(木下グループ杯)から大きく得点を伸ばしましたが、振り返っていかがですか

 木下杯からブラッシュアップを重ねてきた中で新しく良いものができていたので、それがしっかり点数に表れてとてもうれしいです。しかし、もっとできたなという部分は2人ともあるので、FDで最後は悔いのないようにしたいです。

ーーもっとできたというのはどういう点ですか

 勢い余って若干ふらついたかなという点と、ツイズルをもう少しきれいにできたかなという点です。ただ、大きなミスではないので、ほっとしています。

ーー新技が決まったことについてはいかがですか

 今日はできるかなという(不安な)気持ちが少しありましたが、演技に入ってしまえば、勢いよくいい感じに技がはまったのですごくうれしかったです。

ーーこの大会には大勢のライバルが出場していますが、ライバルの存在のメリットを教えてください

 カップルごとの良いところを参考にしたり、自分の良さをどう生かしていけるのかを考えたりしています。2シーズン目にして、私たちの一体感が他の長年のカップルと比べても劣らなくなってきたと思うので、今後も伸ばしていきたいです。

ーー明日のFDに向けて意気込みをお願いします

 FDも、木下杯が終わってからたくさん練習してきたので、思い切って楽しんで滑りたいです。

ーーNHK杯に向けて一言お願いします

 NHK杯まで1カ月を切っている状態なので、全日本予選会の勢いのまま、良い調子を継続し、NHK杯でもさらに上を目指して点数を取れるように頑張りたいです。

ーーこの大会で木下杯での65点を超えて、いくこう(櫛田育良・木下アカデミー 、島田高志郎・木下グループ組)を上回ったことに関しての手応えはいかがですか

 細かいミスがあったので、点数に対して不安な気持ちがあったのですが、それでもこのように評価していただけたことは自信につながります。しかし、もっとできる部分があるので、そこを伸ばせばさらに上を目指せるのではないかと思います。

ーー新技は、どのようにアイデアを出し合い、どんな練習をして成功に至ったのですか

 一緒に練習しているカップルで、大きなアクロバットを取り入れている方がたくさんいらっしゃったので、私たちも最後に向かうにつれてどんどん盛り上げていきたいという思いがありました。難しいことをしようと話し合って、陸からリフトの先生と一緒に練習して氷上にいたるまで、怖いくらいだったのですが、氷上に上がっても意外といい感じだったので、これはやろうとなりました。

ーー陸上では何回くらい(新技を)やったのですか

 リフトの先生とそれだけをずっとやり続けることもあり、練習の日々がずっと続きました。入れるか分からないけれどやっておこうという感じでした。氷上ではミスしたら頭を打ってしまうため、ミスはできません。たまにやるところから毎日やるまでに、1から2週間くらいかかりました。徐々にという感じです。

ーーカナダから帰国して間もない中の朝早い試合でしたが、どのように調整しましたか

 公式練習がない中での試合は、初めてに近いので、5分間で氷の感覚を確かめるようにしました。うまくはまってよかったなという思いはあるのですが、時差の影響は2人ともゼロではないと思います。(時差の影響には)慣れているほうだと思うので、調整していきたいです。

FD後

ーーFDでも木下杯から点数を伸ばしましたがいかがですか

 まだ最高の演技内容ではなかったので、点数がどう出るかなと思ったのですが、想像以上に高い点数を頂きました。自分の中でも価値のある試合でしたし、自信にもつながります。

ーーデビュー戦から1年ですが、進化のスピードの速さをどう受け止めていますか

 試合ごとに成長が見える点数をいただき、やりがいを感じます。今回の試合のプロトコルを確認して、もっと伸ばせる部分も見つかったので、そういった細かい部分でより点数を重ねていきたいです。

ーー次戦のNHK杯に向けて、改善していきたい点を具体的にお願いします

 プログラムのトランジションやクリーンなエレメンツなどの細かい部分を伸ばしていきたいです。NHK杯ではもっと高い点数を目指して頑張りたいです。

ーーもう少しできたという部分を具体的に挙げるとしたらどこですか

 本当に細かい部分でいくつかあって、ワンフット(ターン・シークエンス)は少し詰まってしまったと思いますし、ツイズルも練習より離れてしまいました。トランジションのがたつきももっとクリーンにできたかなと感じていて、伸ばせるところがたくさんあります。

ーーNHK杯に向けて、FDで見てほしいところを教えてください

 FDは、物語が感情的で本当に深いので、皆さんに難しい表現が伝わるような演技をしたいです。エレメンツやトランジション、そしてプログラム全体をクリーンにできたらいいなと思います。

ーー木下杯からのわずかな期間で、アイスダンサーらしさが増した印象がありますが、どのようなところでアイスダンサーらしさが出せていると考えますか

 今までのシングルでは、重心が低いままのクロスやターンなどの動きをあまり習ってこなかったので、すごく難しいと感じます。また、2人のプログラムをどうつくり上げるか、どのくらい一体感があるのかは、アイスダンスならでは(の難しさ)だと思います。フリーレッグのプロベナンスなど、徐々に細かい部分を学んで、できるようになってきたと感じています。

ーーお互いのダンスを見て、相手に対してどのような感情が湧きますか

 物語によると思います。FDだったら、亡くなってしまった愛する人に向けての感情を真瑚くん(西山真瑚、オリエンタルバイオ)に向けたり、愛をテーマにしているのでコネクションを大切にしたりしています。

ーー今日の演技にはスピード感がありましたが、練習で意識していることはありますか

 I.AM(Ice Academy of Montreal)のほうでもスピードのことはすごく言われていて、スピードを出すことを意識して毎日練習しています。その中でもふらつかずに安定したスケートを見せることが大事になってくるので、ただスピードがあればいいというものではないですが、見ている人に迫力が伝わるように意識して練習をしています。

ーーアイスダンスにはカップルごとの色がありますが、「りかしん」組として一番アピールしたい特徴はどういうところですか

 私たちのカラーは、いろんなことができることだと思うので、一つにくくらずにいろんな「りかしん」を見てもらいたいです。シングルからきた2人ということで、キレのあるスケートが得意だと思っています。アクロバットなリフトなどは私たち2人の強みなので、そういったところをより強化していきたいです。