第5回に迎えるのは早大の男子背泳ぎを支える、松下湊(スポ3=東京・駒場)、添田重樹(スポ2=神奈川・逗子開成)、塩田直也(スポ1=東京・淑徳巣鴨)。3人でA決勝に進出という共通の目標を掲げ、インカレに挑む。ライバルであり、共に戦うチームメイトとしての本音に迫る。
お互いについて
一一他己紹介をお願い致します
松下 塩田は1年生でもう周知の事実なんですけど、とにかく早いですね。日本高校記録を持ってたり。大学でも54秒台を前出してたり、去年のインカレの 3位くらいのタイムかな。すごい早いんですけど、普段の練習では日によって暴れ具合が変わるので、そこが可愛いところかなと思ってます。日常生活も高校生みたいで、ずっと寝てたり、勉強の方はあんまり頑張ってないのかな?
塩田 そうですね。まだ力が入れ切れてないです。
松下 らしいので、文武両道の方も頑張ってほしいなっていう願いではありますね。ただ熱い男ですね。

対談中の松下
ーーこれを受けていかがですか
塩田 3年生の松下湊さんはすごい今の早稲田の中でも誰よりも真面目で誰よりも向き合ってることを一緒にいて感じます。僕は自分中心になっちゃって周りが見えなくなっちゃうんですけど、湊さんはしっかり周りを見ていて、次期主将の器をすごい感じられるので、本当に頼りになります。僕はいつも迷惑かけっぱなしなので、早く僕が成長して迷惑かけるんじゃなくて手を差し伸べられるぐらい成長していきたいです。
ーー塩田さんお願いします
塩田 2年生の添田さんは高校生の時からジュニアパンパシフィックの日本代表とかも選ばれていて才能が秘められていて、なかなか怪我などが運悪く重なってしまったりするんですけど、絶対にやってくれるっていうのを日々の練習から感じさせていただいています。いつも面白くて笑顔にさせていただいてます。
一一添田さんこれを受けていかがですか
添田 自分の中では水泳に対しては才能があるとか全然思ってなくて、大学入ってから練習の量も質も一気に高校より増えて、そういった中で 1年目は全然練習についていけなかったり、周りを見て行動することが全然できていなかったです。どうしても大学水泳は才能がいくらあったとしても、それだけは絶対上に上がっていけないので、その人並み以上の努力をするっていうところで、自分で考えて行動したり、一つ一つの練習に目的を持って取り組んだりすることができるようにはなったのかなと思います。でもまだまだ競技力の部分では彼には劣るので、彼のいい部分も日々の練習で吸収しつつ、彼にはない自分の部分っていうところも彼に還元していけたらいいなと思います。
ーー添田さんお願いします
添田 湊さんはまず自分の中の一番の印象としては、練習に対してしっかり目的を持っているってのとメリハリがすごいしっかりしてるなっていう印象があって、毎日練習が早い選手はまずいないので、日々のコンディションや調子によって変わってくると思うんですけど、1回の練習で一喜一憂せずにできることをしっかり考えて、行動に移しているのを感じます。あとは後輩一人一人のことをしっかり見れてるなっていうのを自分の中では感じているし、すごい周りの士気を高めてくれますね。そういった部分でチームの雰囲気を良くしてくれる存在なので、自分にとって必要不可欠な存在になってます。
ーー松下さんそれを受けていかがですか
松下 添田君は後輩なんですけど、練習中だと一番のライバルだと思ってます。よくマネージャーさんが隣のレーンにしてくるんですよ。で負けたりするとちょっと嫌いになるんですけど笑、可愛い後輩ですね。終わった後は一緒にご飯行ったりもして、水泳以外での関わりも結構長く一緒にいる後輩の一人かなと思っています。僕にとっても必要不可欠な存在ですね。
彼は 1年生の時は結構自分で精一杯なところがあって、でも昨年のインカレが終わってから、1年生ながら涙してて、自分であんまり活躍できなかったと言ってて、それがすっごいかっこいいなと思ってました。僕が1年生でインカレが終わった時は、もうパッパラパーで、終わったなぐらいの感覚だったんですけど、彼は一人で燃えてて、そこから練習も積んでいて、怪我とかあって離脱してる時もあるんですけど、長い目で見たらずっと成長を続けてるんで、インカレも絶対早いだろうなっていう目で見てますね。
一一最近ハマっていることを教えてください
塩田 最近ハマってることは、インカレ前ということで、活躍している自分のことを想像することです。インカレで優勝して、インタビューを受けている自分を妄想して気分を高めたりとかして、あ、僕かっこいいなっていうのを考えてテンション上げるということに最近ハマってます。
添田 ほんとにしてるの?
塩田 すごい楽しいですよモチベに繋がります。
松下 僕がハマってることは、練習でこの 2人をボコボコにすることです。めちゃくちゃ楽しいし、脳汁が出ます。塩田は僕より ベスト1.3秒ぐらい早いんですけど、練習は遅いんですよ。高校新こんなもんかとか言って、結構気持ちよくなってるのは僕は好きですね。
添田 僕は、練習後とか空いてる時間で部屋に集まって寝っ転がりながらYouTubeみたりネトフリ見たり、みんなでゲームしてる時が一番楽しいです。それが一番日常生活だったら楽しいかなと思います。
一一早稲田水泳部で仲のいい人や印象的な思い出を教えてください
松下 4年生の松田藍青(令6スポ卒)さんが主将の時のインカレに僕はすごい刺激を受けました。僕は高校も都立でインターハイ入れれば満足してたんですけど、大学1年目も出れば終わりかなと思ったんですけど、 2年目の時に初めてチームで戦うことの楽しさや心が燃え上がる気持ちを、組織で作り上げた時の達成感を、初めて味合わせてもらって。そこからずっとモチベ高いですね。そんな 4年生みたいに自分も得点稼ぎたいし、かっこいい姿を見せたいなって思っていて。松田さんは1ヶ月前に怪我していて、カンカレ出てないんですよ。けど予選からベストで決勝もベストでインカレは3位、メダル獲得っていう結果を残されていてかなり痺れましたね。
塩田 僕は本当にいろんな人にお世話になってますし、いろんな人にちょっとご迷惑をおかけしてるので。今まで僕は高校生の時はクラブで活動してたんですけど、競技力が高ければある程度のことは許された部分があったりしてて、そこが今の自分のダメな部分でもあるんですけど。大学に入ってからは競技力がすごいからとか、そういうのは一切なく、一人の人間として見てくださるし、すごい先輩方がいるんで、この大学だったらこの先輩達がいたら成長できるなっていうのが感じているところです。 湊さんがその 1年生のその面倒を見てくださってる一番の大御所っていうんですかね。
松下 新人係長みたいな役割をやってます。
塩田 今までやっぱり競技力とか結果を出すとみんなからすごいねとか言われてたんですけど。それだけで何も言えなくて、大学ではしっかり人としての部分であったりとか、そういうところをしっかり見てくださっているので、そこが一番成長につながるなと思います。まだまだご迷惑をおかけしてますが、これから胸を張って成長しましたって言えるぐらいになりたいです。
添田 去年の 4年生は僕は 1年生の時なんですけど、僕も高校まではずっとクラブで一人で練習して、一人で大会出てみたいな感じで、部活も入ってたんですけど、クラブで練習だったので、大会出るぐらいで、個人戦だと思ってたので完全に。なので、それを変えてくれたのが去年の4年生です。あとは今の4年の飯田光達(スポ4=東京・八王子学園八王子)さんっていう方がいらっしゃるんですけど、僕が去年の冬ぐらいにいろいろ結果が全然出なかったり、あと練習に対して気持ちが全然入らずメンタル的にもきつくて、本当に練習も休んじゃうっていうことも何回かあったりして、その時に飯田さんが部屋に来てくれたんですけど、その時2時間 3時間ぐらい話してくれて、チームとして戦うための意識とか、自分になかった練習に対する意識とかを教えてもらって。そこから練習の調子も上がっていって、タイムも上がっていきました。僕一人で抱え込んでたら、今の自分はないんじゃないかなっていうのはありますね。そこはすごい飯田さんに感謝しています。1年生は3年生から指導を受けるんですけど、 それが終わると言い方が良くないですけど、解放されるんですよ。そこから飯田さんが毎晩部屋に来るんですよ笑。寝ようとしていても部屋にずっといたりするんですけど、そういうのもいなくなっちゃったら寂しくなるのかなとかも少しは思いますね。
競技面について
一一今シーズンはどのような目標を立てて挑んでいるのか教えてください
塩田 僕は、高校1年生 2年生 3年生は全国大会を毎年全部優勝してきて、全部優勝インタビューとかもしてきて。なので、大学1年になって正直優勝しない自分が嫌ですし、僕という存在が優勝しないのはちょっと違うかなって自分でも思ってて、個人としてはまず優勝を目標にしています。今年は今までと違うのはチームで戦うこととか、今までのお世話してくださった人たちへの恩を返したいっていう気持ちが一番あって、個人の優勝はマストで、あとはチームとしてみんなにどのようないい影響を与えれるかっていうのが大事かなと思います。僕個人はすごい影響力が大きいと思っていて、それは良いことも悪いことも影響力がすごい大きくなってしまうということなので、インカレは絶対に悪い影響じゃなくていい影響をみんなに与えて、 1年生の若さといいますか元気を先輩たちに乗せて、先輩たちも燃やしてっていうのが、僕のこの夏の目標です。

対談中の塩田
添田 今シーズンはインカレで A決勝に進出することが個人としての目標です。専門が100メートルなので、そのランキングも先輩方が作ってくれたりするんですけど、それを見ている限り自分の中での決勝のボーダーラインが大体 54秒9とか。55秒は切らないといけないなっていう現状があるので、まず 54秒台を出すっていうところが目標です。朝早いので、朝からしっかり体を動かして行かないといけないって難しさもあるんですけど、しっかりチームの流れにも乗りつつ新しい勢いをチームにつけられたらいいなって思います。あとはこの 3人で決勝に出るっていうのが目標ですね。
松下 僕も 9月からシーズン始まって、もうずっと A決勝目指すっていうのを念頭にやってますね。去年は初めてB決勝行けて嬉しかったんですけど、結局 2点ぐらいしか取れてなくて、全然足りないなと思って、まずは決勝に行かないと話にもならない。早稲田は少数精鋭なので、活躍しないといけないなと思っています。バックのレベルがどんどん上がっていて、去年とか 16番で 56.0秒とかだったんですけど、インカレは今 20番ぐらいまで全員56秒で来てて。 1年生でも早いし、3人で54秒台行くしかないなっていう覚悟決めてやってる次第ですね。
一一それでは、目標に対して、今の達成度と印象に残っているレースを教えてください
塩田 印象に残ってるレースは 6月の東京都選手権です。その大会で僕100メートル背泳ぎが 2年ぶりのベストで 54秒 47を記録できて、それまでは高校 2年生のインターハイで 55秒 36で優勝してたんですけど、そこから僕いろんな種目やってるんで出てこなかったっていうのもあるんですけど、そこから 2年間ベスト出なくて、その種目に対してすごく怖いっていう気持ちがあったんですけど。大学の6月でベストが大幅に更新できて、すごい自信につながりました。
添田 怪我と病気が重なってしまって、自分の管理不足なので、自分の責任なんですけど、いろいろ重なっちゃって、今シーズンは 4月入ってからなかなか練習に参加できなくて、どうしても体力面では周りの選手に比べて劣ってしまっているっていう現状はあるんですけど、もう2週間ないので、そんなん気にしてたらキリがないっていうか。
自分の中であと 2週間で何ができるかっていうのを頭の中で整理して考えられているので、そこをしっかり実行して、気持ちもどんどんモチベーションの部分も大会に近づくにつれて絶対上がっていくので、そこはチームのいい雰囲気に自分も乗って、一発勝負なので、全てをかけて泳げればいいなと思います。
印象に残っているレースは 4月の早慶戦 です。200メートル背泳ぎなんですけど、ベストを2年半ぶりぐらいに更新できて、1年間苦戦してたんですけど、ようやく練習の成果っていうんですか、だんだん実力がついてきたなっていうのを実感できたレースでした。そのレースで骨折しちゃったんですけど、それも含めていい思い出かなっていう風に思います。

対談中の添田
松下 僕は 6月の日本選手権ですね。 50メートルがベスト 0.5ぐらい更新できたので、監督からも言われて50でこんだけ更新できればまあ 100も単純計算で 2倍して 1秒ぐらいいけるんですけど、そこがまだはまってないんで、インカレでバシコンとはめて、 54秒台でダーンっていきたいなっていうイメージを持ってるんですけど、まあなかなか難しいのが水泳です。考えてもあんまり調子上がんなくてきついな辛いなっていう方が多くて、ちょっと不安になる部分があるんですけど、早稲田のバック2人がすごい競技力高いんで、もう悩む暇もなく、その競技力を高めるための競り合いとか練習とか考え方を日頃からできている環境があるので、今はすごい自信になってますね。

50メートル背泳ぎ大ベストを更新した時の松下
インカレについて
一一出場種目とそれぞれの目標を改めてお願いします
塩田 僕は 100メートル背泳ぎと 50メートル自由形に出場します。ランキングが今のところ 4番と3番ぐらいなんですけど、どっちもメダル圏内で、どちらの種目もその 1位の人がズバ抜けてていて、抜けてる人はどちらも4年生で、100メートルの方は日本代表で活躍してる選手なんですけど、でもたとえどんな相手が強かろうが負けたくないですし。メダルを目標にしてたらメダル到達できないなと思ってて、優勝を目指してやってやっとメダルかなと思うんで。もうなんですかねメダル取りたいとかじゃなくて、絶対に優勝するっていう気持ちを持ってやります。

カンカレ100メートル背泳ぎでスタートを切る添田、塩田
添田 僕は 100メートル背泳ぎと 200メートル背泳ぎに出場します。200メートルは初日なんですけど、競技順序も最初の方なので気持ちでなんとか自己ベスト0.01秒でも更新してまずは初手でチームに勢いつけるっていうのがまず 200メートルの目標です。 100メートルは先ほども申し上げた通り、A決勝進出とまあ 54秒台を目標に頑張りたいと思います。
松下 僕は 100メートル背泳ぎにだけ出場します。もう 100に命かける覚悟で 200が出ることを監督と話して辞めることにしました。で、54秒出して。全国で一番バックが強い大学にしたいなって思ってますね。
一一早稲田で注目している選手は
塩田 それは自分を含めてですか?
一一そうですね
塩田 注目選手はやっぱり僕は主将の新開誠也(スポ4=鹿児島情報)さんです。新開さんも高校時代からジュニアパンパシフィックや日本代表も経験してますし、ここ最近すごい日本選手権でもバタフライの選手なんですけど、 50、100、200で決勝に残って戦ってたりとか、全国でトップクラス最前戦で戦ってて、すごい競技力でチームを引っ張っている主将だと思って。そういうとこが僕とちょっと重なる部分があって、そこを背中を追ってるっていう部分もあるので。早稲田の主将として絶対やってくれると思うので、期待です。
松下 僕は松井理宇(スポ3=東京・日大豊山)くんですね。 1年目2年目もなんかすんごい悔しい思いをしてて、自分の実力出せてないのかなって思いますね。彼も高校時代は優勝 二冠でみんな憧れてたような選手ですね。フリーで花形で一番早くて。大学入ってなかなかそこがうまくはまってなくて。注目してるっていうか願ってるというか、本当に活躍してほしいなっていう、あの時の松井理宇くんが帰ってきてほしいなっていう願いがありますね。
添田 高橋俊太郎(スポ2=宮城・仙台第二)ですかね。 2年の同期なんですけど、あいつは 100は惜しくもレギュラー落ちをしてしまって、その中でもレギュラー期間外ではあったんですけど、国体予選で100メートルで2年ぶりぐらいにベストを更新してて僕は彼の練習をずっと同じチームだったので、1年半ぐらい見てきて、彼のひたむきに努力する姿勢とか、彼なりに練習の目的を考えられていたり、正直100メートルも49秒出せるポテンシャルは絶対あると思ってるので、僕は100メートル見れないのはちょっと残念ですけど、リレーがもしかしたらあるかもしれないので、その時には頑張ってほしいなっていう思いがあるのと、あと個人で 200メートル出場するということで、練習ですごい良いタイムを連発してたり彼なりに目標があると思うので、彼の苦労だったり、努力を知ってるからこそ、僕も応援したいな、注目してみたいなっていう思いがあります。
一一最後にインカレの意気込みをお願いします
塩田 インカレでは自分の役割を遂行します。
添田 全力を尽くします。以上です。
松下 僕は大学生します。僕が 54秒出すなんて誰も思ってないと思うんですけど、僕が信じてるんで、僕自身を覚醒します。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 金坂祥吾 大塚梨湖)
◇松下湊(まつした・みなと)
2005年8月19日生まれ。184センチ。東京・駒場高出身。スポーツ科学部3年。練習で背泳ぎのライバルの二人に勝つことが一番のハマっていることだそうです。身体が筋骨隆々でとても大きく、100メートル背泳ぎでは、鍛え上げたパワーを活かした泳ぎに注目です!
◇添田重樹(そえだ・しげき)
2006年9月25日生まれ。188センチ。神奈川・逗子開成高出身。スポーツ科学部2年。先日の怪我明けの復帰レースで自己ベストを更新するなど、勢いに乗ている添田選手。飯田選手によくちょっかいをかけられているそうですが、お世話になった尊敬する先輩だと語っていました!
◇塩田直也(しおた・なおや)
2007年6月13日生まれ。175センチ。東京・淑徳巣鴨高出身。スポーツ科学部1年。注目するポイントは、圧倒的なスプリント能力。スタートの飛び出しは、日本屈指の実力を誇る。対談中はユーモアあふれる言葉が印象的でとても和やかな取材になりました!