【特集】早稲田ボランティア・アカデミー 講師インタビュー 第2回・初瀬勇輔氏

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視覚障害者の同行援護事業を手掛ける
株式会社ユニバーサルスタイル代表取締役・日本視覚障害者柔道連盟会長 初瀬勇輔氏

初瀬勇輔氏

※取材は2025年10月14日に行われたものです。

 視覚障害者の同行援護(ガイドヘルパー)事業を手掛けている。自身が柔道を再開した際に利用したサービスで、「畳に上がるスタートが切れた」という体験が原点だ。「移動と情報取得の障害を取り除きたい」と先を見据え、障害者雇用の推進にも力を入れる。

 長崎県佐世保市出身。幼少期は空手やスケートに親しみ、青雲高3年時に柔道の県総体で3位になった。「知識で人を守れる仕事をしたい」と、競技に一度区切りをつけ、法学部を目指して受験勉強に励んだ。

 浪人中だった19歳の春、右目がぼんやりと見えづらくなった。病院での診断は「緑内障」。大学進学後、左目も発症した。中心の視野が失われ、「誰も悪くないのにどうして自分だけ」と行き場のない感情を抱えた。

 入院中の支えとなったのは友人。退院後も2年間、毎日授業を一緒に受けてくれた。そして、「視覚障害者柔道の存在を教えてくれた」。もう一度、柔道の道が開けた。中高時代の友人と練習を重ね、「仕事と両立しながら、できることは精一杯やった」。努力を続け、2008年に北京パラリンピック出場を果たした。

 現在は日本視覚障害者柔道連盟の会長を務め、選手の育成に携わる。

 パラスポーツ短歌の編纂(へんさん)にも携わる。自身が詠んだ一句は、「暗闇で/掴むぶ厚い/奥襟の/小さな揺れが/お前の心」。多岐にわたる活動を通して、人びとの心の間にある壁を壊していくことが目標だ。

※掲載が遅くなり、申し訳ございません。