東海大札幌にストレート勝利し因縁の相手との対戦へ

男子バレーボール

東日本大学選手権大会/3回戦 6月25日 東京・エスフォルタアリーナ八王子

 東日本大学選手権大会(東日本インカレ)3回戦は、昨年の同大会でも対戦した東海大札幌との一戦。ダブルヘッダー2戦目ということもあり疲労が溜まる中での試合となったが、第1セットから勢いに乗ると、続く2、3セットもメンバーを入れ替えながら全員で戦いきった。セットカウント3ー0(25ー19、25ー19、25ー17)でストレート勝利し、明日の準々決勝進出を決めた。

 OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の鮮やかなレフトスパイクで試合が開始する。その後もOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)のストレート、MB菅原啓(教3=山形南)のブロックが次々と決まり、4連続得点し幸先のよいスタートを切った。主導権を握ったまま、小野の強烈なサービスエースでさらに突き放し、7ー1と序盤からリードを広げる。中盤には、MB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)がブロックとクイックで連続得点を奪い、15ー4に。終始早大ペースで試合は進み、終盤川野が長いラリーを制してセットポイントを獲得すると、最後は菅原がクイックで仕留めて、25ー19でセットを先取した。

サーブを打つ川野

 第2セット序盤は、麻野と菅原のクイックを中心に得点を重ねるも、一進一退の攻防に。中盤、相手サーブに苦しみ連続失点が続くもこの嫌な流れを断ち切ったのはOH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)。体制を崩しながらも相手のわずかな隙をついたスパイクで、20ー15と先に20点台にのせると、再び徳留が強烈なバックアタック、そして小野がクロススパイクを決め、流れを再び掌握した。勢いそのままに、終盤に投入された板垣慧(政経4=京都・洛南)がクイックを決め、最高学年としてプレーでチームを引っ張る。最後は、梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)が鋭いスパイクをストレートに打ち込み、25-19でセットを連取した。

サーブを打つ梶村

 続く最終セット。序盤は小野が躍動し、キレのあるバックアタックや布台の二段トスから3枚ブロックも打ち抜く圧巻のスパイクで会場を盛り上げていく。今試合2本目のサービスエースも飛び出し、11ー6とリードを広げると相手はすかさずタイムアウトを要求した。タイム明け、佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がコートに入りチームを鼓舞すると、川野の高さのあるバックアタック、そして、麻野が相手の攻撃をシャットアウトする。終盤にさしかかり、途中出場の中上烈(スポ1=京都・洛南)が左サイドから鋭いスパイクを連続で決め、さらにはバックアタックも炸裂した。板垣のクイックも決まりマッチポイントとなると、麻野が前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)と息のあった速攻が決勝点となり、25ー17で見事勝利した。

ブロックの押し合いをする佐藤

 春季リーグ戦優勝から1ヶ月。3年生が主導する期間として練習を引っ張ってきた期間であったが、今日の2試合の中ではチーム力に少し綻びが見える場面もあった。しかし、個人としての実力はこの1ヶ月の中でも成長する姿が見られたと思う。チームとして声を出し続け、強い気持ちを持って試合にのぞむことができれば、どんな相手が来ても怖くないはずだ。明日、準々決勝の対戦相手は昨年の東日本インカレで敗北を喫した東京学芸大。勢いに乗らせると怖いチームではあるが、どんな相手でも基本に忠実に、悔いの残らないように挑んでほしい。

(記事 指出華歩、写真 井口瞳、町田知穂)

セットカウント
早大 25-19
25-19
25-17
東海大札幌
スタメン

アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

途中出場

前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
板垣慧(政経4=京都・洛南)
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)
佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
中上烈(スポ1=京都・洛南)

コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

ーー今日のチームの状況はいかがでしたか

 春季リーグ戦が終わって3年生を中心にチームを作ってきたのですが、3年生の甘さというか、これぐらいでいいやというのが見えていたので、そういうかたちで3週間過ごしてしまって、今日の試合でも取らなければいけないボールやコートの中でも落ちてしまうボールがありました。チーム作りが簡単にできるわけではないというのがわかったのではないかと思います。

ーー早慶戦では瀬川選手(桜輝、スポ1=宮城・東北)をスタートから起用していて大学バレーにまだ慣れていない印象ではありましたが、今日2試合ともスタートに起用した理由は

 セッターとして、人間として、そしていいリーダーシップを持っていると思います。スキルだけでなく、そういった人間性を持っている選手なので慣れていけば早稲田のバレーにぴったりハマるのではないかなと思います。将来的にも日の丸を背負えるのではないかと思います。

ーー途中で前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)に変えた理由はありますか

 4年生のチームで、前田も教育実習で自分のすべきことをちゃんとやっていたし、この大会への思いも話し合う中で知っていました。この先スタートとしてどちらが出るかはわからないけれど、いつでも出られる準備をしておいてほしいと話していたので、そこでしっかりと準備をしていたので最高学年としての役割を果たしていたと思います。

布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

ーー試合を振り返って

 (チームとしては)1試合目は、相手は昨日の1回戦ですでに試合をしていて、自分たちは初めての試合ということで入りが難しく、自分たちがやるべきことが出来ていませんでした。2回戦の山梨学院大との試合の時は、2セット目は、点差を離したのですが、3セット目が詰められる展開になって、1試合目と同じようにやるべきことができていなかったなというのが今日の印象です。

ーー個人のプレーを振り返って

 1試合目からフェイントを落としたり、触ったボールが相手コートに返ってしまっていたりなど、ミスが多くて上級生としてチームを引っ張らないと行けない立場なのですが、簡単なボールをミスしてしまっていたので、そこを切り替えて2試合目を取り組んでいました。最初からやらないとチームを引っ張れないのできっちりとやっていきたいなと思います。

ーーチーム全体的に2試合目の方が足が動いている印象でしたが、意識した点は

 1試合目から切り替えて、2試合目は、相手ではなく自分たちの準備をして取り組んだのが良かったのかなと思います。

ーー3年生主体期間として1ヶ月やってみてどうでしたか

 4年生の大変さや凄さがわかって、自分たちがいかにチームのことを考えられていないかが浮き彫りになりました。4年生を支える立場が不甲斐ない3週間を過ごしてしまったので、もう一度同期で話し合いたいなと思います。

ーー試合中には他のメンバーにもよく声をかけていたと思いますが

 凌吾さん(前田主将、スポ4=大阪・清風)が教育実習明けということで、試合にあまり出ていないのですが、そういった面で僕と啓(菅原、教3=山形南)と堅斗(麻野、スポ3=京都・東山)がチームを引っ張らないといけないところで、たくさん声をかけて後輩がプレーしやすくなるよう心がけました。

ーー次戦への意気込み

 去年負けた相手と対戦するので、去年の借りを返せるように今日からしっかり準備して頑張りたいと思います。