インカレが開幕! 一時は2点差を追い付くも 終盤に勝ち越しを許し、1回戦敗退に終わる

ニュース/女子ホッケー
全日本学生選手権 11月1日 東京・大井ホッケー競技場サブピッチ
 
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q
早大
関大
▽得点者
内田、石原
 
 

    1日、早大女子ホッケー部の全日本学生選手権(インカレ)が開幕した。10月まで行われた関東学生秋季リーグ(リーグ戦)で、創部史上初の2位となった早大。その勢いのまま臨みたいインカレの初戦で、関西第2代表の関大と対戦した。試合は第1クオーター(Q)に先制を許すと、第2Qにも追加点を奪われ0-2で前半を終える。その後も、なかなか流れをつかめない早大だったが、第4Qに立て続けに獲得したペナルティーコーナー(PC)から、FW内田遥子(政経4=埼玉・早大本庄)のゴール、さらにFW石原梨子(国教4=東京・実践女学園)の公式戦初得点が生まれ、2点差から一気に同点に追い付く。しかし、残り1分のところで再び相手に勝ち越し点を許してしまい、試合はそのまま終了。2-3で惜しくも敗れ、早大は初戦でインカレから姿を消すこととなった。


得点を喜ぶ部員たち

  序盤から、相手DFの背後を狙うパスを使い、攻撃の糸口を探る早大。4分には、そのパスを起点にペナルティーコーナー(PC)を獲得するも、MF山下天海主将(スポ4=京都・須知)のシュートは相手GKに阻まれ得点とはならず。すると、12分に逆にPCを決められ、リードされる展開となる。その後は、相手に主導権を握られるが、FB鈴木悠副将(スポ4=愛知・向陽)を中心とした粘り強い守備でそれ以降の失点を許さない。しかし、第2Q12分に再びPCを決められ、2点ビハインドで前半を折り返した。

ドリブルをする内田

 後半に入っても、主導権を握ったのは関大。早大は自陣深くまで押し込まれる時間が続くが、粘り強い守備で持ちこたえ、反撃の機会を伺う。一方の攻撃では山下の単独突破から相手ゴールへと迫るが、なかなかシュートシーンまで持ち込むことができない。それでも、第4Q7分にPCを獲得すると、これを内田が決め1点差に迫る。さらに9分にも続けてPCを獲得すると、混戦から石原が押し込み一気に同点に追い付く。この勢いのままに逆転へと向かいたい早大だったが、残り1分のところで相手にPCを与えてしまう。これを確実に決められ、土壇場で勝ち越しを許してしまうことに。再び同点に追い付くべく果敢に相手ゴールを狙うが、無情にもそのまま試合終了。2-3で敗れ、今年の早大のインカレは1回戦で幕を下ろすこととなった。

 3失点目後の部員たち

 「絶対勝たないといけない試合だった」(石原)。その言葉通り、試合終了のホーンが鳴った後の選手たちの表情には悔しさがにじみ出ていた。「(リーグ戦)準優勝というところで、関東を背負っている部分もあったと思う」(山下)と、リーグ戦で創部史上最高成績を収めたからこそ、期待感があった中でのインカレ初戦敗退は、消化不良に終わってしまった部分もあっただろう。それでも、第4Qでは一時同点まで息を吹き返した。「対策したバリエーションでしっかり決められたというところがすごい大きかった」と安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)。インカレという舞台でも、自分たちが準備してきたものを最後に発揮できたことはすごく明るい材料だろう。これで今季の公式戦は全て終わり、後は3週間後の早慶戦を残すのみ。「このチームで最後にしっかり勝ちたいと思う」と指揮官。笑顔でシーズンを締めくくれるよう、早慶戦での躍動に期待したい。

(記事 髙田凜太郎  写真  星野有哉  取材  湊紗希)

 

 

 

 

▽コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)
ーー今回のインカレの目標はどのようなものでしたか

    ベスト8というところで、今日の試合に勝つということを目標にしていました。

ーー相手の関大にはどのような印象がありましたか
   去年の王座でも対戦してはいて、経験者も多いチームではありますが、戦えると思って対策してきました。

ーー対策とはどのように具体的なものがありましたか
    キーになる選手をしっかりケアして前で(ボールを)取れるようにというところと、打ち込みに対してしっかり対応できるようにというところを話しました。

ーー対策は実際に功を奏しましたか
    もう少し前半のところで(相手のキープレーヤーを)囲めるところはあったと思うので、その早いタイミングで行ければ良かったかなというところはあります。打ち込みももうちょっと反応できるところもあったかと思うので、その辺課題かなと思います。

ーー得点も失点もPCからでしたが振り返っていかがでしたか
    失点については同じようなところを入れられてしまったというところがあって、かなり練習はしてきたのですが、向こうの方に一番良いところに打たれて入れられたというかたちでした。はい。攻撃については、うちはそんなに攻撃の確率がいつもは高くないのですが、今日は対策したバリエーションでしっかり決められたというところがすごい大きかったと思います。

ーー防戦一方だった前半から後半は敵陣でのプレー時間も増えましたが、ハーフタイムではどのような声掛けをされましたか

  (後半から)攻撃的なフォーメーションに変えるというところは前々から言っていて、2失点して、そこで攻撃的なフォーメーションに変えてから積極的に行こうということで話しました。

ーー最後に早慶戦への意気込みをお願いします

    早慶戦は点を取って勝つしかないと思っているので、このチームで最後しっかり勝ちたいと思います。

 山下天海主将(スポ4=京都・須知)

ーー試合の感想をお願いします

   今日は勝たないといけないと思っていた試合なので率直に悔しいです。試合から時間が経つにつれて、不甲斐ない試合をしてしまったかなという気持ちでいっぱいです。

ーー秋季リーグ戦では準優勝となりましたが、今日はどんな思いで試合に臨みましたか

   準優勝というところで、関東を背負っている部分もあったと思います。その分、自分たちでプライドを持ってやっていこうと試合前から声を掛けていたので、それが達成できずに悔しいです。

ーー今日のご自身のプレーを振り返ってみていかがでしょうか

   ボールを持てる方なので、チームの勢いをつけるために、自分が得点をとりたいなと思っていました。ドリブルでボールを運んで、最後シュートまで決めたかったのにできなかったので、みんなからすれば主将として頼りなかったかなと思います。悔しいですが、その分みんなが頑張ってくれてよかったです。

ーーこれが大学生活で最後の公式戦かと思います。4年間を振り返っていかがでしょうか

   私はホッケーが強い高校からスポーツ推薦で来たのですが、早稲田は初心者が多いチームで、レベルの差などから悔しい思いをしたことがありました。練習中に悩むことも多かったのですが、主体的にチームをつくれることを強みとして、4年間やってこれたので良かったかなと思います。

ーー最後に早慶戦への意気込みをお願いします

   早慶戦も勝たないといけない試合だと考えているので、早稲田のプライドをしっかり見せて、ラスト圧勝できるように頑張りたいと思います。

FW石原梨子(国教4=東京・実践女学園)
ーー試合全体を振り返っていかがでしたか
   前の代の時に(インカレで)関大には勝って2戦目に行けたので、絶対に勝たなきゃいけない試合でした。それでも、前半で得点が取れなくて、後半で追い上げられたのは良かったのですが、もう1点決められなかったのはすごく悔しいなと思います。

ーー途中からの出場でしたが、試合に入る時はどのようなことを考えて臨みましたか

  自分が(試合に)入ることで何かしらの流れ変えられたらいいなと思って入りました。

ーー同点に追い付く2点目を決められましたが、得点シーンを振り返っていかがでしたか

  自分が個人的に前の練習試合とかでもああいったシーンを逃していて、本番で決めなきゃと思っていたので、そこで決められて良かったです。

ーーー公式戦としては学生でのホッケー生活が一区切りというところだと思いますが、4年間の生活振り返ってみて、どんな 4 年間でしたか

  自分自身大学入学から初心者として(ホッケー部に)入って、加えて1年間留学に行っていたので、ブランクが多い4年間の部活でした。それでも、そこで迎え入れてくれる部活のみんながいたから戦い続けられた4年間だと思うので、最後のこの公式戦で2回戦に行けなかったことは悔しいなと思っています。最後の早慶戦でこれから挽回できたらいいなと思います。

ーー今もお話にあったように最後、早慶戦が残っていると思いますが、どのような試合にしたいですか

  完全に無失点で、得点だけ取って勝ち切りたいと思います。