攻撃的なバレーを展開し、天皇杯初戦を突破!

男子バレーボール

 全てのカテゴリーから代表チームが集結し、バレーボールの日本一を決める天皇杯全日本選手権(天皇杯)がついに開幕した。関東ブロックラウンドを勝ち上がり、本選への出場を決めた早大の初戦の相手は、V2所属のアイシンティルマーレだ。第1セットからサーブが走り、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)、OH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)を中心に得点を重ねていく。その後も攻勢を崩すことなく試合を進め、セットカウント2-0(25-22、25-19)でストレート勝利。2回戦へと駒を進めた。

 活気あふれる良い雰囲気で試合が始まった。水町がバックアタックを、OP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)が2段トスを決め切り、開始から3連続得点する。その後も、セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)が山田のパイプ、重藤のクロスと多彩な攻撃を組み立て、コンビネーション攻撃も冴(さ)え渡った。13-9と早大が先行する中、サーブを効果的に使い、山田のサーブを起点にブロック、水町の突き刺すようなスパイクと4連続ブレイク。リードを広げると、さらに途中からコートインしたMB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)がここまで息を潜めていたクイックを叩き込む。その直後に水町がバックアタックを決めるなど、前田のトス回しが光った。終盤に追い上げられたものの、焦ることなく25点目を奪い、セットを先取した。

トスを上げる前田 多彩な攻撃を引き出した

 第2セットは重藤に代わり、OP中島明良(法4=京都・洛南)がスタートからコートへ。リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)が体勢を崩しながらもセッターへとボールを返し、そこからバタついたラリー戦となった。何度もつなぎ甘く返ってきたボールをMB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)が押し込み、4-4。だが同点からは相手が流れをつかみ、追いかける状態が続いた。流れが変わったのは、前田の懸命なブロックフォローから。つなぎ続け、何度もトスを託された山田が決め切った。その山田にサーブ権が移ると、キレのあるサーブで守備から攻撃への糸口を生み、スピードに乗った水町がクロスにスパイクを突き刺す。さらにMB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)がブロックを決め、12-10と形勢逆転。その後も水町の軟打、山田の強打、前田のブロックと攻め続けた。終盤には、伊藤がCクイックをコートに叩き込み、試合の中でコンビの修正力も見せると、最後は中島が1枚ブロックでプレッシャーをかけ、相手スパイクはアンテナに。2セットを連取し、明日の2回戦、対堺ブレイザーズ戦への進出を決めた。

サーブを打つ山田 攻撃の起点を作った

 4年生にとっては負ければ最後、下級席にとっても来年へのスタートとなる今大会。それぞれの良さが発揮され、個々の強さがチームとしても機能した試合となった。明日の対戦相手はV1所属の堺ブレイザーズ。格上の相手には違いなく、どれだけ力が通用するのかは未知数である。だが相手がどんな強者であれ、早大はこの1年間の全てをぶつけ、挑戦者として立ち向かっていくのみだ。それがどんな結末になろうとも、その勇姿を最後まで見届けたい。

 

(記事 山田彩愛、写真 山田真由)

 

セットカウント
早大 25-19
25ー21
アイシンティルマーレ
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
芳賀雄治(商4=山形南)
岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
中島明良(法4=京都・洛南)
 
コメント

MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)

――今日は楽しんで試合をしていた印象でしたが、ご自身で振り返っていかがですか

 インカレ(全日本大学選手権)も終わって、ある意味無駄なプレッシャーも無かったので、本当に楽しんでプレーできたかなと思います。楽しいプレーをしようという話もしていたので、そういった部分では、3セットマッチでしたが、2-0で勝ち切れたっていうのが良かったのかなと思います。

――途中出場で入ったときにブロックが決まらなくて、すごく悔しそうな姿が印象的でした

 1年間を通して、僕の課題だったミスがそのまま出てしまったので、悔しかったところはありました。ブロックでは得点できませんでしたが、それ以外でのつなぎや攻撃、クイックで貢献できたかなと思っているので、良いイメージで攻撃はできました。

――クイック、決まっていましたね

 それまでに秋間(直人、スポ4=愛知、桜台)と吏玖(伊藤、スポ3=東京、駿台学園)が決まっていなくて、どういう風に(相手を)崩そうかというイメージも、相手を見ているところからできていたので、途中交代だからできたことかなと思います。

――来年の早稲田を担う下級生が多く出場していましたが、コートサイドから試合を見ていていかがでしたか

 ある意味楽しみなところとちょっと不安なところ…いろいろありますね。でも今日みたいに楽しくやってくれればいいのかなと思います。

――明日は堺ブレイザーズとの対戦となりますが、どこまでやりたいだとか、発揮したいという気持ちがありますか

 勝てるのであればもちろん勝ちにいきたいと思っています。今年1年間大学生相手にやってきたことが、V1相手にどこまで通用するのかというところで、ブレイザーズさん(堺)は格上なので、どこまで自分たちができるのかというところを最後確認したいなというか、しっかり挑戦したいなと思います。

 

OH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 久しぶりにスタートから出させて頂いた試合で、今のこのチームで合わせる時間も少なかったので、不安がちょっと大きかったのです。みんなで「とりあえず大学生らしくがむしゃらにやろう」と言っていたので、それをコートで少しは体現できたので、それはよかったかなと思います。

――ご自身のプレーについてはいかがですか

 序盤は攻撃の方でチームのためになる点数をあまり取れなかったのですが、中盤になるにつれて、高さなどの自分の良さを意識してスパイクを打ったので、明日の試合につながる良い2セット目になったかなと思います。

――インカレの準決勝で出場されたときは苦しかったと思いますが、今日に向けてどのように気持ちを作りましたか

準決勝のときは結構悔しかったです。自分の心の準備が、準備していたつもりでしたが、いざああいう状態でコートに入ったときに自分がしたいプレーをコートの中で体現できなかったのですごく悔しくて。なので、あまり気負わずにだけど、今日の試合に向けて気持ちの面での準備は仕上げてきたつもりです。

 

――今日はすごくサーブが走っていた印象でしたが、狙い通りに打てましたか

サーブは、自分のリズムで打つというのをすごく意識していて。体育館が結構違って、照明も見づらかったですが、ちょっと時間をおくなどして毎回自分のリズムでできました。相手のことを考えすぎずにまず自分のことをしっかりやるというのを意識していたら、結構サーブはよかったなと思います。

――今日はチーム全体がとても楽しそうに試合をしていましたが、振り返っていかがですか

4年生の方も2人くらい出ていましたが、メインとなるのは下級生チームで、来年度の前哨戦というか、来年度につながる試合だと思っていたので、それを暗くスタートする訳にはいかないし、全日本インカレでたつさん(大塚達宣副将、スポ4=京都・洛南)が試合に出ていたという悔しさもあったので、試合に出られることの喜びというのを、試合に出ると感じますね。

――明日の試合への意気込みをお願いします!

 おごりとかではなくて、自分の攻撃の面ではVの相手にも通用するというのが、この1年の自信になっています。明日はV1の上位チーム(が対戦相手)になるので、どこまで自分が通用するのかというのを試せる機会なので楽しみです。あとは、チームの雰囲気を明るく盛り上げられたらと思います。

 

セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は4年生が最後の大会なので、まずは明日の試合ができるように頑張ろうという話をしていました。僕としては良い状態でできて、クオリティとしても良かったんじゃないかなと思っています。チームとしても全カレが終わってから少し期間が空いて、明日の試合につながるようなゲームを今日できればいいなと思っていました。

――苦戦されていたクイックとのコンビですが、今日はCクイックなどがきれいに決まるシーンもありましたが振り返っていかがですか

 感覚は良かったですね。結構良いバレーができたんじゃないかなと思っています! センターを使うという点でも、良い場面でトスを上げられたのかなと思います。

――試合中に何度もトスのフォームを確認されていましたが、まだ馴染んでいないのですか

 感覚がまだハマっていないので、トスを上げてから「これは違ったかな」とかを考えて、次に同じボールが来た時のイメージを上げるためにもやっていましたね。

――4年生の中でも中島選手が第2セットをフルで出場されていました。本当にバレーボールが最後ということで、皆さん決めて欲しい気持ちが強かったのではないですか

 そうですね。明良さんは留学していて、途中から合流してもチームをまとめてくれて、助けてくれる部分も多かったです。トスを全く合わせてなかったのですが(笑)、スパイクミスをしたとしても、明良さんは雰囲気を落とさなかったり、違うことで取り戻してくれたりだとかしてくれていました。学年に関係なくああいう人が1人でも増えれば、来年の早稲田はもっと強くなるし優勝もできると思います。僕自身もリーダーになれるように、チームをまとめられるように頑張りたいと思いました。

――明日は格上の相手と対戦しますが、どこまでやりたい、発揮したいですか

 やっぱり最後なので、いつも言ってる全部出し切ることもそうですし、4年生が最後になるので、とにかく楽しんでやることです。

――明日の試合への意気込みをお願いします!

 明日は相手がVリーグなので、チャレンジして攻めることを忘れず、楽しんでバレーをしたいと思います!