MF安斎颯馬のFC東京への2025シーズン加入が内定!

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 12日、J1・FC東京はMF安斎颯馬(社3=青森山田)が2025シーズン加入が内定したことを発表した。現在の早大ではMF小倉陽太(スポ4=横浜FCユース)、MF植村洋斗(スポ4=神奈川・日大藤沢)に次ぐ3人目のプロ内定。3年生の中では、プロ内定第一号となった。

 チームの要として早大に欠かせない存在となっている安斎。主にサイドハーフやウイング、トップ下といった攻撃的なポジションを務めることが多いが、昨季はサイドバックなどフィールドプレイヤーとしてはセンターバック以外全てのポジションを経験した。そのポリバレントさに加え、泥臭いプレーもいとわない。前線からの守備などで、チームを助けるシーンもよく見られる。また、高校時代には高校サッカー選手権で得点王に輝いた実績も持ち、その攻撃センスや得点への嗅覚も抜群だ。安斎自身、中学時代はFC東京U15深川に所属。当時はFC東京U18への昇格はかなわなかったが、今回、実に6年ぶりに育ちのクラブへ帰還するかたちとなった。

 

 ゴールを決め喜ぶ安斎

 そんなかつて過ごしたクラブに対し、「戻りたい、戻りたくないということは正直あまり考えていなかった」という安斎。あくまでもフラットに考えた時に、「一番自分に合っているなと、ここなら自分が成長しうまくなれるな」と感じたクラブがFC東京であったのだ。それでも、ユース時代の先輩であるバングーナガンデ佳史扶や木村誠二といった選手が所属しており、「自分を知ってくれている選手がいることは、サッカーをやる上で大きいことかな」とポジティブな印象を持っている。加えてFC東京には、青森山田高時代の1つ下の後輩にあたる松木玖生も在籍している。高校サッカー選手権で活躍した2人の再共演も、楽しみな要素の一つだ。

 FC東京は現在J1で8位(第7節現在)。昨年から就任したアルベル監督のもと、ボールを愛するサッカーを志しているクラブだ。アルベル体制2年目となる今季は、ここまで調子がなかなか上がらずにいるが、我慢強くスタイルを貫き続け、常にJリーグ優勝争いを繰り広げるチームになることを目指している。

 FC東京の基本フォーメーションは4-3-3。そのため、ウイングやインサイドハーフ、またサイドバックでの起用が考えられるが、安斎は「どのポジションでもコンスタントにこなせるようにしたい」と自分の強みであるユーティリティ性を発揮すべく意気込む。

 実際にオフシーズンのFC東京のキャンプに参加していた安斎。その中で「球際や1対1など、自分のストロングポイントはプロでも戦えるのではないか」と一定の手応えを得たという。一方で、判断やプレーのスピード、一つ一つの意識のレベルの高さなど、プロと大学で大きな差を感じたところもあった。また、キャンプでは代表や海外での経験も豊富な長友佑都の調整に交じり、いろいろ話もしたという安斎。サッカー面はもちろん、長友も同じく大学出身ということもあり、大学の話や早大の現状を相談したりもしたそうだ。

 

9日の作新学院大戦(◯2-0)で、PKを決め喜ぶ安斎

 正式な加入まではまだ2年近くある中、安斎の目下の目標は、関東大学サッカーリーグで圧倒的な結果を残し、大学時からJリーグのピッチに立つこと。そして、チームを勝利や初のJリーグ優勝に導き、ゆくゆくは国を背負っていける選手になることを目指す。でもまずは、FC東京の下部組織出身でもある安斎が、青赤のユニフォームをまとい味の素スタジアムのピッチに立つ姿が楽しみだ。

(記事 髙田凜太郎、写真 藤田珠江、渡辺詩乃)

◆安斎颯馬(あんざい・そうま)

2002(平14)年9月29日生まれ。175センチ68キロ。青森山田高出身。社会科学部3年。関東大学サッカーリーグ、1部通算41試合出場7得点。2部通算2試合出場2得点。

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