早稲田大学系列校が東伏見に集合!学校の垣根を超えた交流の機会に

ア式蹴球男子

試合前にペナントを手にする選手たち

 14日、早稲田大学とその系列校のサッカー部が集まるWASEDA ASICS CUP 2023が4年ぶりに開催された。早稲田大学ア式蹴球部(ア式)の他、早大学院、早実、早大本庄、早稲田摂陵といった系列校のサッカー部が集まり行われた今大会。試合前には、早稲田大学応援部が駆けつけ『紺碧の空』や『コンバットマーチ』を披露し、場を盛り上げた。また開会式の最後に校歌を高校生・大学生・OB関係なく全員が歌い、まさしく「早稲田一色」という雰囲気の中、大会は始まった。

ボールを運ぶ戸部広大(スポ4=埼玉・早大本庄)

 今大会は各チーム総当たりの1試合20分というレギュレーション。初戦はア式と早大学院の対戦となった。大学生として実力の差を見せつけたいア式であったが、なかなか相手ゴールをこじ開けられず。スコアレスドローで1戦目を終える。それでも2戦目の早大本庄戦は、系列校出身のMF大橋優貴(社4=東京・早実)のゴールで1-0と勝利。3戦目の早稲田摂陵戦でも、DF藤本隼斗(スポ4=柏レイソルU18)のゴールなど見事な連携から得点を重ね、3-0と勝利を収めた。しかし4戦目の早実との試合は再び苦戦を強いられたア式。終始ボールを握り相手ゴールへと迫るが、ネットは揺らせず。0-0で試合を終えた。

相手と競り合う大橋

 4試合を終えて2勝2分と全勝とはならなかったア式。「自分がいた時よりも強いなと率直に思った」(大橋)と高校生のレベルの高さも痛感した。一方で「チームとして、切り替えや強度の部分を意識してやれていたところが多かった」(DF宮寺政茂(社2=東京・早実)とシーズン前に一定の手応えも得られた。早稲田大学とその系列校が集まる貴重な場となった今大会。高校生としても大学生のレベルを肌で感じることができ、ア式としても高校生のがむしゃらに向かう姿勢など、学ぶところが多くあった。これも早稲田大学という系列校というつながりの元、高校・大学関係なく早稲田の関係者が一度に集まる機会があったからこそだ。系列校と対戦することで、チームとしての手応えや課題、そして早稲田というつながりを再認識したア式。来たるシーズンに向けて、その完成度をより向上させていく。

(記事・写真 髙田凜太郎 写真 渡辺詩乃)

※学年は来年度のものです。

コメント

大橋優貴(社4=東京・早実)

――大橋選手自身も早稲田の系列校出身の中、自分がア式という立場になってのこの大会はいかがでしたか

 高校時代からこの大会や他の大学ともやらせてもらえる場があり、そういったのも含めて早稲田が全体で集まって試合をするという試合があったおかげで、ア式に入ってからも早稲田のブランドを長く背負っている分、早稲田に対する愛情を持って活動できているのかなと思います。

――出身校である早実との試合もありましたが、振り返っていかがでしたか

自分がいた時よりも強いなと率直に思いました。自分がいた頃は弱かったので、大学生相手にしっかりやれていて強いなと思いました。

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがでしたか

こういう場では大学生は憧れる対象になるべきだと思うので、そういったところでは今日の自分はまだまだ足りないところが多いなと思います。

――今年は4年生にもなり、大橋選手は新人監督に就かれましたが、下級生などをどのように引っ張っていきたいですか

自分としてはまず新人監督の仕事として1年生をしっかり教育して、入部に向けてというよりは1年間を通じて1年生が実際に4年生になった時の姿を想像しながら、自分たちの経験や考え方を伝え、今の1年生が4年生になった時に活躍できるような代になってほしいので、そこに対してアプローチしていきたいという思いもあります。それは1年生だけじゃなくて、2、3年生に対しても言えることで、陽琉(奥田陽琉、スポ4=柏レイソルU18)と一緒にアプローチしながら、どの代も4年生になったら自分たちの代と関わっていたから、指導があったから良い代になれた強くなれたと言ってもらえるような、活動をしていきたいと思っていてそれに取り組んでいる最中です。それと別に4年生として、背中で示さなきゃいけないところはあると思っていて、そこが自分を含め学年としての今シーズンの課題であると思っているので、シーズン始まってもう1カ月経ちましたし、公式戦も始まる中で、徐々にではなくすぐにでも変化を求められていると感じています。

戸部広大(スポ4=埼玉・早大本庄)

――WASEDA ASICS CUP 2023を振り返っていかがでしたか

 同じ早稲田を背負って戦っている身として自分達が力の差を見せたかったところではありましたが、なかなか20分の中で力を出し切ることができなかったと率直に思います。

――ご自身が早大本庄出身の中で今日は母校への戦いぶりはどう感じましたか

 やはり監督が声を張っているのとか、相変わらず監督の熱はすごく伝わってきたし、自分は実際一緒にプレーしたことない選手たちでしたが、母校として応援しているので見入ってしまった部分はありました。いい選手もたくさんいますし、陰ながら応援したいです。

――早稲田の系列校全部が集まって、応援部などもくる環境はなかなかないと思いますが、こういった機会を大切にすべきだと感じる部分はありますか

 そうですね。附属系列校として早稲田を背負って高校生から戦う中で、大学に入って早稲田のプライドは他の選手よりも必ず強いものがあると思うし、そうした思いは附属継続の人たちしか持っていないものだと思うので、そういう人たちが大学に入ってもサッカーを続けるいい機会だと思います。このようなことを継続していく中で、ア式に入りたいと自分自身も思う部分はあったので続けていくべきだと思います。

――高校の時に、この大会のことはどう思っていましたか

 自分は大学生相手にやってやろうという感情が強くて、どれだけ大学生に通用するかだったり、試す機会であったので自分の中ではポジティブな大会でした。

――ご自身の今日の全体的なプレーを振り返って

 ボールを持つ時間が長かった中で切り替えは意識した部分ではありましたが、ゴールに直結するプレーはあまりできなかったので、もう少しゴールに顔を出したり、もっとシュートを狙いに行くようなパスだったりを配球できたらよかったです。

――兵藤新監督(兵藤慎剛監督、平20スポ卒=長崎・国見)の新体制になって戸部さん自身も4年生最後の年をどのようにしていきたいですか

 まずはチームとして1部昇格を目指すのはもちろんですし、それぞれカテゴリーがあるのでその中でIリーグだったら全国大会出場、社会人リーグのFCは関東に昇格することを目指してやっていくので、結果として最後チームとしていいかたちで終えられたらなと思います。

宮寺政茂(社2=東京・早実)

――本日のWASEDA ASICS CUP 2023を振り返っていかがでしたか

自分は前まではあっち(高校)の立場だったので、大学としてやるというのは新鮮さがあって良かったなと思います。

――自分自身のプレーを振り返っていかがでしたか

チームとしては切り替えの部分や強度の部分を意識してやれていたところが多かったと思います。個人としてはところどころミスが増えたり、守備のところで強度を出せていなかったところは反省しています。でも攻撃のところこビルドアップはうまくいったと思います。

――無失点で終わることができましたが

基本的に自分たちが押し込んでいてボールを取られた後も切り替えの部分で奪えていたので、自分たちの陣地でほとんどやらせなかったというのは、大きかったのかなと思います。

――系列校の高校生と戦える場は貴重なところだと思いますが

ここのつながりは大事にすべきだなと自分たちは思っていて、ア式としても高校生ががむしゃらにやるところは学ぶところが多いのかなと思いますし、附属系列校の方も、大学の強度や切り替えのところのクオリティの高さを味わったと思うので、そこのところをお互いに学びにして次からやっていけるそういった機会になれば良いのかなと思います。

――シーズン開幕が迫ってきていますが、自身として成長したいところ実践していきたいことはありますか

今年から兵藤さんに監督が変わって、去年とかよりもより強度の部分や切り替えの部分にこだわってやっていると思うので、そういったところは自分の苦手な部分なのでそこを克服していけたらなと思います。