春関4日目 中盤に突入 

庭球男子

 関東学生トーナメント(春関)は4日目となったが、まだまだ早大勢が躍動した。相手が強豪だらけとなる中、早大は苦戦しつつも、好成績を収めた。

★女子シングルス

 はじめに行われた女子シングルス4回戦には5人が出場し、素晴らしい試合を見せてくれた。

 神鳥舞(スポ4=東京・早実)はその正確無比なコースで相手の良さを封じ込めた。さすがのコントロールで相手に隙を与えない。しかし、2セット目はプレーに疲れからか粗が見え始めた。ネットに嫌われ、得点を重ねられない展開が続く。ライン際のショットを上手く拾われるも、相手もネットにかける球が多くなる。ハイレベルな戦いが繰り広げられ、第3セットのタイブレークまでもつれ込む展開となったが、神鳥が見事に接戦を制した。金子さら紗(スポ2=埼玉・浦和麗明)は1-6と大差をつけられて1セット目を落としてしまう、厳しい戦いとなった。2セット目は連続スマッシュで相手を追い込み逆転するも、あと一本が出ない。肩を落とす場面が多く、タイブレークの末敗れてしまった。宮田萌芳(基理2=東京・雙葉)は堤華蓮(慶大)と相対し、因縁の早慶対決となった。序盤は追い込まれるシーンが多かったものの、4-5から3ゲームを連取し、ゲームをひっくり返す。「行けるよ」の声援に強く頷くなど、疲れが見え始めた相手に対して焦らず自分のペースに持ち込んだ。強い打球で相手の体勢を的確に崩し、リベンジを果たす大きな1勝となった。

★男子シングルス

 この日、男子シングルスでは4回戦が行われた。早大からは4人が出場。高畑里玖(社4=兵庫・相生学院)と山口柚希(スポ3=鹿児島・鳳凰)が明日の準々決勝に駒を進めた。白熱した戦いを見せたのは山口。強気の攻めでリードを奪い優勢に進めるも、終盤に逆転され、第1セットを落とす。勢いに乗る相手の高木翼(慶大)に第2セットを先行されるも、気迫のこもったプレーで山口も踏ん張る。今度は山口が終盤に連取して逆転し、試合を振り出しに戻した。最終セット、山口は衰え知らずの強烈なサーブで自身のサービスゲームをしっかりキープ。そして1ゲームリードして迎えた第10ゲーム、サーブアンドボレーで前に出てきた高木のボレーを山口は拾い続け、高木のミスを誘う。ここで流れをつかんだ山口はそのままこのゲームをブレーク。鮮やかな逆転勝ちを収めた。高畑は太田翔(明大)を危なげなく退けた。ロングラリーが続いた一戦となったが、高畑は正確なストロークを打ち込み続け、相手を前に出させない。主導権を渡さず、ストレート勝ちを収めた。一方、優勝候補の一角でもあった第7シードの池田朋弥(スポ4=愛知・誉)は中村元(筑波大)にストレート負けでまさかの4回戦敗退。永山寛基(スポ1=大阪・浪速)も鈴木久統(明大)に完敗し、4回戦で姿を消した。

★女子ダブルス

 女子ダブルスは3回戦が行われた。早稲田は2組が出場し、1組が明日の試合にコマを進めた。

 河野瑞生(文構3=東京・早実)と小畑莉音(スポ2=三重・四日市商)は1‐2とリードされるとそこからゲームを奪うことができなかった。相手の一糸乱れぬプレーを前に攻めあぐねねてしまう。厳しいショットを撃ち込まれ、浮いたクロスをたたかれてしまい、流れをつかむことができなかった。一方神鳥舞(スポ4=東京・早実)はシングルス同様ダブルスでも圧倒的な安定感を見せる。斎藤優寧(スポ3=岡山学芸館)も負けず劣らずの抜群の安心感で第1セットを落としたものの、巻き返し4回戦進出を決めた。

★男子ダブルス

 男子ダブルスで輝きを放ったのは永山・森田皐介(スポ1=福岡・柳川)の1年生ペアだ。前日に池田・清水拓弓(スポ4=滋賀・光泉カトリック)組との同校対決を制し、勢いに乗る2人はこの日、大西洋平 ・新井翼組(法大)と対戦。序盤は抜群のコンビネーションを見せる大西・新井組を前にストロークが次々前衛に捕まってしまう。ブレークを重ねられ、為す術なく第1セットを落とす。しかし、フレッシュな二人の本領はここから。強力なサーブによる森田の崩しに、この日2戦目の永山もその疲れを感じさせないプレーで応える。サービスゲームをしっかりキープすると、第10ゲームをブレーク。第2セットを奪い返し、セットカウントをイーブンにする。そして迎えた10ポイントタイブレークでは互いに一歩も引かない点の奪い合いに。最後は永山・森田組が押し切り、森田は応援に向けてこんしんのガッツポーズ。永山も肩を落としたシングルスから打って変わった晴れやかな笑顔でチームメートからの声援に応えた。高畑・山口組と田中瑛大(スポ4=神奈川・湘南工科大付)・吉野郁哉(スポ4=兵庫・西宮甲栄)組は共にフルセットマッチを制し、明日は直接相見えることとなった。

 

 まだまだ躍進を続ける早大の選手たち。白熱した試合を繰り広げ、感動を与えてくれる彼らは明日もまた勇姿を見せてくれる。

 

(記事・写真 大日結貴、星野有哉)

結果

女子シングルス
▽4回戦
●渡辺優夢 [5-7、0-6]鈴木渚左(明大)
○宮田萌芳 [7-5、6-2]堤華蓮(慶大)
○梶野桃子 [5-7、6-0、6-4]中島玲亜 (慶大)
○神鳥舞 [6-2、5-7、7-6(2)]中川原凜(山梨学院大)
●金子さら紗 [1-6、6-7(3)]沼野菜海 (亜大)

男子シングルス
▽4回戦
○永山寛基[1-6、1-6]鈴木久統(明大)
○高畑里玖[6-1、6-2]太田翔(明大)
●池田朋弥[1-6、1-6]中村元(筑波大)
○山口柚希[4-6、6-4、6-4]高木翼(慶大)

女子ダブルス
▽3回戦
○神鳥舞・斉藤優寧[2‐6 、6‐2、 10‐4 ]児山心美・齋藤瑠奈(亜大)
●河野瑞生・小畑莉音[1‐6 、4‐6 ]堤華蓮・大川美佐(慶大)

男子ダブルス
▽3回戦
〇永山寛基・森田皐介[1-6、6-4、10-8] 大西洋平 ・新井翼(法大)