【庭球部】200回を超える伝統の早慶戦 昨年春以来の優勝を飾る!

庭球男子

第201回早慶対抗試合 6月13日・14日 神奈川・慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷テニスコート

 昨年の秋に第200回を迎えた早慶対抗試合(早慶戦)。今年は気温が25度を超える中で行われ、伝統の戦いと呼ばれるにふさわしい試合を2日間に渡って見せてくれた。男子は1日目はダブルス3試合、2日目はシングルス6試合の計9試合が行われた。早大は6勝3敗で慶大を下し、男子優勝を果たした。

 初日の男子D3には、永山寛基主将(スポ4=大阪・浪速)、遊川大和(スポ3=岡山・関西)ペアが出場。1セット目から2人の息の合ったサーブとボレーのコンビネーションで順調にゲームを取っていく。ゲームカウント5ー4となり、永山のサーブゲームを迎える。このゲームのセットポイントをサービスエースで奪い、1セット目を獲得した。続く2セット目、「相手に流れがいきそうな場面がありました」と主将の永山が試合後に語ったように、ゲームカウント5ー6と追い詰められるが、遊川のサーブゲームをキープし、タイブレークにまで持ち込む。タイブレークでも気迫あるプレーで、ゲームカウント7ー6とし、慶大から2セット目も勝ち取る。「タイブレークも制したことで、2人とも勢いづいた」と永山・遊川ペアはこのセットの獲得で勢いに乗り、勝利のかかった第3セット目も、4ー3の場面から慶大にブレークを果たし、5ー3とする。流れに乗った永山・遊川ペアは、次のゲームでキープを決め、競り合った展開だったが、セットカウント3ー0のストレート勝利をチームにもたらした。「主将としてのプレッシャーもありましたが、仲間の力を借りて、勝利できてよかった」と試合を振り返った。

 D2には、前田優(スポ3=兵庫・西宮甲英)、本山知苑(スポ3=三重・四日市工)の昨年の早慶戦でもペアを組んだ2人が出場。第1、2セットを危なげなく連続で取り、迎えた第3セット。ゲームカウント4ー3のシーソーゲームとなった中、ポイントカウント40ー15から前田のノータッチサービスエースが炸裂(さくれつ)し、5ー3とリードを広げる。次のゲームは慶大にキープされるが、マッチポイントを本山のサーブからの前田のボレーショットで取り、3セット目も獲得。D3に続いて、D2もストレートでの勝利を飾った。

 第2コートで行われたD1は副将の森田皐介(スポ4=福岡・柳川)と全国高等学校総合体育大会のダブルス優勝経験もある、島笙太(スポ2=岡山・関西)が出場した。第1セットの序盤からスマッシュボレーなどのネットプレーを重ね、ポイントを取っていくが、慶大の巧みなプレーに苦しめられ、3ー6で最初のセットを落としてしまう。第2セット目は、互いのサーブゲームをキープし合う中、6ー5とリードを奪う。だが、慶大も意地を見せ、6ー6でタイブレークに持ち込まれる。このセットを落とせば、厳しくなる森田、島ペア。だが、タイブレークに入り、相手のミスを誘うプレーでこのセットを死守する。セットカウント1ー1で迎えた第3セットは、5ー6と追い込まれ、島のサーブゲーム。しかし、初日の他の試合が終わり、慶大側の応援の熱が増した重圧などからか、サーブミスを連発してしまい、このセットを5ー7で落とす。後がなくなった4セット目も、4ー5と追い詰められる。森田のサーブゲームだったが、痛恨のダブルフォルトなどでこのセットも落としてしまい、セットカウント1ー3で敗戦となった。早大は初日のダブルスを2ー1と勝ち越し、翌日のシングルスへ弾みをつけた。

 前日の暑さは残るが、曇り空が広がる中、男子シングルスが始まった。2日目の最初の試合となったS6は、JOCジュニアオリンピックのシングルス優勝経験もあるルーキー土海悠太(スポ1=岡山・関西)と慶大4年の古姓寛樹の試合となった。土海は序盤から安定感のある試合運びを見せ、ゲームカウント6ー1、6ー4で2セットを連取する。3セット目は4ー4から、古姓のサーブゲームを土海がブレークし、5ー4で勝利に王手をかける。次のゲームも集中力を切らさずに、6ー4とし、1年生ながらストレート勝利を果たした。

 S5には、昨日の敗戦の雪辱を果たしたい島が出場。1セット目の序盤から力強いフォアとバックのストロークを軸に5ゲーム連続で先取する。だが、そこから3ゲーム連続で落としてしまう。しかし、5ー3で迎えた慶大・戸邉悠真のサーブゲームを勝ち取り、6ー3で最初のセットをものにする。第2セットは、1セット目後半から流れに乗った戸邉が、序盤の4ゲームを連続で奪い、島を追い詰めるが、島も意地で4−5まで追い上げる。だが、最後は戸邉の威圧感に押され、4ー6でこのセットを落とす。3セット目も勢いに乗る、戸邉が連取。後が無くなった第4セット。島はスピードのあるサーブでサービスエースを奪うなどポイントを積み重ねるが、戸邉のシングルスライン際まで使うラリーに翻弄(ほんろう)され、ゲームカウント3ー6となり、セットカウント1ー3で敗北を喫してしまう。

 S4は、藤崎幹大(創理2=埼玉・早大本庄)と慶大テニス部男子主将の眞田将吾の戦いに。前半から白熱したロングラリーを演じた2人。藤崎は眞田を力強いストロークで左右に振り、ミスを誘う。5ー4で次のゲームを取れば、セットを先取できる場面。ここで眞田のサーブゲームを藤崎が値千金のブレークを果たし、6ー4でセットを先取。2セット目も互いに譲らず、5ー5で迎えた局面で藤崎のサーブゲーム。何としても取りたかったが、ブレークを許してしまい、ピンチとなる。だが、藤崎もブレークバックで6ー6とし、タイブレークに。タイブレークでも、高い集中力で主導権を握り、7ー6(2)でセットを連取。完全に流れをものにした藤崎は、第3セットでも躍動。5ゲームを連続で先取し、5ー0とする。続いての藤崎のサーブゲームも危なげなくキープし、ラブセットでセットカウント3ー0のストレート勝利。これでダブルスと合わせて4勝目となり、早慶戦優勝へ王手をかけた。

 早大優勝のかかった大一番のS3は篠原聖和(スポ1=神奈川・湘南工大付)が「これまで何度も対戦し、負け越している相手」と話した、同じく1年生の慶大・鈴木琉斗とのマッチアップ。序盤から互いに譲らず、第1セットからタイブレークまで進む、熱戦となる。タイブレークは「精神的にも非常に苦しい場面でしたが、自身の強みを生かしたプレーを最後まで貫くことができました」と試合後に振り返ったように、ポイントを取るごとに、篠原の感情を高ぶらせた雄叫びがコートに響く。ジュニアトーナメント優勝経験もある鈴木に一歩も引かず、タイブレークカウントを7ー4で1セット目をもぎ取った。2セット目も自身のプレースタイルである長身から繰り出されるサーブを武器に、6ー1でこのセットも獲得。運命の第3セットは、終盤5ー4の局面、鈴木のサーブゲームをブレークできれば優勝となる場面。だが、このゲームを取れずに互いにキープし、6ー5に。鈴木のダブルフォルトなどで15ー40となった、次の一球。篠原のレシーブを鈴木がコートに返せず、3ー0で勝利が決まると、「自分の勝利で早慶戦の優勝が決まる状況でもあり、非常に緊張していました」と早慶戦の重圧を勝利で跳ねのけ、篠原は手を広げて、勝利の喜びを体現した。この時点で早大は5勝を挙げ、第201回の早慶戦優勝が確定した。

 S2は安藤雄哉(スポ2=神奈川・湘南工大付)が登場。序盤からストレートとクロスに威力のあるボールを打ち分ける。だが、慶大・安藤も食らいつき、逆を突くリターンなどで応戦し、3ー6でこのセットを終える。2セット目の安藤は迫力が増し、一球、一球への気持ちを叫びに表し、前半から4ゲーム連続でものにするなど、6ー1でセットカウントを1ー1に戻す。3セット目も順調にゲームカウント6ー3でセットカウントを2ー1でリードを取る。勝利のかかる4セット目は、暑さと疲労からか、序盤に足がつってしまうアクシデントもあったが、ネットプレーなども駆使し、試合を支配する。この日の他の試合が全て終わり、早大庭球部の応援を一身に受け、プレーに臨む安藤。マッチポイントをコートの隅を突く、力強いストロークで決めると、勝利の雄叫びを上げた。

 S1は、本山知苑(スポ3=三重・四日市工業)と慶大・ジョーンズ怜音の初日のダブルスに勝利した、2人の対決となった。本山はコートを前後左右に広く使い、ラリーを組み立てる。だが、ジョーンズも針の穴を通すようなボールコントロールで本山を苦しめていく。本山も粘りを見せたが、ファーストセットを落とす。2セット目もジョーンズが本山を圧倒し、3ー6で追い詰められてしまう。何とか1セットを取りたい本山だったが、全日本学生室内テニス選手権大会の優勝者でもあるジョーンズに試合の流れを持っていかれ、セットカウント0ー3で本山のシングルスは敗戦となってしまった。シングルスは4勝2敗の成績となり、ダブルスと合わせて、6勝3敗で早慶戦の優勝を果たした。

 第201回目の早慶戦を勝利で飾った早大。主将の永山はチームの雰囲気を「1年生から4年生まで全員の仲が良く、活気あふれる賑やかなチーム」と語る。今回の早慶戦の優勝を弾みにし、ここから関東学生テニスリーグ戦での優勝や、大学対抗テニス王座決定試合に向かって突き進む。

(記事 永尾早渡、写真 川田真央、高橋彗人、永尾早渡、松田琳香)

結果

◯早大6ー3慶大●

ダブルス

D1●森田皐介・島笙太 1ー3(3ー6、7ー6(3)、5ー7、4ー6)眞田将吾・ジョーンズ怜音

D2◯前田優・本山知苑 3ー0(6ー2、6ー2、6ー4)鈴木琉斗・戸邉悠真

D3◯永山寛基・遊川大和3ー0(6ー4、7ー6(3)、6ー3)石島丈慈・安藤凱

シングルス

S1●本山知苑0ー3(2ー6、3ー6、2ー6)ジョーンズ怜音

S2◯安藤雄哉3ー1(3ー6、6ー1、6ー3、6ー1)安藤凱

S3◯篠原聖和3ー0(7ー6(4)、6−1、7−5)鈴木琉斗

S4◯藤崎幹大3ー0(6ー3、7ー6(2)、6ー0)眞田将吾

S5●島笙太 1ー3(6ー3、4ー6、2ー6、3ー6)戸邉悠真

S6◯土海悠太3ー0(6ー1、6ー4、6ー4)古姓寛樹

コメント

永山寛基主将(スポ4=大阪・浪速)

ーー今年のチームの雰囲気はいかがですか

 1年生から4年生まで全員の仲が良く、活気あふれる賑やかなチームです。

ーー試合を振り返っての感想をお願いします

 チームの主将として、最上級生として絶対に勝利を持ち帰らなければならないプレッシャーがありましたが、仲間の力を借り、普段以上のパフォーマンスを発揮することができました。結果もセットカウント3ー0で勝利することができて良かったです。

ーー試合の流れが変わったゲームやポイントはどこでしたか

 2セット目は相手に流れがいきそうな場面がありましたが、何とかサービスゲームをキープし続け、タイブレークも制したことで、2人とも勢いづいたと感じています。

ーー伝統の早慶戦にかける気持ちはいかがでしたか

 負けられない一戦で緊張感も多くありましたが、早慶戦(早慶対抗試合)特有の雰囲気をチーム全員で楽しむことができました。選手とサポートのどちらもがチーム一丸となり、戦えた2日間だったと感じています。

ーー今後の意気込みをお願いします

 早慶戦で勝利することができて非常に嬉しいですが、我々が目指すのはリーグ(関東学生テニスリーグ戦)、王座(大学対抗テニス王座決定試合)での優勝です。今回の早慶戦優勝をチーム全体の自信にし、約3カ月後のリーグ戦、そして王座で優勝できるようチーム全体で再度練習やトレーニングを重ね、精進したいと思います。今後とも早大テニス部へのご声援のほど、よろしくお願いいたします。

篠原聖和(スポ1=神奈川・湘南工大付)

ーー試合を振り返っての感想を教えてください

 自分にとって初めての早慶戦は、S3という立場で出場させていただきました。相手(鈴木琉斗、慶大)は同じ県出身で、これまで何度も対戦し、負け越している相手でした。また、自分の勝利で早慶戦の勝利が決まる状況でもあり、非常に緊張していました。しかし、結果はセットカウント3ー0で勝利することができ、とても嬉しく思っています。1年生という立場でありながらこのような大舞台で試合に出場させていただき、貴重な経験を積むことができたことに感謝しています。そして、日頃から支えてくださった監督(坂井勇仁、平31スポ卒=大阪・清風)コーチ、先輩方、同期、そして応援してくださった全ての方々に心より感謝したいと思います。今後もチームの勝利に貢献できるよう、一層努力していきます。

ーー試合の流れが変わったゲームやポイントはどこでしたか

 ファーストセットのタイブレークは、この試合の大きな分岐点だったと感じています。精神的にも非常に苦しい場面でしたが、自身の強みを生かしたプレーを最後まで貫くことができました。その結果、相手にプレッシャーを与えながら主導権を握ることができ、セットを取れたことが勝利につながったと考えています。

ーー伝統の早慶戦にかける気持ちはいかがでしたか

 歴史と伝統のある早慶戦に出場することが決まった際は、早大の庭球部を背負って、戦う責任を強く感じました。そして、とにかく一球一球に全力を尽くし、最後まで走り抜き、何としてでも1勝をもぎ取るという強い気持ちで試合に臨みました。

ーー今後の意気込みをお願いします

 このような貴重な経験を今後に活かし、強敵にこのスコアで勝ち切れたことを自信に変えていきたいと思います。そして、リーグ優勝、王座優勝という目標を達成できるよう、日々の練習に全力で取り組み、努力を重ねていきたいと思います。