【女子サッカー】ラストワンプレーで長谷川が勝ち越し弾!連敗を脱する/国士舘大戦

ア式蹴球女子

関東大学女子リーグ戦 後期第5節

2026年9月19日(土)18:00 Kickoff

@早大東伏見グラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 3 1 4
国士舘大 1 2 3

得点者

前半

8分 﨑岡由真

10分 佐藤あい奈(相手)

34分 田中沙羅

45分 福島茉莉花

後半

68分 柳原希帆(相手)

81分 狩野真穂(相手)

90+3分 長谷川和花

 ア式蹴球部女子(ア女)は、先週行われた関東女子選手権大会兼皇后杯JFA第48回全日本女子選手権大会関東予選(皇后杯予選)で敗れ、本戦出場を逃した。悔しい敗戦から1週間、関東大学女子リーグ戦(関カレ)が再開。今節は前期に苦戦の末引き分けた国士舘大をホームに迎え、チームの立て直しを図る一戦となった。試合開始直後から主導権を握ったア女は、前半だけで3得点。1失点を許したものの、攻撃で相手を上回り、2点をリードして試合を折り返す。しかし後半に入ると徐々にペースを失い、2失点を喫して同点に。それでも後半ATのラストワンプレー、DF長谷川和花(スポ1=埼玉・RB大宮アルディージャWOMEN U18)が劇的な勝ち越しゴールを決め、4-3で公式戦5試合ぶりの勝利を飾った。

決勝ゴールを挙げた長谷川

 序盤からア女ペースで試合が展開された。試合開始早々の8分、皇后杯予選からCBを務めるFW千葉梨々花主将(スポ4=東京・十文字)が、左足で縦へ鋭いスルーパスを供給。反応したFW田中沙羅(社1=岡山・作陽学園)がそのままバイタルエリアへ侵入してシュートを放つと、こぼれ球をFW﨑岡由真副将(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)が押し込み、先制に成功した。しかし直後の10分、相手に与えたFKからシュートを打たれると、GK田村亜沙美(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が一度は弾いたものの、こぼれ球を詰められて失点。同点に追いつかれる。それでもア女は慌てることなく、ボールを動かしながら攻撃を組み立てていく。迎えた34分、右サイドの﨑岡から左サイドの背後へロングボールが送られると、抜け出した田中が今度は冷静にゴールへ流し込み、勝ち越しに成功する。さらに45分、DF新井みゆき(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)のクロスからMF福岡結(スポ3=岡山・作陽学園)がシュート。相手GKが弾いたボールをMF福島茉莉花(スポ2=東京・十文字)が押し込み、リードを2点に広げた。攻撃陣が連動して次々とチャンスを生み出し、3-1で前半を終えた。

関カレ初ゴールを決めた田中

 後半開始直後の49分、MF米村歩夏(スポ3=宮城・聖和学園)のスルーパスに抜け出したMF三宅万尋(スポ3=東京・十文字)がGKとの1対1を迎えるも、シュートは正面で防がれる。60分には、左サイドからカウンター気味に右へ展開し、最後は新井がシュートを放ったものの、枠を捉えることはできなかった。ビルドアップからチャンスをつくっていたア女だったが、68分、自陣でのビルドアップのミスからボールをロストし失点。続く81分には、相手CKから田村が弾いたかに見えたボールはそのままゴールへ吸い込まれ、3-3。2点のリードを失い、同点に追いつかれた。それでもア女は最後まで勝ち越しを狙って攻め続ける。試合はATへ突入し、迎えた90+3分、ラストワンプレーでFKを獲得。米村がゴール前へクロスを送ると、こぼれたボールに混戦の中から反応したルーキー・長谷川が押し込んだ。ボールがゴールネットを揺らし、選手たちの歓喜の声がピッチに響き渡る。その歓声の中で、試合終了を告げる笛が鳴った。土壇場で勝ち越したア女が、4-3で激戦を制した。

3点目を決めた福島

 公式戦4連敗中と苦しい状況にあったア女だったが、試合の入りから高い集中力を見せ、一度は2点のリードを追いつかれながらも、最後は勝ち越しに成功。田村が試合後に語った、まさに「気持ちで押し込んだ勝利」をつかみ取った。これまで課題としてきた得点力不足に対し、4得点を奪えたことは大きな収穫である。一方で、セットプレーや自陣でのビルドアップのミスから3失点を喫した点には課題も残る。それでも、皇后杯予選敗退からの1週間で準備してきたものをピッチ上で示し、チームは立て直しへの一歩を踏み出した。次節は、前期に快勝した帝京平成大と対戦する。今節でつかんだ勝利を一過性のものにせず、連勝へとつなげられるか。シーズン終盤へ向けて再び勢いを取り戻したいア女の戦いが続く。

(記事、写真 髙橋彗人 取材 堤健翔)

※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません

劇的勝利を喜ぶ選手たち

早大出場メンバー

GK1田村亜沙美(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

DF2新井みゆき(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)

DF3杉山遥菜副将(スポ4=東京・十文字)

FW9千葉梨々花主将(C)(スポ4=東京・十文字)

MF28牧野生成(社1=大阪・大商学園)

→77分、DF26長谷川和花(スポ1=埼玉・RB大宮アルディージャWOMEN U18)

MF7米村歩夏(スポ3=宮城・聖和学園)

MF19福島茉莉花(スポ2=東京・十文字)

MF13福岡結(スポ3=岡山・作陽学園)

→87分、MF14望月美希(スポ3=INAC東京レオンチーナ)

FW25田中沙羅(社1=岡山・作陽学園)

→87分、FW29濵井小町(スポ1=福井工大福井)

FW10﨑岡由真副将(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)

FW11三宅万尋(スポ3=東京・十文字)

試合後インタビュー

野田明弘監督(平23スポ卒=サンフレッチェ広島ユース)

ーー今節に向けてどのような練習をしてきましたか

 今週からProライセンス(コーチ養成講習会の受講)で(直接指導しておらず)、汐華さん(熊谷汐華ヘッドコーチ、令1スポ卒=東京・十文字)としっかり毎日コミュニケーションを取りながら、練習メニューを組んでいただいてやったという形になります。練習の中身としてはメニーナ戦からの改善点である、キーパーからゾーン2(フィールドを3分割した時の中盤)までどうやったら前進できるか。メニーナ戦は、結局ロングボールが多くなって、ボールロストが多かったので、しっかりボールを動かしながら、中盤と最終ラインのスペースをうまく使いながらも、でももっとボールを大事にしながら前進するという改善と、あとはそこからアタッキングサードに入っていった時のゴール前のクロスの質やクロスへの入り方の改善を攻撃面では行いました。あとは守備のところでは、国士舘大さんが基本的にはしっかりロングボールを蹴ってくるというところとサイドの攻防の形になるので、そこの部分の対応をイメージしました。

ーー先制までの攻撃の流れは想定通りでしたか

 そうですね。全体で同じ絵を描きながら、相手との駆け引きだったり、質の部分でクオリティもあって、しっかり得点につながったかなという印象です。

ーー先制した直後にセットプレーから失点してしまいました。この場面を振り返っていかがですか

 失点は役割分担のところで、まず相手のキックに対しての準備はしっかりできていたと思いますけど、その後の二次攻撃ではそれぞれの役割がしっかりできていなくて、そこは改善点がはっきりしているかなと思います。ただ1-1になっただけで、時間もあったので、慌てずにやろうというところで、スタッフからの言葉もそうだし、選手のところでもそこはすり合わせができていて問題はなかったかなというところですね。

ーー田村選手や千葉選手からの声掛けが、90分間を通してずっと聞かれていました。これらは選手たちが自主的に行ったものですか

 そうですね、勝つためにやるべきことをそれぞれが体現したということかなと思います。

ーー異なる選手が得点を挙げたことに関してはどのように捉えていますか

 今年を通して、誰が出ても同じ絵を描きながら得点を奪うというところはずっとやってきたことで、もちろんメニーナ戦、東洋大戦の敗戦を学びにしてというところは大きいと思いますけど、そういうところの積み上げが、今日は出たかなと思います。

ーー前半を終えて2点リードでした。しかし、後半ではその差を追いつかれ、特に2失点目は自陣でのパス回しからのミスということで、やはりこのような失点は今後なくしていきたいですか

 そうですね。HTでも失点は0、むしろ追加点をしっかり取って、ゲームを決めようという話をしてました。相手がパワーを持ってくるとか、修正をしてくるということはもう分かっていたので、そこに対しての声掛けをした中で、相手のパワーを受けての自分たちのボールロストだったり、少し苦しい展開の中での失点になってしまったので、ゲームの流れを読む力というか、今は耐えなくてはいけない、しっかりロングボールをクリアして、相手のラインを下げるというところだったり、ここは丁寧に自分たちでマイボールにしながら、前進してシュートまで持っていくというところの部分だったり、あとは粘り強く戦うべきというサイドの部分での対人のところで、相手の方が勝っていた。それは多分自分たちのボールの失い方が悪くて、運動量が落ちたりとか、セカンドボールがなかなか拾えなくて運動量が落ちて、自分たちで苦しい状況になってしまった結果だと思うので、そこはスタッフとしての振り返りと、選手としての振り返りをしっかりすり合わせて、次の試合に向けて準備していきたいなと思っています。

ーーラストプレーでの決勝点についてはいかがでしたか

 4連敗というところだったので、国士舘大にしっかり勝ちたいという気持ちの強さと今までの敗戦の悔しさの学びが出た結果だったかなと思います。みんなが勝ちたいという思いと、負けた学びをしっかりプレーで体現してくれて良かったかな思います。

ーー次節への意気込みをお願いします

 来週しっかり勝つことができれば、インカレ出場がぐっと近づくと思うので、まずはしっかり勝利してインカレ出場を決めるというところと、やはり目標は日本一なので、常にそこを目指した基準で国士舘大戦をしっかり振り返ってトレーニングのところでやっていきたいなと思います。

 

GK田村亜沙美(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

ーー試合を振り返っていかがでしたか

前半1失点を許してしまったものの、しっかり複数得点で3対1というリードを取ったあと、後半を迎えた中で、やっぱり2失点を与えてしまったというのはキーパーとしてすごく責任を感じているし、改善しなきゃいけないポイントがたくさん残った試合ではあるんですけど、やっぱり最後まで選手全員が諦めずに、もう気持ちで押し込んだ勝利だと思うので、そこはしっかり喜びたいです。でも、やっぱり先ほど言ったように修正しなきゃいけないところはたくさんあるので、そこの課題とこのあと向き合っていきたいなというふうに思います。

ーー先週の皇后杯予選での敗戦から1週間を経て、チームの雰囲気が一つ変わったように見えました。この1週間でどのようにチームを立て直しましたか

もちろん戦術の部分もそうですし、「負けて学ぶのはもう終わり」って野田さんやキャプテンの梨々花がよく言葉で使うんですけど、本当にもう勝つために何ができるのかっていうのを、やっぱり選手みんなでミーティングをしたりとか、今週1週間の練習はもう本当に学生主体というところをより強調して、4年生中心にしっかり練習の強度を一個上げるところだったりとか、本当に日本一の基準っていうのを常に持ちながら、練習中はもう要求の声があふれていて、本当に全員が切磋琢磨し合って練習環境を作るからこそ、試合は自信を持って戦うとか、みんなで鼓舞しながら勝利に向かって突き進むじゃないですけど、やっぱりその内側から出る思いみたいなのがしっかりプレーに乗るようになってきたっていうのは、先週と比べて一つ成長した部分なんじゃないかなというふうに思っていて。しっかりそれができるように4年としていろいろなアプローチをとった結果が、しっかりこういう勝利という形で結びついたことにほっとしているし、自分たちは間違ってなかったなというふうに思えているので、素直にうれしいです。

ーー田村選手は試合を通して、常にコーチングや鼓舞の声が出ています。自分の声でチームを支えていく意識は強くありますか

前回の皇后杯のメニーナ戦を通して、自分の中でやっぱりチームがどれだけ勝つ雰囲気を持って戦えるかというところを考えた時に、自分の声の影響力、声が大きいというのもあるので、チームがより勝つために必要な声というのを自分の中で一つ改善した部分というか、やっぱり失点してしまってからどんどん自分たちは自信を失って、立て続けに失点というところはメニーナ戦だったり東洋大戦からの課題かなというふうに思っていたので、しっかり前を向いて切り替えて声をかけたりとか、いいプレーに対してよりフォーカスして声をかけたりというところを意識しました。あとは基本的に、自分たちの失点シーンがビルドアップミスからカウンター気味にやられる場面が今日もあったんですけど、そういうシーンがあった時に、ディフェンスラインを中心に吸収して、むやみに飛び込んで守備が崩れてしまうと、自分の守りたい守り方ができなくなってしまうというのがあるので、カウンターが来た時に、より焦らずに冷静に自分たちがどういうふうに守りたいのかというのを伝えながら、全員でゴールを守るというのを意識して声をかけました。

ーーチームとして4連敗していた中での勝利となりました。今後もリーグ戦は続き、その先にはインカレがあります。この先の戦いに対してどのように臨んでいきますか

しっかり4連敗というところを断ち切って勝利できたというところは、絶対にチームの成長につながるなというふうに思っていて、その勝ちをこれから続けてインカレの切符を勝ち取るためにも、やっぱり失点はゼロに抑えなきゃいけないなというのはキーパーとして強く感じた部分です。そのために、もちろん技術の部分だったりとか、味方とどういうふうにゴールを守るのかというコミュニケーションの部分だったり、やっぱり突き詰めなきゃいけないことがまだまだたくさんあるなと感じることができた今日の試合だったので、もちろん勝利は喜ぶんですけど、このゲームで感じた課題だったり、その修正ポイントにしっかり向き合うことが今後の関カレのリーグ戦だったりとか、インカレっていうところにつながってくるんじゃないかなと自分は思っているので、しっかり次の帝京平成大の試合も勝てるように、また全員で準備していきたいなというふうに思います。

 

DF長谷川和花(スポ1=埼玉・RB大宮アルディージャWOMEN U18)

ーー試合途中からの出場でした。ご自身の役割はどういったものでしたか

 ディフェンスラインに入ったので、まずこれ以上失点はしないというところと、もう勝ち切るというところが全てだったと思うので、そこで自分が1個試合の流れをつけるじゃないですけど、より勢いつけられるようにと思い、入りました。

ーーロングスローの場面が何度か見られました。ご自身では、ロングスローは武器ですか

 そうですね。元々そこまで自信があったわけではなかったですけど、大学に入ってロングスローをやりたいとなった時に(実際に)やってみたら、意外と飛んで、そこから最後の試合展開だったり、負けている状況の時には、できるだけ少しでも前に進めるように投げるよう意識してます。

ーー試合のラストプレーで決勝点を挙げました。あの場面を振り返っていかがですか

 まず自分が入った後に1失点をしてしまったという中で、どうしても今日はチームで勝とうとこの1週間しっかり取り組んできたので、キーパーの位置とかも何も見ずに、とにかく最後に足を振るというところを意識したので、それが最終的にゴールに入って、すごくうれしいです。

ーー次節への意気込みをお願いします

 ここで久しぶりにチームとして勝ち点3をつかみ取れたことはすごく大きいことですし、ここから連勝するかしないかですごく変わってくると思うので、インカレに向けてしっかり次の試合で勝ち点3、しっかりアウェーでつかみ取って、チームとして良い流れでインカレに向かっていければいいなと思います。

 

FW田中沙羅(社1=岡山・作陽学園)

ーー試合を振り返っていかがですか

 前半は、今週練習でやってきたことだったり、自分たちが積み上げてきたものを、自分がゴールという形で再現できて、チームの勝利に貢献できたことは良かったことだし、今までの試合で自分にできていなかったことだったと思うので、少し成長できたかなと思います。

ーー先制点の起点となるクロスについて、振り返っていただけますか

 1点目は、自分が裏に抜け出した時に由真(﨑岡由真)さんが右の方から走ってきているのが見えて、自分的にはあれはシュートでしたけど、結果的に由真さんが走り込んでくれていたから、そこを詰めてくれてゴールというかたちになって良かったなと思います。

ーーご自身の得点は抜け出しからのゴールでした。振り返っていかがですか

 逆サイドにボールがあるときに自分がダイアゴナルで抜けるという点は、チームで徹底してやってきたことだったので、自分の強みとチームでやってきたところを出せたことが得点につながったと思います。

ーー自陣の深い位置まで戻って守備をする場面がありました。このディフェンスはチームの戦術的なものですか

 逆サイドにボールがある時は、コンパクトにして守備するというところがア女の守備なので、右サイドにボールがある時も休むのではなくて、中盤のカバーだったり、中盤のケアのところを自分がやるために、走ることはずっと意識していました。

ーー関カレでのスタメン起用が増えている中で何か手応えはつかんでいますか

 自分が関カレに絡んで、負けが続いていたし、皇后杯(予選)でも自分自身も消極的なプレーが目立ったりとか、チームとしても勝てない状況が続いてきた中で、今日は積極的に前から仕掛けたり、守備で献身的に走ったりする中で、自分の流れをつくってシュート、ゴールのところまで持っていけたところは一つ自分の皮が剥けたかなと思います。

ーー次節への意気込みをお願いします

 チームとしては勝って修正というところを大事にしているので、今日の勝ちに慢心せずにまた明日から始まる練習で来週の帝京平成大戦に向けて勝つ準備を全員でしていきたいと思います。