決定機を得られず、悔しいドロー

ア式蹴球女子

 雲行きが怪しい中、関東大学女子リーグ戦(関カレ)第3節が行われた。ここまで2連勝と白星を重ねてきたワセダは、神奈川大戦でも順当に勝ちたいところ。しかし前半、相手に押し込まれシュートに持ち込むことができない。スコアレスドローで迎えた後半も、序盤は巧みなパス回しに翻弄(ほんろう)され、まさかのミスから先制点を許してしまう。その後、MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)がFKをヘディングで押し込み、同点弾を獲得。何とかドローで試合を終えたが、関カレ全勝を目指していたエンジイレブンにとっては手痛い結果となった。

 フォーメーションを変更し、4-4-2で挑んだ今節。立ち上がりから苦しい戦いを強いられる。攻撃が手薄になってしまう分を補うように、MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)を中心にワイドに張り出し、サイド攻撃を仕掛けていこうとする。しかし神奈川大の巧みなパスさばきで、なかなかボールを足元に収めることができない。24分には神奈川大のCKに直接ゴールを狙われてしまう。ボールはポストに当たり、何とか危ない場面を逃れたもののそこから悪いリズムに拍車がかかってしまった。43分には自陣のPA内で混戦を繰り広げられるなど、相手に攻め込まれてしまう。思うようにワセダのボール支配率を高められないまま、0-0で前半を折り返した。

三田村の華麗なFKが同点に導いた

 後半は、再び4-5-1のフォーメーションに戻し積極的に攻撃を仕掛けようとする。しかし、ドリブルで駆け上がってくる神奈川大に、シュートのチャンスを幾度となく与えてしまう。そして52分、DF大島瑞稀(社4=宮城・常磐木学園)からバックパスを受けたGK河邊花観(スポ4=宮城・常磐木学園)がDFラインを突いてきた相手にカットされ、先制点を奪われる。「意思疎通が取れていなかった」と大島は振り返ったが、あまりにも不本意なミスからの失点であった。しかしワセダはここから猛勢をかけていく。迎えた77分。MF三田村桃子(スポ2=宮城・常磐木学園)からのFKをゴール前で山本が合わせ、ヘディングシュートを放つ。見事にネットを揺らし、ついに待ちに待った1点を獲得。やっとの思いで均衡状態にまで持ち込んだが、勝利のためにはあともう1点、追加点が欲しい。だが、なかなかチャンスをつくることができないまま試合終了を迎えた。

ドローという結果に悔しさあらわにする選手たち

 何とか同点に追いついたものの、昨年は最終戦まで全勝であっただけに今節の結果は悔やまれる。「どんな状況でも適応できるようなメンタルとフィジカルが必要」と山本が語るように、チーム全体で鍛錬を重ねなくてはならない。関カレは中断期間に入り、間もなく迎えるは皇后杯関東予選。昨年は予選3回戦敗退と苦汁を味わった。初戦の相手は高校生といえども、「自分たちのサッカーをして勝たなければならない」(松川)の言葉通り、ワセダのスタイルを貫いて皇后杯本戦の出場権を勝ち取りたい。

(記事 新庄佳恵、写真 難波亮誠、栗村智弘)

スターティングメンバー

結果
関東大学女子リーグ戦第3節
早大 1 0-0
1-1
1 神奈川大
【得点者】(早)77山本(神)52根本
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 1 河邊花観 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 24 渡部那月 社1 兵庫・日ノ本学園
DF 4 大島瑞稀 社4 宮城・常盤木学園
DF 34 三浦紗津紀 スポ1 浦和レッズレディースユース
DF 14 菅原靖巴 スポ2 浦和レッズレディースユース
MF 10 正野可菜子 社4 兵庫・日ノ本学園
MF 7 高木ひかり スポ4 静岡・常葉学園橘
MF →60分 三田村桃子 スポ2 宮城・常盤木学園
MF 15 中村みづき スポ2 浦和レッズレディース
MF →70分 山本摩也 スポ4 スフィーダ世田谷
MF 6◎ 松川智 スポ4 大阪桐蔭
FW 11 川原奈央 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF →45分 熊谷汐華 スポ1 東京・十文字
FW 31 河野朱里 スポ1 静岡・藤枝順心
FW →75分 山田彩未 スポ1 ジェフ千葉レディースユース
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)

――ドローという結果に終わりましたが

自分たちのミスから失点してしまって、相手に先制を奪われ、苦しい時間というのが続いてしまいました。勝ちたい試合だったのですが、引き分けに終わって残念に思います。

――フォーメーションが4-4-2と変わりましたが、どのような作戦に基づくものですか

やっぱり守備を意識しないといけないということで、守備からしっかりやろうということでフォーメーションを変更しました。

――実際にそのフォーメーションで試合に入ってみて手ごたえというのは

まだフォーメーション変更については合わない点とかとあったと思いますが、それでも守備の意識は高くなったかなと思いました。

――松川選手は左サイドを張っている印象でしたが

左サイドから仕掛けて、中に入れたりシュートを打ったり、ということを考えていたのですが、なかなかゴールまでが遠くてそういうプレーにならなかったことを残念に思っています。

――なかなかボールが収まらず、シュート数が少なくなってしまいました

相手の方がシュートを打っているということを感じましたし、自分たちもシュートを打たなければならないと思っていましたがそこまでが遠くて、PA付近までっていうのが仕掛けることもできず、パスでつなげることもできずだったので崩していくようなかたちを徹底していかなければならないと思います。それから、シュートの意識っていうのを一人一人がもっと強く持たなければならないと感じました。

――後半はどのような作戦で試合に臨みましたか

守備の意識を高く持つことはもちろんのこと、中盤の枚数が多くなった分もっと前にかけて試合をしていこうという話をしました。やっぱりワイドに使うということは変えず、サイドに大きく展開していこうということを話しました。

――一旦関東大学女子リーグ戦(関カレ)の方が中断期間に入って、皇后杯関東予選が始まりますが、そちらに向けての意気込みをお願いします

まず、来週の修徳高校との戦いは高校生ということであまり情報がない中で自分たちのサッカーをして勝たなくてはなりません。高校生というのは動き回るサッカーだと思うので、それに対して自分たちも一勝を目指して頑張っていきたいと思います。

MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

神奈川大もワセダもどっちも2勝していて、得失点差では負けていたのでここで勝つことを目標としていました。3回試合が続いて疲労がたまっている中で、まずは結果を出すということを全体で話していました。結果は同点だったんですけど、相手に押されたり、ボールを回される時間が多かったりして、内容的には負けていたとまではいきませんが、相手にやられてしまったかなと思います。

――フォーメーションの変化については

いままでは4-2-3-1のフォーメーションでやってきましたが、今後強いチームと戦っていく中で、一つのフォーメーションだけでは対応できなくなったりしてきます。きょうは4-4-2でやったのですが、いつやっても適応できるようなメンタルとフィジカルを整えないと、きょうの前半のようにやられてしまうと思います。

――ベンチから見て前半の流れはいかがでしたか

数的不利な場所が、4-4-2というフォーメーションから生まれてしまったときに上手く対応できずにそのままずるずる下がってしまった部分もありました。攻撃に関しても、もう少しシンプルに、いままでやってきたことを違ったフォーメーションでもできれば違う展開になったと思います。

――途中出場されたときに何か監督から声をかけられましたか

思いっきりやってこいということと、点を獲ってこいと言われました。

――ゴール前にきたロングパスから、ヘディングでシュートを決めたときの瞬間を振り返ってみていかがですか

素晴らしいボールがきたので、最終的には厳しかったのですが、相手もこなかったしコースも見えていたので。ヘディングのシュートは普段はあまりないのですが(笑)入ってよかったな、それだけですね。

――2戦連続途中出場でのゴールですね

個人的な部分だと、やっぱりスタートから出たいし、90分戦いたいんですけど、そこは自分の実力不足だし、そういう現状をしっかり受け止めていきます。短い時間でもチャンスをもらえる立場なので、そこで結果を出し続けることで90分出ることのできるような選手につながっていくと思うので、結果を出し続けることですね。まずはチームが勝つことなので、そこに向かってやっていければいいと思います。

――最後に次の皇后杯関東予選に向けての意気込みをお願いします

去年は負けてしまって出られなくて、皇后杯関東予選の負けからチームが崩れてしまいました。関カレとインカレ同様すごく大事な試合なので、まずは結果を出すことと、もっとチーム全体が一つになって、大会を通じてまとまっていけるようになったらいいと思います。

GK河邊花観(スポ4=宮城・常磐木学園)

――今日の試合を振り返って

ケガから復帰して出させてもらったのにも関わらず、自分のミスから失点してしまったので、反省することばかりです。

――DFラインでボールを失ってピンチを招く場面もありましたが

いつもよりみんなの動きが少なく、DFも出しどころが無くて迷ってしまったと思います。そこはもう少し自分が高い位置をとって加わりながら動かしていけば、前ももう少し準備できてたかなと思います。

――守備面に関してどのような声がけをなさっていましたか

チームとして攻守の切り替えが遅かったというのが前節あったので、戻りの位置やリスクマネジメントの部分を注意して声をかけるようにしていました。

――失点にもつながったバックパスなど、DFとの連携はいかがでしたか

きょうはあまりとれていなくて、どこに出して欲しいかなど自分が伝えきれていなかった部分もあったので修正していきたいと思います。

――攻撃面に関しての声がけはありましたか

足が止まってしまうので、もっと動きを出そうとは言っていましたが伝わってなかったです。

――皇后杯関東予選に向けて改善点は

キーパーというポジションはミスしたらそれが失点に繋がってしまうので、安全第一という考えのもと判断していきたいと思います。

DF大島瑞稀(社4=宮城・常盤木学園)

――1ー1の引き分けという結果をどう受け止めていらっしゃいますか

ハーフタイムの時間に、大差で勝負はつかないと言われていたので、その通りといえばそうなのですが、悔しいです。

――最初の失点について、GKとの意思疎通が取れていなかったように見えましたが

意思疎通というか、ダイレクトで蹴って欲しいという思いはあったのですが、結果として失点につながってしまったということは、意思疎通が取れていなかったということになるのかなと思います。

――失点後、守備陣でどのように修正しましたか

修正というよりは、より集中したという感じですね。これ以上は失点できないという思いがやっぱりあったので。

――皇后杯関東予選が始まります。意気込みをお願いします

今日の試合は引き分けに終わりましたが、皇后杯予選では、相手も変わってくるので、切り替えて勝ちにいきたいと思います。

MF中村みづき(スポ2=浦和レッズレディース)

――きょうの試合はいかがでしたか

きょうは前半守りから入るかたちをとって、守備に関しては相手に決定的な場面を与えなかったのですが、攻撃の場面では持ち過ぎたりして、あまりいいかたちをつくれなかったと思います。後半は4-5-1に戻してやったのですが、攻撃に人数をかけられないまま、決定的なチャンスをつくれませんでした。

――前半4-4-2のようなかたちをとったなかで、中村選手は色々なところでボールをもらおうとしていたという印象でしたが

そうですね、試合前から監督にサイドハーフの裏のスペースに顔を出すように言われていたので、そのスペースを突くために積極的にパスを受けようと意識していました。

――後半はいつもポジションに戻ってのプレーとなりましたが

前半に守備を意識し過ぎて、それを引きずったままいってしまって、あまりいいかたちで攻撃に絡めませんでした。

――後半に交代された際、すごく悔しそうな表情をされていましたが、きょうのご自身のプレーには納得がいっていないということでしょうか

そうですね、前回も前々回も自分にとっては不本意な内容です。

――どのあたりが不本意なところですか

攻撃に関われないところですね。後半トップ下になって、自分がためをつくるように言われていたのですが、そういう場面もなく、点も取れなかったので、ほんとに申し訳ない気持ちです。

――自分たちのゲーム運びができない中で、なんとか引き分けに持ち込みました

自分と交代した摩也さん(MF山本摩也副将、スポ4=スフィーダ世田谷)が点を決めてくれて、そうやって交代選手が点を取ってくれるってことは、チーム全体のレベルアップができているということですし、個人的にはそういう選手達に自分も負けないようにしていかなければならないと思っています。チームとしては、もっと勝ちきれるようにならなければならないと思います。

――こういったゲームで引き分けに持ち込めるところがワセダの強さだと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか

確かにそうなのですが、勝たなければならない試合だったとも思います。

――次の試合は皇后杯関東予選となりますが、それに向けての意気込みをお願いします

まず練習でしっかりアピールして試合に出るということが重要ですし、試合では最近得点に絡めていないので、シュートを積極的に打って、点を決めたいと思います。

MF三田村桃子(スポ2=宮城・常磐木学園)

――ドローという結果に終わりましたが、試合を振り返ってみていかがですか

相手がこれまでと違うサッカーをしてきてるということは分かっていたのですが、最初に失点してしまってなかなか相手の嫌がるプレーをできなかったなと思います。

――三田村選手は後半からの出場でしたが、監督やコーチからはどのような声かけがありましたか

もう一人のボランチの選手を上げて、自分は守備を徹底するということで、展開を意識してピッチに入るように言われました。

――久しぶりの公式戦出場となりましたが、自身のプレーを振り返っていかがですか

点を取れたFKに関してはいつも練習してきた成果が出たと思うのですが、それ以外の部分に関してはハイボールへの対処など、途中交代してできることはたくさんあったと思うので、色々課題が残った試合だったなと思います。

――得点のきっかけとなった三田村選手のFKは綺麗に収まりましたね

みんながゴール前に集まっていた中で、摩也さん(MF山本摩也副将、スポ4=スフィーダ世田谷)が動き出したのが見えたので、摩也さん目掛けて蹴ったら点を取ることができました。

――今大会における自身の目標は

1分1秒でも多く試合に出ることと、チームのために自分ができることを考えて、関カレ優勝のために貢献していきたいです。

――来週からは皇后杯関東予選が始まりますが意気込みをお願いします

皇后杯関東予選も昨年は悔しい思いをしていて、自分が出られなかったという点でさらに悔しい思いもしたので、その分しっかりぶつけてみんなで皇后杯本戦出場の切符をつかみとりたいと思います。