関東大学春季大会 6月21日 対関東学院大戦 関東学院大・ギオンアスリートパーク
清水組が始まって以来、チーム一丸となって今日まで戦ってきた早大。現段階では関東大学春季大会(春季大会)の全試合に勝利しており、優勝は目前。振り返れば、これまで数々の苦しい局面を乗り越えてきた。そんな長い戦いも最終戦を迎え、関東学院大と対戦する。春シーズンを有終の美で飾りたい。

自らのスティールを仲間と喜ぶNO・8城
春季大会の前節はミクニワールドスタジアム北九州で行われた早明戦。福岡出身の選手にとっては特別な伝統の一戦となった。そんな九州の地でホイッスルが吹かれると、早速SO服部亮太(スポ3=佐賀⼯)が自慢のキックで地元のファンを湧かせる。しかし早大は自らの反則によりなかなか得点を奪うことができない。そして、服部のビッグゲインで生み出したチャンスも、ハンドリングエラーで失ってしまった。さらにその後、明大の速攻カウンターを受け、失点を許す。スコアは0ー5となり、昨年の苦い思い出が蘇った。しかし、今年の早大は徹底したディフェンスで追加得点の機会を与えない。すると35分、FL牧錬太郎(スポ3=神奈川・桐蔭学園)の起死回生のスティールが炸裂。またしても服部がキックで敵陣まで攻め込み、自らグラウンディングに成功する。SH⼤賀雅仁(スポ4=神奈川・桐蔭学園)のトライもあり、14ー5と勝ち越して試合を折り返した。後半は手に汗握るシーソーゲームが繰り広げられる。まず11分に早大がリードを広げるも、明大の強靭なフィジカルに屈し、連続してトライを奪われた。21ー17まで追い上げられた早大も負けじと反撃する。NO・8松沼寛治(スポ4=東海⼤⼤阪仰星)のロングゲインで敵陣深くまで迫ると、FL野島信太郎(教4=東海⼤⼤阪仰星)が全速力でボールに走り込み、トライラインを割った。それでも明大が王者としての意地をみせ、28ー24まで再び点差を縮める。早大は後半ラストの苦しい時間にも関わらず全員で走り続け、必死のディフェンスで粘った。そして、プレッシャーに圧倒された明大は思わずノックフォワード。その瞬間、ノーサイドのホイッスルが吹かれ、28ー24で全国大学選手権大会(大学選手権)のリベンジを果たした。明大という宿敵を撃破したことにより、大きく春季大会優勝に近づいた早大。そのままの勢いで、全勝で王者の座を目指す。

スクラムを見つめるSH大賀
昨年の大学選手権で、早大に敗れてから新チームが始まった関東学院大。秩父宮ラグビー場で涙を流した先輩からバトンを受け取り、今季も明大や筑波大などの強豪と必死に戦い続けた。そして、ようやく迎えた春季大会の最終戦。因縁の相手である早大と、半年ぶりに公式戦で相対する。そんな関東学院大の特徴は堅実な試合運び。きちんとFWでフェーズを重ね、ディフェンスラインに綻びを創り出してからBKが空いた外側のスペースを走る。そして、トライライン目前まで迫れば、安定感のあるモールで押し込む。基本に忠実なプレーで、確実に点を奪いにくるスタイルだ。このようなシンプルな試合展開では、ラック付近でのボールキャリアーとタックラーの1VS1のコリジョンが勝敗を分ける。しっかり接点の勝負で勝ち、ブレイクダウンに圧力を掛けて、ターンオーバーまで繋げるという一連の流れを早大は試合の中で組み立てていきたい。

鋭いステップを披露するWTB山下
早大の注目選手はNO・8城央祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)だ。献身的なプレーで、何度も強烈なタックルを繰り返す守備の要。安定的なパフォーマンスも魅力であり、特にセットプレーでは必要不可欠な存在である。城のディフェンスが輝けば、関東学院大が攻撃をする機会は極端に少なくなるであろう。そうなれば早大のアタックが活性化し、トライ量産体制に入ることができる。また、スーパーサブとしてチームに刺激を与えるであろうSH渡邊晃樹(スポ3=神奈川・桐蔭学園)にも注目したい。渡邊はクレバーなボール捌きを得意とする。常に最善の選択肢を考え、鋭いパスを放つ。攻撃のテンポを一段上げ、何度も味方のトライを演出してきたプレイヤーだ。後半の疲れた時間帯で投入されれば、関東学院大にとっての大きな脅威となる。早大が持つ起爆剤、試合の流れを変えるようなビッグバンに期待したい。

喜ぶ選手たち
対する関東学院大の注目プレイヤーはSO星遥大。細かいスキルのレベルが非常に高く、パス、ラン、キックの三拍子が揃ったチームの花形である。特に正確無比なコンバージョンキックは、どんな角度からでも美しい放物線を描く。さらに自慢のキックで裏を狙いにくる場面は多く、油断のならない選手だ。一方で早大も長距離砲である服部がSOを務めるため、両者のキックゲームは白熱することが予想される。またWTB山川誠人にも警戒したい。星に次ぐキッカーであり、キック処理における安定感がある。そして自陣でインターセプトに成功した際に、自らのキックでカウンターを仕掛けるという貪欲さも過去に見せた。しかし、1番の強みはBKのサインプレーにおける連携である。味方と阿吽の呼吸でパスを繋ぎ、得点を生み出してきた。このような1人1人の細かい技術が相乗効果となり、チームとして強大な力を発揮する。可能性を秘める関東学院大に対して、早大は圧倒的なディフェンスで一歩も進ませたくないところである。

ライン際を駆け抜けるFB髙野
これまで高いレベルのプレーを期待され、それに応えてきた早大。春季大会の全試合で勝利を掴んでおり、去年逃した優勝に王手がかかっている。しかし全勝とはいえ、簡単な試合は1つも存在しなかった。何が何でも1勝が欲しい関東学院大は、死に物狂いで喰らいついてくるであろう。だからこそ今節は、完璧な試合内容で結果を残し、名実ともに王者であることを証明して欲しい。
(記事:池田健晟 写真:大林祐太、伊藤文音)
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