第65回関東大学新人戦 6月8日 東京・代々木第二体育館
前日の山学大との試合をわずか5人で制し、5位決定戦に駒を進めた早大。5日間の戦いはついに最終戦を迎えた。5位決定戦の相手は専大。関東1部の強豪と対戦した。試合は最初に早大が先制するものの、その後は拮抗した展開。勝負の行方はクラッチタイムにもつれたものの、早大がわずかに届かず72―76で敗戦した。早大は最終的に6位。個人賞では小泉広翔(商2=京都・東山)がアシスト王に輝いた。
先日の快勝の勢いそのままに、試合開始直後から早大の長距離砲が火を噴いた。木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)が3Pシュートとミドルジャンパーを立て続けに決めると、羽鳥景親(創理2=東京・早実)もコーナースリー。序盤から攻勢を仕掛けた早大が8―0のランで最高のスタートを切った。それでも対するは強豪・専大。ディフェンスを改善した相手を前に得点が止まり、絶対に許したくないバスケットカウントを献上する。徐々に点差が縮まっていき、第1Qは18―17の1点リードで終了した。
続く第2Q、開始直後にいきなり3Pシュートを被弾し逆転を許すものの、木佐貫凌汰(社1=東京・早実)や木村が速攻から得点し、試合はワンポゼッションゲームが続く。中でもオフェンスを引っ張り続けたのは木村。ファウルを誘う巧みなドライブと高精度な外角のシュートでスコアを続け、このQ11得点を挙げる活躍を見せた。しかしファウルが許されない早大は相手のドライブから失点を重ね、3点リードの僅差のまま前半終了。選手たちは当然休みなし、フル出場の戦いを続けている。

ドライブを仕掛ける木村(早稲田大学男子バスケットボール部提供)
試合は第3Q、藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)が躍動する。ゴール下で活躍を見せる専大のアピアパトリック眞(2年)をブロックで止めると、続けて好調の長距離砲がさく裂。2本の3Pシュートを沈め、リードする展開が続いた。しかし残り7分から連続バスケットカウントを許すなど0-12のランを作られ、逆に7点のビハインドを負った早大。タイムアウトから修正を図った。すると早大はディフェンス強度を取り戻し、点差を詰めていく。木村、藤山の連続フロアダイブからポゼッションを勝ち取ったプレーにはベンチ、スタンドも大きな盛り上がりを見せた。残り20秒には羽鳥がオフェンスリバウンドから得点したものの、最後に3Pシュートを被弾して53ー57で第3Qを終了。4点ビハインドの第4Qに逆転を期す。
そして迎えた今大会最後の10分間、開始直後は専大の長距離砲に苦しみ、ビハインドが8点に広がる。それでも小泉、藤山の2年生がしぶといスコアリングでくらいつくと、羽鳥のバスケットカウント、木佐貫のドライブでついに同点。残り1分54秒を残し、両校が横一線にならんだまま試合はクラッチタイムへ突入する。しかし2点ビハインドで迎えた残り20秒、ボールを託された小泉が放ったミドルシュートは惜しくもリングに嫌われた。そのままファウルゲームでも追いつけず、72ー76で試合終了。悔しい敗戦となったが、40分間をフルに最後まで戦い続けた選手たちに会場中から大きな拍手が送られた。

レイアップシュートを放つ藤山(早稲田大学男子バスケットボール部提供)
新人戦をわずか6人、最後の2試合はなんと5人でプレーし続けた早大。厳しい状況でも5連戦を戦い抜いた選手たちは、見る者に強烈な印象と感動を与えた。中でも藤山は5試合を200分のフル出場。F松本秦(スポ1=京都・洛南)の離脱後はチーム唯一のビッグマンとなった中、懸命なプレーでチームを支え続けた。また、今大会の主将を務め、司令塔として引っ張った小泉はアシスト王を獲得。小泉も帝京平成大戦のファウルアウトを除けばフル出場を続けた。今大会で6位に輝いた早大は、全日本大学新人戦(新人インカレ)に出場する。全日本の舞台で早稲田の強さを証明し、またバスケ界に強烈なインパクトを残したい。7月に迎える真夏の決戦。早大の未来を担う若武者たちは、また代々木へ舞い戻る。
(記事:石澤直幸 写真提供:早稲田大学男子バスケットボール部)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 18 | 22 | 13 | 19 | 72 |
専大 | 17 | 20 | 20 | 19 | 76 |
◇早大スターティングメンバー◇
#8 G小泉広翔(商2=京都・東山)
#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)
#24 G木佐貫凌汰(社1=東京・早実)
#26 G羽鳥景親(創理2=東京・早実)
#32 G木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)