投手陣が精彩欠き7失点 小澤・田村に本塁打も終盤に逆転許しまさかの敗戦/法大2回戦

野球

東京六大学春季リーグ戦 4月27日 神宮球場

TEAM 合計
法大
早大

◆バッテリー

宮城、越井、●香西、田和ー吉田瑞

◆二塁打

尾瀬、宮城

◆三塁打

なし

◆本塁打

小澤(1号2ラン)、田村(1号2ラン)

 前日の試合を12安打11得点の圧勝で飾った早大。2カード続けての勝ち点獲得を目指し、法大との2回戦に臨んだ。先発の宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)は6回2失点のピッチングで試合を作る。打線は初回に小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)、3回に田村康介(商4=東京・早大学院)がそれぞれ2点本塁打を放ち、6回までに3点のリードを奪った。しかし、宮城の後を受けた早大救援陣が相次いで失点。8回に逆転を許し、今季初の敗戦を喫した。

 早大のスターターを務めたのは今季初先発となる宮城。初回から相手1、2番の藤森康淳(3年)と境亮陽(1年)に連打を許し、無死一、二塁のピンチを招く。相手のバント失敗と走塁ミスに助けられ2死三塁とするも、今泉秀悟(2年)の適時左前安打で先制点を献上した。3回も先頭の藤森に死球を与えると、盗塁と送球エラーで3塁への進塁を許す。続く境にも四球を与えると、熊谷陸(2年)の右前安打で2失点目。その後は立ち直りを見せて6回2失点と試合を作ったものの、なかなか空振りを奪えない苦しいピッチングに終始した。

今季初先発となった宮城

 先制を許した早大打線は初回、先頭の尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が左越二塁打で出塁すると、小澤主将がライトスタンド中段に突き刺さる2点本塁打。打った瞬間に分かる確信弾ですぐさま逆転を果たした。同点に追いつかれた後の3回は寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)が内野安打で出塁し、ここまで今季打率1割台と苦しむ田村を迎える。カウント2-2から甘く入った直球を振り抜くと、打球はレフトスタンドへ。リーグ戦初本塁打となる2点本塁打で勝ち越しに成功した。5回も渋谷泰生(スポ4=静岡)の四球、小澤主将と寺尾の連打で無死満塁のチャンスを作り、続く前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)の併殺打の間に1点を追加。さらなる追加点は取れなかったものの、前半5回で3点のリードを奪った。

1回に2点本塁打を放った小澤主将
3回に本塁打を放った田村

 しかし7回、宮城の後を受けた越井颯一郎(スポ3=千葉・木更津総合)が四球とヒットで2死一、三塁のピンチを作り、フルカウントから今泉の2点適時二塁打でリードを1点に縮められる。続く8回のマウンドを任された香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)もピリッとしない投球。先頭の只石寛太(1年)を二塁打で出塁させると、二死から藤森にレフトオーバーの二塁打を浴びて同点を許した。さらに続く境の大飛球が左中間を襲う。センターの尾瀬が懸命に打球を追いかけるも、グラブの中には入らず。適時三塁打となり逆転を許した。

 追いかける展開となった早大だったが、9回には田和廉(教4=東京・早実)が今泉に本塁打を被弾。打線も8回から登板した永野司(4年)の前に攻略の糸口をつかめず、三振の山を築かれた。最後は尾瀬の安打で2死一塁とするも、渋谷が二ゴロに倒れ、7-5で試合終了。引き分けを挟んで続いていた法大戦の連勝が7でストップした。

8回途中から登板した田和

 不振にあえいでいた2人に本塁打が飛び出したものの、早大自慢の救援陣が打ち込まれてまさかの逆転負けを喫した。運命を決する3回戦はエース・伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)の先発が予想される。昨年の早大は3回戦で5戦全勝を記録しているが、その原動力は間違いなく伊藤樹の存在であるだろう。対する法大は1回戦で先発した野崎慎裕(4年)が本日も救援で登板しており、投手起用が不透明な状況だ。3連覇に向けてここで勝ち点は絶対に落とせない。無類の強さを誇る3回戦でリベンジを誓う。

(記事 石澤直幸、写真 竹田朋矢)

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早大打者成績

打順 守備 名前
(中) 尾瀬雄大 .389 左2 四球   二ゴ     中飛   左安
(遊) 渋谷泰生 .353 見三 中飛     四球   中安   二ゴ
(二) 小澤周平 .389 右本   右飛   遊安   遊安    
(左) 寺尾拳聖 .533 四球   遊安   中安   右飛    
(一) 前田健伸 .250 四球   中飛   二併     見三  
(三) 田村康介 .188 右飛   左本   三ゴ     空三  
(右) 石郷岡大成 .214   右飛 見三     二ゴ   三直  
(捕) 吉田瑞樹 .154   空三   空三   投ゴ     空三
(投) 宮城誇南 1.000   左2   中安          
  髙橋海翔 .000           右飛      
  越井颯一郎                  
  香西一希                  
  田和廉 1.000                  
  松江一輝 .000                 空三

早大投手成績

名前
宮城誇南 0.90
越井颯一郎 6.00
香西一希 0 2/3 6.75
田和廉 1 1/3 4.91

コメント

◆小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)

ーー今日の試合を振り返って
 ホームランを2本打って、(5回に)健伸(前田健伸副将、商4=大阪桐蔭)の併殺の間に1点取ったという面では良い形で点を取れていたと思います。ただ、監督(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からも指摘があったのですが、あそこでヒットなどでもう1点取れていたら、打撃の面は変わってきたのではないかと思います。あとはピッチャーがしのぎきれなかったことが今日の敗戦につながっていると思うので、明日は、投手陣と協力してやっていきたいと思います。

ーー小宮山監督の指摘というのは、ヒットに限らず、ということでしょうか
 そうですね、ただ、勝っていればあの1点が大きかったと言えるし、負けたらあそこでもう1点取れたよね、というように結果次第にはなってしまうと思います。そうですね、あそこでの1点っていうのが悔やまれるところではあります。

ーー自身は本塁打を放ちましたが、感触については
 コンパクトに逆方向を狙って打っていったのですが、甘い球が来て、振り抜いた結果、良いところに当たってくれたので、行ったかな、という感触はありました。

ーー先日から使われている魚雷バットとの相性は
 芯がちょっとグリップ寄りにあるので、ヘッドが立ちやすいです。自分の中でヘッドが立ってる時は調子がいい時で、バットで強制的にヘッドが立ってくるのでそこはマッチしていると思います。

ーー明日の法大3回戦に向けて意気込みを
 今日も悪い試合ではないですし、普通にやればいい結果が出てくると思うので、今日は切り替えて、しっかり休んで明日に向けてやっていきたいと思います。