田和が初先発・初勝利 17安打13得点の猛攻で圧倒し勝ち点獲得/東大2回戦

野球

東京六大学春季リーグ戦 4月14日 神宮球場

TEAM 合計
早大 13
東大
 

◆バッテリー

田和、宮城-吉田、黒﨑

◆二塁打

寺尾、前田健、寺尾、吉田瑞、尾瀬、岡西

◆三塁打

前田健、前田健

◆本塁打

なし

 前日の雨天中止を挟み、東大2回戦を迎えた早大。寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)の適時二塁打などで初回から先制すると、終盤まで攻撃の手を緩めず、計13得点の大勝。渋谷泰生(スポ4=静岡)がこの試合4盗塁を記録するなど、積極的に足を使ったプレーも目立った。リーグ戦初先発を果たした田和廉(教4=東京・早実)は、5回7奪三振と持ち味を発揮したものの、課題も見つかる内容となった。

 先攻の早大は初回、渋谷が失策により出塁すると、寺尾が左中間への適時二塁打を放ち、この日も先制に成功する。さらに前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)のライトへの適時三塁打で2点目を奪った。続く2回、石郷岡大成(社3=東京・早実)は四球で出塁すると、二盗に失策も絡み一気に三塁へ。8番の吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)のライトフライが犠飛となり、序盤に3点を奪うかたちとなった。

先制打を放った寺尾

 この日マウンドに上がったのは、リーグ戦初先発となる田和。これまでリリーフでの登板経験しかない田和だが、初回を3人で終えると2回は三者連続三振。3回も三者凡退に抑え、ほぼ完璧な立ち上がりを見せる。しかし4回、死球で先頭打者を出すと、安打と犠飛で1点を失う。5回には4安打を許し2失点と、後半は苦しいピッチングとなった。

先発の田和

 早大打線が再び火を吹き始めたのは5回。渋谷の内野安打に続き、小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)が今季初安打となる中前打を放つ。小澤主将は二盗を試み一度はセーフになるも、今季から東京六大学リーグ戦に導入されたビデオ検証を東大が要求し、判定はアウトとなった。それでも寺尾が死球で出塁すると、前田健副将の適時二塁打で2点を追加。6回、代打の清宮福太郎(社4=東京・早実)が失策により二塁に到達すると、尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が右前打でチャンスを広げる。ここで早大は小澤主将が掲げるテーマ、「走塁改革」の成果を見せる。尾瀬の二盗の間に清宮の代走・山口力樹(スポ4=早稲田佐賀)が本塁を陥れると、さらに、右前打で続いた渋谷の二盗と同時に、尾瀬がホームスチール。続けて重盗を成功させた。

重盗で生還した尾瀬。この日はチーム合計10盗塁を記録した

 寺尾の適時二塁打もあり6回に3点を追加した早大だが、終盤もその勢いは止まらない。7回、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)がレフトへ今季初安打となる二塁打を放つと、守備から途中出場した岡西佑弥(スポ3=智弁和歌山)が中前適時二塁打で走者をかえす。打順トップに戻り尾瀬が右越え二塁打で再びチャンスメイクすると、岡西は渋谷の遊犠飛で、尾瀬は小澤主将の内野安打で生還しこの回も3得点。8回には前田健副将の右越え三塁打から連続四球で無死満塁とすると、前田健副将は本塁封殺となったものの、岡西がセンターへ2点適時二塁打を放ちダメ押しの2点を追加。早大は計17安打13得点の猛攻を見せた。

7回、適時打を放った岡西
この日2本の三塁打を放った前田健副将

 田和に代わる2番手には、昨年第二先発を務めていた宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)が登板。安打1本も許さず、4回7奪三振の圧倒的な投球を披露する。最終回は三者三振と東大打線を全く寄せ付けず、今季も先発候補に名乗りを上げた。

 東京六大学野球連盟結成100周年の今年、記念すべき開幕カードを連勝で飾った早大。再び頂点に立つための1歩目となる勝ち点1を獲得した。次戦以降も投打で相手を圧倒し、昨季春秋覇者の風格を見せつけたい。

(記事 田島凜星、写真 西本和宏)

※写真は早スポ野球班の公式Xインスタグラムでもご覧いただけます。

早大打者成績

打順 守備 名前
(中) 尾瀬雄大 .400 一ゴ 二ゴ   一ゴ   右安 右2 左飛  
(遊) 渋谷泰生 .375 三失   四球   遊安 右安 遊犠   右飛
  打遊 大内碧真 .000                 右安
(二) 小澤周平 .300 一ゴ   右飛   中安 二ゴ 二安    
(左) 寺尾拳聖 .429 中2   四球   死球 左2 遊飛   二失
  打左 松江一輝 .000                  
(一) 前田健伸 .444 右3   二飛   中2 三ゴ   右3 空三
  打一 髙橋海翔 .000                  
(三) 田村康介 .143 遊ゴ   空三   四球 中飛   四球 四球
  宮城誇南                 中飛
(右) 石郷岡大成 .333   四球   四球 遊ゴ   中飛 四球  
(捕) 吉田瑞樹 .143   右犠   遊直 右飛   左2 五併  
  黒﨑将太                  
(投) 田和廉 1.000   左安   右安          
  清宮福太郎 .000           左失      
  山口力樹                  
  岡西佑弥 1.000             中安 中2  

早大投手成績

名前
田和廉 5.40
宮城誇南 0.00

コメント

◆田和廉(教4=東京・早実)

ーー今日の試合を振り返って
 前半は自分の思った投球ができたんですけど、2巡目に変化球を増やしていこうとした中で、自分から変えた部分が良くない方向に進んでしまいました。もっと真っすぐで押せたと思いますし、後半対応されていく中で自分から崩れたことは反省しなければならないポイントです。

ーー崩れた要因はスタミナ的な要因ではないか
 自分もスピードガンの表示を見て、初回よりは落ちているな、とは思っていましたが、ファウルを奪うことはできていたので、それが主な要因ではないと考えています。それよりも、打者が変化球を待っているところに変化球を投げてしまい、フライアウトが奪いにくくなってしまったことが反省点です。

ーー3回まで6奪三振を奪う好投となりましたが、その要因は
 自分の投球ができたっていうのが1番ですね。ストレートでファウルを取って、低めの変化球で空振りを取るっていうことができていたことが良かったと思います。

ーー序盤の直球の手応えについて
 球速もこだわって出しに行きたいとは思っていましたが、出しに行った148㌔のボールがセンター前に打たれてしまいました。球速が出る球も大事ではありますが、コースであったり、強さであったりがやはり必要になってきます。2回以降は、コース、強さという部分を意識して投げることができたと思っています。

ーー初先発初勝利となりました
 自分の中で1勝取れたことは非常に大きいことだと思いますが、納得のいく勝利の形ではありませんでした。今後のリーグ戦で先発することがあれば、リベンジの機会だと思って、納得のいく勝利を自分の手でつかみ取りたいと思います。

ーー今後の意気込みを
 少しでも優勝につながるためのアウトを稼げれば良いと思います。