第104回全国学生相撲選手権大会 10月31日 東京・両国国技館
遂に今年も学生相撲の大一番であるインカレ(全国学生相撲選手権)の幕が上がった。早大の選手たちは、この日のために1年間血の滲むような努力を積み重ねてきている。その集大成を発揮する瞬間がようやく訪れた。両国国技館で団体戦に先立って行われた個人戦。早大は5人全員での挑戦となった。内田京汰主将(社4=静岡・飛龍)、横山司(スポ3=東京・足立新田)、成松孝信(スポ1=東京・武蔵)が四回戦、岡本塁(スポ3=兵庫・報徳学園)がAクラストーナメント一回戦まで上り詰める。それぞれがこの1年間で培ったスキルを存分に活かし、完成度の高い相撲を見せた。

インカレの開会式が行われるとすぐに個人戦のB・Cクラストーナメントが始まった。早大は全員が一、二回戦を危なげなく通過して、迎えた三回戦。迫力のある押し出しで1勝をあげた剣持京吾(スポ4=神奈川・光陵)だったが、惜しくも寄り切りで敗れてしまった。また、同じく4年生として奮闘した主将の内田。いきなり腕を掴まれて引き下がる劣勢となるも、背水の陣で巻き返す。その右腕を使い土俵の反対側まで相手を運ぶ怒涛の勢い。そのまま両手で相手を押し込み、寄り切りにて勝利した。

続く四回戦は、勝利すればAクラストーナメント進出となる大一番。残る早大の選手はさらなるステージへと進むため、ボルテージを高める。はじめに土俵に上がったのは岡本。「かち上げ気味に胸からいく立ち合いに変えて」と対談で語ったように、新たな武器を携えて挑んだ。その通りに相手の上半身をかち上げるとそのまま力をいなして叩き込みにて快勝。「足も動いてたし、よく手も伸びていたので状態は悪くない」とリーグ戦からの好調をキープしていた。

その後、すぐに同じく3年生の横山が臨む。足首のテーピングも取り外し、怪我からの復活の兆しを見せる万全な状態。三回戦まで押し出しのみで確実に勝ち上がってきている。四回戦で迎えるのは身長187センチ、体重180キロを誇る九州情報大の巨漢・エゴールチュグンだ。体格にて劣る横山であったが、立ち合いでは自慢のパワーで優位に立つ。まわしもしっかり掴み、このまま主導権を握るかと思われたが、相手の重さは想像以上。その巨体をなかなか動かすことができず、取組はこう着状態に。互いに一歩も譲らない意地と意地のぶつかり合い。そんな中で均衡を破ったのは横山。右手でまわしを捉えながら全身を使い土俵の端まで詰め寄る。そして、焦ったエゴールチュグンが身体を反転すると、両者ほぼ同時に土俵外へ。一度は横山に軍配が上がるも、審判団の異議申し立てによりそれは取り消しとなる。最終的には突き落としにて敗戦となった。それでも、「内容は別に負けたわけじゃなかったんで」と団体戦へ向けてポジティブに切り替えた。

さらに連続して、内田の出番が回ってくる。立ち合いからぶつかりにいくも相手にかわされて、いきなりピンチに陥った。土俵際での激しい攻防の末、内田がバランスを崩して倒れ込む。突き落としで敗れる形となった。最後は新進気鋭のルーキー・成松の挑戦。三回戦では足を上げながら粘り、ギリギリの接戦を制す勝負強さを見せた。激しいまわしの取り合いから始まると、お互いに譲らない展開が繰り広げられる。しかし、まわしごと身体を回転させられてから強く押し込まれ、後退を許した成松。相手とともに土俵外に飛び込むも、寄り倒しで黒星となってしまった。

これにより四回戦で3選手が去り、早大からAクラストーナメント進出を唯一決めたのは岡本。その一回戦では、立ち合いから力強い突っ張りの応酬となった。やがて、後ろまわしを掴まれると、大きく流れが変わる。土俵際まで追い込まれた岡本は即座に投げの姿勢に切り替えるも、それが裏目に出てしまい背後を取られて送り出し。破竹の勢いで数々の敵を打ち破ってきた躍進もここまでとなり、早大は個人戦を終えた。

早大の選手は着実に実力を発揮しAクラストーナメント間近まで進んだ。そして、その壁の高さを肌で感じる結果となった。団体戦でも立ちはだかる強豪たち。勝つためには個人戦とは異なり強固な結束力が試される。その点、早大は人数が少ないからこそチーム一丸となってこの1年間を駆け抜けてきた。ともに戦ってきた仲間がすぐ隣にいれば、目の前の大きい相手ももう怖くない。それぞれに懸ける思いがあり、その全てを土俵の上でぶつける。泣いても笑ってもこれが最後、早稲田の名を背負う5人の戦士が革命を起こす。
(記事、写真:池田健晟 取材:鳥越隼人)
試合結果
B・Cクラストーナメント
一回戦
岡本塁参段○(送り出し)●平戸琉聖弍段
横山司参段○(押し出し)●門傳陸初段
内田京汰参段○(押し出し)●上垣朋輝初段
成松孝信初段○(寄り切り)●樽本陽向初段
二回戦
剣持京吾初段○(押し出し)●浅野孝太初段
岡本塁参段○(押し出し)●北條虹初段
横山司参段○(押し出し)●本木智基弍段
内田京汰参段○(押し出し)●関井英大初段
成松孝信初段○(吊り出し)●寺浦輝初段
三回戦
剣持京吾初段●(寄り切り)○小林蒼空初段
岡本塁参段○(上手捻り)●小原颯太初段
横山司参段○(押し出し)●大山蓮斗参段
内田京汰参段○(寄り切り)●岩井遥空初段
成松孝信初段○(寄り切り)●バットバヤルベクボルド参段
四回戦
岡本塁参段○(叩き込み)●塚田匠城参段
横山司参段●(突き落とし)○エゴールチュグン初段
内田京汰参段●(突き落とし)○山口連太郎初段
成松孝信初段●(寄り倒し)○小宮山翔海初段
Aクラストーナメント
一回戦
岡本塁参段●(送り出し)○兼田尚柔参段
コメント
◆横山司(スポ3=東京・足立新田)

ーー今日のインカレにどういう気持ちで挑まれましたか。
色紙にも書いた通り、稽古量で見たらやっぱり他の部活の大学生の方たちとは劣る部分があったので、だったら気持ちの面で負けないつもりでいきました。そういう気持ちで本当戦いました。
ーー個人戦全体を振り返っていかがでしたか
意外に足が動いたというか。自分らしさが出た相撲が結構あったかなと思っていて。 最後ちょっと、もやっと終わってしまったんですけど、そんな中でも結構収穫があるような個人戦だったかなという風に思います。
ーー四回戦では際どい判定結果となってしまいましたが、そこの取り組みを振り返ってみていかがでしたか
立ち合いから結構いいあたりができたんで、そこからもちろん相手が重かったんで、こう着状態になったんですけど。でも、内容は良かったのかなと思います。ずっと攻めて、こう着状態でも押されなく、腰も低く残ってたんで。だから最後ちょっと判定が確かに際どかったですけど、また明日団体戦もあるので、逆にこれがいい切り替えになったらなと思います。負けて終わったんですけど、内容は別に負けたわけじゃなかったんで、逆に勝った状態でいけるぐらいのポジティブな気持ちで行こうかなと思います。
ーーインカレの目標はどのぐらい達成できましたか
Aクラスは必ずいくぐらいの気持ちは全然あったので、ベスト32以上いく気はあったので。全体的に見て、100点中60点ぐらいは自分にあげたいかなと思いますね。
ーーテーピングを巻かれていなかったですが、ケガの心配は大丈夫ですか
自分はテーピングを本当に痛くなかったら巻かなくていい派なので。だから巻かずに、最後終わった後 20分ぐらいアイシングをしました。
ーー明日の団体戦への意気込みをお願いします
自分は中堅で出るので、2ー0で回ってきても、0ー2で回ってきても、1ー1で回ってきても、必ず勝つ方向に自分が流れを向かせるポジションです。そこから自分がどんどん繋げていってチームもどんどん奮闘させていきたいなと思います。
◆岡本塁(スポ3=兵庫・報徳)

ーーインカレ個人戦でどのようなことを意識されましたか
意識したことは立ち合いを変えたので。それがどれだけ通用するかなっていうのと。あと、とにかく1勝でも多くして、上がっていけたらなというのを意識して頑張りました。
ーー具体的にどういうところを変えましたか
今までは頭(から)だったのですが、胸からいくような相撲に変えました。Aでどこまで通用するかなと思ったのですが、Aクラスの相手は圧力がやっぱり強いのでもっともっと改良の余地はあるのかなと。
ーーB・Cクラストーナメントではいかがですか
B、Cには負けないという自信を持ってます。明日にも繋げていきたいです。
ーーAクラストーナメントに進出されましたが、個人戦全体の取り組みを振り返っていかがでしたか
今日全体振り返って、足も動いてたし、よく手も伸びていたので状態は悪くないのかなと思います。
ーー最後に明日の団体戦に向けて意気込みをお願いします
まずは今日ゆっくり休んで明日もっともっと今日よりいい相撲が取れるように、全勝できるように頑張ります。




