【野球】寺尾拳聖選手インタビュー「ぶっつけ本番だった」2026年秋季早慶戦前特集

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今春のリーグ戦の悔しさをバネに再出発した早大野球部。しかし、4番を打つ寺尾拳聖副将(人4=長野・佐久長聖)は、夏季キャンプでまさかの負傷。それでもリーグ戦の途中から復帰し、気迫あふれるプレーで攻守にチームを引っ張っている。そんな寺尾の4年間の軌跡に迫った。

※この取材は10月23日にオンラインで行われました

悔しいシーズンだった

ーーここまでのリーグ戦を振り返って
 チームとしては勝てる試合を落としていて、明治からは勝ち点を取れましたが、それ以外のところでチームとしての弱さが出たリーグ戦でした。そこが反省点かなと思っています。自分としても、法大戦は出られず、明大戦から代打という形で出させてもらいました。復帰はできたのですが、思うような結果にはつながっていなくて。最後のシーズンですが、悔しいシーズンだったかなと思います。

ーーケガをする前と後で、プレーにギャップや違和感はありましたか
 ギャップというよりは実戦経験の面で、ぶっつけ本番だったので。(試合や投手の球への)慣れは、リーグ戦に出続けている時よりは足りていませんでした。体の面では全然問題がなかったので、やはりそこ(実戦感覚)ですね。

ーー離脱中は試合を外から見ていました。気付いたことは
 自分が出ていない試合を見るのは2年生の時以来でした。春季リーグ戦の時よりは、バッティングの面でも仕掛けられるようになっていて、とてもいいなと思いました。ただ、守備面では、目には見えないポジショニング(のミス)などが外から見てもあったので、そういうミスはまだまだ多いなと思いました。

ーー明大1回戦では代打で登場し、いきなり二塁打を放ちました。球場の雰囲気も一変しましたが、あの打席を振り返って
 ちょうど左ピッチャーに代わったタイミングだったので、左ピッチャーに合わせて、打席で自分のスイングをするだけだと思っていました。カウントが2ボールになったので、(次はストライクが来る可能性が高いと考えて)来た球を振ろうと思っていました。

ーー実戦経験が足りない中で、工夫したことは
 ケガから復帰した直後の練習で、ピッチャーが投げる実戦的なバッティング練習があって、全員が4巡目まで打ちます。大体レギュラー陣は2巡打った後、(間を空けて)1巡ずつという練習の組み方をするのですが、自分は打席数が足りていなかったので、学生コーチにお願いして、4巡を一気に打たせてもらいました。ピッチャーの球に慣れることができたおかげで、明大戦でしっかり成果が出たのかなと思います。

成長した4年間だった

ーー早大野球部での4年間を振り返って
 だいぶ成長できたかなと思っています。高校の時よりも体重が15キロぐらい増えて、体の面でも成長することができました。あとは、一球に対する練習への取り組み方も、(学年を重ねるごとに)どんどん質を高く練習できるようになったので、成長した4年間だったかなと思います。

ーー大学野球は自分で考えて練習すると、多くの選手が話しています。自己管理の面で成長は感じますか
 高校野球では、ご飯の時間や寝る時間まで全部管理されていましたが、大学ではそれが全部自由になって、自己責任になります。その中で、生活リズムなど生活面でも成長できたのかなと思います。

ーー入学当時に思い描いていた姿と、今の自分との違いは
 違いですか(笑)。入学した当時はもっとホームランを打ちたいと思っていて、そういうバッターになりたいという気持ちもありました。ですが、大学のピッチャーの球やキャッチャーのリードを経験して、(ホームランを狙うのではなく)しっかり外野の間を抜く打球を意識するようになって、バッティング自体も良くなったので、そこが違いだと思います。

ーー3年春からレギュラーに定着しましたが、それまでの2年間は代打での起用が主でした。レギュラーをつかむまでの苦労は
 特に1年生の時はスイングが大きすぎて、ピッチャー(の球)にあまりミートできませんでした。1年生の夏のキャンプに連れて行ってもらって、そこで金森さん(金森栄治助監督、昭54教卒=大阪・PL学園)に教えてもらい、もっとミートできるようにと積み重ねていくことができました。2年生の時はずっとそれをやっていたので、それが結果につながっていったのかなと思います。

ーー今季は副将としてもチームを引っ張りました。この1年間、特に意識したことは
 あまり意識しすぎず、立場に関係なく、プレーで見せるという感じですかね。自分はチームメートみんなの前で話すことはあまりなかったので、3年生から出ていた分の経験をプレーで見せようと思ってやっていました。

ーー香西一希主将(スポ4=福岡・九州国際大付)が率いる今年のチームは、副将から見てどのようなチームでしたか
 昨年のように、すごくみんな仲がいいという感じではないような気がしますが(笑)、自分のやりたいことをみんな個々でしっかりやっていて、練習もかなりやっている印象があるので、練習量は(過去のチームと比べて)多いなと思います。

ーー4年間で一番成長したところは
 一番成長したのは体の強さですね。高校の時が70キロぐらいで、入学した時は80キロぐらいでしたが、そこからさらに増やして、今は88キロぐらいまで増えてきました。体を大きくすることもそうですし、ウエートトレーニングで筋肉をつけることも意識してきたので、そのおかげでバッティングや守備など、全てのプレーにつながっていると思います。

ーー4年間野球を共にしてきた同期への思いは
 まずは、一緒に野球をやってくれてありがとう、と言いたいですね。以上です(笑)。

ーー入学したばかりの自分に声を掛けるとしたら
 もうちょっと頑張れ、と言いたいですね。最初からもうちょっと頑張れ、という感じです(笑)。

ーー德丸快晴選手(スポ2=大阪桐蔭)や阿部葉太選手(スポ1=神奈川・横浜)など、下級生が活躍しています。後輩に託したいことは
 実力は自分たちよりあるので、自分たちの代でできなかった優勝を、来年以降にしてほしいと伝えたいですね。

早慶戦に勝つことに意味がある

ーー早慶戦に向けて、今のチームの雰囲気は
 早慶戦に勝つことを目標にやっているので、そこに向けてみんな取り組んでくれていると思っています。自分たちはこれで試合が終わりですが、しっかり早慶戦に勝って終われるようにと監督さん(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からも言われているので、そこを意識してやっています。

ーー慶大の印象は
 慶応は守りを中心に、バッティングでもチャンスでしっかり一本が出ているチームだと思うので、そこが強さの秘訣かなと思っています。自分たちはピンチの場面をしっかり抑えて、少ないチャンスで点を取れるようにやっていきたいと思います。

ーー最後の早慶戦です。心境の変化は
 最後だからどう、というのはあまり感じていません。早慶戦で勝ちたいという思いだけです。

ーー早慶戦で注目してほしい早大の選手は
 德丸じゃないですかね。德丸が早稲田の中で一番バッティングがいいと思うので、そこに注目してほしいです。

ーー最後に早慶戦への意気込みを
 優勝はなくなってしまいましたが、早慶戦に勝つことに意味があると思っているので、そこに向けて頑張りたいと思います。

(取材・編集 稲積優一)

◆寺尾拳聖(てらお・けんせい)
2004(平16)年4月23日生まれ。178センチ、85キロ。長野・佐久長聖高出身。人間科学部4年。外野手。右投右打。同期との思い出は、年末にみんなで集まってサッカーをしたことだと語ってくれた寺尾選手。照れながらも感謝の思いを伝えた同期たちと共に、最後の早慶戦に挑む主砲の雄姿をお見逃しなく!