【連載】早慶定期戦直前特集 第3回 瀬川桜輝×松田悠冬

特集中面

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第3回はルーキー対談として瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)と松田悠冬(商1=神奈川・慶應義塾)の2名が登場。チームの要と言っても過言ではないセッターとしての役割や、春高時代のお話、お2人の関係性についても伺った。

※この対談は5月19日にオンラインで行われたものです。

お二人について

――自己紹介をお願いします

瀬川 宮城県私立東北高等学校出身、スポーツ科学部1年の瀬川桜輝です。

松田 神奈川県慶應義塾高校出身、商学部1年松田悠冬です。

――初めて会ったのはいつですか

瀬川 2年生の時のユースが初めてだと思います。

――その時の印象はいかがでしたか

松田 同世代のセッターと会うのはその合宿までなくて、瀬川君のトスを見てレベルが違うなと感じました。

瀬川 (ユースの時に)初めて知ってセッターやってるんだなと思いました。

――お2人の交流はありますか

瀬川 自分は仲良いと思っています。

松田 仲良くさせていただいています。 

――お2人とも春高に出場されていましたが、どのような舞台でしたか

瀬川 3回出場させてもらったのですが、それぞれの大会で成長できた舞台だと思います。悠冬は去年怪我している中、かなり良い試合を繰り広げていてすごかったなという印象があります。

松田 1年生と3年生のころに出場して、特に去年はチームの目標を達成できなかったことに責任を感じる大会でした。ただあと1歩まで行けたというのは、バレーボールは楽しいと改めて思わされる機会だったと思います。桜輝はプレーだけでなく全体的にチームを引っ張っていて、参考になりましたし、自分とは違うレベルだと感じて尊敬しました。 

――お互いのプレーへの印象・すごいなと思うところはありますか

瀬川 悠冬は自分にはない身長、高さがあってそこは尊敬する部分ではありますし、トス回しに関してもコンビとかいろいろな攻撃が使えるところに、自分も頑張らないとなと思います。

松田 自分にはない精度の高さがあって、どんなパスが来ても簡単そうにやってみせるところが本当にすごいなと思います。

――大学生活が始まってもうすぐ2ヶ月ですが、いかがですか

瀬川 練習については短い時間で効率よく練習を回しているところが、1番慣れない部分です。短い時間でいかに身につけるかを考えながら、1年生としてもしっかり動かなければいけないことは大変でしたが、最近は慣れてきたので良くなってきていると思います。普段の生活に関しては、練習の時間が遅くなって生活リズムが変わったところが難しいところだなと感じています。

松田 何を重視して取り組むかがより明確にされていて、その重要なメニューにフォーカスして練習するので、より高い意識で臨めていると思います。大学に関しては、授業にずっと座っていることがしんどいなという印象です(笑)。

 ――最近ハマっていることはありますか

瀬川 ドラマやアニメを観ることです。また、ラーメンが好きなのですが、東京は色々なラーメン屋があって、今少しずつ行けているのでもっと回りたいです。

松田 基本ずっと寝ています。気が向いたときにちょっと東京から離れた熱海とか遠いところに行って自然を見る時間を作るようにしたいと思っています。

――大学の授業で大変なことはありますか

瀬川 時間が100分になったので座学の授業はちょっときついなと感じます。スポーツ方法実習という色々なスポーツを扱う授業は、楽しいです。

松田 商業学とか、これまで自分が聞いてこなかった話は、新しいことへの気づきがあって面白いところもありますが、難しい話をずっと聞いているのが大変だなと思います。

 

トスをあげる瀬川

――セッターの魅力はどこにありますか。またやってみたい他のポジションはありますか

瀬川 1番試合でボールを多く触るので、試合展開を自分で組み立てることができるというところが魅力です。やりたいのはセッターしかないですね。

松田 セッターが勝敗のカギを握ると思うのでその責任感を感じながらも、ワンプレーワンプレーの駆け引きが面白いです。今まで色々なポジションをやってきたのですが、今MBをもう1度やったらセッターの観点もあって楽しいのではないかなと思います。

――今までどのようなポジションをやられていたのですか

松田 中学でリベロ以外は全部やりました。

 ――松田選手がその中でも大変と感じたポジションはどちらですか

松田 MBは1番大変でした。ボールを触る回数がセッターに比べて少ないのに、陰でしなければいけない仕事があるので、さぼったら絶対に影響が出て、MBをやったことがある人にしかわからない辛さがあります。そのもどかしさとチームに貢献しなければという気持ちが混在して、モチベーションの維持という面で特に大変でした。 

春季リーグ戦について

トスをあげる松田

――春季リーグ戦をここまで戦ってみて、いかがでしたか

瀬川 リーグが始まって最初のころは出場機会が少なかったんですけど、最近になるにつれて出場機会が増えて3セット任せてもらえることもあって、少しずつ自分のプレーが出来るようになってきたと思います。 

松田 ありがたいことに最初から出してもらっているのですが、完成度的には大分上がってきていて、スパイカーと合うようになってきたところに成長を感じています。ただ、チームに波があって、自分がセッターとしてコントロールしなければいけないところが出来ていないので、良い経験でもありますが、反省点が多く、苦しい場面でした。

――プレー中はどんな景色が見えていますか

瀬川 主にボールとスパイカーとブロックですね。味方のスパイカーがしっかり入れているのか、相手のブロックがどういうつき方をしようとしているのかを見るようにしています。

――お互いに質問したいことはありますか

松田 桜輝はどこでへでもあげられると思うけど、どういう風に試合を作ろうというのは事前に決めてますか。

瀬川 事前のミーティングでチームとしてある作戦などを頑張って覚えています。

――松田選手は試合作りで工夫している点はありますか

松田 相手のブロックシステムとか、動画を見て予測できるところはしていますが、実際にやってみないとわからないことでもあるので、その部分は実戦で調整しています。

――大学バレーの難しいところはありますか

瀬川 高校の時に比べてスパイカーの打点の高さが変わっていて、しっかり打点を活かすというのはもっとできるところがあるんじゃないかと思っています。 

松田 高校と比べてアタッカーのレベルが上がっていて、トスがずれてもカバーしてくれるから、迷わずにしっかりと上げることを意識しています。

 ――お世話になっている先輩はいらっしゃいますか

瀬川 前田凌吾さん(スポ4=大阪・清風)は、尊敬している方ですし、練習もいつも一緒でお世話になっています。 

松田 内部から上がった選手が多いので、色々な方と仲良くさせていただいています。

――今年のチームの特徴は

瀬川 去年から出ている人が多いので、空気の作り方とか試合の運び方がうまくて、自分もプレーだけじゃなくて、雰囲気の作り方とかも先輩たちから学んでいきたいです。

松田 他大学に比べてキャリアに差がある中でも、相手に向かっていく気持ちを忘れないようにするということが共通認識としてあります。だから、気持ちからくる盛り上がりは引けを取らないのではないかなと思っています。

――お互いのチームへの印象はありますか

瀬川 慶應は雰囲気から盛り上がっていくチームだと思いますし、ブロックやサーブが強い印象があるので、そういうところから波に乗らせたら怖いチームだと感じています。

松田 すごいタレントが揃っていて、今までたくさんのことを経験している選手の集合体だと思うので、試合に対する準備とか、自分たちより高い意識で取り組んでいる印象があります。

――スパイカー陣を活かすうえで、意識していることはありますか

瀬川 日によってスパイカーの調子も違うので、今のっている選手は誰なのかを把握しながら上げるようにしています。 

松田 まずは打たせること、その次に、相手ブロックを少しでも減らしてスパイカーに余裕を持たせられるように意識しています。

――相手に止められた選手にもう1度上げるシーンも多いと思うのですが、その意図についてはいかがですか

松田 MBをやっていた時に、ミスの直後にサーブに下がってしまって、次の前衛までに気持ちを上げることが難しかった印象があります。だから直後に決められたら次のローテにも良い影響があると思うので、行けるなと思ったら上げるようにしています。

瀬川 凌吾さんも僕も、そういう場面はよくありますね。

――大事な局面を託したい選手はいますか

瀬川 2年生の小野駿太さん(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)にあげると思います。前衛でも後衛でも、トスが乱れてもしっかり決めてくれるので、頼りにしています。

松田 日によって変わることはありますが、基本的には入来さん(入来晃徳、環4=長崎・佐世保南)にあげると思います。 

――今年はどんな1年にしたいですか

瀬川 1年目ということで緊張したり消極的になったりする場面もあると思いますが、強気な気持ちを持って取り組んでいきたいです。チームとしては全日本インカレ優勝に向かっているので、自分の力で少しでも貢献できればと思っています。

松田 チームとしては1部に復帰することが大きな目標なのですが、春それができなかったのは、自分の力のなさだと思うので、スキルアップして大学でも通用する、チームを勝たせられる選手になりたいです。

早慶戦について

対談中の瀬川

――早慶戦に行ったことはありますか

瀬川松田 一回もないです。 

――早慶戦のイメージはいかがですか

瀬川 応援とか観客の方が多くてとても盛り上がる印象があります。そんな規模の大きい舞台でプレーできるのは楽しみです。

松田 伝統のあるいろんな人から注目されるような試合を、1番強い早稲田とやらせてもらえることはとても幸せで、当たり前のことではないと思っていて、自分としては1番重きを置いている試合ではあります。

――注目して欲しいポイントは

瀬川 トス回し、特にライト側の遠いトスに注目してほしいです。

松田 絞らせないようなトスワークと、高さを活かしたサーブとブロックを見ていただけたらと思います。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします!

瀬川 初めての舞台ではあるけど、伝統ある盛り上がる試合だと思うので、変に緊張せずに自分のプレーをして、勝ちに行きたいと思います。

早慶戦への意気込みを掲げる瀬川

松田 我々はチャレンジャーであって、だからこそできるプレーや向かっていく姿勢があると思うので、最大限自分が出来るプレーをして勝てるように頑張ります。

早慶戦への意気込みを掲げる松田

ーーありがとうございました!

(取材、写真、編集 早稲田スポーツ新聞会 井口瞳 慶應スポーツ新聞会 長掛真依、村田理咲)

最後はお二人でハートのポーズをしてくださいました!

◆瀬川桜輝(せがわ・おうき)※写真右

2006年(平18)5月9日生まれ。181センチ。最高到達点322センチ。ポジションはセッター。宮城・東北高出身。スポーツ科学部1年。先輩の前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)を背中を追いかけ、早慶戦では実力を『出し切る』プレーに期待がかかります!

◆松田悠冬(まつだ・ゆうと)※写真左

2007(平19)年1月26日生まれ。192センチ。最高到達点332センチ。神奈川・慶應義塾高出身。商学部1年。星谷健太朗監督に次ぐ恵まれた身長を武器に、慶大スパイカー陣を司どる1年生セッター。早慶戦でも、彼の強気なトス回しに注目です!!