[連載] 全日本インカレ前対談『HAND IN HAND』第4回 浅野翼副将×馬渕純副将×滝谷照×中澤彩恵×安田治揮×山上優太

特集中面

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インカレ前対談第4回は4年生の6人。それぞれ役職も異なり、まさに『彩』豊かな学年だが、コートに立つ選手が少ない分、苦悩も多かった。そんな6人は最後のインカレを前に何を思うのだろうか。

※この対談は11月9日に行われたものです。

お互いのこと

――はじめに役職の説明も兼ねた自己紹介をお願いします

滝谷 早稲田大学4年の滝谷照です。ポジションはオポジットです。役職はストリングスリーダーをやっていて、ストリングスコーチの方がいらっしゃらない時のトレーニング練習で自分が主となって、持っている知識をもとにアドバイスしたり、フォームの確認をしたりしています。そしてそれをコーチの方と共有して、トレーニングがいい方向に行くようにする役職についています。

自己紹介をする滝谷

浅野 早稲田大学4年の浅野翼です。ポジションはリベロで、役職は副将をやっています。

馬渕 早稲田大学4年の馬渕純です。ポジションはセッターで役職は副将、栄養管理ユニットリーダー、バレーボール教室ユニットの副リーダーです。

――副将以外の役職は具体的に何をしているのですか

馬渕 栄養管理ユニットのリーダーとしては試合の時の栄養補給や毎月の体重管理といった食事の面から選手がベストパフォーマンスを出せるように管理しています。バレーボール教室に関しては、毎週月曜日に小学生、中学生を対象に行っていて、そこに参加して子供たちにバレーボールを教えるという感じです。

安田 早稲田大学バレーボール部主務の安田です。主務の仕事を軽く話すと、合宿や遠征での企業さんとのやり取りや、今年も開催された早慶戦で主となって動くといった運営の仕事をしています。普段の練習では松井先生からも言われているのですが、学生の中の監督ということで学生を統括しています。

山上 早稲田大学バレーボール部4年の山上優太です。学連をやっていて、その中でも広報としてカメラで写真を撮ったり、パンフレットを作ったり、リーグ戦で配っているチケットを作ったりしています。直近でいうと全カレのインタビューで使われるバックボードがあると思うのですが、それの発注をかけているところです。

中澤 早稲田大学男子バレーボール部でアナリストリーダーをしています、中澤彩恵です。アナリストの仕事の1つ目が、試合や練習試合をした時のリアルタイムのデータの入力や、そのあとの確認をして細かいデータないし映像のフィードバックをしています。もうひとつは対戦相手やこれから来るであろう相手の対策です。直近でいうと全日本インカレに向けて関東内でのまとめ直しをしていたり、関東以外の大学は映像とかがないので、そこの交換などから入手して今準備を進めているところです。

――マイブームやリフレッシュ方法は何ですか

滝谷 映画を見ることと、最近は寝ても寝足りないのでとにかく寝ることです。

――最近見た映画は

滝谷 最近はヴェノムというマーベル作品の新作が出たのでそれを見に行ってきました。これからいろいろ自分の楽しみな映画があるのでそれも見に行きたいと思っています。

浅野 おしゃれな居酒屋とか喫茶店を見つけることです。このあいだ行ったのが、高円寺にある1杯ドリンクを頼むと一人前の餃子が無料でついてくる餃子屋さんで、安いし餃子もとても美味しいし、そのほかの料理も結構美味しかったのでそこが今のおすすめです。

馬渕 ネットフリックスでアニメを見ることです。弱虫ペダルを今さらですけど見ているのと、あとダンダダンを最近見始めて面白いなと思っています。

安田 健康に食事を自炊することです。今まで寮飯プラス自分でご飯を炊いて食べたりしていたんですけど、それだと太るということに気づいてしまったので、インカレの1か月前ということもあって自分で作って、夜は卵中心の食事で絞ろうと頑張っています。

山上 マイブームはずっとなんですけど、漫画とアニメをたくさん見るように頑張っていることです。そうなったのも僕がゼミの中でベタな部分を知らなすぎる、守備範囲が狭すぎるという話になって、いくつか最初に見るのによさそうなものを紹介してもらったので、その中で気になったものを選んで見ている感じです。最近の漫画だったらナルトとニセコイを読んでいて、アニメだとコードギアスとか今期のアニメもチェックしたりしています。

浅野 ナルト今何話まで見たの?

山上 今は漫画で38巻くらいかな。

――一気に見るタイプではなくちょくちょく見るタイプですか

山上 時間が限られてしまうので、電車に乗っている時とか、すきま時間を見つけて読んでいます。それこそ前はオフの時とかは午後に一気見するとかしてました。あとは友達に読ませてもらったりしています。

中澤 今はインカレ前というのと卒論もあって自由な時間がないので何にもしていないんですけど、引退したらしたいのが、モッチモチのベーグルを作ることです。もともとお菓子を作ったりパンを焼いたりするのが好きで、寝る前に10分くらいYouTubeでこね方とか生地の混ぜ方を見ています。実際には行動に起こせていないんですけど、頭の中でそういうことを考えるのが最近では好きです。

――得意料理はありますか

中澤 なんでも大体作るんですけど、最近秋リーグが終わってちょっとのオフで作ったのは、同期に前に誕生日プレゼントでもらった圧力鍋で作ったビーフシチューです。ボタン押すだけでお肉が柔らかくなるし、ほっとけばいいだけなのですごい楽で。楽して美味しく食べられるのが好きです。そんなに手の込んだことはしてないです。

浅野 持ってきてほしかったね。

中澤 持ってくることも今までになかったわけじゃないけど、その時のビーフシチューはお父さんが食べました(笑)。

――この学年の色や特徴は

安田 人柄の一言に尽きるのかなと僕は思います。我ながらって感じですけど(笑)。みんなはどう?

滝谷 不屈の精神ですかね。

――それはどういう意味で

滝谷 何度もつぶされるんですけど、ゾンビみたいに這い上がっています(笑)。

馬渕 いろんな属性がいることですかね。アナリストがいて学連がいて、いろんな場所で活躍していることが特徴としてあるのかなと思います。

中澤 すごい周りを見たりする人が多いです。やっぱりバレーボール中心でやってきている人はいい意味で自分に軸があるというか、自分が中心みたいな考え方をする人が多いです。実際アスリートってそういう考えじゃないとやっていけないところもあるのですが、いい意味で私の同期は我を出してくるんじゃなくて、周りの人との調和とか、どうしたら同期もそうだし、後輩を生かしてあげられるかってことをすごい考えていて。そこは客観的に見ている中でいいところ、優しいところだと感じています。

――それぞれ一方ずつ、この学年でのキャラは

馬渕 滝谷は筋トレキャラじゃない?

浅野 筋肉バカ(笑)。

馬渕 4年間ウエイトしかしてない。

安田 ウエイトしている印象しかない。

滝谷 じゃあそれでお願いします。

馬渕 浅野はわがままツンデレキャラだよね。

安田 ツンデレは確かですね。

馬渕 ツンデレプラスわがままかなって(笑)。

浅野 それ全部わがままに引っ張られてるって(笑)。ツンデレじゃないよ。

馬渕 気分屋か。

安田 気分屋だね。

馬渕 機嫌悪い時は何しても聞いてくれない。

浅野 悪いことしか言われてないじゃん。

――ツンデレエピソードはありますか

浅野 ないです。

馬渕 これがツンデレじゃないですか。

安田 他にはなんだろう。

馬渕 礼儀を重んじるところとか。

安田 あと丁寧だよな。字もそうだし、1年生の時とかもタオルの畳み方ですごい言ってくるっていう(笑)。

馬渕 一番かごの中をきれいにしたりね。

お互いの話をする馬渕と浅野

――きれい好きですか

浅野 きれい好きっていうか、逆にみんなが汚すぎる(笑)。きれいの基準がわからないですけど、多分だいぶ汚いので、畳んでもないような状況があるから。あとは治揮と自分は1年生の時に洗濯をやっていたんですけど、その時に畳む向きが全部バラバラで、タオルがしわくちゃだから仕方ない部分はあるんですけど、もう少しちゃんと折り目一緒にしてほしいなっていう文句をずっと言っていました。治揮が畳んでても全部自分が畳みなおすっていう(笑)。

安田 (馬渕は)人との接し方が上手じゃない?先輩後輩とかの接し方というか。

浅野 世渡り上手ですね。

安田 就活で言ったら潤滑油じゃない?

浅野 マメです。

馬渕 自分で自覚ないんだけど(笑)。

滝谷 確認とかめっちゃする。

浅野 そうですね。いい意味でマメな男。しっくりきてない?

浅野 (安田は)お父さんというよりおじいちゃん。

――どういうところがですか

浅野 行動ひとつひとつがおじいちゃんなんですよ。笑い方にしても、反応にしても、着眼点にしても、全部がおじいちゃん。

馬渕 包容力がある。

浅野 そうしましょう。

安田 すばらしい。

馬渕 何を言っても肯定してくれる。

浅野 包み込んでくれるよね。

馬渕 ベイマックスみたいに(笑)。

浅野 (山上は)なんだろう。

馬渕 オタクじゃない?

浅野  たしかにオタクキャラですね。

馬渕 いい意味でですよ。

――活動していく中でそのオタクキャラは生かされていますか

馬渕 めちゃくちゃ陰ながらコツコツやっているところとか。

浅野 影の努力がすごいとか。陰の立役者ですね。

馬渕 練習来てもずっとパソコン触っているんで。

――それは何をしているのですか

浅野 メール見たりとかね。

山上 メール見たり、それこそパンフレットの振り込みをしたりしています。その時間しかできないのでチェックしています。

馬渕 (彩恵は)声でかキャラかな。

浅野 どこにいるかすぐわかりますね。

滝谷 拡声器。

中澤 今はそんな大きい声出してないよ(笑)。下級生のころだけ。

馬渕 サロン(応接室)内に響き渡ってたよ。

中澤 4年生なので大人の落ち着きを身に着けようと努力しています。

――下級生のころは

中澤 下級生のころはたくさんのお兄さんとお姉さんに甘やかしてもらいました。けど今は4年生なので気を付けています(笑)。

馬渕 あとは自分に軸があるところとか?この中で一番だと思います。

浅野 鋼の女。ドラマ見てたので言ってみた(笑)。

――4年間一緒に過ごしてみて第一印象から変わった人はいますか

浅野 そのままです。

安田 ここ(浅野、馬渕)エピソードありますよ。

馬渕 入試する前にまだ合格もしてないのに、電話で入試どうのこうのの話をしていて、「たぶん馬渕さん合わない」って言われて。実際に会ったら合わなかったです(笑)。

浅野 喋ったことなくて、会ったことはあったんですけど。

馬渕  会ったことはあったけど喋ったことはなくて、初めて電話した時に合わないって言われて。

浅野 性格合わないと思って。

馬渕 どういうことって感じでしょ(笑)。

浅野 いやなんか喋った感じで絶対自分合わないと思って。

馬渕 それを言うっていうね(笑)。

――なんで言ったのですか

浅野 合わないからよろしくねっていう。

馬渕 俺ちょっとびっくりしましたよ。おお、これ4年間大丈夫かって(笑)。

――今もまだ合ってないですか

浅野 そうですね。

馬渕 適合はしていないかな。

――早慶戦のランキングでベストペアに選ばれていましたが

浅野 馬渕がそれをみんなにペラペラしゃべるから。

馬渕 いやいや、言われた側は根に持ちますよね。

浅野 仲悪いペアなのにわざと仲いいキャラみたいな感じで選ばれたんじゃないかなっていう(笑)。全く自分らは何もないですね。

馬渕 絶対忘れないですね(笑)。でも本当に印象変わった人いないなあ。まあ(安田が)こんなに太るとは思ってなかったですけど(笑)。

――皆さんは卒論書いていますか

安田 はい。

――何について書いているか教えていただきたいです

滝谷 ジャンプサーブと垂直跳びとスパイクジャンプがスクワットやベンチプレスなどのトレーニングのマックス値とどのように関係しているかについてです。

――今テーマが決まった段階ですか

滝谷 そうですね。これからやっていくという感じです。

浅野 サーブに特化したことをやるんですけど、サーブのミスが多いチームがセットを取った場合に、何を要因として勝利と結びついたのかというところをセット終盤に着目して調べようと思っています。

卒論について話す浅野

馬渕 自分はトス配球のことで、クイック、パイプの使用率がスパイクの決定率、効果率、ミス率にどのように関係するかについて調べています。

安田 自分は商学部で保険のゼミに入っているんですけど、銀行が出資する中でSDGsが社会に広まっていることを受けて、どのような企業に銀行が出資するのかについて調べています。

山上 僕は芸術文化系のゼミに入っていて、そこがアニメとか映画とかの研究をできるとこなので、今はポケモン映画が最近ずっとやっていないがなぜやらなくなったのかについて調べています。そこから調査を進めていく中で、昔と今で漫画の描かれ方が変わったのか、それとも見る人のポケモンに対するイメージが変わって、そこの考え方がうまく合わなくなって見られなくなってしまったのではないかについても今頑張って取り組んでいるところです。

中澤 私も人間科学部の情報科学科で、ノンバーバルコミュニケーションという、ジェスチャーとかの非言語情報に関するゼミに入っています。卒論の内容はノイズとかがある環境で聞き手は視線配布をどこにするかというものです。生活音があるときに音は正確に聞こえてないですが、人はどこから情報を拾っているか、どこを見ているのかについてジェスチャーや口の動き、顔の表情とかをノイズの有無、ジェスチャーの有無など条件付きで実験しています。

大学4年間について

――4年間で一番楽しかった思い出は

馬渕 部で夏とかにバーベキューしたり、冬だとスノボ旅行したりするのは個人的にはすごく楽しいなと思っています。馬鹿騒ぎできるから。

浅野  誘ってもらったことない・・・。

馬渕 誘っているけど来ないだけです。夏は来てました。バーベキューだけは来るんですけど、冬誘っても来ないんですよ。あと、僕らの代は地方出身ばかりなんですよ。だから帰省で全然予定が合わないので、全員で集まることがないんです

――4年生全員で集まることはないですか

馬渕  この間みんなでご飯行こうとなったんですけど、浅野君が予約してくれていた店がなぜか急に予約キャンセルされて、お開きになりました。

浅野 自分悪くないですよ。

安田  いや、急に帰るって言い出して。ラーメンでもいいねってなったんですけど、ラーメンだったら帰るって、お開きになりました。

浅野 ラーメンあんまり好きじゃないです。気分が本当に乗った時ぐらい。

安田  全早慶明戦の後だったんですよ。1日長くて疲れていたので。

浅野 前から決めていて、そのために頑張ろうと思っていたんですけど、お開きになりました。

馬渕  一番楽しかった思い出の話だよ(笑)。

安田 僕はやっぱバーベキューですね。この学年もそうですし、今年は3年以下のみんなとわいわいできるのが楽しいですね。

滝谷  自分もバーベキューが一番好きですね。オフ中にやるので、部活のこととか考えなくてみんなと楽しく話せるのでそれが一番楽しいです。

浅野 部員でドライブ行ったりとか、買い物行ったりするのは楽しいです。だいたいドライブ行く時は馬渕とセットです。交互とかに運転します。この間3人で温泉行きました。

安田  結構前じゃない?

山上 同期だったら、もういつか覚えてないけど1回吉祥寺でバーベキューしなかった?

安田  あ、やった。

山上  あれ楽しかったよね。

中澤 秋リーグの祝勝会とかかな。今年は前半戦は結構苦労したので、とりあえず1つタイトルが取れて後輩の子達も笑顔になってくれて、楽しい場を設けることができたのは良かったなと思います。プライベートで言うと、アナリストの女子でオフが取れた休日は、いつも部活ばっかりだし女子会する?とかいってケーキを食べたりしています。オフの日に後輩とそういう時間を共有できた時は良かったなと思っています。

――一番楽しかった学年と、辛かった学年は

馬渕 難しいな(笑)。辛かった時・・・。常時(笑)。

馬渕 僕は1年生の時が一番色々な思い出ができたなって。

安田 僕は去年がダントツで一番しんどかったですね。本当に1、2年生は自分のことだけやっていれば良かったんですけど、そこで急にチームのマネジメントってなって、分からないことがいっぱいありました。やって、ミスしてご指導いただいて、またやってというサイクルを1年間を通してやっていたのでしんどかったです。4年生は割と辛いこともあるんですけど、その中でも楽しくやれているのかなとは思いますね。

山上  僕は学連の話になりますが、3年生が一番楽しかったな。2年生から学連をやっていたんですけど、その時は何も分からなかったのですが、上の先輩から教えてもらったことをひたすらやっているだけとか、周りのやっていることを一緒にやるとかでした。広報についた3年生は上の先輩がいつつ後輩を教えたりすることもあったんですけど、上の先輩がいる分、好き勝手できたというか、あれやりたいとか先輩に言ってみて、一緒に協力してやったりとかすることが多かったので、いろんなものを吸収できた1年だと思います。それが今の僕につながっているのかなと思います。

学連のことを話す山上

中澤 やりがいを感じたのも辛かったのも今年が一番多いかなと思っています。自分は入部した時期の事情もあって、4年生になるのに人より経験が半分しかないという状況で、去年は後輩の面倒も見なきゃいけないから自分の成長のために時間を使えなくて、分からないこととか苦労することとか多かったです。今年はすごい試行錯誤が多かったけど、一番上になってできることの幅が増えて、やりたいと思ったことをすぐ実行できています。もちろん辛いこととか苦労しているのも今年なんですけど、そういう意味でやりがいや、やって良かったなと感じて楽しいなと思うのも今年が一番多いかなと思います。

滝谷  楽しい時はあまりないですけど、うれしい時は同期が活躍した時とか優勝した時、秋リーグで優勝した時はうれしかったです。辛い時は常に辛いです。

中澤 常に(笑)。

浅野  全然答えてないじゃん。

馬渕 何年生の時がって聞かれてるのに。

馬渕  うれしいのは4年生。最上学年というのもあって、優勝した時は一番うれしいですね。

浅野  楽しかった時・・・。ある意味色々なことしていたのは1年生かなと思います。仕事とかプレーでもそうだし、先輩方がちょうど怪我していて試合に出なきゃいけないことになったりとか、仕事で上級生に指導されたり、同級生内でご飯やカラオケに行ったりとか、常に楽しむことをバレー以外で見つけ出そうというか、バレー以外のところはリフレッシュできるように1年生の時はしていました。辛かった学年は4年生ですかね。

――4年間の中で、一番印象に残っている試合はありますか

馬渕 いい意味だったら、この間の秋リーグの最終戦です。悪い意味だと、春の最終戦が一番辛かったですね。

安田  日体大?

馬渕 そう。東海に勝って、という上での試合だったので、あれはかなりしんどかったですね。

滝谷  いい意味だったら同じなんですけど、悪い意味だったら、一昨年、全カレで筑波大に負けた時です。これが全カレの怖さだと感じました。

山上 いい意味だと、1年生の時に全カレを優勝した時が印象強いです。1年間、1年生みんなで仕事頑張ってその結果が出たのかなと思って嬉しかったです。悪い意味だと、今年の東日本インカレで学芸大に負けた試合が僕も見ていてきつかったですし、その後に早稲田がいない試合が2日ぐらい続いて、みんながいない違和感と、みんながいない中、富山まで来て仕事をやっていると言うところで虚無感がありました。

中澤  いい意味でも悪い意味でも印象に残っているのが2年前の全カレです。背中の大きい先輩方だったので、その先輩たちが負けるなんて想像していなかったです。2点差でこっちがマッチポイントを取ってるにもかかわらず最後取られて、その後の5セット目も、8点でコートチェンジした時はこっちが勝っていたのに最後取られました。負けた瞬間は現実の厳しさを感じましたし、すごい悔しくて、今までの試合で一番感情が動いたのがその試合かなと思います。その試合が印象に残っているからこそ、どれだけ準備しても全カレは相手の気迫、状況次第で負けうることがあるので、最後の全カレでは悔いが残らないように、どの大学が来ても困ることがないように準備をしようと、支えられることを全部やろうと思っています。

浅野 2年前の筑波戦です。だいぶ緊張感ある中で練習をしていたんですけど、それでもやっぱり覆せないという難しさを感じました。うれしかったのは今年の秋リーグ優勝です。前半はいなかったのですが、自分が来たからとかではなくても、4年生が全員揃った中で、どうにか結果を残そうという中で、だいぶ詰めてやったので、それが結果として出て、みんなの自信になったかなと思います。

安田  僕はこの前の中大戦もそうですし、去年の全カレの決勝とかもそうなんですけど、本当に全員でというところがキーワードかなと思っています。みんなで1個の目標に向かって頑張れば、みんな力を持っているのでできると思うんですけど、やっぱり今年の初めの方のようにチームの関係性とかに問題があると勝てないことも出てきてしまいます。この間の中大戦のように上がってきている部分はあると思うので、このまま全カレに向けて、頑張っているメンバー全員で向かっていければいいことがあるかなと思うので、とにかく全員で。

馬渕 え、質問に(笑)。

浅野 1人だけ締めてる(笑)。

安田 全員でできた試合、この前の中大戦とか去年の全カレの最終戦とかが良かったかなと思います。

対談中の4年生

この1年間のこと

――4年生はコートにずっと立つ人がいない中で、チームをまとめる最上級生というのはやはり難しいものでしたか

馬渕 はい。めちゃめちゃ難しかったです。

――そのような中で、どのような1年にしようと思っていましたか

滝谷 今も言われてはいるんですけど、4年生が一番経験していて、全カレの怖さとかも知っていて、下級生は全カレをスタメンで経験している選手が少ないので、そういったことを練習からもっと精度、一球一球の大切さというのを伝えていかなきゃいけないと思っています。

浅野  個人としては常に、チームのピンチの時とか自分が出た時に活躍して貢献できるようにするということです。チームとしては、とにかく全員ポテンシャルが高いので、全員がそれを出せるようにというのは常々言ってきたつもりではあります。

馬渕 後輩たちのためになる1年にしたいなと思っていますし、最後は全員で笑って終わりたいと思っています。前半戦は苦しむことも多かったのですが、実際に後輩が苦しむ姿を見て、これではダメだと思ったので、全日本インカレは秋リーグの時みたいに最後笑って終われるようにしたいと思います。

安田  プレーで活躍できないところはあったのですが、後輩が頑張ってくれている分、僕らができることがあると思います。さっき誰かが言っていたんですけど、みんなそれぞれ違うところでリーダーを担っているということで、そこで僕たちが引っ張っていくことで後輩が楽になる部分もあると思いますし、それがチームのまとまりにつながると思います。それぞれの色があると思うので、そこで引っ張って行こうということで1年間やってきています。

山上 チームと学連を行ったり来たりしていて後輩に関わる機会は少なかったのですが、だからこそ後輩とのつながりも大事にしたいなという思いがありました。それが強まったのが春リーグで延期試合があったんですけど、その延期試合が早稲田に関係ないのに急にここ(上井草体育館)でやることになって、その時に補助役員を早稲田がオフの期間だったんですけど出すことになって、それでも後輩たちが来てくれて。個人的にもありがとうと言ったんですけど、そしたら1年生とかが、大丈夫ですよ、秋もお願いしますと言ってくれて、そこから後輩のために頑張りたいなというのがより一層きっかけとしてあったなと思います。そこから東日本とかで遠くとかに行って大変だったんですけど、それも同期ももちろんですけど、後輩のために頑張りたいなと思い続けて頑張っていました。

中澤  大きなテーマとして、後輩のいいところを引き出す手伝いができたらいいなと思っていました。選手との関わりで言うと、松井さんが「こういうプレーが良くなかった」とか言われた時にピンときていない子が下級生だと多くて。そういう子に映像を抽出して送ったりとかしました。下級生が、選手だったらいいところが出せるように、アナリストだったらやりがいとか楽しさとかも感じてもらえるように、いいとこを伸ばせるような業務の振り分けをしています。残り1ヵ月、アナリストを中心に、簡単なミスを繰り返さないとか、そこからフィードバックを考えて繰り返さないようにするとか、緊張感を伝えていかなくてはいけないなと思っています。

――前半戦で出た課題は

馬渕 春だけで言うなら、治揮も言っていたんですけど、関係性というところですね。3、4年生の関係がだいぶ良くなかったんですけど、今は3年生に支えてもらって、だいぶ良好で、だからこそ秋は優勝できたのかなと思います。そこの部分は東日本では翼が戻ってきてくれたんですけど、そこでもまだ組織体制はしっかりできていなかったので、そういった部分が前半戦は課題だったのかなと思います。

チームのことを話す馬渕

――その課題を踏まえて、夏はどこに重点を置いて練習してきましたか

浅野  まず役割を明確にしようということ、組織体制を整えることです。プレー面で言うと、どちらかというと下級生のプレイヤーが多くて1発で決め切るのが難しい状況が続くと予想されるので、状況が悪くなった時にもう1回自分たちでいい状況を作り出すとか、二段トスを寄せるとか、そこからリバウンドをとって立て直すとか、悪くなった時に立て直せるように夏はしつこくやりました。

――夏の期間に前田選手が主将、麻野選手と馬渕選手が副将になりましたが、その経緯は

馬渕 翼が前半戦いなくて、その時に凌吾(前田凌吾、スポ3=大阪・清風)が主将というかリーダーとして、それに自分が付随してという風にやっていました。そして翼が戻ってきた時に、翼が主将だったのでどうするかとなったんですけど、凌吾がコートに立っていましたし、翼がいなかった期間、彼が引っ張ってきてくれたので。翼もまずプレーヤーとしてコートに戻ってきてくれることが第一優先で、その状態で先頭を走ってくれと頼むのはこっちとしても心配でした。東日本に向けて凌吾と翼と3人で話し合った時に、形的にもしっくりきていたので、凌吾を主将にして、自分たち2人が異例ではあるんですけど副将となる形にしました。

浅野  3人の性格とかも含めて、凌吾が一番やりやすい状況にすることが今年のチームに、プレーでも環境でも一番やりやすい状況かなと思いました。凌吾が遠慮するような状況ではなく、まず凌吾が先陣を切ってくれた上で、そこを自分たちがサポートするような状況が一番チームがまとまるかなと自分たちも思ったので、そういう形でやりました。

ーー秋リーグで見つかった新たな課題はありますか

浅野 ここからはプレーどうこうとかで、すぐにプレーを変えられるわけではないので、自分たちがどういうマインドで日々プレーするかと、一日一日大切にできるかということですね。

馬渕  秋の収穫としては、技術的な面では最終戦でサーブがかなり攻められたのと、全体的な数値を見てもかなり少ないミス率、効果率もあってという状況だったので、そこは良かったところです。あとはミドルが終盤になるにつれて決定率、存在感を発揮してくれたので、そのおかげでサイドの枚数が減って、といういい攻撃ができるようになりました。最初に求めていた理想の形になってきたのでそういう部分は引き続きやっていきたいなと思います。あとは今年はブロックがあまり良くないのでブロックは重点的に、サイドアウトでも、ブレイク局面でも得点できるようにしたいと思います。

――後輩の戦ってる姿を見て、特に成長したと思う選手はいますか

馬渕 個人的には堅斗(麻野堅斗、スポ2=京都・東山)が秋リーグの最初の方は決定率があまり良くなかったんですけど、最後の方になってくるにつれて凌吾も使えるようになってますし、存在感を発揮してくれているので、僕としてはそこはいいなと思います。

中澤 データを打っていて思うのは佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が良くて。ハイボールを前半戦より打ち切れていたり、夏に練習してきたことがリーグを通して出てきています。結構、「俺がやらなきゃ」と思う子なので、そこは抱え込みすぎないか気になるんですけど、その真面目さが成果とか技術的なところにつながってると思います。去年は1年生として泰杜さん(水町泰杜、令6スポ卒=現ウルフドッグス名古屋)とか大貴さん(山田大貴、令6スポ卒=現東レアローズ静岡)についていったり、虎太郎(畑虎太郎、スポ3=福井工大福井)と交代で入る、3人目のスパイカーみたいな感じだったんですけど、今は虎太郎と一緒に軸となって打ってくれているので成長を感じます。

アナリストとして客観的にチームを見る中澤

浅野 同じです。堅斗です。

滝谷  自分は虎太郎が秋リーグでも、今までだったらレフトとか真ん中とが決まらなくなって最後虎太郎しかいないとなった時に打ってシャットされてしまう場面とかもあったんですけど、秋リーグは託してもそこで決め切ることが多かったので、そこは成長しているなと思います。

安田 2年生全般かなと思います。春リーグ始まった時は大学生になって初めて出ることもあって緊張とかもあったとも思うんですけど、ここまでで自分らのやりたいように、のびのびできるようになってると思うので、プレーでもいいとこが出てきていてという感じだと思います。これからチームの柱となる選手も出てきていると思うのですが、自覚を持ってプレーしてもらって、将来も楽しみだなと言えると思います。

山上  僕は印象が強いのは菅原啓(教2=山形南)。彼は大学からミドルを始めているんですけど、(部活に)入ってきた初日にブロック練習とかで骨折して。その病院について行ったのが自分で、その時に比べたら今年は春秋通じてスパイクをずっと決めていたり、ブロックも頑張っているのが伝わってきています。彼とはよく話すのですが、前に比べて頼もしくなったというか、体つきもそうなんですが、彼は波のない選手でもあって、それをリーグを通してやってくれているのはすごいと思います。これからもちゃんとやってくれたらなと思います。

インカレに向けて

――秋リーグが終わった今のチームの雰囲気は

馬渕 かなりいい状態ではあると思います。やっぱり自信もついたと思います。タイトルが取れたのはすごく大きなことだと思うんですけど、やっぱり全カレを優勝していくということはさっき筑波戦の話でみんな言っていたように簡単なことではないので、そこは自分たちが中心となってもう一段階ギアを挙げていかないといけないのかなと思っています。

――インカレで個人として注目してほしいところは

滝谷 4年生として悔いの残らない行動をしていこうと思っているので、そこを見てほしいなと思います。

浅野 ピンチの時に出ることが多いと思うので、そこを覆せるように頑張ります。

馬渕 コートの中でもコートの外でも誰よりも声を出したいと思っているので、そこの声掛けや雰囲気づくりを見てほしいです。

安田  チームの行動すべて僕にかかってくると思うので、チームの行動すべてが僕の考えという視点で見てほしいです。

一同 (笑)。

馬渕 大きく出たなあ(笑)。

安田  そこを見てもらって、早稲田ハキハキしているなと思ったら僕の手腕が光っているということだと思います(笑)。そこに注目してほしいです。

主務として1年間チームの運営を担ってきた安田

山上 治揮のそれで言うと、そもそも大会が開催されるかどうかは僕たち学連にかかっているので、そこをまずやりきることと、僕個人としてはカメラで撮った写真をSNSに載せると思うので、みんなが見て喜んでくれるような写真を撮ることを頑張っていきたいと思います。

中澤  私も治揮みたいな感じで言うと、早稲田が相手を見越した対策とか、今までより質の高い組織的なバレーをするためにはデータや自分たちないし相手の情報にかかってくと思うので、全カレがトーナメント式でどこが来るかわからない以上、どのチームが来てもちゃんと準備ができているように頑張ります。

――チームとしてどのようなインカレにしていきたいですか

安田  端的に言うと一試合一試合成長できるインカレにしていきたいと僕は思っています。

馬渕 僕は春の時から言っているのですが、最後笑って終われるインカレにしたいと思っています。やっぱり結果がどうであれ悔いの残らないように、そして笑って終われるように最後まで全力で駆け抜けていきたいです。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

滝谷 色紙にも書いたのですが、覚悟をもって、選手として戦っていきたいと思います。

浅野 泣いても笑っても最後なので、それにかけて集大成として戦っていきたいと思います。

馬渕 かわいい後輩ばかりなので、同期も大事ですけどまずは後輩のために全カレでしっかり笑って終われるようやっていきたいと思います。

安田 自分はこう取材してくださる皆さんや応援してくださるOBの方、ファンの方とオール早稲田で向かっていければなと思います。よろしくお願いします。

山上 僕としても最後の全カレかつ大会運営なので、そこの集大成としてやっていくというのと、色紙に書いたのですが、観客もチームの人も楽しませることができるように頑張っていきたいと思います。

中澤 全カレはトーナメントで、2年前のことがあったように正直結果がどうなるかはわからないですけど、できることはちゃんと準備して一戦一戦乗り切れるように、そしてプレーヤーはもちろん、私たちアナリストや1年生も含めて全員で笑顔で終われるよう全部出し切りたいと思います。

(取材、写真、編集 芦刈れい、高津文音、町田知穂)

最後のインカレに向けた意気込みを書いていただきました!

◆滝谷照(たきや・あきら)※写真左

2002(平14)年11月2日生まれ。身長190センチ。最高到達点340センチ。宮崎・日南振徳高出身。スポーツ科学部4年。これまで味わってきた悔しさを決して忘れずに、最上級生としての『覚悟』を持って臨みます!

◆馬渕純(まぶち・じゅん)※写真左から2番目

2002(平14)年7月12日生まれ。身長185センチ。最高到達点325センチ。岐阜商高出身。スポーツ科学部4年。最後の大舞台、まずは『楽しむ』気持ちで自分だけでなく、チームメイトを明るく照らします!

◆安田治揮(やすだ・はるき)※写真左から3番目

2002(平14)年8月25日生まれ。身長177センチ。最高到達点315センチ。新潟第一高出身。商学部4年。どのチームも目標とする全カレだからこそ、個々の力ではなく、『全員で』向かっていく姿勢をブラさずに挑みます!

◆浅野翼(あさの・つばさ)※写真右から3番目

2002(平14)年7月3日生まれ。身長173センチ。最高到達点300センチ。宮城・東北高出身。スポーツ科学部4年。決して平たんな道のりではなかったこの1年、そして大学4年間の『集大成』、『全部出す!』と熱く意気込んでくださいました!

◆山上優太(やまがみ・ゆうた)※写真右から4番目

2002(平14)年12月21日生まれ。身長168センチ。最高到達点295センチ。青森高出身。人間科学部4年。自身が運営する最後の大会、応援してくださる観客の方も『楽しませる』ために全力を注ぎます!山上選手も携わる学連の広報にも注目です!

◆中澤彩恵(なかざわ・さえ)※写真右

2002(平14)年8月2日生まれ。埼玉・浦和ルーテル学院高出身。人間科学部4年。部員全員のいいところを最後まで引き出し、『全員が笑顔でやり切る』ことができるよう、データ面から最高の環境を提供します!