【連載】ソフトボール インカレ直前対談『FLY HIGH』第8回 畠山陸主将×齋藤向陽副将

特集中面

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最終回は、チームを引っ張る主将・畠山陸(スポ4=高知西)と、副将・齋藤向陽(社4=群馬・新島学園)。現体制最後の大会となるインカレ(全日本大学選手権)への思いを伺った。

※この取材は8月15日に行われたものです。

「ソフトボールは兄の影響で」(畠山、齋藤向)


対談中の畠山

――まずはお互いの他己紹介をお願いします

畠山 久しぶりですねこれ(笑)。彼は社会科学部4年の齋藤向陽です。部内では副キャプテンを務めていて、僕はキャプテンなのでいつもサポートしてもらっています。プライベートでも、一緒にご飯に行くことや遊ぶことが多いです。

齋藤向 スポーツ科学部4年の高知県高知西高等学校出身、畠山です。小学生の頃からずっとソフトをやっていて、自分ではあまり言わないですけど経歴はめっちゃすごくて、全中(全国中学校ソフトボール大会)も優勝していますし、U15、U18の代表にも入っていて、全部優勝しています。早稲田にスポ推で入ってきて、1年から試合出ていて素晴らしい経歴を持った選手です。彼は自炊が素晴らしくて、1年の頃にはグラタン作ったりしていたみたいなので、引退したら彼の家に居候して、たくさんご飯食べたいなって思います。

――ソフトボールを始めたきっかけを教えてください。

畠山 きっかけは、7つ上に兄がいて、兄もずっとソフトボールをしていたので、僕も物心ついた時から一緒に家で野球とかソフトをやっていいました。地元は結構田舎で、人数少ないところでソフトボールしかないような、そんな環境だったので、そのままずっとソフトボール続けました。

齋藤向 僕も2つ上の兄がいて。最初は硬式野球とか色々やっていました。父親の転勤でいろんなところに住んでたんですけど、福井に引っ越したタイミングで、小学校にソフトボールのチームしかなかったので兄がソフトボールを始めて。僕も小学生だったんですけど、土日になると、暇だ暇だって騒いでたらしいので、一緒にソフトのチームに入る流れになって、福井県でソフトを始めました。

――主将、副将の役職に就いた経緯を教えてください

畠山 経緯はうちの部の伝統なんですけど、ちょうど1年前のこの時期に幹部選挙があって、そこで部員全員の投票でそれぞれの役職に選ばれたっていう形ですね。

――立候補があったのでしょうか

畠山 立候補というよりは、新4年生が全員候補で、そこから役職を選挙した形です。

――それぞれどんな役職だと感じていますか

畠山 1年間やってみて思ったのは、キャプテンはこのソフトボール部という組織を全て任されていて、なんでもできてしまう役職だと思っていて。というのも、学生主体の部なので、自分色に染められるというか、僕の思うようにチームを進められるっていう部分があります。何をするにしても、部員の協力や首脳陣のサポートはありつつも、(自分の意思で)どういう風にもできてしまう、という部分があります。ある面では、自分が思い描いたチーム像に持っていくことができますし、一方で責任が伴うというか、(チームを)間違った方向に導いてしまうとなかなかうまくいかないっていう難しい立場でもあります。

齋藤向 そうですね、副キャプテンは、昨年副将を務めていた方からも言われたんですけど、本当にこれっていう仕事とか役割っていうのはあまりなくて、正直何にもしないでいることもできるような立場です。実際にはキャプテンとか首脳陣の方との関係性とかも色々あるんですけど、代によってはキャプテンの方がすごく頑張って、副キャプテンは、何にもしないって言うと変ですけど、サポートがメインというか、キャプテンのやり方にとにかくついていくみたいな人もいます。昨年の稲井さん(宏平氏・令6法卒)なんかは、結構主将の荒川さん(健祐氏・令6スポ卒)と一緒に2人でチームを引っ張っていたなというような印象もあって。そういう意味ではチームの選択とか決断に関われる立場でもあり、逆に決断にどれだけかかわるかの自由度もあるっていうような役職ですかね。

――2人のプライベートでの親交はありますか

畠山 結構遊んでますね(笑)。

齋藤向 最近は僕が車を手にしてしまったので打ちっぱなしとか、ボーリングとか卓球とかに行ったり、あとは普通に部活後にご飯に行たりします。

――趣味などはありますか

畠山 最近はPS3のゲームがここに来てプチブレイクしてまして。なかなかご存じないかもしれないんですけど、「Call of Duty」シリーズのBO2という、もう10年くらい前のゲームがあるんですけど、それをブックオフで100円で購入しまして。それを服部(耕太郎、スポ4=東京・本郷)の家で一緒にやったりしています。

齋藤向 僕も大体同じで、あとはTikTokを見てるくらいです(笑)。

「日体大、国士舘大の壁は大きい」(畠山)


対談中の齋藤向

――ここまでの戦いを振り返っていかがですか

齋藤向 練習試合とか秋の試合とかで考えた時に(このチームは)過去4年の中でも力があるチームなのかなと思っています。だからこそ、春リーグで日体大、国士舘大に大差で負けてしまった時は、自分の中ではショックが大きかったんですけど、今はそこからどう立て直してやっていくかっていうところで、インカレまで残り1か月を頑張っている状況です。

畠山 そうですね。春から振り返ると、やっぱり日体大、国士館大っていう壁が大きいなっていう風に感じているのが正直なところです。春季リーグ戦、全総(全日本総合選手権大会東京予選)、東日本で大差で負けているのは事実なので、そこをチーム全体で受け止めながら、自分たち何ができるかなって、春からずっと考えてますね。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

齋藤向 バッティングは(昨年の)秋は結構調子が良くて、日体大とか国士舘大からも結構打つことができたんですけど、春リーグは実際全然打つことができなくて。特に日体大、国士舘大相手に全然打つことができなかったです。部内ではよく「仕留め率」っていう言葉を使うんですけど、ストライクゾーンに来た球に対して自分がスイングを仕掛けて、どのくらいの割合でヒットを打つことができるのかっていうところの精度をもっと上げていく必要があるなって思っています。守備に関してはこれといってミスがあったって訳ではないんですけど、とにかく次の塁への進塁を防ぐような守備っていうところを今自分の中で課題設定してやっているので、そこをインカレで達成できたらいいかなと思っています。

畠山 正直、春以降は自分のプレーが思うように発揮できずに、(プレーで)チームを引っ張れているかというと、そうではない期間が続いているなと感じています。バッティング、守備のそれぞれで個人としての課題はあって、それを克服するのも大事なんですけど、自分はそれ以上にチーム全体の課題をどうクリアしていくかっていうところに力を注いできたので、そこはインカレまで継続したいです。同時に、自分にとっても最後のインカレなので、自分のベストパフォーマンスを出して、チームをインカレ優勝に導くためにあと3週間ぐらいあるので、もっと自分のプレーにこだわって時間を使っていきたいと思っています。

――ここまでの4年間のベストゲームはありますか

齋藤向 2年前の全総の東京予選で国士館に勝った試合は結構いい試合の進め方ができたのかなと風に思っていて。国士舘の好投手を相手にホームランが2本くらい出ましたし、ちゃんと打つべき人が打って、小技する人も決まったりして、いい打線の流れで7点くらい取ることができたのかなと思っています。ピッチャーも卒業された佐藤慶弥さん(令6スポ卒)と稲垣(拓朗、スポ4=群馬・新島学園)の2人か継投でお互いにそんなに消耗することなく、国士館に点差をつけて勝ったっていう試合が、今までの中で1番良かったかなと思います。

畠山 新チームに入ってからで考えると、やっぱり思い出に残っているのは関カレ(関東大学選手権)の準決勝で日体大に勝った試合はベストゲームだったかなと思っていて。というのも、新チーム初めてのトーナメントというところで、もちろん日体大はずっと強いチームで、そこに自分たちがどれだけ戦えるか挑んだ試合でした。結果3―2で勝つんですけど、今思えば、打つべき人が打っていましたし、フォアボール選んでほしいところで選んでいるバッターもいて、一人一人が集中していたゲームというか、決めるべきところで決めているっていうのは、今振り返ってもすごく大きくて。稲垣も要所をしっかり抑えてくれて、2点で抑えていますし、チームとしても1点差というしびれるゲームをものにしたっていうのは、今振り返ってもベストなゲームだったのかなと思います。

「楽に優勝したとは思われたくない」(齋藤向)

――インカレに向けてチームの雰囲気はいかがですか

齋藤向 特に夏休み入ってから東日本(大学選手権)があって、その負けを受けて、チームとして、もしかしたらちょっと遅かったかもしれないですけど、本当に1日1日の練習の中で、全員が勝ちを意識して取り組んでくれているような印象を僕は持っています。そういった意味で、チーム一丸となっていい雰囲気で練習ができているんじゃないかなと思っています。

畠山 僕も向陽と同じような感覚を持っていて。やっぱり東日本の負けを一人一人が結構重く受け止めていて、その悔しさを持ったまま次同じようには負けないぞっていう意識持ちながら練習に励んでいるので、かなり練習の質が上がっているのかなと思います。

――インカレの目標は何でしょうか

齋藤向 1年間優勝っていうのを目標にしてきたので、そこはブレずに優勝を目標にしています。

――優勝という目標達成に向けて必要なことは何でしょうか

齋藤向 東日本で負けた後に、チームとして夏休みの残り1ヶ月、どういうことに取り組んでいくべきかを全員で話して、それを首脳陣の方々にも畠山の方から共有してもらっていて。打撃、守備、走塁それぞれでしっかりと明確に課題を設定して、期間も定めて、この練習試合までにどこまでクリアしよう、みたいな話までできているので、そこを練習の中で1つ1つ潰していってるというような状況です。

畠山 全部言ってくれました(笑)。

――チームの完成度を100点で表すとすると何点でしょうか

齋藤向 僕としては、負けちゃってはいるんですけど、すごく低いとは思わなくて、70点ですかね。

畠山 僕は80点ぐらいかなと思っています。というのも、向陽も言ってくれたんですけど、負けてはいるんですけど、選手一人一人の能力は十分あると思っていて、あとはそれをどうチームの連携に落とし込んでいくのか、インカレというトーナメントの舞台でその能力を発揮しきるかみたいなところが、残りの20点で自分たちが必要な部分だと思っているので、80点ぐらいです。

――インカレで個人として見てほしい部分を教えてください

齋藤向 バッティングですかね。一応上位打たせてもらっていますし、ランナーをかえす役割として期待されている部分もあるので、そこは自分の役割を全うできたらいいなと思います。なので打ちます。

畠山 僕は守備ですね。ずっとセカンドを守っていて、守備ではやっぱりインカレでも(投手の)稲垣を助けたい部分があるので、そこを見てもらいたいですね。2年時、3年時とそこそこのプレーがあの(インカレの)舞台でできている経験はあるので、今年も頑張りたいと思います。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

齋藤向 1回戦の中京学院大学とか、あとは3回戦で日体大、もしくは国士館大とあたると思うんですけど、そこを倒してこそ真の優勝というか、楽に優勝されたと思われても嫌なので、逆にいい舞台なんじゃないかなと思います。だからこそ優勝するために倒さなきゃいけない相手はどちらにしろ変わらないと思うので、トーナメントの組み合わせとは関係なく、自分たちの力を出しきれればいいなと思います。

畠山 僕はこの1年間、キャプテンという立場でとこのチームを引っ張ってきましたし、個人的にもソフトボールは一旦ここで区切りをつけようかなと思っているので、チームとしても個人としても最後の大会になるので、必ずインカレで優勝をして、有終の美を飾りたいと思います。

(取材・編集 西本和宏、写真 田島凛星)


意気込みを書いていただきました

♦︎畠山陸主将(はたけやま・りく)写真左
高知西出身。スポーツ科学部4年。チーム内では守備の安定感に定評があるとのこと。インカレでも華麗な守備に注目です!

♦︎齋藤向陽副将(さいとう・こうよう)
群馬・新島学園出身。社会科学部4年。「強豪を倒してこそ優勝」と語る通り、強打で得点を奪う姿に注目です!