今回は選手を支えるスタッフに注目する。アナリストの田島春樹(スポ4=長崎・上五島)と、マネジャーの今井珠生(文2=東京・早実)。男子部をサポートするお二人に、これまでの振り返りやインカレに向けての意気込みを伺った。
※この取材は8月15日に行われたものです。
人の温かさはこの部活の強み(今井)
対談中の今井
ーーまずは他己紹介をお願いします
田島 2年生のマネジャーの今井珠生です。早実から上がってきて、早実ではソフトボールのプレーヤーとして在籍していたそうです。練習時のティーバッティングのトスであったりとか、選手に近いところで練習をサポートしてくれています。試合でもスコアラーとしてベンチに入っていて、頼りになるマネジャーです。
今井 田島春樹、4年生のアナリストです。試合の分析を、一人でパソコンポチポチしながらいつもやってくれていて、チームには欠かせない存在だと思います。
ーーそれぞれの役職に就いた理由は
田島 私は将来プロ野球のアナリストになりたいと思っていて。大学でソフトボールの授業を取った時に、ソフトボール部のキャプテンの畠山(陸主将、スポ4=高知西)と中内(俊太朗、スポ4=東京・筑波大付)を中心に、ソフト部でアナリスト的な活動をしてみないかというふうに声をかけていただいて、それで興味を持って。入部したのが3年の11月だったので、プレーヤーとしてではなくアナリストとして、チームを支える方で頑張ろうかなと思ったのがきっかけです。
今井 私は高3の時にソフトボール部に所属していて、全国大会に出た時に、勝つ喜びっていうのをサポートする側から知って、大学でもずっとマネジャーを続けたいなと思って入りました。
ーー主な仕事は
田島 ツールが、自分でExcelで作ったものと、ネットで使えるものの2つを使っていて。試合を観て球種やコースを入力したり、測れる時は球速を入れたりして、その投手ごとに1試合で何を何球投げて何割の割合で投げているのかとか、どのコースにどんなボールを投げているのかを、データとして出しています。
今井 まずタイムキーパーと、ビデオの設置、打撃成績を取るであったり、ティーバッティングのサポートをしたり、選手に近い仕事も行っています。
ーー仕事の面白さ、やりがいは
田島 データとして見るので、相手投手の特徴とか、まずそもそもデータが出た時点で、こういう特徴があるんだっていう新たな気付きが得られることに喜びを感じます。あと試合でカウントごとに球種の割合を出すんですけど、今このカウントになったから次これかなって予想して、実際にその球種が来た時に、やっぱり当たってたって予測と実践がリンクするのがとても楽しいなと思います。
今井 面白さっていうのは、自分は選手経験があるので、それを生かして選手のそばでサポートできることです。楽しいこととか嬉しいことっていうのは、スコアを書いている時に、見やすいねとかこれからもよろしくねとか言われることで、自分の励みにもなります。
ーー早稲田の男子ソフトボール部の魅力は
田島 チームのいいところはやっぱり仲の良さだと思っていて、いい意味であまり厳しい上下関係がなくて、後輩とも仲良くできていると思います。1年生もまだ入部して半年経ってないくらいなんですけど、先輩とご飯行ったりとか、ボウリング行ったりとか遊びに行く機会も結構あるので、僕自身もそうですけど、来るもの拒まずというか、入ってきた人を温かく迎え入れてくれるチームだなと思います。
今井 私も人の温かさはこの部活の強みだと思っていて、私が入部したのも体験行った時に皆が優しくしてくれたからです。横のつながりも縦のつながりも幅広いこの部活は本当に居心地が良いし、雰囲気もすごくいいので、そこが魅力かなと。あとは多様な人がいるところ。面白い人もいたり、ソフトボール大学から始めた人もいるし、高校から続けてきた人もいるっていう色んなバックグラウンドを持った人と接する機会があるのもいいと思います。
ーー趣味やオフの過ごし方は
田島 僕は最近は、ゲームをやるかプロ野球を観るかっていう感じです。大体プロ野球は時間が決まっているので、プロ野球の試合を観て。終わったら、地元の友達も結構一人暮らししている人が多いので、通話しながら一緒にゲームするっていう過ごし方です。今一番やってるのはApexっていうゲームです。
今井 私は特に趣味とかなくて、オフの日はインスタの企画を考えたり、画像を作ったり、空いている時間に部活のことをやることが多いです。あとは家族や友達と出かけたり、普通の大学生みたいな生活をしています。
東日本インカレは個人的にも責任を感じる大会(田島)
対談中の田島
ーー東日本インカレを振り返って
田島 東日本に関しては、個人的には不甲斐ない結果になってしまったと思っていて。まず早稲田はシードで、1回戦東海大と中大の勝者と当たることになっていたんですけど、前評判を信用しすぎて中大の方しか分析をしていなくて。結果として東海大が上がってきて、試合前にデータが何もない、何もわからないっていう状態で試合に臨んでしまった。勝つことはできたんですけど、そこの準備不足が露呈してしまったのもそうですし、その後の日体大も、試合数を重ねててデータとしては結構持っているはずなのに、十分に有益なデータを提供することができずにコールド負けしてしまったっていうところで、個人的にも少し責任を感じる大会になってしまいました。
ーー試合前にチームでデータのミーティングをされたとお聞きしましたが、それはいつですか
田島 2試合目、日体大戦の前の日ですね。東海大に勝ってその日の夜に日体大戦に向けたミーティングをして、その時にある程度データを開示して、軽く説明してあとは各自目を通してくださいっていう形にしたんですけど、深いところまで踏み込めなかったというか、表面上の軽いデータだけを扱ってしまって、結果としてじゃあこういう場合はどうかと踏み込まれた時にうまく答えられなかったので、反省しています。
今井 重なる部分はあって、やっぱり中大が勝ち上がってくるだろうって予想していて、予想外の東海大に当たって。結果的に勝つことはできたけど大量得点をして勝ったゲームではないので、そこで大量得点をして勝っていたら次の日にも良い感じでつなげられたんじゃないかなと思うのは一つあって。それで日体大戦では3回までいい試合してたけど集中力とか色んな面で相手に劣ってしまったのかなというのは感じました。春リーグに引き続いてコールド負けしてしまったので、やっぱり日体大の壁は大きいんだなということと、決勝では日体大が国士舘大にサヨナラ勝ちして、やっぱり日体大は強いし、春リーグの悔しさもあって練習ですごく追い込んでるんだなと思ったので、そこの差を埋める練習をこれからしていかなきゃいけないなと思いました。
ーーこの一年間、現チームで印象に残っている試合や思い出は
今井 私は去年の関カレが印象に残っていて。準決勝で日体大にロースコアで勝って、決勝は国士舘大に負けちゃったんですけど。秋リーグから新体制になって3位で、その雰囲気を関カレまで継続して持ってこられたのはすごく良かったし、負けちゃったけど結果的にチームには良い流れがあったんじゃないかなと思います。
田島 一番印象に残っているのは春リーグの中大戦です。理由としては、田中宏二(人4=大分舞鶴)がサヨナラホームランを打って勝ったからで。大学では(ソフトボール部に入部するま))部活に入っていなかったので、サヨナラ勝ちの喜びが久々でした。自分はセンター裏からデータを取って観ていたんですけど、一人で飛び跳ねて喜んでたくらい、感情が爆発しちゃって。ビハインドで最終回に入って、雰囲気的にもちょっと怪しいなと思ったんですけど、結果的に最高の形で決めてくれたのでそれが印象に残っています。あと、その試合に勝てば日体大、国士舘大、早大と上位3チームが確定だったので、その時点でインカレ出場が決まって、それも重なってとても印象深い試合です。
自分たちのソフトができれば絶対勝てる(田島)
ーーインカレを前にした今の心境は
田島 さっきも言ったんですけど、東日本でデータの不備というか欠陥を、自分でも思ったし他の人にも指摘された部分ではあるので、もっと色んな角度から見たデータを収集して分析しなきゃいけないなと思っています。やっぱり一番の目標として、日体大を倒したいっていうのがあるので、チーム強化のために自分がデータでできることを精一杯やりたいと思います。
今井 私も絶対に勝ちたいっていう気持ちがすごく強くて、東日本で悔しい負け方をしたからこの夏頑張っていかなきゃいけないっていう中で、選手たちもやっぱり東日本の前よりも意識を高めて練習していて、それを一生懸命サポートしないといけないし、個人としてもより一層選手に近い立場でサポートしていかなきゃいけないなっていうのがあります。
ーーインカレでチームが勝つためにはどんなことが必要か
田島 個人的にちょっと思うのは、ずっと日体大に負け続けていて、半ば諦めている気持ちが多少あるんじゃないかなと感じていて。そこをチーム全員で「自分たちのソフトができれば絶対勝てるんだ」っていう強気の姿勢を共有していけば、実力は劣っていないと思うので。日体大だけでなく他の試合もそうですけど、全試合、自分たちが日本一強いソフトボールチームなんだっていう意識を全員が持って戦っていく必要があるんじゃないかと思います。
今井 私は、怖い選手を増やすのがすごく大事だと思っていて。日体大とか国士舘大を春樹さんが分析したりする時も、いい投手やいい打者の分析をするんですけど。日体大や国士舘大に負けてしまうのは、あまりチームに怖がられるような選手がいないからというのが実情なので、怖い打者になれるように日々の練習から頑張ってもらいたいと思います。
ーー今のチームの雰囲気は
田島 確実に雰囲気は良くなってきていて、インカレに向けて最後仕上げていくぞっていう上昇思考というか。皆が前を向けているのをとても感じます。これで優勝できるかと言われたらまだ分からないですけど、チームとしては今いい方向に向いてるんじゃないかなと思います。
今井 先輩と後輩の仲もいい感じに縮まってきて、雰囲気も良いので、勝てるように頑張ってほしいと思います。
ーーインカレで注目してほしいポイントや選手は
田島 チームとして注目してほしいのは、ベンチの声です。先輩と後輩の仲が良いので、結構プレーに関してもちゅうちょせずに言うことが多くて。もちろんヒット打ったりアウト取ったりした時は皆で盛り上げるし、逆にミスした時にドンマイという声もあれば厳しい声もある。そこに関してルールとかはなくて自由な声出しができるので、試合を観ていてどんな声がベンチから飛んでるのかなっていう部分に注目してもらえると面白いかなと思います。
今井 じゃあ、私からは注目選手を紹介します。3年生の佐藤玲弥さん(社3=静岡・飛龍)なんですけど、投手だけじゃなく打者としてもすごく頑張っていて、インカレできっとホームランを打ってくれるので、期待して待っていてほしいです。
ーー最後に意気込みをお願いします
田島 個人的な目標は自分のデータが生かされて試合に勝つっていうことなので、例えばこのカウントからだったらこういう球が来るよと言って、実際にその球が来てそれを打って点が入るみたいな。理想としてる攻撃ができて点が入って優勝できたら、一番幸せだなと思います。
今井 優勝しかないと思います。個人としても選手に信頼されるマネジャーになって、チームとしても日本一を目指せるような運営をしていけたらいいなと思います。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 田島凜星、写真 西本和宏)
対談中の2人
♦︎田島春樹(たしま・はるき)
長崎・上五島出身。スポーツ科学部4年。プロ野球のアナリストになることを目指して、データで男子ソフトボール部を支えています!
♦︎今井珠生(いまい・たまき)写真左
東京・早実出身。文学部2年。部の公式SNSも担当。プレーヤー経験を生かし、より選手に寄り添った運営を行います!