【連載】ソフトボール インカレ直前対談『FLY HIGH』第5回 稲垣拓朗×佐藤玲弥×鈴木寛汰朗

特集中面

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男子部第2回目はバッテリー組の対談をお届け。早大の絶対的エース・稲垣拓朗(スポ4=群馬・新島学園)、強打者としても活躍する佐藤玲弥(社3=静岡・飛龍)と、彼らをリードする鈴木寛汰朗(文構2=東京都市大付)。三人に意気込みを伺った。

※この取材は8月15日に行われたものです。

人間的成長ができるところが強み(佐藤)


対談中の稲垣

ーーまずは他己紹介をお願いします

佐藤 稲垣さんは、中学の部活でソフトボールをしていて、その時からピッチャーを始めたそうです。でもジャパンは外野で選ばれたっていう。

稲垣 すごい、思い切りイジってる(笑)

佐藤 新島学園高校に進学して、U17と18に選ばれてワールドチャンピオンになったっていうところが主な経歴です。あと大学でも一回ワールドチャンピオンになって。アスリート選抜でスポーツ科学部に入ってます。

ーー人柄は

佐藤 普段は朗らかで、特にストレッチを真面目にやる方です。

鈴木 人柄…?(笑)

佐藤 あとお喋りで、よく話してます。結構自分の世界観を持ってる方なので、それがいいところなのかなって思います。

稲垣 鈴木寛汰朗です。2年生で、学部は文化構想です。高校野球をやってて、(大学で)ソフトボール部に入ってキャッチャーをやってます。同級生と仲良いんですけど、イジられキャラというか。今季4月から試合にちゃんと出始めて、寛汰朗自身がチームにどう貢献できるかっていうのをすごく真面目に考えて日々取り組んでいる感じです。けど、自分に結構甘い部分もあって、そこは下級生らしくていいかなと思います。キャッチャーとしては肩が強かったり、機敏な動きができる。バッティングも鋭い打球が打てるし、去年も1年生ながら代打でホームラン打ったりとか、長打も期待できる選手です。あとは低音イケボなところがチャームポイントです。

佐藤 (鈴木を見て)めっちゃうれしそうじゃん。

鈴木 佐藤玲弥さんです。3年生で社会科学部で、労働問題のゼミに所属して真面目に勉強されてます。いつも本キャンいる時はバイト先によく行かせていただいて、奢ってもらっているので本当にありがたいです。人間性のところでいうと、すごい優しくて、器が大きくて何でも許してくれるような先輩です。たまに一発芸を急に振られたりするのがちょっとありがた迷惑かな(笑) ソフトボールでは高校時代からとても有名で。中学の時に、今明大野球部で日本代表の髙須(大雅)投手を抑えてエースをやってたっていう実績があるくらい、野球もセンス抜群な方です。プレーの面ではやっぱり長打力が魅力かな。ピッチングは120超えてくるドロップが強みです。

ーーソフトボールを始めたきっかけは

佐藤 お兄ちゃんがソフトボールをやっていたのでやりました。小1です。

稲垣 僕は小学校の頃野球をやっていて、進学した新島学園中学校に野球部がなくて、ソフトボール部しかなくて。野球での経験を生かしたいなと思って始めました。中1です。

鈴木 自分は大学からソフトボールを始めて。小中高と野球をやってたんですけど、もう大学では野球いいかなってなって、違う体育会とかを見ていた中でソフトボール部良かったなって思ったので入った感じです。

佐藤 お前、やれよ。

稲垣 (前2人の流れで)大1ですって言うんだよ(笑)

ーー趣味やオフの過ごし方は

佐藤 最近のオフの過ごし方は、同期の(田中)雄輔くん(スポ3=東京・筑波大付)と出掛けたり、ドライブが結構好きで。白糸の滝めちゃめちゃ綺麗でした、地元静岡の。日本三大滝?の白糸の滝なんで。ドライブ最高です。

ーー滝のどんなところが良いか

佐藤 マイナスイオン感じるところですかね。気持ちいいですね。プラスとマイナスがくっつき合って、プラマイゼロで全てを忘れる感じ。

稲垣 マイナスイオン感じててプラマイゼロなの?

佐藤 マイナスイオン感じてて自分がプラスイオン放ってるから中和されるんですよ。それでフィーリング的にちょうど気持ちよくなれるのが、綺麗な場所とかなので。ドライブでどこか行くのがオフの過ごし方です。

稲垣 僕は映画がすごく好きなので、最近ではインサイド・ヘッド2を観に行ったりとか。家でディズニープラス、Netflix、Amazonプライムを観たりもしてます。基本的にオフの日は体を休めるということで、夜温泉や岩盤浴に行ったりします。1人の時間もすごく好きなので、オフは割と1人で行動することが多いです。でも一か月前くらいに畠山(陸主将、スポ4=高知西)と齋藤向陽(副将、社4=群馬・新島学園)と3人で富士急ハイランドに行きました。畠山くんが高知出身で行ったことないということで一緒に行って、日本の最高の絶叫を楽しんできました。あとは最近野球にはまってて、プロ野球を観に行ってます。

鈴木 自分も野球観るのが好きで、ヤクルトファンで。内山(壮真)選手が好きで背番号も(内山選手と同じ33番)。野球以外だとサウナ行ったりします。サウナだけの施設とか、よく銭湯とかも行ってリフレッシュしてます。


投打で活躍する佐藤

ーー早稲田のソフトボール部の魅力は

佐藤 すごく頭が良くて考えてるチームだと思います。人間的成長が一番の目的で、手段を間違えずに成長していくところがこのチームの良いところだと思っていて。普通の部活では学べない上下関係を学べるところも。人間的成長ができるところがうちの部活の一番のいいところです。

稲垣 まずはバックグラウンドが色々違う人が多くて、違う学部とか入試方式とか、野球やってたかソフトやってたとか。そういう人達が一つに集まって、インカレ優勝とか人間的成長っていう目的に向かって切磋琢磨していくっていうところはすごくいいチームだな。他の体育会に比べても上下関係があまり厳しくないというか。今みたいにイジり合ったりすることが日常としてあるので、4年生から1年生まで仲が良いのがこの部活の魅力かなと思います。あとはOBの方々が残してくれた結果とか功績はこの部活でしかないものだと思いますし、伝統の教えが伝承されているチームだなと思います。

鈴木 下級生として感じることは、やっぱり上級生との仲の良さは一番の特徴かなと思ってて。こういうふうにインタビュー中でも雰囲気良くできてるのもそうだと思いますし、普段の練習中もちゃんとメリハリがあるのがいいところです。あとは首脳陣の方とか大人の方と関わる、特にキャプテンとか大変そうだなと思うので、選手主体でやるっていう難しさも感じながら、すごいなと思って見てます。

1イニングでも多く4年生と試合がしたい(稲垣)

ーー現チームでの一年間を振り返って

鈴木 自分は、去年インカレとかは全然出てなくて。秋リーグは何試合かスタメンで出たんですけど、関カレとか、今年の春も練習試合はほとんど出てなくて。リーグ戦から出させてもらって、最初の方は稲垣さんや玲弥さんの球を捕ることで精一杯で、あんまり他のことが見えてなかったんですけど。最近の東日本では、自分のプレーに集中しながら周りもちょっとずつ見えてきたかなと。そういうところが成長できたと思います。春リーグ初戦の東大戦で、1打席目凡退した中で2打席目にホームランを打ったことはすごく印象に残っています。

佐藤 この一年間振り返って、まず9月、稲垣さんが秋リーグにいないと。かなりピンチで、2部に降格したらどうしようかと思いながら投げてたんですけど、なんとか3位で終われたことがこの一年間で一番ほっとしたことです。その次の思い出が関カレで、(日体大の)吉本(和央)からタイムリーを打ったことです。次の思い出が東日本で、2死一、ニ塁でヒットが打てなかったことです。打てる気してたんですけど、それ以上に球が動いてたのでミートできなくて、とても悔しかったですね。チームでの思い出は、稲垣さんの隣でピッチングができたことです。

稲垣 この一年間、正直成長できたことっていうのはあまり結果として出てなくて、すごく悔しいことが多くて。最後の年いかに自分が色んなことに挑戦できるかってところをやっているんですけど、インカレで結果を出すことっていうのが4年間の集大成かなと思っていて、そのために日々取り組んでいる感じです。変わった部分としては、今まで下級生とか先輩がいる中で自分が1年生から試合で投げていて、結構自由に自分の意思を尊重しながらやっていたところを、最上級生になってチームが勝つためにどうできるかを日々考えながらプレーしたりとか。1イニングでも多く4年生と試合がしたいっていう思いがこの一年間で芽生えてきたなっていうところはあります。思い出は、関東インカレで日体大に勝ったのがすごく印象的でした。インカレでボロ負けして、大学代表の試合を終えて、玲弥に秋リーグ頑張ってもらって、そのまま勢いづいていったっていうところは、僕が帰ってきて新チームで難しい中でもチーム皆同じ方向に向かっているなと感じて、その中で勝てたのはすごく良かったんですけど。決勝で国士舘に負けてしまって、まだまだ課題が残ったなっていう印象で、これからの楽しみになる大会でした。あと春リーグの中大戦で僕が体調不良でなかなか試合で活躍できない中で、最後田中宏二選手(人4=大分舞鶴)がサヨナラホームランを決めてくれたのは、同級生に助けてもらったなっていう感じがして嬉しかったです。でもそれ以上に、田中宏二選手がホームベースでぴょんぴょん跳ねてうれしそうにしてたのがすごく印象的でした(笑)

稲垣さんを日本一のピッチャーに(鈴木)


対談中笑顔を見せる鈴木

ーー続いてインカレについてお聞きしたいと思います。インカレを前にして今の心境は

佐藤 やるしかないです。

鈴木 出るのが初めてということで緊張はしているんですけど、あまり背負っているものがないので、暴れたいなと思います。

稲垣 さっきも言ってたんですけど、なかなか今年結果が出てなくて。日体大に結構打たれて負けているので責任を感じています。その悔しさを払拭するのはあと1回しかないと思っていますし、1イニングでも多くこのチームでプレーできるようにしたいなっていう気持ちがあるので、万全な状態で臨むことを強く意識しています。

ーーチームの目標は

一同 優勝です。

ーー勝ち進むためにはどんなことが必要だと思いますか

佐藤 自分は与えられた役割を全うすることです。もしバッティングで出させていただいた場合にはその責任を持ちつつ、楽しんで。今年こそは結果残して大暴れして、4年生に恩返しできるように頑張りたいと思います。

鈴木 まず個人としては、日体大のピッチャーを打てないと始まらないと思うので打てるようにするっていうのと、今スローイングに重点的に取り組んでいるのでインカレで盗塁刺せるように頑張りたいと思います。あとは、稲垣さんを日本一のピッチャーにできるようにしたいと思います。

稲垣 この2人が言ってくれた通りで、僕もチームの役割を全うすべきですし、相手選手を意識した日頃の練習をしていく必要があります。個人的には万全なコンディションで臨むっていうのが一番すべきことかなと思うのでそこは徹底していきたいですし、あとは鈴木寛汰朗とのバッテリーがもしかしたら最後かもしれないので、チームの軸としてしっかりコミュニケーションを取っていきたいなと思います。チームとしてやるべきことは、インカレって不思議と絶対苦しい場面が来るので、そこで打ち勝てるように、全員で同じ方向を向けるようにしていくことです。そのためにはやっぱり練習で、何のために練習しているのか、その先に何があるのかを全員が意識して練習することが必要かなと思います。

ーーインカレではどんな投球をしたいですか

佐藤 力強いボールで押して、三振取れるようなボールを投げて、少しでも稲垣さんを助けられるように頑張りたいです。

稲垣 チームが最終的に勝っていればいいので、そこを目標にまずはやっていきたいですし、そのために細かいところでいくと、相手に無駄な進塁を許さないとか、チームを勢いづけたい場面での投球、例えば先頭打者は絶対に切るとか、そういう細かいところまでやっていきたいなと思いつつも、気持ちを乗せて大胆に思い切ってプレーしたいです。

ーー(鈴木選手に)キャッチャーとしてどんなリードをしたいですか

鈴木 二人ともピッチングに(それぞれ)強みがあるので、その強みを生かして、相手の嫌がるようなリードができればなと思っています。チームとしては絶対的なキャプテンがいるのでそこに頼ってしまうんですけど、グラウンドに立ったら関係ないと思うので、自分が引っ張っていく気持ちで頑張りたいと思います。

ーーインカレで注目してほしいポイントや選手は

佐藤 自分の(注目)ポイントとしては長打力なので、ここぞと言う場面で一本打てるように頑張ります。注目選手は齋藤向陽選手ですね。彼は2年生の時日体大からホームランを打ったんですけど、4年生最後のインカレなので、今年は2本打ってこのチームを勝ちに導いてほしいという気持ちです。同じ社学の先輩でもあるので。

鈴木 自分としてはインカレ初めてなので、冷静さを保ちつつもパッションあふれるプレーを見ていただけたらなと思います。注目選手としては、4年生がやってくれると思うので4年生全員に注目して欲しいです。

稲垣 4年生は最後の集大成として一球に懸ける集中力とか気迫のプレーに注目して欲しいですし、1、2、3年生で試合に出る選手もフレッシュにプレーするところも注目して欲しいなと思います。

ーー最後に、インカレの意気込みをお願いします

佐藤 今年がインカレ優勝の最後のチャンスだと思うくらいの気持ちで本気で臨むので、是非暴れる姿を現地まで観に来てください。

鈴木 絶対日本一を獲って稲垣さんを胴上げしたいと思うので、富山まで応援お願いします。

稲垣 最後に結果を出すというところも勿論なんですけど、このチームで1分1秒でも長くプレーしたいと思っているので、そこに懸ける思いや早稲田らしさの一球に対する集中力を見てほしいなと思うので、富山まで是非お越しください。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 田島凜星、写真 西本和宏)


インカレへの意気込みを書いていただきました

♦︎稲垣拓朗(いながき・たくろう)写真中央

群馬・新島学園出身。スポーツ科学部4年。早大が誇る絶対的エースが、最後のインカレで一球に懸ける思いに注目です!

♦︎佐藤玲弥(さとう・れいや)写真右

静岡・飛龍出身。社会科学部3年。佐藤選手自信がプラスのイオンを放っているので、マイナスイオンを感じると中和されてちょうどいいのだとか…!?

♦︎鈴木寛汰朗(すずき・かんたろう)

東京都市大付出身。文化構想学部2年。対談では先輩2人を前に少し緊張気味でしたが、インカレでは大いに暴れてくれることでしょう!