【競走】女子単独チームで駅伝初出場! 江本コーチの下、新たな歴史を刻む

駅伝

第32回関東大学女子駅伝対校選手権 10月3日 印西市千葉ニュータウン周回コース

 10月3日、千葉県印西市にて行われた第32回関東大学女子駅伝対校選手権(関東女子駅伝)に早大が挑んだ。早大の女子単独チームとしては初となる駅伝出場。中距離の選手から競歩を専門とする選手まで、個を結集させ6人が34・4キロをつないだ。長距離をメインとする3人を中心に各区間で選手たちが奮闘し、総合15位でフィニッシュ。今年で112代目となる早大競走部の長い歴史に、新たな1ページを刻んだ。

 起伏のある4・3キロの周回コースで行われた今大会。連日の雨とはうって変わり、強い日差しが照りつけ汗ばむような陽気となった。流れを決める1区には熊倉花萌(スポ2=東京・早実)が出走した。序盤から10人ほどの先頭集団が形成され、熊倉は2つ後ろの集団で中大、立大と共にレースを進める。序盤から1キロ3分切りの区間新ペースを刻む先頭集団に、熊倉らはだんだんと差をつけられるが、冷静に走り続けた。最後は熊倉が中大、立大の前に出て先頭と1分13秒差の14位でタスキリレー。実力を十分に出し切り見事な走りを見せた。

 続く2区は3キロの最短区間。先頭では筑波大が独走態勢を築く中、熊倉からタスキを受けた田村るう(教1=長野・松本深志)も1年生ながら懸命な走りで前を追う。すぐ後ろにつけていた立大の井上愛梨に抜かれはしたが、迫り来る東女体大には前を譲らず、流れを維持し15位で3区の始関千華(政経3=北海道・札幌南)にタスキをつないだ。

 最長8・6キロのエース区間3区を任されたのは、早大の女子長距離メンバーの主軸である始関。猛スピードで追い上げていく立大に引き離されるも、始関は淡々と自分のペースを刻む。足の痛みにより思うような練習ができていなかったと言うが、「いろいろな人の応援もあって、想像以上の力を出せた」と、ほとんど同時のタスキリレーとなった東女体大との差をみるみるうちに広げていった。始関は前を走る東農大と51秒差で中継所へ。順位こそ変動しなかったものの、始関は区間11位の力走でチームをさらに勢いづけた。

 一段と暑さが増す中、レースは後半へ突入。4区から6区までは、いずれも長距離を専門としない選手が出走した。4区に登場したのは武田亜子(スポ3=静岡・日大三島)。武田亜は800メートルを主戦場としながら、高校時代には全国高等学校駅伝競走大会(都大路)を経験。その経験も生かし、前半区間の選手たちに続いて想定以上のタイムで走り抜けた。順位を上げていく東農大には抜かれたものの、単独走で粘り抜き15位を維持。繰り上げスタートが迫る中、見事にタスキリレーを果たした。

 続いて準エース区間の5区には金野真綾(スポ2=茨城・日立第一)が出走。競歩で鍛えた健脚で7・3キロに挑んだ金野。しかし中盤で中大にかわされ、1分以上離されてしまう。また日ウェル大も背後に迫っていた。大会記録を上回るペースでトップをひた走る大東大とも8分以上に差が開き、6区の鈴木翼沙(スポ4=東京・日大櫻丘)は中大や日ウェル大など6校と共に繰り上げスタート。惜しくも早大のタスキはここで途切れたが、金野は来年につながる道を最後まで駆け抜けた。

 最終6区は中距離で実績を残す鈴木翼が4年生の意地を見せた。繰り上げで同時にスタートとなった日ウェル大の後方でレースを進めた鈴木翼は、見た目で後ろにいる中大を引き離す堂々の走り。城西大が5区終了時点で途中棄権したことで順位が1つ上がり、15位でフィニッシュ。鈴木翼はレース後、地面に倒れこむほど力を出し尽くした。

 早大競走部にとって初めての挑戦となった女子駅伝。結果は決して満足とは言えないが、初舞台で確かな手応えをつかんだチームは前を向いている。来年以降はより力を蓄え、全国大学対校男女混合駅伝(男女混合駅伝)のシード権獲得、さらには全日本大学女子駅伝の出場権獲得へ。スタートラインに立った早大女子駅伝チームは注目必至だ。

(記事 田邉桃子、写真 阿部仁胡、石本遥希、鈴木京介、中部百合子)

結果

第32回関東大学女子駅伝対校選手権

区間距離名前記録区間順位
1区4・3キロ熊倉花萌14分24秒15位
2区3・0キロ田村るう11分00秒18位
3区8・6キロ始関千華29分46秒11位
4区5・6キロ武田亜子20分46秒18位
5区7・3キロ金野真綾27分42秒19位
6区5・6キロ鈴木翼沙20分48秒16位

早大 2時間4分26秒 15位

コメント

江本亘中長距離コーチ(令4スポ卒=愛知・岡崎北)

--初出場を振り返っていかがですか

 もっと苦戦すると思っていました。早稲田というチームからするとあまり満足できない結果かもしれませんが、思ったよりも戦えたというのが率直な感想です。

--前半3区間を振り返っていかがですか

 1区から3区までは長距離を専門としている選手で固めるという方針でした。1区には次年度以降への期待も込めて熊倉を配置しましたが、思った以上によく走れていました。この大会に合わせてきていたので、その力をしっかり出せたと思います。2区の田村に関しては、まだ1年生なので今年1年は土台を作っていこうという段階です。まだ練習量を抑えている中で出場させたので本人にとっては悔しい結果だったと思いますが、駅伝に出るという経験を積むことができてよかったです。3区の始関は日本インカレの1500メートルで早稲田新記録となる4分23秒をマークしましたが、その後足を痛めて練習を中断していました。やりたい練習があまりできていなかった中で区間11位だったので、思ったよりも戦えたと思います。本人も充実した顔をしています。来年はもっと上に行けると感じています。

--後半区間を振り返っていかがですか

 4区から6区の選手は長距離を専門としておらず、この大会に出ることだけ協力してもらいました。4区の武田はまだ800メートルのシーズン中ですが、高校時代に都大路を走った経験も生かし、想定以上に走れていました。本人も驚くような結果だったと思います。5区の金野は競歩の選手で、達成感を感じられるような結果を出したいと強い気持ちで臨んでくれました。負担の大きい区間だったので前とはかなり離されてしまい、悔しいと思いますが、しっかりと走ってくれて感謝しています。本人は来年も走りたいと言っているので、来年につながるレースになったと思います。6区の鈴木は4年生で、800メートルの引退試合を控えている中ですごく頑張ってくれました。もともとチーム内では苦戦する、繰り上げスタートになる可能性が高いといった話をしていましたが、4年生らしく堂々とゴールする姿を見せてくれました。

--今大会までのアプローチで工夫したことはありますか

 部内で女子長距離部員はすごく少ないですし、強化体制が整っているとは言えない状態ですが、2年前の男女混合駅伝から始まり、少しずつ部内の理解が得られてきています。今年から栄養面談と血液検査を始めて、練習を大きく中断する選手がとても減りました。健康と競技の両立を一番大事にしているので、それを少しずつ体現しながら駅伝に向かってアプローチできたのは良かったです。

--今大会の結果を踏まえて、来年の男女混合駅伝や関東女子駅伝に向けて改めて工夫していこうと思っていることはありますか

 男女混合駅伝に関して、昨年は13位とシードまであと一歩だったので、何とかシードを取りたいです。男子の中距離は戦力ダウンしてしまうので、女子が引っ張るようなレースをできればと思っています。来年の関東女子駅伝に関しては、今年の結果を踏まえて甘くないなと感じます。今回で言うと東洋大が全日本大学女子駅伝の出場権を獲得し、立大があと一歩でしたが、そういった大学の選手たちは1年間死に物狂いで全日本大学女子駅伝を目指していると思います。我々も6人以上が年間を通して死に物狂いで全日本大学女子駅伝を目指さないといけないという意識を持ち、アプローチも変えないといけないと思っています。

始関千華(政経3=北海道・札幌南)

--チームとしての結果を率直に振り返っていかがですか

 今日は出場することと各選手が力を出し切ることが目標でしたが、実力以上の力を発揮してくれました。チームとしては十分来年につながる結果になったと思います。

--3区での走りを振り返ってみていかがですか

 想定では、1キロ3分30秒で5キロまで押して、そこからはできる限り頑張るという感じでした。平均ペースは3分35秒ほどになると思いましたが、結果的には3分半切りのペースで走れたので、個人としては想像より走れたなという感覚です。いろいろな人の応援もあって、自分の想像以上の力を出せたかなと思います。

--この大会に向けての調整はいつ頃始めましたか

 9月頭の日本インカレは1500メートルのみのエントリーであったので、そこから急ピッチで仕上げたという感じです。2週間ほど前から足を痛め、1、2週間離脱していたので、スタート前は走れるか不安でした。

--今大会に向けてチームの雰囲気はいかがでしたか

 駅伝に向けて主に練習していたのは前半区間の3人で、それ以外の区間は800メートルや競歩をメインにしている選手が走ってくれました。練習を一緒にできることは少なかったですが、おのおの声かけをしたり、駅伝について話したりとコミュニケーションをとっていました。

--ロードレースに向けた特殊な調整はありましたか

 個人的にはカーボンシューズに慣れるのが難しかったので、(カーボンシューズを履いて)トラックで何回か走りました。

--今日の結果を踏まえて、今後の目標についてお聞かせください

 今日は、チームのメンバーの力も借りて来年につながる走りができたと思います。メンバー次第ですが、来年はあわよくば全日本大学女子駅伝を狙いたいと思っています。個人としては区間上位でもっとチームに貢献できるような走りができればと思います。