いよいよ、東京六大学秋季リーグ戦が開幕する。今春は6校中5位に終わった早大は今季、「天皇杯奪還」を目指す。初戦の相手は、今春4位と同じく悔しい結果に終わった法大。攻守両面で戦力を高めた相手との一戦は、決して簡単な試合ではない。まずは初戦を白星で飾り、チームに勢いをつけたい。

強力な法大打線
法大打線の中でも、特に警戒すべきはプロ注目の主将・藤森康淳(4年)だろう。昨秋は58打数27安打、打率4割6分6厘をマークし、首位打者とベストナインを獲得した。一方、今春は12安打、打率2割4分5厘にとどまり、本人も「チャンスで打てなかった」と悔しさを口にしている。大学野球ラストシーズンの今季、再び昨年の打撃を取り戻そうと藤森は意気込む。早大としては、大事な初戦で波に乗らせない投球が求められるところだ。
藤森のほかにも、今春1番打者として打率3割8分3厘、23安打12打点と安定した活躍を見せた境亮陽(2年)や、12試合すべてに出場し、3本塁打、14打点と持ち前の長打力でチームに貢献した井上和輝(2年)ら2年生打者にも要警戒だ。

守備面では、春にチーム防御率3.53と課題を残した投手陣の立て直しがポイントになる。中心は春に37回2/3を投げ、防御率2.15で先発の柱を担った助川太志(4年)だ。2番手候補は春に先発で試合をつくった菅井颯(3年)や、けがからの復帰を果たした安定感のある右腕・針谷隼和(4年)か。リリーフでは昨季防御率0点台とブレークした櫻田朔(2年)に注目。今季はリリーフ陣も含めた投手陣が安定感を取り戻せるかが法大の戦いを左右しそうだ。
また、藤森は守備と体力面の2点を春の課題に挙げた。強力打線で得た得点を守りきるためにも、チーム全体で守備力の向上が求められる。
総力戦で挑む早大打線
対する早大打線は幅広い選手の活躍が重要となる。今春リーグ首位打者、2本塁打9打点と安定した成績を残した德丸快晴(スポ2=大阪桐蔭)は、オープン戦も好調を維持。秋も中軸として打線をけん引したい。
また、スーパールーキーとして期待されながら春は苦しんだ阿部葉太(スポ1=神奈川・横浜)や、今春ルーキーながらDHとして10試合に出場し8安打1本塁打をマークした川尻結大(スポ1=宮城・仙台育英)らルーキーの活躍にも注目したい。
そして夏のオープン戦で最も好調だったのは4年生外野手の井櫻悠人(スポ4=香川・高松商)。中大戦で4打数4安打、ENEOS戦では初回に先頭打者本塁打を放つなど、1番打者の座を手にしつつある。大事な初戦で結果を出し、ブレークの足がかりをつかみたい。

早大の第1先発は、春に先発として成長した髙橋煌稀(スポ3=宮城・仙台育英)だろう。春は法大戦で9回1失点、10奪三振の完投勝利を挙げた。本人も「良い感覚で投げられた」と手応えを口にする。秋も先発の柱として、安定した投球でチームを勝ちに導けるか。まずは初戦で、春の再現といきたい。
第2先発では、宮城誇南(スポ4=埼玉・浦和学院)の起用が濃厚か。宮城は春に0勝4敗、防御率6点台と苦しんだだけに、秋の復調が待たれる。春はスプリットやインコースの精度に課題を実感。これらを修正して、一皮むけた投球を見せられるか。
主力左腕の香西一希主将(スポ4=福岡・九州国際大付)と佐宗翼(スポ2=石川・星稜)は夏季オープン戦で調子が上がらなかったが、その起用法には要注目。復調の兆しを見せいる越井颯一郎(スポ4=千葉・木更津総合)の先発可能性も十分にあるだろう。

春の悔しさを晴らし、天皇杯を取り戻すための秋が始まる。一戦必勝の姿勢で、選手一人一人が力を発揮する総力戦に挑む。初戦を飾り、王座奪還への一歩目を踏み出せるか。
(記事、仲里柚花)