【男子バスケ】ディフェンスから流れを掴み中大に勝利 4年生が意地魅せる

男子バスケットボール

9月2日 第102回関東大学リーグ戦(リーグ戦) 東京・代々木第二体育館


 8月30日の敗戦(東海大戦)を経て、「コンスタントに試合があるリーグ戦では一戦一戦切り替えるのが大事だ」と話したBigbears。本日の相手は、スプリングトーナメントで逆転勝ちした中大だ。この日の早大の得点力は精彩を欠く時間が長く続き、リーグ戦が開幕してから初めて90点を割った。それでも中盤、粘り強いディフェンスから流れを掴み、中大に一度も逆転を許すことなく74-64で勝利を収めた。


 最初7ポゼッションは両校無得点でのスタート。1分半が経過したところで石口直(中大4年)に3Pシュートを浴び先制を許すも、速いトランジションからF三浦健一(スポ4=京都・洛南)がレイアップをねじ込む。またG城戸賢心(スポ4=福岡第一)やG嘉手川太智(商4=沖縄・開邦)が立て続けにバスケットカウントを決め勢いをつけた。一方、中大は三谷拓夢(中大2年)がワイドオープンから3Pシュートを沈めると、ディフェンスではF松本秦(スポ2=京都・洛南)から一瞬もマークを外さず、アテンプトすら許さない。早大の攻撃の要である松本がまさかの無得点でこのQを終えることとなった。しかし、G下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一)中心の速いトランジションから三浦、城戸、嘉手川の4年生が着実に加点しスコアは23-16。8点リードで第2Qを迎えた。

ドライブからシュートを放つ下山


 第2Qは下山の3Pシュートから始まる。第1Qでは「肩に力が入りすぎている」とベンチから声が飛んでいたが、美しい軌道を描いた外角からの一撃が沈むと、そこからテンポを掴んでいった。しかし中大も3Pシュートと執拗なディフェンスで早大に喰らいつく。ディフェンスに関しては、動きながら相手の守備の穴を見つけていく早大の攻撃に対し、中大は迅速なオールスイッチで対応。「速さ」と「松本の3Pシュート」を封じにかかった。終盤には三谷が連続でアーチを描き点差を縮める。それでも三浦を中心になんとか得点を重ねた早大は、逆転こそ許さなかったものの、39-36と3点差にまで迫られた。

3Pシュートを放つ松本


 第3Qは早大がディフェンスから流れを掴んだ。途中7分台から3分台にかけては11-0のランを見せ一気に差をつける。特に嘉手川は体を張ったカッティングや、他選手にマークが寄っている隙を見て積極的に自ら点を奪いに行く姿勢を見せ攻守にわたってチームをけん引。下山も毎試合フル出場しているとは信じ難いスタミナとスピードでコートを駆け巡り、速い展開を作る。終盤、鴫原樹木(中大4年)やカッター勲生(中大4年)に連続得点を許すも 57-49と点差を広げ、試合は最終Qを迎えた。


 第4Qはディフェンス、リバウンドに対する集中力の高さが目立った。プレッシャーをかけたディフェンスから生まれたカッティングや、オフェンスリバウンドでの積極的なボックスアウトによって攻撃の時間を確保する早大。嘉手川のスティールから城戸のレイアップを決め、三浦がドライブからシュートを確実に沈める。この連続得点でリードを14点にまで広げた。対する中大は3Pシュートで応戦。高山鈴琉(中大4年)・石口を中心に逆転を試みるも、中大がブレイクに成功したのは1回のみ。その間、早大はオフェンスリバウンドからのゴール下や三浦のバスケットカウントなどで得点を重ねリードを保ち続ける。74-64と最後は10点差で試合は終了した。


 この日のスタッツは早大らしからぬものとなった。リーグ戦3試合の平均得点は31.3点だった松本だが、この試合はわずか4点。最大の武器である3Pシュートは0/9(本)に終わった。3Pシュートは波があるものだが、アテンプト数(3P)の平均(リーグ戦3試合)が13.7本であることと比較すると、いつも以上に打てるチャンスを作り出せなかったことも得点に伸び悩んだ要因の一つとして考えられる。しかし、リバウンド数を見るとOR 1本・DR15本の計16本。早大のディフェンスリバウンドの約半分に絡んでいたということになり、前回試合で課題として振り返っていたボックスアウトとリバウンドへの意識が数字にも表れる結果となった。また、松本に頼っていた得点を4年生が見事にカバーしているところにも注目だ。チーム随一の突破力を持つ三浦は両チーム最多の27得点をマーク。守りの面でも、チームメートに指示を出しディフェンスの連携の中心を担った。さらにAUBLからリーグ戦序盤にかけて試合ごとに進化を遂げる嘉手川は19得点5REB、3STの大活躍。ハッスルディフェンスで勢いをもたらすだけでなく、相手からのマークが外れた隙を見逃すことなく確実に得点へと繋げチームに大きく貢献した。

 
 中大は高さに大きなアドバンテージを持つチームではないため、組織的なディフェンスでピックやノーマークの3Pシュートを抑えることが鍵となった本試合。それらを封じ込むディフェンスから流れを引き寄せた早大だったが、出場選手への偏りは長いリーグ戦を戦い抜く中で課題の1つとして挙げられる。スタートメンバーが全員35分を超えるプレータイムを記録しており、他チームと比較して圧倒的な長さとなっている。週に3試合というハードスケジュールの中で最後まで勝ち抜くには、ベンチメンバーの爆発も必要になってくるだろう。

 しかし、試合ごとにスターが変わり、各々の強みでチームを勝利に導く選手がいる、ということもまた早大の魅力の一つだ。残りの18試合も、毎試合予想し得ないバスケを繰り広げる早大に期待がかかる。

(記事 北郷美結 写真 横山和葉、吉田真悠)

コメント

三浦健一(スポ4=京都・洛南)

ーー序盤は点数が伸び悩んだがその理由は
 チームとして1クォーターは悪くなかったと思います。ですが連戦の疲れで2クォーターで開始5分全然点が取れなくて、相手にやられたくないことをやられてしまったのが得点が止まった原因かなと思います。

ーーやられたくないことは具体的にどんなことか
 自分たち(のチーム)は相手のディフェンスに対応してミスマッチを狙い、最終的にはゴール下もしくはコーナーのスリーポイントを狙っていくチームですが、相手にはそこを対策されてシュートを何本も落としてしまいました。また、リバウンドもしつこいチームで、そこに対してアジャストできなかったというのが、自分たちの我慢できなかった部分かなと思います。

ーー相手の5番(石口直)、11番(三谷拓夢)対してはどういったディフェンスが理想だったか
 スイッチした際は、一方向に限定して守り、あえて抜かせてからローテーションで守ることで、ドリブルからのシュートを防ぐ狙いでした。ですが、うまく機能せずに相手にやりたい放題やられてしまいました。また、ディフェンスの崩れから自分たちのオフェンスも重い展開が続きました。 そこはディフェンスの改善する部分かなと思います。

ーー個人的に意識したことは
 人間なので調子の良し悪しは誰にでもあって、うまくいかない日もあります。ただ、そうした日こそ何ができるかが今後のキャリアにつながると思っています。4年生が多く出場している中、今日は(松本)秦にストレスがかかり、前半は思うようなプレーをさせてあげられませんでした。
 倉石さんも彼をうまく起用したいという風に話していましたが、試合を通して彼を気持ちよくプレーさせられず、チームとしても活かしきれませんでした。その中で、(嘉手川)太智が泥臭いプレーで頑張ってくれたことが、今日の勝利につながったかなと思っています。

ーー松本選手はアテンプトが少なかったが、それに対して
 本人も相手がマークを強めてくることは理解していたと思います。ただ、マークをはがす動きは一人では限界があるので、スクリーンをかけるなどサポートするのが周りの4人の役割です。相手のマークが寄った隙にほかのエリアをつくという共通認識を持っていましたが、今日はそこがうまくかみ合いませんでした。本来オフェンスの起点としたい形とは違うズレができてしまい、チームとしてのリズムが良くありませんでした。
 結果として勝てましたが、点を取るべき選手が点を取れず、今日の試合は自分たちが目指すバスケットではありません。相手の対策に対して臨機応変に対応しきれなかった点が課題かなと思います。

ーー後半はディフェンスから流れを掴んだイメージですが、ディフェンスについて
 ディフェンスを(しっかり)やらないと勝てないという風に分かっていました。いつも下級生に頼っている分、最後は4年生の意地を見せたいという思いがありました。ディフェンスを粘り強くやれたのは良かったですが、まだまだ連戦が続くので改善すべき課題はたくさんあるので見直したいです。

ーー藤山選手に期待すること
 彼のいいところは泥臭くリバウンドを頑張るところだと思います。「もっとこうしてほしい」というのは正直ありませんが、最低限の仕事ができれば、チームにとってプラスになります。今年は共通認識がまだ持ててないのかなと。 去年に比べたら、自分の役割が何かというのが(まだ)分かっていないのかなと思いますね。

ーー次戦にむけて意気込みをお願いします
 土曜日は連戦で青山学院大学が相手になります。今週は日本人主体のチームが続き、勝たなければいけないというプレッシャーもありますが、まずは目の前のオフェンスやディフェンスを一つずつ確実にやりきることが大切です。自分たちはサイズがない分、試合を優位に進めるには絶対に後手に回らず、常に先手をとっていくことがカギになります。今日の課題を反省し、タフな連戦の中で全員で目の前の一勝をつかんでいきたいです。

G嘉手川太智(商4=沖縄・開邦)

ーー本日の試合を振り返って 

 中大はリバウンドやディフェンスがタフなチームで、自分たちもそこは頑張らないといけないチームなので、そこで自分たちが上回ることができるかどうかが今日の試合の重要なポイントだったと思います。

ーーその中でリバウンド5つ、スティール3つと体を張ったプレーでチームを引っ張りました 

 ディフェンスやリバウンド、ルーズボールは自分が強みとしている部分なので、自分から率先して相手を上回ることは今日の試合で意識していました。

ーートランジションのディフェンスで三浦選手からの指示がよく聞こえましたがその部分での連携については

 一番はコミュニケーションの部分です。結局今日ずっと石口選手や三谷選手にやられていて、それをいかに試合の中で自分たちで改善できるかは課題だったので、そこはもっと頑張りたいと思います。

ーー得点の部分でも、特に後半にゴール下で積極的に得点しましたが振り返ってー

 今日の自分のディフェンスには身長が大きい人がついていて、身長のミスマッチはあるけれど逆に言えばスピードのミスマッチがあったので、そこでどれだけ自分が得点に絡めるかを意識しました。

ーー中大の石口直選手や三谷拓夢選手にシュートを打たれる場面が目立ちましたがディフェンスについて改善点は

 早大の得点源である(三浦)健一と、自分のところにミスマッチができているところから得点につなげやすいのは感じていました。(三浦)健一は経験もあるので、どうやって中大のディフェンスを突破できるかみたいなところは積極的にコミュニケーションを取ってやっていました。

ーー次戦に向けて意気込みをお願いします 

 青学大もタフなチームなので体を張らないといけない部分がたくさんあると思うんですけど、そこでも自分がチームを引っ張っていけたらと思っています。