秋季オープン戦 11月9日 対帝京大C 帝京大・百草グラウンド

時折雨が降りしきる中、帝京大Cとの一戦が帝京大・百草グラウンドで行われた。早大は先週の関東大学対抗戦で帝京大に惜敗し、この日行われたB戦、D戦でも黒星を喫している。なんとしても1勝をつかみとりたい早大Cは、立ち上がりから果敢に攻め込み、2トライを先取。試合の主導権を握りかけたと思われたが、地力で勝る帝京大Cのフィジカルに押され始め、徐々に主導権を奪われてしまう。立て続けに失点を許し、最終スコア17―43でノーサイド。早大は帝京大相手に4連敗を喫することとなった。

ラインブレイクするCTB森田
早大Cのキックオフで始まった今試合。立ち上がりからCTB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)が鋭いプレッシャーをかけてボールを奪うと、1分には早大Cが敵陣ゴール前に迫る。ボールを継続し、SO池山昂佑(商3=東京・早実)のフラットなパスを受けたCTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)がギャップを突いて中央にトライ。池山のコンバージョンも決まり、7ー0と幸先よく先制した。続く5分、NO・8龍康之助(文構2=東京・早大学院)のスティールから敵陣へ攻め込み、島田、池山、森田とテンポよくボールをつなぐ。池山のオフロードパスを起点に再び島田が仕掛け、最後は池山のパスを受けたWTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)がトライラインを叩き割った。序盤から池山、島田、森田のインサイドBKが躍動し、アタックラインを巧みに操る。しかし、帝京大Cが反撃の狼煙をあげる。9分、早大Cの連続ペナルティーで自陣深くまで攻め込まれると、FWの連続攻撃を止めきれず失点。このトライをきっかけに流れが変わった。以降、接点で押し込まれる場面が増え、17分、23分には逆転を許してしまう。それでも早大Cは島田のタックルからボールを奪い返し、LO駒井良(スポ1=東海大大阪仰星)や森田の力強いキャリーで再び攻め込むが、得点には結びつかない。前半終了間際には帝京大Cに連続フェーズからトライを奪われ、スコアは12―24。出だしの勢いとは裏腹に、終盤は帝京大Cに主導権を握られる展開となった。

ライン際を駆けあがる小澤ジ
迎えたセカンドハーフ、先に得点を返したい早大Cだったが、開始直後に2トライを奪われ、苦しい展開となる。反撃の機会が訪れたのは21分。龍の力強いゲインから起点をつくり、池山を軸に左右へとボールを展開。フェーズを重ね、最後は小澤アがライン際で押し込み、トライラインに手をかけた。その後は帝京大Cに何度も自陣ゴール前まで攻め込まれるが、15人が繋がり続けてゴールを守る。しかし、無情にもノーサイド。スコアは17―43。後半も帝京大Cの地力を前に、差を広げられる結果となった。

インゴールへ走るNO・8龍
早大Cは立ち上がりから連続トライを挙げ、幸先の良いスタートを切ったかに見えた。しかし、帝京大Cの圧倒的なフィジカルと激しいプレッシャーに押され、徐々に主導権を奪われていく。反撃の糸口をつかめぬまま、失点を重ねての敗戦となった。それでも、劣勢の中で光を放った選手たちを紹介したい。まずは司令塔の池山だ。今試合では鋭い長短のパスを巧みに使い分け、試合をコントロールした。両CTBの島田と森田も存在感を示した。島田は持ち味のアタックに加え、ディフェンス面での貢献をみせた。キックオフでのチェイスからボールを奪取し、接点では鋭い出足で相手の勢いを止め続けた。森田はアタックで輝いた。アンストラクチャーの場面では小刻みなステップでディフェンスラインを突破し、外のスペースがあれば正確なロングパスで展開した。さらに、ルーキーの駒井も忘れてはならない。落ち着いた判断と力強いプレーで攻守にわたりチームを支えた。彼らの存在がチームにエナジーをもたらし、確かな成長へと繋がったのは間違いないだろう。試合後、両チームは円陣を組んだ。歓喜に包まれる帝京大の輪とは対照的に、早大の円陣は長く、そして静かだった。その静かな闘志を胸に、すべては最後に『荒ぶる』を歌うため。シーズンも終盤にさしかかり残された時間はわずかだ。「決勝までの2ヶ月、最後まで足掻き続ける」とLO紀伊が語るように、早大Cの歩みは決して止まらない。
(記事:大林祐太、写真:村上結太)
コメント
◆LO紀伊龍二(商4=東京・早実)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
「コリジョン」です。接点で一歩も引かないことを意識しました。
ーー帝京大相手ということで、どんな想いで試合に臨みましたか
春夏ともにCは帝京に勝てなかったこともあり、積み上げてきた成果を発揮し、必ず勝つという想いで挑みました。
ーー敗戦してしまった原因はどこにあると思いますか
ペナルティーを重ねてしまい、敵陣でプレーできなかったことだと思います。
ーーセットプレーの手応えはいかがですか
ラインアウトアタックは安定していましたが、スクラムとモールディフェンスに課題が残りました。
ーーシーズンも終盤に差し掛かっていますが、今後の意気込みをお願いします
決勝までの2ヶ月、最後まで足掻き続けます。
◆LO駒井良(スポ1=東海大大阪仰星)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
「覚悟」です。
ーー帝京大相手ということで、どんな想いで試合に臨みましたか
少しでも上のグレードに上がるチャンスと思って臨みました。
ーー帝京大の接点でのプレッシャーはいかがですか
とても強かったです。
ーーシーズンも終盤に差し掛かっていますが、今後の意気込みをお願いします
少しでも『荒ぶる』に貢献できるよう頑張ります。
◆CTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
コリジョンで相手を上回ることをチームとして意識していました。
ーー帝京大相手ということで、どんな想いで試合に臨みましたか
シーズンの終盤に向けて重要な試合だと捉えていたので、個人としてもチームとしても負けられないという気持ちで挑みました。
ーー自らのランでスペースをついたり、空いてるところにボールを的確に運んでいましたが、ご自身のパフォーマンスを振り返ってみていかがですか
アタックでは悪くないシーンも多くあったのですが、規律の部分とディフェンスでボールを取りきるという部分が課題だと感じました。
ーーシーズンも終盤に差し掛かっていますが、今後の意気込みをお願いします
ここからはどれだけ自分たちのやるべき事にフォーカスして取り組めるかが重要だと思うので上井草での1日1日を大切にしていきたいと思います。
メンバー表
