入学当初から着実に成長を遂げ、4年目となる今季、関東学生対校選手権(関東インカレ)では3000メートル障害(サンショー)入賞、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)でも初のメンバー入りを果たした草野洸正(商4=埼玉・浦和)。自らを偉大な先輩と次世代のつなぎ役と称するも、ラストイヤーに掛ける思いは誰よりも強い。4年生として過ごした今シーズンの振り返りと共に、小さい頃からの憧れの舞台である箱根への意気込みを伺った。
※この取材は12月10日にオンラインで行われたものです。
最高学年として迎えた勝負の一年
関東インカレの3000メートル障害で、ハードルを越える草野
――メンバーに選ばれた率直な感想をお願いします
4年目で初めて3大駅伝のエントリーに入って、早大に入る前からずっと駅伝で走るのを目標としていたので、走る可能性が出てきたというのは素直にうれしく思います。
―― まずは誰に連絡しましたか
先程エントリーが発表されて、家族とか友達からかなり連絡が来ていたので、後で返そうと思っています。
―― 今シーズンの振り返りをしていきたいと思います。新チームがスタートして、個人としてはどのような思いで1年をスタートさせましたか
最高学年というのが頭にあったので、いかに最高学年らしく堂々とできるかということと、個人としては結果を追っていきたいので、出る大会で少しずつ結果を残していきたいという思いでスタートしました。
――チームを引っ張っていくための運営的なところで意識していたことはありますか
チームとしては、キャプテンの伊藤大志(駅伝主将、スポ4=長野・佐久長聖)を中心に4年生で何回も話し合いながら慎重に運営を進めてきました。個人としては、自分は後輩とは気さくに接することのできるタイプだと思っているので、フレンドリーに学年を縦につなげられるように過ごしました。
――トラックシーズンの目標はどのようなものだったのか教えてください
1番大きな目標としては全日本インカレ(日本学生対校選手権)で入賞することでした
――関東インカレの3000メートル障害では6位入賞という結果を振り返っていかがですか
昨年に出場した時は予選敗退だったので、今年はまず決勝に残って入賞するということを目標にしていました。決勝に残ることができて、決勝では他大の選手と最後まで十分に戦うことができたので、自分にとってはかなりの自信になりました。
――昨年までの3000メートル障害の先輩たちが残した結果に対して、プレッシャーはありましたか
昨年の先輩方が引退されて、今年はサンショーの選手が僕しかいなかったので、見てくださる人もサンショーの決勝に早大の選手がいないと面白くなくなると思いました。そして何より来年以降の選手達にとって、今年穴を空けてしまうと、昨年の先輩たちが作ってくれた流れが途切れてしまうと思ったので、そこは自分がしっかりとつなぎ役になれるようにと思いました。
――この一年で3000メートル障害のタイムが伸びた要因を教えてください。
僕は元々持ちタイムがほとんどなくて、入学当初から右肩上がりに記録を伸ばすことができました。それに加えてラストイヤーにかける思いというのが周りと比べてもあったと思うのでこの2つが大きいと思います。
――今年一年のトラックシーズンを振り返っていかがでしたか
最初の関カレまでは良かったのですが、関カレが終わってからすぐに体調を崩してしまいました。そこからは思うように夏に向けてはいかなかったのですが、運よく夏明けの日本インカレには出場させてもらいました。入賞することはできませんでしたが、自分のトラックシーズンの締めくくりとしては満足いくところになったと思います。
――その後夏合宿に入っていきましたが、意識されたことはありますか
4年間の中で一番距離を走ろうと思いました。年々チームの層も厚くなっている中で、他大学と比べて早大はどうしても練習の量や走行距離が劣ってしまうところがあります。(そこは)4年生を中心になんとかカバーしていきました。そもそも走力向上にはたくさん距離を走ることが重要だと思ったので、夏合宿は絶好の機会なのでそこは意識していました。
――合宿での練習消化率はいかがでしたか
途中で離脱することもなく、ほぼほぼ100パーセントできたと思います。
――夏合宿では収穫や課題は見つかりましたか
まだまだ1番上のチームとは差があったので、みんなと同じ余裕で練習することは難しかったですけど、自分のキャパシティを知ることができました。きつい練習で後半粘れなかったり、リカバリーに時間がかかったりするということが課題として合宿全体を通して見えてきました。
――その後駅伝シーズンに入りましたが、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)や全日本大学駅伝対校選手権(全日本)はどのような気持ちでご覧になっていましたか
ラストイヤーでメンバーには入りたいという風には思っていたので、そこに関しては悔しかったのです。ただ、チームとしては合宿も上手くいって、いい流れで駅伝を向かえていたので、応援する側としてはある程度自信をもってわくわくしながら見ていました。
――チームの結果に対してどのように捉えていますか
出雲に関しては、前半思うようにいかなくて後半盛り返して6位というところでした。全日本に関しては、僕が所属している4年間の中で、かなり駅伝らしいというか早大らしい走りがチームを通してできたと思うので、箱根に向けてすごく収穫のある駅伝になったのではないかと思います。
最後はみんなで笑って終わりたい
合同取材で意気込みを語る草野
――箱根まで3週間を切りましたが、箱根を目前にして今どのような心境ですか
自分としては、箱根は競技としての区切りにもなるので、そこに向けて十何年間競技を続けてきた集大成をなるべく多くの人に届けられればと思っています。
――現在の調子はいかがですか
夏合宿が終わって一回落ちたのですが、最近は練習のできも体調もすごくいいです。
――現在のチームの雰囲気はいかがですか
いい意味での緊張感があって、これから箱根に向かってやっていくぞという雰囲気になっています。
――現在はどのような練習を行っていますか
今は箱根前、最後の追い込み期間でチーム全体で質の高い練習を行っている段階です。
――主将である伊藤大志さんはどのような人ですか
スポーツ推薦の選手は堅いイメージがあるのですが、大志は物腰柔らかく、とても熱く、応援の時も率先して声が枯れるまで応援していて、すごく人間味の溢れる選手です。
――箱根駅伝に向けての質問をしたいと思います。4年目で初のメンバー入りですが、箱根に対してどのような思いを持っていますか
箱根は小さい頃からの夢だったので、個人としては走りたいと思っています。
――走りたい区間とその理由をお願いします
走りたい区間は6区です。理由としては昨年の北村さん(北村光、令6スポ卒=現ロジスティード)や栁本さん(栁本匡哉、令6スポ卒=現愛三工業)が引退されて6区を走る人がいない中で、花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)に「6区いってみるか」と言われたことと、来年以降のつなぎ役の役割が自分にはあると思ったからです。
――ご自身の走りの強みというのはどのようなところですか
安定感と最後まで振り絞って走る粘り強さだと思います。
――今のチームにどのような思いを持っていますか
自分達の学年が最高学年ということで運営する学年になり、ミーティングも重ねてきました。いいことも悪いことも経験してきたチームなので、最後はみんなで笑って終わりたいと心の底から思っています。
――個人としての目標をお願いします
6区で区間5位以内が目標です。
――最後に箱根への意気込みをお願いします
ラストイヤー全力で頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 谷田光太郎)
◆草野洸正(くさの・こうせい)
2002(平14)年10月25日生まれ。172センチ。埼玉・浦和高出身。商学部4年。韓国の6人組ガールズグループである「IVE」のファンである草野洸正選手。推しのメンバーはメンバーの中で最年長であり、いじられ役でもあるガウル。彼女の天然で抜けているところが推せるそうです!