昨年は、創部初の快挙となる王座制覇を果たした早大アーチェリー部女子。2連覇をかけて今季王座に出場するのは、チームを引っ張ってきた、4年連続王座出場の髙橋梨杏女子リーダー(スポ4=神奈川・横浜)、昨年に続き2度目の出場となる、次期主将の浅田陽香(スポ3=東京・昭和)、2年連続王座出場の実力者、五関晄子(スポ2=エリートアカデミー)、1年生ながらチームをけん引する古庄千陽子(スポ1=エリートアカデミー)の4人。王座を目の前にしたそれぞれの心境や意気込みなど、熱い思いを伺った。
※この対談は6月1日に行われたものです。
お互いについて
ーーまずはじめに、お互いの他己紹介をお願いします
髙橋 3年生の浅田陽香ちゃんです。66代で次に主将になる子なんですけど、王座2回目で意外といけるのかなと思いきや、最近めちゃめちゃ緊張しているらしいです。割と緊張しいなんですけど、でも試合では全然楽しんでやってくれると思います。基本的に雰囲気を明るくしてくれる子なので、王座でもそれを期待していてほしいなと思います。
浅田 1年生の古庄千陽子ちゃんです。いつもふわふわしていて笑顔をたくさんみんなにばらまいてくれる子なんですけど、でもふわふわしているように見えて意外としっかりしているなと最近思うことが多くて、なので多分チームも1年生ながらにガンガン引っ張っていってくれると思います。
古庄 2年生の五関晄子先輩です。晄子さんは、高校生の時からの先輩で、いつもハッピーって感じでずっと笑顔で。でもしっかりと、王座だったり大会の時に、集中して勝負強いところが持ち味の先輩です。
五関 4年生の高橋梨杏先輩です。梨杏さんは、去年も一緒に王座でチームを組んで、一緒に優勝したメンバーなんですけど、梨杏さんのマインドが私は結構好きで、やればできるっしょみたいな。もうめっちゃ好きで、それが勝負強いというか、怖いもの知らずなのかはわからないですが、そういう雰囲気に見えて。私も先輩になるにつれて、そういうマインドをもっと強く持っていきたいなと思っている存在です。あとはチームとしてもめっちゃガツガツ引っ張ってくれる系の先輩なので、ついていくだけにはならないように、それを真似したいなと思います。
――アーチェリーを始めたきっかけを教えてください
髙橋 高校で始めたんですけど、中学まではバトミントンをやっていて、高校進学してからコロナ禍で部活をどうしようかなと思って、新しいこと始めたいなと思った時に、ちょうど校内にアーチェリー場を見つけて、もともとやりたかった弓道とは別なんですけど、同じ弓かと思って体験に行ったのがきっかけです。
浅田 私は同期の鈴木春香ちゃん(スポ3=埼玉・武南)に新歓に誘われて、そこで初めてアーチェリーを知って、ポラリスを打って楽しいなと思って入りました。
古庄 私は小学3年生の時からアーチェリーをやっていて、1個年上に姉がいて、姉が始めた影響で始めました。
五関 私は家の近くにアーチェリー場があって、兄がいるんですけど、兄がやってるのを見て、私も真似してみたいなと思って、小学4年生の時に始めました。
ーーそんな皆さんが考えるアーチェリーの魅力とは
古庄 私は、射つ瞬間がめっちゃ気持ちよくて、あと10点に入った時が気持ちいいなって思ったので、そこが魅力かなって思いました。見ている人からしたら、遠い距離から射つんですけど、その遠い距離でも選手たちが当てているの見て、おーっとなると思います。
髙橋 私は大学のアーチェリーにはなってしまうんですけど、やっぱり今回の王座とか団体戦は、普段個人競技のアーチェリーだからこそ特別感があって、それを経験できるのがすごい魅力だなと思いますし、団体戦はやっぱり後ろからとかの応援が、大学は特に魅力的だなと思っていて、もう決勝とか準決とかに行っちゃうと、自分の学校の人たちじゃない他校の人たちも応援してくれたりとかして、会場全体が自分を応援してくれてるような感覚になれるのが、個人競技だけど、団体戦もやるアーチェリーならではの魅力かなって思います。
五関 アーチェリーはやる方はもちろん緊張するんですけど、見てる方も選手がこれを何点打つんだろうみたいなドキドキ感があり、選手よりも意外と緊張している人が多いって聞くんですね。コーチとかなんですけど。選手だけではなく、見てる側も同じ気持ちで楽しめて、緊張感を持ててワクワクが結構高まる競技かなと思います。
浅田 単純な動きだけだからこそちょっとした感覚の違いとか、フォームの違いとかを自分の中でめっちゃ考えて行動して考えてやってみてという、自分だけに集中できる競技だなって思って、そこがいいなって思います。
王座について
ーー王座選考があったと思うのですが、その形式や選考会の雰囲気を教えてください
高橋 形式としては、 1試合が 72本打つんですけど、それの3試合分の合計の点数で上位4人が選ばれます。雰囲気は、特に男子はなんですけど王座は1年に1回しかないですし、その 1年に部内から男女4人ずつしか出られないので、練習試合とかリーグ戦とかの選考よりも緊張感があって、結構ピリッとした雰囲気があるかなと思います。女子はピリついた空気はあんまり感じなかったので、いつも通り楽しく、いつも通りを発揮してくれればいいよって感じでした。多分普通ではないんですけど、それは今年ならではの雰囲気だったかなと思います。
ーー選考会にはどのような気持ちでのぞまれましたか、また選考会中に意識していたことを教えてください
高橋 私は4年生で最後の王座ですし、4年連続出場がかかっていたので、絶対に負けられない、落ちれないなと思っていました。選考会中に意識していたことは、とにかく自分がその時にできることを全て出し切ろうという風に思っていて、もちろん点数を出したいもそうですけど、上振れていなかったからこそ、できること、練習の時からやっていることを出し切れば大丈夫だろうなと思っていました。
浅田 私は絶対に選考を通りたいというのはもちろんなんですけど、それよりも去年の自分の選考の点数を超えたいと思いながら射っていました。選考会中には、正直あんまり強気で行けていなくて、選考会に臨むのにあたって10点当ててやるって気持ちよりかは、もうどれだけミスしないかって結構保守的な考えだったんですけど、ミスしないぞという意識でいました。
古庄 初めての選考会で特に1試合目はすごく緊張してしまって、とりあえず先輩たちについていこうという気持ちで射ちました。初めの1試合目の時の的順が、梨杏さんと浅田さんと一緒で、選考会の雰囲気にも慣れている先輩方だったので、一緒についていけるように頑張ろうという気持ちでやりました。選考会で意識したことは、高校の時よりも練習量が落ちているので、練習量をカバーするために集中してやるということです。
五関 王座選考前の試合が、少し自分的にアーチェリーの調子が悪くて、それを克服するための試合だと思って取り組んでいて、その選考会では自分に自信を持って早く射つことだけを決めて、 3試合ずっと射っていました。フォームを意識するとか、そういうのではなくて、自分の苦手な分野を努力するぞという気持ちで射っていました。
ーーここから1人ずつお聞きしていきたいと思います。まず髙橋選手から伺います。リーダーとして挑む4回目の王座となりますが、リーダーとしての思いを教えていただきたいです
髙橋 4年生女子が自分しかいなかったので、後輩だよりなチーム作りにはなってきたかなと思います。でも歴代の先輩たちは手を引いて引っ張っていくというより、後ろから背中を押すような先輩が多かったのですが、その先輩たちと私はタイプが違うかなと思っていて、最初他己紹介で晄子が言ってくれたみたいに、ガツガツ引っ張っていき、「やろう、頑張ろう、いけるいける」みたいなタイプなので、それを王座でも発揮したいです。3人とあとは早稲田のみんなが、65代の王座を楽しんでくれたらなと思っています。
ーー2連覇を目指すということで、昨年とはまた違ったプレッシャーがあるかもしれないですが、試合で意識したいことを教えてください
髙橋 去年は3度目の正直みたいな、4位、2位と来ていて今年こそはという思いがあって、あとは樹里さん(渋谷樹里氏・令8スポ卒)に恩返ししたいみたいなのがすごく強かったんですけど、今年はとにかく楽しもうっていう気持ちが強くて、 65代の方針としてアーチェリーを楽しくやるということもあるんですけど、それを自分も体現して、その結果後輩たちを勝たせられたらなって思っています。

最後の王座となる髙橋
ーー続いて浅田選手に伺います。昨年に続き2回目の出場ですが、初出場だった昨年と心境の違いなどはありますか
浅田 あります。去年は初めてすぎて、あんまり正直緊張していなくて楽しみだなという感じだった結果、楽しかったなという感じで終わってしまって、振り返ってみるとあんまり自分の行動とか言動で、チームに貢献できたことがなかったなって思って。なので今年は2回目というのもあるので、もっと自分がチームのためにできることを尽くして、もっとやりきったなって思えるような試合にしたいと思っています。
ーー昨年からご自身が成長したと感じる部分や、今年特に注目してほしい点を教えてください
浅田 去年よりは、72射の平射ちで多分もっと堂々と打っていると思います。去年は結構スコーパーの先輩に頼りっぱなしで、指示をしてもらって、それに合わせてサイトを動かすみたいな感じだったんですけど、今年はやっぱり経験を積んできたので、自分の感覚と射技を信じて、射っていると思います。
――次に五関選手、昨年は大学入学後初めての王座で先輩3人とプレーされましたが、今年は後輩も入ってきました。昨年との心構えの違いなどがあったら教えてください
五関 どうなんでしょう。自分でもはっきりわからないですけど、去年はもう大学生として全国大会の初試合みたいな感じで、人生で一番楽しいと言えるぐらい楽しくて緊張もしていなくて、早稲田というチームで自信に満ちあふれてプレーしていたので、勝てるぞみたいな感じでした。今回は確かに後輩もできて 1つ学年が上がったこともあるし、もちろん2連覇もかかっているので、少し緊張感もあるのかなと思います。ですが逆に、その2連覇を考えすぎず、一つ一つのトーナメントの試合に集中して、一つ一つ勝つことに集中していけたらいいなと思っています。
ーー昨年の王座以降たくさん試合を経験されてきた中で、成長した点や今のご自身の強みなどがあったら教えてください
五関 (悩んでいる様子で)気持ち、かな
髙橋 でもより淡々と打てるようになっているのかなと思う。ずっとそうだったんだろうなとは思うけど、もっと感情が一定になっているような気がする。
五関 確かに一旦下がった時期があって、この悪い時を学んで今は戻ってきて、アーチェリーについての知識が増えたというか、経験値が積み重なって、今は気持ち的に安定してプレーができるようになったと思います。
ーー最後に古庄選手に伺います。高校時代にもたくさんの大舞台を経験されてきたと思いますが、大学入学後初めての全国大会をどう感じていますか
古庄 そうですね。やっぱり高校の試合と大学の試合で違うところは応援だと思っていて、今の全体練習でも王座選手と応援のチームに分かれて練習することが多くて、練習している間も応援の声がすごい聞こえてきて、先輩方と喋る時も頑張ってねとか、そういう声かけをいっぱいしてもらっています。なので選手ももちろん見てほしいんですけど、その応援、チーム早稲田の雰囲気も会場で見てほしいなって感じています。
ーー全員先輩の中でのプレーとなるが、どのような気持ちでチームに入っていますか
古庄 本当に頼りになる先輩たちばかりなので、いい意味で先輩方のことを考えずに自分のことに集中してできるチームだなと思っていて、先輩方も団体戦においてのアドバイスとかをたくさんしてくれて、全国大会で優勝したチームの雰囲気だったり、王座ってこういう雰囲気だよって教えてくださるので、すごく伸びのびとできているなっていう風に思います。

1年生ながら王座出場を決めた古庄
ーーここからは、王座についてまた全員にお聞きしていきます。まず、王座を控えて現在練習で工夫していることはありますか
髙橋 これをやれば当たるみたいなのが、7年やってきて自分のことは割と自分でわかっているという自信があるので、それを本当に突き詰めるというか、緊張した場面でもそれをずっと守り続けられるように、ただ射つのではなくて、ちょっと時間を気にしてみたりとか、ちょっとつま恋の会場をイメージしてみたりとか、自分の中で王座のイメージをしながら射つようにしています。
浅田 私は2つあって、1つは早く射つことで、私は3分の中でずっと最後まで残っているというのが多くて、それが自分の課題でもありました。王座はもっと緊張すると思うので、練習からもっと早く射って、それに慣れるようにしています。もう1つは王座も近く、ここからどう足掻いても、劇的な変化はできないと思うので、今自分が意識しているそのポイントをだけを考えながら、新しいことを始めようとせずに、ミスしてもその決めたことだけを考えながら射つようにしています。
古庄 私が練習で工夫していることは集中することです。王座でどういう風に勝っていくかということを考えた時に、やっぱり私はさっき晄子さんも言ったように、一試合一試合に集中してやることが大切だと思ったので、そこをしっかり意識して、先輩方と団体戦を組む時も、普段から試合のイメージをしながらやることを工夫しています。あとはアーチェリーを楽しむぞという感じで、王座でも楽しめるように頑張りたいなと思います。
五関 王座は団体戦なので、1人2本射つんですけど、2本をどれだけ正確に素早く射てるかというのを意識して、練習も 一本一本イメージしながら射っています。団体戦だとやっぱり引き戻したりとかすると、少し時間にも心にも余裕がなくなってしまうので、団体戦ということを考えて、一本全集中で迷いなく淡々と射つ練習をしています。

王座を控えた現在を語った五関
ーー王座に向けて練習する中で、現在のチームの強みや課題について教えて下さい
髙橋 強みは、割とみんな性格が明るいので、空気が重くなることがそんなにないのかなって思います。団体練習していて、私めっちゃミスるんですけど、ごめーんって(笑)
一同 (笑)
髙橋 それでそれを引きずることもなく、誰がミスってもじゃあ次頑張りましょうみたいに言える関係性とか、そういう雰囲気なのは結構強いのかなって思います。練習から、やばいミスっちゃったどうしよう、みたいになっていると、やっぱり本番でもそういう雰囲気って出てきてしまうと思うので、それにならないのは、早稲田の女子の強みなのかなって思います。課題はそんなに思いつかないですけど、テンションが上がった時に、切り替えというか、メリハリという部分ができるかどうかかなと思います。多分楽しくてイエーイってなってしまうと思うんですけど、相手がいて王座みたいな形式でやるという、実践的な団体戦はまだやれていないので、本番しっかりと全員で鎮められる、試合となったら落ち着かせられるようになればいいんじゃないかなと思います。
浅田 チームの強みは、団体戦練習をいっぱいしてるんですけど、とにかくテンポがいい。
一同 同意するようにうなずく
浅田 2分でやるんですけど、大体20秒とか10秒ぐらいは残せるので、結構グッドポイントだと思います。
一同 本当に早い
髙橋 短くしても余るもんね(笑)
一同 (笑)

チームの強みを語った浅田
ーーそこもやはりチームワークですね。最後になりますが、王座を控えた今の心境、個人としての意気込みを教えてください
髙橋 シンプルに楽しみっていう気持ちが強いです。メンバーもそうですし、応援もそうですし、自分の代なので自分が引っ張って頑張ろうっていう気持ちもありますし、自分が元コーチの中村美優さん(令3スポ卒)以来の5年ぶりの4年連続出場になるので、やっぱり歴代最高の結果を残して引退しようかなと思っています。
浅田 私は、去年の王座制覇というのがあるので、少しプレッシャーというか不安もあるんですけど、でもそれよりもやっぱり出られるからには、本当に頑張りたいって思っていて、覚悟を決めてもうやるしかないって思っています。去年よりもパワーアップした自分、パワーアップしたチーム早稲田をみんなにお見せできたらなって思っています。
古庄 高3の時に、YouTubeで王座の配信があったんですけど、それを見た時に優勝していて、樹里さんが最後に 10点決めて勝ちましたよね。その風景を見て、本当に鳥肌が立って、本当にかっこいいなって思った憧れの試合だったので、すごく今ワクワクして楽しみという気持ちも強いんですけど、いざ近づいてくると緊張もあって、その 2つが混ざり合っています。1年生らしく早稲田に新しい風を吹かせられるように頑張ります。先輩方が本当に頼りになっているので、先輩たちに負けないように頑張ります。
五関 2連覇がかかっていること自体は嬉しい気持ちでいっぱいで、だからこそプレッシャーもあるけど、ちょっと心のどこかでは2連覇しちゃおみたいな感じです。やってやんぞって感じですかね。
一同 盛り上がる
五関 団体の練習も回数を重ねることを意識してたので、もうこの積み重ねを王座本番で発揮できるように、パワフルに頑張っていきたいと思います。
(取材・編集・写真 本谷理彩)

対談後の女子選手たち
◇髙橋梨杏(たかはし・りあん)
神奈川・横浜高出身。スポーツ科学部4年。最近はiLiFE!というアイドルグループにハマっているそうです。推しはあいすちゃんとうさちゃんだとか。
◇浅田陽香(あさだ・はるか)
東京・昭和高出身。スポーツ科学部3年。同期の鈴木晴日選手と週に1回、授業後からバイトが始まる時間まで、様々なお店をめぐりながらおしゃべりをすることが最近の楽しみだそう。
◇五関晄子(ごせき・あきこ)
エリートアカデミー/東京・足立新田高出身。スポーツ科学部2年。最近は旅行の計画を立てることにはまっているそうです。しかし、まだなかなか実現はできていないとのこと。
◇古庄千陽子(ふるしょう・ちよこ)
エリートアカデミー/東京・足立新田高出身。スポーツ科学部1年。料理にはまっているそうですが、最近マフィンを解凍したときに火事になりかけたというエピソードも。