男子単、まさかのランク入り逃す

卓球男子

 波乱の結末となった。全日本大学総合選手権個人の部(全日学)2日目。この日はシングルスの2回戦から5回戦までが行われた。男子シングルスの大島祐哉(スポ2=京都・東山)と山本勝也(スポ2=石川・遊学館)は苦戦を強いられ、共にまさかの4回戦敗退。ランク入り(※)を逃し、最終日に駒を進めることができなかった。

4回戦で苦戦を強いられ、天を仰ぐ大島

 勢いに飲まれてしまった。春季関東学生リーグ戦では実力を発揮できずに苦しんだ大島。不振からはい上がり、関東学生選手権では頂点に立つなど、エースは更なる成長を遂げて全日学に帰ってきた。優勝候補として呼び声が高まる中、2、3回戦をストレートで突破する。しかし、迎えたランク決めの4回戦ではまさかの展開となった。対するは、予選を勝ち抜いてきた岡田崚(明大)。猛攻に押され、2ゲームを立て続けに落としてしまう。その後なんとか粘り、勝負はフルゲームに持ち越された。序盤はリードするもペースを握れず、8連続得点を浴び7-11で敗北。「気持ちが全て勝負に出た」(大島)。この1年間、全日学での『優勝』を目標に掲げてきた大島。目の不調もあって思うようなプレーができず、相手の勢いに圧倒され、涙をのんだ。

ラリーに敗れ、肩を落とす山本勝

 惜しくも接戦に敗れた。先月行われた国民体育大会では、前年度全日本選手権(全日本)王者・吉村真晴(愛工大)を破る大金星を挙げた山本勝。ランク入りに期待がかかったが、3回戦の大坂亮輔(中大)との試合で早くもヤマ場を迎える。互いに一歩も譲らぬ激しいラリー戦の中、得意のバックハンドだけでなくフォアハンドでも積極的に攻めていく。フォア対フォアの勝負で粘り強く打ち勝ち、ゲームカウント3―2でこの試合を制した。続く4回戦でもフルゲームにもつれる接戦となる。果敢に攻めていくが最後の最後でサービスに迷いが生じ、その隙に攻め込まれ惜敗。拮抗した試合が続き、目標のランク入りを目前に力尽きてしまった。

 最終日を前に大島を含む優勝候補が次々と姿を消した全日学男子シングルス。早大勢はランク入りを逃し、振るわない成績となった。次戦は来年1月に行われる全日本。学生の枠を超えて日本一を決める大会で、今回の悔しさを晴らす戦いをしてほしい。

(記事 加藤万理子、写真 高橋舞)

※ダブルスではベスト8以上、シングルスではベスト16以上を『ランク入り』と呼ぶ。

結果

大島 5回戦敗退
2回戦 ○3-0中村駿介(八戸工業大)
3回戦 ○3-0岡村勇希(立命館大)
4回戦 ●3-4岡田

山本勝 5回戦敗退
2回戦 ○3-0古内薫(東北福祉大)
3回戦 ○3-2大坂
4回戦 ●3-4後藤卓也(日大)

坂口紳悟(社2=東京・早実) 3回戦敗退
2回戦 ○3-0川野壮大(京都産業大)
3回戦 ●2-3柴田直人(愛知工業大)

コメント

大島祐哉(スポ2=京都・東山)

――岡田選手は勢いのある選手でしたが試合をしていかがでしたか

やっぱり勢いで取られることが力の上の選手にとっては一番嫌な事で、それに負けてしまった自分が居たので、それが全ての敗因かなという風に思います。

――やりづらさは感じましたか

これといって別にやりづらいなというのはあんまり思わなかったです。でも、やっぱり気持ちが全て勝負に出たというのは、気持ちの部分はいつも勝ってきていただけに、久しぶりに良くない試合をしてしまいましたね。

――今大会での優勝を目標にされてきたと思います

1週間前に目の病気になってしまって、いまはあんまり見えていない状態ですけど、もうずっと1週間前から何にもやっていなくて。それでも、もう棄権するという選択肢もあったんですけど、やっぱり学生である以上この試合で優勝したいし、1週間練習できなかったですけどそれを僕は言い訳にはしたくないので。そうなってしまったのも僕の体調管理の部分だと思いますし、普段の生活の甘さがこういう気持ちを生んでしまったんじゃないかなと思います。

――全日本に向けて

やっぱり卓球人である以上、全日本選手権というのは誰もが優勝を目指して出てきますし、これで勝つよりももっと難しい試合になると思います。もっと強い選手と当たると思うので、ここから2カ月あるのでそれに向けて、休みを削ってでも練習してその分を取り返さないといけないと思うので、そこをうまくやっていければいい結果が生まれてくるのではないかなと思います。

山本勝也(スポ2=石川・遊学館)

――きょうの試合を振り返って

3回戦であたった大坂君にはこの前負けていたので、その試合に勝てたことは良かったです。でも、そのあとのことに対して、いくボールといかないボールの判断がなかなかできずにずっと攻めてばっかりで、相手に余裕を持たれてしまいました。そういう点で相手の方が一枚上手だったなと思います。

――ランク決めの4回戦は大接戦でしたが心境は

競った場面になったら自分がいつも割り切ってどんなボールでも攻めていくっていうように決めているので、その戦い方はできたんですけど、最後の最後で相手から攻められてしまって、自分から攻めることができませんでした。

――相手から攻められた理由は

自分の出すサーブに最後迷ってしまって。ロングサーブを出すか短いサーブを出すかで迷ってしまいました。その時に中途半端なサーブが出てしまったので、相手が思い切ってこれたんだなって思います。

――以前、関東学生選手権でも、サーブで迷って負けたとおっしゃっていたと思いますが

今まで効いてたサーブを最後出したんですけど、効かなかったりするので。今までずっと効いてても、最後は考えて同じサーブじゃだめだと思いましたね。

――一方、肝心なところでサーブが効くなど、良さも出た試合だったと思いますが

ラリー戦になって今までバックに自信があったんですけど、今回はフォアでいいボールを決められて、フォア対フォアでも互角の試合ができたので、その部分は良かったと思います。

――3回戦も、4回戦も逆転する場面が多く、追い込まれてから力を発揮できている印象を受けましたが

最後の試合も、ずっとそのゲームは負けていたので、その中で追いつくことができたんですけど、あとが続かなかったです。

――ランク入りを逃した結果に対して思うことは

すごい残念です。ランクに入るのと入らないとでは全然違うので、そこを目標としていただけにすごい悔しいです。

――格上の選手と戦うより、自分と同じレベルの選手と戦う方が難しいとおっしゃっていましたが、今回もそう感じましたか

きょうの相手は自分と同じくらいの実力だと思っていて、その中で接戦に持ち込むことができたんですけど、最後の最後に負けてしまったのでだめですね。

――この負けをどう全日本に生かしたいですか

次の試合は全日本になるので、その全日本に向けて1つ1つ考えて整理していきたいと思います。