日本選手権コメント集

陸上競技

 大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第107回日本陸上選手権。2種目で日本記録が誕生するなど、今年もハイレベルな戦いを見せた日本最高峰の舞台に、早稲田からは現役選手13人がエントリーした。出場の叶わなかった選手が発生するなど、台風にも翻弄(ほんろう)された今大会。その中でも、菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京)が3位表彰台、西裕大(教4=埼玉・栄東)は6位入賞など、ユニバーシティゲームズ(ユニバ)代表勢が力を見せた。ここでは、出場選手の声をお届けする。

(記事・編集 加藤志保、堀内まさみ、飯田諒、草間日陽里、戸祭華子)

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日本最高峰の戦い この経験を今後の糧に/日本選手権 (06/06)

コメント

島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東) 男子100メートル準決勝進出、男子200メートル出場

――今大会の目標を聞かせてください

 自己記録の更新と決勝進出でした。

――調子はいかがでしたか

 関東インカレ(関東学生対校選手権)後に上手に疲労を抜きつつ、トレーニングを積むということができていませんでした。疲労が残っている中でトレーニングを続けていたので、今大会の前日練習までは体が重かったです。しかし、トレーナーさんの協力もあり、大会当日にはかなり体も動いて、良い状態にまでもっていくことができていました。

――予選のレースを振り返っていかがですか

 アップの段階から体は動くけれど、どこかタイミングが合わない、と感じていました。アップの中でそれを修正することができず、レースでも力が入ったバラついた走りになってしまいました。

――準決勝のレースを振り返っていかがですか

 準決勝は予選に比べて、アップで良い動きが出来ていたので、ちゃんと自分の動きができたら自己記録の更新と決勝進出も可能性はあると感じていました。しかし、レースになると全く自分の動きはできず、動きが固くなってしまいました。日本選手権という大舞台の雰囲気に飲まれてしまい、勝負の場に入りきれませんでした。

――今日の結果について率直な気持ちを教えてください

 素直に悔しいのひと言です。自身の実力不足も然ることながら、大舞台で力を発揮する難しさを痛感しました。

――初の日本選手権はいかがでしたか

 2年前に日本選手権と同時開催で行われたU20日本選手権の100メートルで優勝したときから、次はシニアの日本選手権で勝負することを目標としてきました。しかし先述の通り、日本選手権独特の雰囲気に飲まれ、勝負は疎か、初めての日本選手権のレースを楽しむということすら出来ていなかったです。

――今大会の収穫と課題を教えてください

 走りの課題はいくつもありますが、その他にも今大会ではメンタルコントロールという点も課題として浮き彫りになりました。世界と戦うためには日本選手権は必ず通らなければならない関門です。今回の経験を糧に今後の日本インカレ(日本学生対校選手権)、それから来年の日本選手権に向けてレース前のメンタルコントロールについても考え直さなければならないと感じました。

――次戦の意気込みをお願いします

 次戦はまだ確定していませんが、日本選手権でひと段落つけて少し期間が空くと思います。学生個人(日本学生個人選手権)から連戦続きで、トレーニングが積めていないのでフィジカルも含めてトレーニングを積み直して日本インカレに向けた弾みになるレースになればと考えています。

西裕大(教4=埼玉・栄東) 男子200メートル第6位

――まず、今大会の目標を教えてください

 表彰台にのぼることです。

――そのなかで、関カレ(関東学生対校選手権)以降の調子はいかがでしたか

 めちゃくちゃ悪くて。これ走れるのかと思いながら調整していました。

――それはどこから起因するものなのでしたか

 ガス欠という感じですね。学生個人(日本学生個人選手権)から強めにやっていると、どうしてもガス欠してしまって、詰めの期間もそんなになくて、今シーズンのシーズンインも完璧にできた訳ではなくて、ケガをしながらのシーズンインだったので、詰めていない分のボロがここで出たという感じですね。

――予選の走りを振り返って

 調子が悪く、アップの段階から明らかに体が動かなくて。そのなかでもしっかり決勝に残ることを目指して調整していたのですが、正直いい走りではなかったです。力が逃げていたような走りになってしまいました。

――そこから、決勝に向けて修正したことはありましたか

 予選では、地面を踏めていなくて、地面に力を与えられていないことで前に進んでいなかったので、地面をしっかり踏んで自分のベクトルをしっかり向けるというのは意識していました。(今日は、)昨日よりはタイムは良くないですが、そこはしっかりできたのかと思います。

――雨はきになりましたか

 集中していたので雨は気にならなかったですね。ですが、アップの時の雨はやはり嫌でしたね。

――決勝のレースについてお聞きします。外から見る限り、カーブ抜けのところで前の方に位置していたように見えました

 昨日は、前半で置いて行かれて、レースに参加できていないという点があったので、(今日は)前半から行くというのを大前監督とも話していて、意識はしていました。実際のレースでの、個人的な評価で言うと、前半で行けたというよりも周りに走らされたというか、自分で前に行けたというよりも周りに走らされて余計な力を使ってしまい、後半にもたなかったと感じています。

――やはり上山さんなどは意識しましたか

 そうですね、上山さんはもちろん今まで全敗だったので意識しましたし、上山さんとがちゃがちゃ競っていましたし。あとは鵜澤だったりといった学生も意識しましたね。悔しいです。

――結果はどう振り返りますか

 最低限決勝に行けたと言うのはいい経験だと思います。ですが、四年生なのでいい経験ができたというのは言ってられないので、表彰式にのれなかったというのはすごく悔しいですし、学生二人に負けてしまったので全カレ(日本学生対校選手権)ではリベンジしたいと思います。

――最後に、今後の目標をお願いします。

 まずは、ユニバ(ワールドユニバーシティゲームズ)での表彰台です。あとは、全カレでも優勝して、学生個人と関カレとの学生3冠を達成したいです。タイムとしては、早大歴代5位の20秒57に松本さんと三浦さん、その一個上に自分が一番お世話になった橋本さん(橋元晃志氏、平29スポ卒)、そして一番には大前さん(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)がいるので、一人ずつ抜いていきたいです!

新上健太(人4=東京・早実) 男子400メートル出場

――まず、今大会の目標を教えてください

 予備予選からの出場となりましたが、決勝の進出を狙っていました。記録としては、関東インカレが終わってから45秒台をだすための練習をコンセプトに取り組んできたので、45秒台を目指していました。

――予選の調子はいかがでしたか

 予備予選を走って体に刺激も入り、良い状態だったと思います。

――予備予選、予選のそれぞれ走りのプランはどのようなものを考えていましたか

 予備予選、予選共に同じレースプランで臨みました。45秒台を出すには遅くとも200メートルから300メートル区間を11秒5で回らなければならないと感じていたため、200メートルの通過速度をいかに高めるか、その速度を活かしていかに速く200メートルから300メートル区間を走るかに重点をおいていました。

――予備予選のときの大雨、は走りに影響がありましたか

 大雨の中でのレースとなりましたが、どの組も同じ条件だと割り切っていました。必然的に予選進出ラインは下がると考えていたため、しっかりと自分でレースを組み立てて、記録と組一着を取りにいきました。

――予選の走りを振り返って

 220メートル付近まで勝負できる位置にいたと思います。ですが、いけると思った途端に進まなくなってしまいました。正直原因がわかっていませんが、まだ決勝で勝負する力はなかったのかなと思います。

――最後に、課題と今後の目標をお願いします

 目標は変わらず全カレ優勝です。日本選手権の決勝に学生が5人残ったことを考えると、全カレの決勝で45秒台を出すことは最低条件になると思います。そのためにも、まず北麓で45秒台に乗せたいです。決勝のレースをみて、現状では明らかにスピードを活かしきれていないことがわかったので、200mのメンバーの力も借りながら、全カレに向けて走りの精度を上げていきたいです。

菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京) 男子3000メートル障害第3位、自己新記録、早稲田新記録更新

――今大会の目標は

 アジア選手権や世界選手権へ向けた大会だったので、三浦(龍司、順大)と青木さん(涼真、ホンダ)以外のトップを狙って走っていました。

――結果を振り返っていかがですか

 ずっと三浦と青木さんの次で3番を狙っていたのですが、途中青木さんにアクシデントがあって。そこで2番を狙おうとは思ったのですが、ずっと砂田(晟弥、プレス工業)との差が詰まりませんでした。ラスト1周で決めきることもできずに、3番でゴールしたのは少し悔しかったです。

――教育実習などがあったと思うのですが、今大会の調子はいかがですか

 一応教育実習はあったのですが、それを言い訳にしたくないなと思ってずっとやっていたので、いい状態では来れていたのかなと思います。

――教育実習先でも練習されていたのですか

 そうですね。普段、2回練習をするのですが、忙しかったので1回練習で試合に出て、(調子を)合わせてきたという感じです。

――目指してきたタイムなどはありましたか

 花田監督(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)には、「3番以内で、8分25秒」と言われていたのですが、8分28秒だったので、そこがもう少しだったのかなと感じています。

――今大会のレース全体を振り返っていかがですか

 2年前にこの大会に初出場して、三浦とかなり差があることを感じながら走ったのですが、今回はレース中、(三浦の)背中が結構近くまで見えたので、2年間で少しは差が埋まったのかなと感じました。

――今大会の収穫はありますか

 砂田とずっと少し差が開いているという状態が続いたので、この差がラスト一周までに詰まっていればラスト差し切れたと思っているので、中間で少し離されるというのが課題だなと感じました。

――今後の意気込みをお願いします

 3000メートル障害で戦え始めてきたので、これをもっと極めて世界に出場できるように頑張りたいと思います。