上位選手に復調の兆し

陸上競技

 ことしの箱根駅伝を走った5人を含む、多くの選手が16日、日体大長距離競技会に参加した。本来の走りを発揮出来ない選手もみられたが、7名が自己新記録を更新するなど、関東学生対校選手権(関カレ)からの切り替えが感じられた記録会であった。なかでもひときわ活躍を見せたのは、ルーキーの武田凜太郎(スポ1=東京・早実)。関カレでは1万メートルで29分58秒61に沈み、苦い思いをした武田であったが、今記録会では、5000メートルで13分58秒83という自己新記録をマークし、見事な走りを見せた。

今季のルーキーで初の13分台をマークした武田

 男子5000メートルの最終28組では、出場者4人全員が自己新記録をマークした。外国人選手が先導し、入りの1000メートルは2分40秒を切る。序盤から速いペースでレースが進み、列は縦長に。外国人選手による1位集団が形成されていく中、ワセダの選手たちは、それを追いかける大集団の中にいた。集団の前方に位置していたのは、田口大貴(スポ3=秋田)と高田康暉(スポ2=鹿児島実)。田口が後輩を引っ張る形でワセダのトップを走り、そのすぐ後ろに高田がついていく。少しあいて、武田と柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)が後を追った。それ以降は少し落ち着いたペースでレースが展開したが、3000メートルを超えてから、選手に変化が現れ始める。高田が徐々にペースを落として後退し、田口にも、やや疲れが見えるようになる。一方で、柳、武田は集団内で順位をあげた。

 再び全体のペースがあがったのは、ラスト1000メートルに入ってから。柳、武田が田口に追いつき、残り200メートル付近まで、三つどもえの状態に。その中でスパートをうまくかけ、14分を切るタイムで最初にフィニッシュしたのは武田。惜しくも13分台とはならなかったものの、続いて田口と柳が自己ベストでレースを終え、4番手の高田も自己新記録となるタイムをマークした。

田口も自己記録を更新した

 今回の記録会で、上位選手を中心に自己新記録が出たことは、前向きな材料といえるだろう。好調ぶりを見せた4人の走りは、チームに刺激を与えたはずだ。彼らを筆頭に、今後もチーム全体の底上げを図りたい。弾みをつけた長距離ブロックは、三大駅伝を見据えて、これから更なる飛躍を目指す。

(記事 副島美沙子、写真 目良夕貴、川嶋悠里)

結果

▽男子5000メートル

安田 匡(商2=福島・安積)  14分59秒01(22組15着)

三井泰樹(人2=山形東)  14分35秒37(24組8着) 自己新記録

井戸浩貴(商1=兵庫・龍野)  14分46秒44(24組19着)

藤岡孝彰(商2=東京・早実)  14分29秒66(25組4着) 自己新記録

藤澤怜欧(スポ2-神奈川・多摩)  14分37秒26(25組11着)

山田侑矢(スポ3=三重・伊勢)  14分40秒03(25組16着)

浅川倖生(スポ1=兵庫・西脇工)  14分49秒18(25組25着)

三浦雅裕(スポ2=兵庫・西脇工)  14分20秒28(26組12着

相原将仁(教4=東京・早実)  14分38秒56(26組26着)

高橋広夢(スポ3=・東大付)  14分39秒57(26組27着)

志方文典  14分56秒47(26組33着)

臼田稔宏(スポ3-長野・佐久長聖)  14分41秒77(27組22着)

中村信一郎(スポ2=香川・高松工芸) 14分44秒94(27組23着)

田中鴻佑  14分55秒58(27組26着)

武田凜太郎 13分58秒83(28組8着) 自己新記録

田口大貴  14分01秒24(28組13着) 自己新記録

柳 利幸  14分02秒13(28組14着) 自己新記録

高田康暉  14分18秒28(28組21着)自己新記録

※14分以上の結果のみ掲載

コメント

武田凜太郎(スポ1=東京・早実)

――きょうの走りを振り返って

前半、自分が思っていたより少し早めに入ったので、そこで落ち着いて、無理して前にいくことなく、中盤しっかり体力を温存しようと考えていました。それがうまく行って、13分台という結果に結びついたのだと思います。あとは調整がうまくはまったというのもありますね。

――外国人選手が先頭を引っ張るレースでした

外国人選手に関しては、まだ僕の及ぶレベルではないなと思っていました。ただ今回13分台を出すことができて、外国人選手に挑まなければいけないところまで来たのかなという意識はあります。

――関東学生対校選手権(関カレ)では不本意な走りでしたが

関東カレの前は他大のエースの方々がいる中でのレースになるということで、本当は調整しなければいけないところを、練習しなきゃ練習しなきゃと気持ちが先走ってしまいました。落とすところを落とさなかったのが、大きな原因かなと思います。その点きょうは記録会ということもありましたし、関カレでの経験も生かして結果につなげられたと思います。

――今後は駅伝に向けた練習になると思いますが、目標は

チームとして、箱根駅伝優勝という目標があるので、そこに向けてしっかりやって行きたいですね。個人的にやるべきことがあると思いますし、1年ではありますが、チームを盛り上げるということも自分の中では目標にしています。今後はそういった点を意識して、練習していきたいです。