竹下、ベストで 3位入賞

陸上競技

 2013日本学生個人選手権3日目、永野佑一(スポ3=福岡・育徳館)と竹下裕希(スポ3=福岡大大濠)の3年コンビが、関東学生対校選手権(関カレ)でかなわなかった表彰台に上った。一方男子800メートルでは関カレ出場組が奮わず、故障でメンバーから漏れた伊澤賢人(スポ2=栃木)が大学入学後初入賞。しかし、3日間を通して最低限の結果は残したものの、選手たちの表情には悔しさが見てとれた。最善だったとは言えない前半シーズンももう終わりを告げる。日本学生対校選手権(全カレ)が待ち構える後半シーズンに向けて、夏場の練習に臨んでほしい。

★得意な後半で追い上げ表彰台へ

表彰台で笑顔をみせる竹下

 関カレ100メートルではまさかの準決勝で姿を消した竹下が、日本学生個人選手権でも同種目に出場。22日の予選では10秒41の自己ベストを記録し、23日午前に行われた準決勝でも10秒55の3着で難なく決勝に駒を進める。1.4メートルの追い風が吹く好条件の中、迎えた100メートル決勝。竹下はスタートで一瞬出遅れたものの中盤に持ち直し、60メートル付近でトップスピードへ。得意の後半で加速し追い上げ、混戦の中を10秒38の3着でフィニッシュした。予選に引き続き自己ベストをマークした竹下。しかし、スタート地点で出遅れたことを「悔しいです」と語るように、自身のレースに完全には納得していない。チームメイトと切磋琢磨(たくま)し、夏の走り込みを経て、全カレでの更なる好記録に期待がかかる。

(記事 八木瑛莉佳、写真 目良夕貴)

★満足出来ない3位入賞

後半に失速し、3位に終わった永野

 「優勝出来なくて悔しい」。400メートル障害に出場した永野の第一声だ。連戦の影響もあって、少し調子を落としつつ迎えた今大会。いつものスタイル、前半スタートから200メートルで加速し逃げ切るというプラン通り、大きなフォームで加速。序盤からトップに躍り出る。しかし後半疲れが出たのか、8台目のハードルを超えた第4コーナー、続くハードリングを終えたラストの直線で追い上げられた結果、3位に。優勝を目標としていただけに満足出来ない順位となった。今大会で見えた課題は2つ。後半で追い上げられる際に踏ん張り切り替える力とハードリングのインターバルの歩数を理想の13・14歩にまとめることだ。夏の練習を経て秋の大会で同部の先輩・野沢啓佑(スポ4=山梨・巨摩)とどれほど競り合えるのか、成長が楽しみだ。

(記事 高畑幸、写真 石丸諒)

★冷静な走りで入賞

落ち着いて決勝レースを進めた伊澤

 関カレで出場者全員が予選を通過するなど勢いのあるワセダ中距離ブロックから3人が出場した男子800メートル。関カレ出場組が予選落ちと振るわぬ中、ケガの影響で関カレのメンバーを外れた伊澤がタイムで拾われ、ただ一人決勝へ駒を進めた。決勝は1週57秒とスローペースになり伊澤は落ち着いた走りで中位につける。レースは残り100メートルになるとスローペースの反動で激しいラストスパート合戦となった。伊澤は必死の走りで前を追い6位でゴール。見事入賞を果たした。昨季、飛ぶ鳥を落とす勢いで自己記録を更新していた伊澤。ケガも癒え、ようやくギアが上がってきた。

(記事 石丸諒、写真 川島悠里)

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結果

▽男子100メートル

準決勝

北村拓也(スポ2=広島皆実) 10秒91(1組5着)

竹下裕希 10秒55(2組3着)

永沼賢治(スポ2=大分鶴舞) 10秒79(2組6着)

決勝

竹下裕希 10秒38(3位)自己新記録

▽男子800メートル

予選

田中言(スポ2=東京・早実) 1分53秒78(1組2着)

出口翔(スポ2=東京・開成) 1分54秒44(2組2着)

伊澤賢人 1分52秒13(6組2着)

決勝

伊澤賢人  1分53秒86(6位)

▽男子400メートル障害決勝

永野佑一 50秒96(3位)

▽女子走高跳び

土川萌子 1メートル65(7位)

コメント

永野佑一(スポ3=福岡・育徳館)

――きょうの試合を振り返って

きょうは優勝を狙っていたのですが、最近何試合か後半バテてしまって悔しい結果になってしまいました。

――永野選手は前半飛ばして後半逃げるというスタイルをとっていますが、今回の試合ではうまく逃げきれなかったということですか

速い選手と並んだ時にまたもう一段階上げるというのがシーズン初戦からは出来ていたのですが、大会を重ねるごとに出来なくなっていたので、それが勝てない理由の一つではないかと思います。

――関カレの途中から調子があまりよくありませんが、その原因はなんですか

連戦、試合が続くようになったので練習をしっかり積んでいるつもりでしたが、後半切り替える、後半もっとしっかり走る部分に意識がいってなかったように思います。

――持久走の練習を積んでいるということですが

持久走は体力をつけるためにやっていることで、切り替えるのと体力があるというのは違うので切り替えの練習はまたこれからやっていきたいと思います。

――体力不足ではなく、切り替えが出来ていない部分に課題があるということですか

り終わった後体力的には余裕があってそんなにしんどくない状態が何週間か続いています。体力はあっても切り替えが出来ないと最後に追い上げられないのが400mHなのでこれからそういう部分を考えていきたいです。

――ハードルのインターバルについてはいかがですか

刻むことが難しく苦手なので、前半のインターバルは13歩でいってそこを14歩でどこまで押していけるかが課題です。例えば、7台目のハードルまで14歩でいって8・9台目までいかにのばせるかということです。きょうみたいに風が強かったり、上手く切り替えられないとインターバルが15歩になってしまい切り替えられないので、スピードにのれない部分があります。僕は動きが大きいので理想は前半いけるところまでインターバルを13歩でいって、後は14歩で押していくスタイルです。

――夏開けの秋の大会に向けての目標をお願いします

秋は試合も限られてきてしっかり自分の走りをすることが一番ですが、野澤先輩(啓佑、スポ4=山梨・巨摩)と一緒に走って勝つくらいの気持ちでいかないと優勝は出来ないと思うので、とりあえずしっかり自分の走りが出来るようになりたいと思います。

竹下裕希(スポ3=福岡大大濠)

――きょうのレースはいかがでしたか

決勝ではトップスピードを出すこと、60メートル地点で持っていくことを意識して、臨みました。その通りのレース展開となったのですが、スタートで出遅れてしまい、最後抜くことが出来なくて、悔しいです。

――準決勝でも少しスタートを失敗なさっていましたが、スタートの練習は

あまりしていないですね。これから全カレに向けて、その部分を修正していきたいと思います。

――きのうの100メートル予選でも自己ベストを更新されていましたが、今の調子はいかがですか

調子はまあまあだと思います。まだ、まだまだ上がると思うので、これから調子を上げていきたいです。3月と4月にケガをして、関カレをポイントとしてようやく上がってきた感じがあるので、これからどんどん調子を上げてやっていきたいと思います。

――きのうは200メートル決勝に出場されていましたが、いかがでしたか

200メートルは、コーナーは良かったのですが、後半失速してしまったので、そこを改善してこれから練習していくつもりです。

――今期は100メートルにも積極的に出場されていますが、200メートルのスピードを得るためですか

いいえ、100メートルも200メートルもどちらもやっていくつもりです。

――これから夏の走り込みがはじまっていくと思うのですが、夏場の課題は

先程の通り走り込みがメインとなってくるので、チームメイトと練習していって、チームメイトに練習の中でも負けないようにやっていくつもりです。