3戦目、サーバーが流れを引き寄せ神大に勝利!

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)3戦目は、神大と対戦した。第1、第4セットでは攻撃の要となる選手たちのミスが相次いだほか、終始相手のサウスポースパイカーの鋭いアタック、サーブに苦戦。しかし要所でピンチサーバーが流れを変えることに成功し、セットカウント3-1(22-25、27-25、25-20、25-21)で勝利を重ねた。

 第1セット、低めに上がった二段トスに秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)がうまく合わせると、クロスへ打ち切って4-3。山下日和副将(社4=千葉・市船橋)のクイックも華麗に決まるが、以降アタックやサーブでアウトなどのミスが相次ぎ、追いかける展開に。早大のタイムアウト明け、中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)が意表を突く軟打で間に落とし、21-23に迫る。しかし、相手ライトからの強力なスパイクでこのセットは逃げ切られた。奪い返したい第2セットは、いきなりサーブで崩されるなどして3連続得点を許す。しかし相手のサーブミスにも助けられ、離されず中盤へ。秋重がブロックフォローに何度も入り、中澤がレシーバーの間へ決めて12-11、ブレークに成功する。終盤には中河果子(法1=東京・大妻)、橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)が相次いでピンチサーバーとして投入された。橋本はサイドライン際、セッターの出てくる場所を狙い4連続ポイントにつなげる。この流れを保って27-25で取り返した。

サーブを打つ橋本

 続くセットは山下がサーブで崩すと、中澤がリベロから1点目をもぎ取る。以降、相手にも単純なミスが多くある一方、やはり早大はタッチアウト・ブロックアウトを取られることや、フェイントを落とされる形での失点が目立った。しかし、いつまでも同じ方法で失点するわけにはいかない。神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)は、相手が落とそうとしたボールを押し込み返し11-10とした。再び神庭のブロックで12-12。終盤、柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)のサーブの回で山下の強打が光り、連続ポイントで20-17と逆転に成功する。相手はタイムアウトを使い切るが、中澤の攻撃も止まることなく、25-20で連取した。

 勝負を決めたい第4セット、神庭と秋重という2枚の高い壁が相手スパイカーを阻む。相手の強アタッカーのスパイクは止まらない一方、神庭のクイックや中澤のコースを狙う攻撃もテンポよく決まり、16-12と先行する。しかし相手のタイムアウト明け、流れは徐々に傾き始めた。アタッカー陣のスパイクにアウトが続き、一気に20-21とされた。続くプレーで中澤がバックアタックで同点にした後、このセットも橋本がコートへ。橋本がサーブで崩し、山下がブロックで仕留めるという理想的な形で4年生の意地を見せ、勢いを取り戻した。投入されてから1度も相手にサーブ権を譲らず、25-21で締めくくった橋本はまさしくピンチサーバーであった。

勝利し喜ぶ選手たち

 1巡目はもうすぐ折り返し地点で、現在の早大の順位は4位。どの大学も、春の段階とは完成度が大違いである分、厳しい展開も多くなっている。しかし、厳しい展開でコートに送られても流れを変えることができる選手がいることは、大きな武器になるであろう。全勝しているチームと、全敗しているチームの二極化があり、前者との対戦は後半。リーグ上位入りは濃厚であるとはいえ、苦しい試合はこれからだ。再び課題点を改善し、次戦の江戸大にストレートで勝ち切りたい。

(記事、写真 五十嵐香音)

セットカウント
早大 22-25
27-25
25−20
25−21
神大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
コメント

橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)

――今日の試合を振り返って

 前の2試合がフルセットで苦しい展開となった中で、今日はしっかり勝ち切りたいという気持ちがあったのですが、序盤の立て直しという部分がまだ課題です。そこは来週以降改善していくべきだと思います。

――途中出場の2回はどちらも大きく流れが変わりました。その時の気持ちは

 20点以降の大事な場面で過去2戦とりきれていなかったので、今日の第2、第4セットは、自分が1点取りたいという気持ちがありました。2セット目はタイムアウト明けにミスをしてしまったのですが、そこを4セット目切り替えてできたのは良かったと思います。

――今のサーブの仕上がりは

 サイドライン側のコースを狙って点を取れるサーブというのを、私を含めみんな練習しているので、こういう機会があれば崩すだけではなく、1点取りに行けるサーブを打ちたいと思います。

――今のチームを外から見ていて感じることは

 なかなかチーム全員が揃わず、春とは違って万全の状態で臨めていないという部分はあるのですが、やはりチームの核となる選手が大事なところでミスをしてしまっています。そこを突き詰めてやっていければ、春のように目標を達成できると思うので、まだまだ試合を通して成長できる部分があるなと思います。

――最後のリーグ戦、どのような大会にしたいですか

 自分はあまり出場機会が多くはないと思いますが、機会がある時に今までやってきたことを出し切って、目標達成はもちろんのこと、自分自身も悔いのないリーグ戦にしていきたいです。

――秋リーグの個人の目標は

 主にはサーバー、レシーバーとして入ることが多いので、サーブはしっかり攻め切って得点を取ることと、数は少なくても着たボールは得点につながるパスにすることです。