意地でも5位へ、ストレート勝ちで好発進

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(リーグ戦)もいよいよ終盤。これまでの結果で上位4校と下位4校に分かれての順位決定戦が始まり、6位のワセダは7位の都留文科大との一戦に臨んだ。先日行われた試合で勝利を収めている相手に対し、サーブを起点に攻め込み得点を重ねていく。落ち着いた試合運びで終始優勢を維持したワセダがセットカウント3-0(25-17、25-21、25-20)でストレート勝ちを収めた。

連続ポイントの起点になった及川のサーブ

 1部復帰への道が絶たれたショックを振り払い、勝利を飾ることができるか。「リーグはどんなに負けても戦いが残っていて、すごい後味が悪い中で翌日に試合をやらなければいけない」。高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)は前日の敗戦をみんなが引きずっていないか危惧していた。第1セットは開始早々、連続ポイントで差をつけられる嫌な雰囲気で幕を開ける。格下相手にも苦戦を強いられてしまうのか。そう思われた矢先、高橋の心配をよそにスタメン出場の1年生が躍動する。すぐさま及川香菜(スポ1=宮城・古川学園)のサーブから6連続ポイントで逆転すると、完全にペースをつかむことに成功。「ブロックが全然決まらなくて悩んでいたのですが、先輩方に指導してもらってきょうやっとできた」というように成長が感じられる佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)のブロックも次々と決まり、逆に点差を広げていく。冷静に自分たちのプレーを出すことに集中したワセダが余裕を持って第1セットを先取した。

 立ち上がり以外、劣勢になる場面はなかった。第2セットは交互に点を奪い合う競った展開となったものの、またもや及川のサーブが炸裂。中盤にサービスエースを含む6連続ポイントを奪うとそのまま逃げ切った。3セット目に入っても勢いは変わらず。試合を通じて得点源となった佐藤、関根早百合(スポ2=神奈川・橘)のブロード攻撃で点差を広げていき、1セットも与えない完勝で試合を終えた。

得点後、輪になって喜ぶ選手たち

 「何がなんでも5位にしっかり入りたい」。きのうの試合後、高橋が語った次の目標に向けて良いかたちで一歩を踏み出すことができた。だが、勝つことはもちろんこの先の試合で考えなければいけないのはチーム力の向上についてだ。「チームとしてもっと一つになりたい」(佐藤)。「一人一人の能力は高いと思うんですけどチームとしてとなると、まだまとまり切れていない」(及川)。チームの誰もが感じている全員バレーの必要性。個々の力を結集させ、粘り強くボールを拾うことができるようになればまだまだ強くなれるはずだ。今リーグ戦の悔しさを晴らすためにも、全日本大学選手権まで残された時間で貪欲にレベルアップを図りたい。

(記事、写真 中澤佑輔)

セットカウント
早大 25-17
25-21

25-20

都留文科大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ2=千葉・柏井)
  レフト 及川香菜(スポ1=宮城・古川学園)
  センター 関根早百合(スポ2=神奈川・橘)
  センター 佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)
  ライト 木暮美波(人3=群馬・高崎女)
          セッター 黒木麻衣(スポ3=大阪国際滝井)
     リベロ 高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)
コメント

高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)

――見事なストレート勝ちでした

前回は1セット取られていたのでストレートで勝てたのはすごく大きいんですけど、出だしは良かったのに自分たちのミスから流れが変わったりして、その場面を多くつくってしまったのはきょうは自分だったと思うのでみんなに申し訳なかったし焦りながらやっていた部分もありました。

――それはリベロとしてのご自身のプレーによってということですか

はい。自分がしっかり拾ってもいいパスが出せていなかったし、ただ上げるだけになってしまっていたのでボールのコントロールがここぞというところで弾いてしまったりもしていたのでそこはリベロとしての役割が果たせていなかったかなと思います。

――及川選手を中心にサーブで攻められていたと思うのですがチームとしてサーブはどのような意識で取り組んでいますか

夏からチームをつくってきて、及川(香菜、スポ1=宮城・古川学園)、麻衣(黒木、スポ3=大阪国際滝井)、夢(佐藤夢菜、文1=埼玉・狭山ヶ丘)の三人のサーブのところでブレイクできるようにやってきたんですけど、きょうは及川が頑張ってくれて、いままでの総当たりで及川のサーブも走っているときは走っていたんですけど、それがコンスタントに出ていたかっていうとそうではなかったのできょうの勝ち方としては及川のところでしっかり点数が取れたので良かったと思います。

――フェイントの対応が課題であると感じますが、ディフェンス面についてはどう思っていますか

うちは2部だったら結構ブロックが高いと思うのでブロックとレシーブの関係的な問題でももちろんブロックに頼りたいんですけど、またまだ未完成なところがあって口ではこっち側を閉じるとか決まりごとは少しあるんですけどそれが実行されていない場面が多々あります。ただ、最終的にはブロックよりも最後に触るのはレシーバーなのでブロックがどうであれ、レシーバーが気持ちを切らずに、きょうとかはタッチボールとかもすごいあったのでそういうところを我慢強く拾っていくっていうところがまだまだ欠けているし、私たちはレシーブが多分一番下手くそだと思うのでそういった意味ではレシーブっていうもの自体が課題かなと思います。

――全日本大学選手権(全カレ)に向けてどういうチームをつくっていきたいですか

リーグはどんなに負けても戦いが残っていて、すごい後味が悪い中で翌日に試合をやらなければいけないので、きょうもいい勝ち方ではあったと思うんですけどそういう気持ちを持っていた子はいっぱいいたと思います。そういったリーグでの戦い方は難しいし私たちは上手くないんですけど、全カレはトーナメントなので一個一個しっかり勝って気持ちを思いっきりぶつけて、プレーがどうというよりも気持ちからプレーがどんどん伸びていけるように、まだまだ成長できる部分もたくさんあると思います。私自身ももっともっと拾ってチームの勝ちに貢献できるように頑張りたいです。

佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

いいプレーもあったと思うんですけど、ミスしたりとか要所要所で決められなかったところで課題が残ったのでこれからの試合でそういうことがないように、練習でなくしていきたいと思います。

――佐藤選手自身、スパイクもブロックもよく決まっているように見えたのですがまだ満足していないということですか

はい。ブロックはずっと課題にして練習してきてきょうやっといっぱいブロックすることができてそれは良かったと思うんですけど、スパイクでみんなに頼ってしまって決められなかったり、ミスすることがたくさんあったのでまだまだかなと思います。

――スタメン出場の機会が増えましたが、個人的に成長を感じている点と課題を教えてください

成長できた点は最初の方の試合ではブロックが全然決まらなくて悩んでいたのですが、先輩方に指導してもらってきょうやっとできたのでそこは収穫かなと思います。でもスパイクは最初決まってて自分に満足してしまう部分があってきょうのような結果になったと思うので、もっと練習してスパイクを磨いていけたらなと思います。

――今後全カレに向けてどういうチームを、また個人としてどういうプレーを目指していきたいですか

チームとしてもっと一つになりたいです。ばらばらしているというふうに先輩方に指導を受けることが多いんですけど一人一人が輝くプレーではなくてチームでもぎ取った1点っていうのをもっと増やしていきたいです。個人的にはブロックをもっと磨くとともにスパイクで2枚付かれても絶対決められる選手になりたいと思います。