明日はいよいよ第85回早慶バレーボール定期戦(早慶戦)。第2回目の今日は早大の岩本大吾主将(スポ3=兵庫・市立尼崎)と慶大の小出捺暉主将。互いの印象や主将論、明日の早慶戦など、ざっくばらんに伺った。
※この取材は12月13日に行われたものです。
お互いのこと
――さっそく始めたいと思いますが、面識はありましたか
小出 直接的な面識はないよね。
岩本 ないですね。
小出 知ってはいるんですけど、直接話したことはないです。
――高校時代に対戦などは
小出 いや、してないと思います。しましたっけ?
岩本 僕は出てなかったんですけど、捺暉さんも出てなかったかな。春高では何回か。
小出 春高では試合しましたね。
岩本 でも出てなかったです。
小出 一瞬出たな、俺は(笑)。
――ではお互いを認識したのは大学に入ってからですか
岩本 そんな感じですね。
小出 岩本君が高校3年生の時かな、Twitterか何かで知ったかもしれないです。
――お互いのチームにどなたかお知り合いは
小出 岩本君は慶應に知り合いいるんですか?
岩本 安達(安達龍一)が兵庫なので国体(国民体育大会)で一緒だったので、仲良いくらいで。あとは降(降小雨)とかは選抜(全日本ジュニアオールスタードリームマッチ)とかでやったことあるんですけど、それくらいですね。
小出 うちの安達くん、どうでした?
岩本 別の高校から1人選抜されて僕らのところに入ってきて、たぶん緊張してたと思うんですけど、すごいいい子やなっていう印象があります。すごく馴染んでましたし。
小出 僕は駿台の人はもちろん知ってるんですけど、洛南とかはめっちゃ練習試合してたんで、達宣(大塚達宣、スポ3=京都・洛南)とか、明良(中島明良、法3=京都・洛南)はもう辞めたのか分かんないんだけど(笑)。一応、部には所属してるのかな?
岩本 今留学に行っていて、5月に帰ってくるって感じです。
小出 あと4年生は大体分かるかな。分かるけどお互い認識あるかは分からない、でも知ってる人は多いです。
――そのなかでも小出さんと岩本さんは今日が初めましてということですか
小出 そういうことになりますね。
岩本 豪さん(村山豪、令3スポ卒=現ジェイテクト)と仲良いイメージありますね。
小出 豪さんとはめっちゃ仲良い。豪さん休みがほとんどなくて、でも来月1日に遊びにいきます。元旦から豪さんみたいな(笑)。
――お互いの第一印象やプレーに関しては
小出 岩本君ってさっきも言ったんだけど、Twitterのbotみたいなのあったよね?
岩本 それは作られました(笑)。
小出 それが作られていて、誰がやってるかは分からないですけど、めちゃくちゃ盛り上げキャラというか、明るい子なんだなっていうのは思ってました。そういうのは自分でやってなくても、周りがやってるということはそういうタイプじゃないとやられないじゃないですか。だからそういうキャラなのかなっていうのが第一印象でした。
岩本 そのbot自体はもうないんですけど(笑)。でも明るいっていうのは自分の持ち味でもあって、そこは大事にしてます。捺暉さんは、それこそ豪さんたちの代の春高の決勝でのプレーが印象に残っています。大学に入ってからは、僕が1年の時は1部でよく目にしていて、その後は2部に行って直接見ることはなくなったんですけど、リベロをしたりとか、サイドをしたりとか、すごく器用な選手だなっていうのは印象です。
小出 ありがとうございます(笑)。
――小出さんから見た岩本さんのプレーの印象は
小出 この前の順天堂との試合(全日本インカレ決勝)を見てたんですけど。ミドルの完成形というか、クイックの打ち分けがすごくて、ブロックも常にそろえてしっかり前に出していて。早稲田自体みんなうまいですけど、そのなかでも岩本君はクイックの打ち分けがうまいなという印象があるので、早慶戦がすごい嫌ですね。
早稲田に入って試合での決断力や人間力がついた(岩本)
チームの士気を上げる岩本
――お二人が早大・慶大に進学した理由やきっかけは
小出 進学した理由か。もうノリですね。
岩本 そうなりますね(笑)。
小出 それでしかない(笑)。どういう感じだった?最初早稲田に決めた時。
岩本 高校からのルートで早稲田はなかったので、早稲田ではないかなって感じではあったんですけど、監督と話しながらという感じでしたね。どうですか?
小出 僕は最初は別の大学に行くみたいな話になったんですけど変わって。じゃあどこにしようかって時に、まあまあ学校の成績が良かったので、監督に「慶應受けてみれば?」って言われたので受けました。でも監督自身も結構やることが多くてめんどくさかったっぽいので、これから駿台から慶應はないかなと思いますね(笑)。
――実際に大学に入ってみて印象は
小出 慶應だからなのか、大学生だからなのか分からないんですけど、すごく温かいチームというか、何でも許してくれるなと思っています。1年生の時とか本当に適当で(笑)。1年生なのに練習前の準備もしないでゴロゴロしていたり、練習試合も5セットのうち最初3セット出てその後座っていたりしていたんですけど怒られなくて(笑)。でも感謝することは大事だとか、そういうことは逐一言われていました。甘やかされてる可能性もあったんですけど、怒られなかったからこそ、感謝することの大切さとか自分自身で気づくことが多くありました。他のところでも温かさは感じますね。どうですか、早稲田は?
岩本 それこそ僕たちは高校の時は逐一教えられてやっていたので、大学に入って自分たちで自主的にやるっていうのは、大学生というか、そのカラーの違いに戸惑うこともありました。でも、やっぱりそういうのが常にあるから、例えば大会とかで1点2点を争う場面での決断力だったり、コート離れた時の人間力だったり、そういうのは1年生の時からすごく言われてきました。僕たちは1年生の時はちゃんと準備せんとあかんかったし、練習試合で座ったら怒られましたし。そんなことできなかったですけど(笑)。でも緩いなかにも厳しさを持っているところなので、すごく成長できる場所なのかなとは思ってますね。
小出 早稲田って練習メニューは誰が決めるの?
岩本 練習メニューは自分たちで決めますね。
小出 試合に出る人を決めるのは松井監督(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)?
岩本 いや、メンバーとかは基本的に自分たちで決めるんですけど。でもローテ回すとか、その辺は松井さんがやってくれますね。
小出 練習はどれくらい来るの?松井さん。
岩本 試合前だと来てくれるんですけど、基本的に大学の教授でもあるので、授業とか会議とかがあればそっちを優先してって感じですね。
小出 豪さんから話聞くと、試合での指示は出してくれるみたいな。そこまでやるんだって思って衝撃的だったのは、福山平成大との決勝(2018年全日本インカレ決勝)で戦った時の試合前半から終盤への戦い方で。最初は(ブロックで)ストレートを開け続けて、最後に閉めるとか。普通だったらその時のベストをやるのがセオリーかなって思いがちなんですけど、そういうことをしているっていうのを聞いて、前半から中盤、後半の戦い方って大事なんだなって学びました。
岩本 それはあるかもしれないですね。戦術的なところはすごく教えてくれます。その試合はインカレの決勝だったと思うので、たぶん松井さんも選手も気合が入っていて、そういう指示を出してたと思いますし、大事な試合では戦い方とかをいろいろレクチャーしてくれるって感じではありますね。
小出 順天堂と戦った時は何かあった?
岩本 例えばセッター以外に攻撃する5人がいて、チームによってこの選手がいっぱい打ってくるとか、打数とかに偏りがあると思うんですけど、その中心選手とか、狙うべきところをちゃんと狙うというか、対応する順番とかは結構言われてましたね。
小出 サーブは狙って打ってたよね。
岩本 そんな感じでしたね。めっちゃ見てる(笑)。
小出 ゼミで試合を分析するみたいな授業をやって、教材がバレーボールとラグビーだったんだけど。バレーボールはどの試合出すってなった時に、自分の試合を観られるのは嫌だから、今年の全日本インカレ決勝の1セット目を見せたら、サッカー部の人が「サーブは80%以上特定の選手にいってますね」って言ってて、その人から教えてもらいました(笑)。
――岩本さんから小出さんに何か質問はありますか
岩本 じゃあこの流れで全日本インカレの話になるんですけど。慶應さんはやっぱり日体大に向けてどれだけできるかが山だったと思うんですけど、最終的にはフルセットで負けるって形になって、本人たちはどういう風に捉えているのかなっていうのが気になります。想像以上にできたのか、できたけど落としたのか、どういう感じだったか聞きたいです。
小出 日体大に2回戦で当たるっていうのはもう最初から決まってて、1か月前くらいから分かっていたので、そこは勝ちに行こうってことでやってました。(慶應も)リーグ戦とかも結構いい感じで進んでて、日体大は1部リーグで優勝してたので、そういうチームとできるのは楽しみでもありました。出来としては、意外と戦えたなっていうのはもちろんあったんですけど、日体大さん自体は(状態は)そんなに良くなかったと思いますし、うまくいけばというか、もっと自分たちがやるべきことをもっと突き詰めてできていれば勝てた可能性もあったので、悔しさと意外とできたかなっていう感覚が入り混じっている感じですかね。
岩本 ありがとうございます。僕らの横で(慶應が)試合してたんですけど、後衛でベンチ下がった時とか横見ながら、「慶應頑張れ」とか思って試合を観てましたね(笑)。
責任感を持たせるためにあえて仕事を与える(小出)
チームメイトに声をかける小出
――お二人が主将に就任した経緯は
小出 まあ流れですかね(笑)。去年から副将やってて、チームが良くなるからっていうよりも、来年主将やばいから、ちゃんとやっとけみたいな感じで副将になったので。経緯は特にないですね(笑)。でも前の監督が期待してくれていたっていうのはありますね。今年になって星谷監督(星谷健太朗監督)になったので。それがあってその流れって感じですね。
岩本 僕は秋リーグくらいから本格的にやらしてもらうことになったんですけど、チーム事情もあって、僕がやるって話にはなりました。毎年4年生が教育実習に行っている期間に3年生がチームを回す時があって、その時に僕がキャプテンをやっていたので、その流れでやったっていうのがありますね。
小出 今はもう代替わりしてるの?
岩本 そうですね。代替わりして、もう1年継続でという感じです。
小出 いつ代替わりするの? 全カレ終わってから?
岩本 一応、天皇杯(天皇・皇后杯全日本選手権)があれば天皇杯終わってからなんですけど、今年はなかったので全カレ終わって、オフ挟んでもう代替わりですね。
――お互い主将という立場で聞いてみたいことはありますか。あと1年主将を務める岩本さんに小出さんからアドバイスなどあれば
小出 ないよ(笑)。
岩本 ぜひ(笑)。ぜひください。
小出 どういうチームを作っていきたいとかあるんですか?
岩本 早スポの取材にも書いてもらったんですけど、結果的に5連覇達成できて、来年6連覇が懸かった1年になるんですけど、絶対に早稲田に向かってくるチームが今まで以上に増えてくるというか、もっと僕たちに勝とうとするチームが増えてくると思っていて。そういうチームを跳ね返せる力をつけないとなとは思っています。プレーでも、それ以外の部分でも、もう一回り全体で成長したいなというふうには思っていて。そのなかでやっぱりキャプテンをやっている以上、チームはまとめないといけないですし、そこは引っ張っていかないとと思ってます。もうちょっと軽く燃え尽きているところもあって、いきなりなんですけど(笑)。うまく息抜きしながらという感じではありますね。
小出 ちょっとめんどくさいことを質問するんですけど、傍から見てると早稲田って完成されてるバレーだなって感じるんですけど、もう一回り成長する上で、具体的にどういうところを成長させたいなって思ってますか?
岩本 今完成していると言われてたんですけど、例えばプレーで言うと、あれでもまだ全然完成度は100%ではないところがあって。プレーの質とか、コースとか、レセプションとか、色んなプレーがあって、その辺のスキルとかはもっと上げられると思います。あと4年生がいなかった分、メンタルもブレブレなチームではあったので、それはもう1年かけてゆっくり作っていければなと思ってるんですけど。
小出 確かに去年の早稲田は、ブレなさみたいなのはすごい感じたかもしれない。
――岩本さんから小出さんに聞きたいことはありますか
岩本 そうですね。今までは3年生でキャプテンやっていて、別に負けても完全に自分が責任を取る訳ではないというか。ちょっとそう思っている部分はあったんですけど、完全にこれからは自分たちがリーダーで、自分がキャプテンっていうなかで、何をするにしても自分たちに責任がついてくると思うんですけど、その辺の気持ちの持ち方はどう1年間やってきたのかなっていうは聞きたいですね。
小出 言語化できるか分からないですけど(笑)。自分はまずそんなに気負っていなくて。早稲田の人にアドバイスしていのか分からないけど、悪く言えば適当にやっていました(笑)。表面的には自分は何もできない人に見せるっていうのは大事かなと思ってて、それはなぜかと言うと、上級生が何でもかんでもやると、後輩たちが考えれない選手に育ってしまったっていうのが過去にあって。キャプテンが何にもできなかったら、みんなで支えていこうってなるんだけど。本当はキャプテンとして裏ではいろいろ考えてやるんだけど、表面的には「これ分からないから誰かやって」みたいに、ほかの人にあえて仕事を振り分けたら、その人の責任感を育てられるし、それぞれの役割が明確化されると思うんですよね。下級生だからといって役割がないわけじゃないし、「チームにとってこういうふうな役割が求められているんだよ」っていうのはうまく伝えるように意識していますね。また、ただ伝えるだけじゃなくて、それ相応の仕事を与えたり、それも「この仕事やれ」って命令するんじゃなくて、「俺、これできないからやってみてもらってもいい?」って言い方も大事にしてるかな。「キャプテンが本当に何もできないから、俺たちもやらなきゃいけない」とか、同期が考えるのは当たり前なんだけど、後輩たちにもそれを思わせるっていうのが大事かなと思っています。大学の学生主体ってもちろんみんな考えるんだけど、やっぱりどうしても4年生の考えに左右されちゃうことが多くて。納得感がないと後輩たちはやる気を出なくなって、チームが沈んでいっちゃうから、本当に自分もチームの一員なんだって思わせることが大事だなって思うかな。
あと責任感はまったくないね、俺は(笑)。本当に0。勝っても負けてもどうでもいいって正直思ってる。勝ち負けって自分たちがコントロールできるものじゃなくて、それを不安に思ったりしててもなんかうまくいかないから、ホントに自分たちが変えられるもの、練習の質だったりとか、そういうのの積み重ねが結果につながるから、だからそれはもし負けたとしてもそこまでの積み重ねが悪かったなって割り切って。もちろん6連覇懸かっているって重大な責任あると思うんだけど、それも積み重ねた結果でしかないから、本当に結果を出せなかったらどうしようじゃなくて、今できることはなんだろうって考え続けるのが、いいことなのかなって思います
岩本 すごい勉強になりますね(笑)。
小出 (笑)。
岩本 記事にもしやすそう(笑)。頑張ります!
小出 頑張ってください!
――「うちの副将のここがすごい!」という部分はありますか
岩本 大塚はもともとプレーはすごい選手で。早稲田に入ってからも1年生の時からスタメンでずっと出続けて、今年は五輪で経験したことも生かしてチームにプレーや声掛け、メンタルの持ち方、戦術とかいろいろなことでチームに貢献しようって気がすごい見えます。副将だけど、主将みたいな感じで引っ張ってくれる感じがすごい僕としてもやりやすいし。プレーは頼れるんで、頼ってますね。
小出 キャプテンとかも自分たちで決めるの?
岩本 それは自分たちで決めますね。「最終的にはこうしました」って松井さんに言いにいくって感じです。
小出 本当に学生主体なんだね。
岩本 そうですね。
小出 キャプテンやりたくないとかなかった?
岩本 もうやらざるを得なかったというか、ほかはトビ(重藤トビアス赳、スポ3=神奈川・荏田)とか案はあったんですけど、いろいろ考えて僕がやるしかないなと。
小出 でもいいチームになりそう。
岩本 頑張ります!(早慶戦が)新チームの初戦なんで。
小出 (笑)。
岩本 どうですか、慶應は?
小出 すごく頑張ってくれてます。慶應の後輩たちはメンタルがそこまで安定してない子が多くて、サーブカットが返らないとかで落ち込んでいる時も慰めにいったり、チームの誰かがモチベーションや気持ちが下がっている時にいち早く見つけて声掛けに行くっていうのがすごいうまいですし、試合中もめちゃくちゃ声出して、チームの雰囲気を良くしてくれて、「来年将吾さんいなくて大丈夫かな?」って後輩が言うくらい尊敬されてるんですけど、めちゃくちゃいじられてるっていう。その絶妙なバランスもいいんですけど(笑)。そういう感じですごい頼りにしてますね。
早慶戦では力を出し切って締めくくりたい
――お互いのチームの印象はいかがですか
小出 結構試合の戦い方で言うと、早稲田はオーソドックスを極めた感じですね。特にコンビバレーも速い攻撃もしませんが、圧倒的な力で相手をねじ伏せるという印象があります。あと、豪さんとすごく仲が良かったというのもありますが、1ファンとして早稲田自体を応援していますね(笑)。
岩本 ユースのときに松本喜輝(慶大)と一緒に戦っていたので結構知っていますが、彼を軸としながらもみんなが全体的に打ってくるという印象です。この2年は2部も経験してそこから1部に戻ってくるということは相当な力があると思うので、すごくいいチームだなと思っています。
小出 今早稲田は燃え尽きていると思いますが、うちはあと1週間で4年生が引退なので頑張ろうと思っています(笑)。
岩本 2年前はフルセットで慶應に苦しめられているので(笑)。
小出 謎のフルセットだよ(笑)。そのときは4年生が教育実習に行っていたので1~3セット目はうまくいっていましたが、今年はみんな3年生だし全員いるじゃんみたいな(笑)。本当にそのチームで戦ってくれるか分からないけど、もしよければ最初はBチームでスタートしてもらって(笑)。
――小出さんにお聞きします。慶大は今年から星谷監督に代わりましたが、チームに変化はありましたか
小出 めちゃくちゃありました。試合1つ見ても、タイムを取るタイミングやメンバーチェンジのタイミングがすごく良いですし、選手の育成がうまいなと思います。あとは、試合では本来と違うポジションでは出しませんね。例えば「相手が弱いから経験としてこの選手をレフトで出そう」とはしなくて。今年のチームの中で「この子の役割はピンチサーバー」って決まっていたら、たとえポジションがレフトでも相手と点差が大きく開いてからレフトで出すとかではなくて、ピンチサーバーで出しています。レフトには別に控え選手いるのですが。一人一人が何を練習すればいいか、何を求められているのかがはっきりしているので、選手からすると目的を持って練習ができますし、自分でどうやれば試合に出られるか聞けば教えてくれます。そういったところが良いのかなと思います。
――それは1部昇格や全日本インカレでの善戦にもつながっていますか
小出 確実につながっていると思います。何が要因かは分かりませんが、チーム自体も今年はすごく良いというのももちろんありますが、星谷監督が来てからだいぶん変わったと思います。
――次は岩本選手にお聞きします。早稲田はこの1年間順調ではありませんでしたが、振り返っていかがですか
岩本 春リーグ(春季関東大学リーグ戦)も東日本インカレ(東日本大学選手権)も中止になって、秋リーグ(秋季関東大学リーグ戦)はAグループとBグループに分かれて順位決定戦があるというかたちになって。秋は2位という結果に終わって、天皇杯予選(天皇・皇后杯全日本選手権関東ブロックラウンド)も負けて。課題と収穫を毎週出せたシーズンになりました。それを平日の練習で修正して次の週に挑むというサイクルがうまくできていたなと思います。秋リーグが終わって全日本インカレに向けてさらに課題と収穫を得ながら修正して、最後は優勝して終われたので、自分たちで考えて最終的に勝てるチームを作れて良かったです。
――次は早慶戦の話に移ります。お互いのチームでキーマンになりそうな選手を挙げてください
岩本 やっぱりオポジットの松本喜輝選手と、これで引退されて勢いのある4年生が怖いなと思いますね(笑)。最後やり切って終わろうという気持ちで来ると思うので。
小出 達宣と、先ほどの授業の話でキープレイヤーに挙げられてすごくうまいと言われていた佐藤玲(社3=東京・早実)ですね。玲のことを小学校のときから知っているのでバイアスがかかっているのですが、どの班からも「セッターがうまい」という意見が出ていたので、「もしかしたらうまいのかな?」みたいな(笑)。達宣は全日本インカレ決勝の1セット目で11-17からの大逆転で最後の方にトスが集まっていたので、それを全部決め切っていてすごいなと思いました。もし接戦の試合ができたら達宣にトスが集まるのかなと思います。あとは玲のトスワークも「うまいんだな」と思いながら見たいと思います。
――最後に早慶戦への意気込みをお願いします
小出 慶應はここで代替わりになりますし、後輩たちもその後オフなので、ここで頑張ろうという気持ちはより一層あります。今年は結構仲が良いチームなので、最後は自分たちがやってきたことを出し切って終えられたらいいなと思います。
岩本 会場は慶應のホームですが応援部も来てくれるという話なので、その雰囲気を楽しみたいです。また、お互い4年生が最後の試合になりますし、僕たちも向かってくる慶應に負けないようにしっかり攻めて、いい結果で本年度最後の試合を終えられるように頑張りたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 早稲田スポーツ新聞 西山綾乃 /慶應スポーツ新聞会 持丸嘉昭)
◆小出捺暉(こいで・なつき)
1999(平11)年4月6日生まれ。184センチ。東京・駿台学園出身。歓呼湯情報学部4年。3年生から副将を務め、4年生から主将を務める小出選手。慶大の永田将吾副将いわく「みんながついていきたくなるようなオーラがある」そうです…!早慶戦で発揮されるリーダーシップに注目です!
◆岩本大吾(いわもと・だいご)
2001(平13)年2月10日生まれ。191センチ。兵庫・尼崎出身。スポーツ科学部3年。3年生ながら主将を務める岩本選手。試合でもプライベートでも盛り上げ役だとか。早大の主将であり元気印である岩本選手のはつらつプレーに期待大です!