全日本大学選手権(全日本インカレ)まで残り2週間ほどとなったきょう、早大は第71回全早慶明定期戦に参加した。早大、慶大、明大の現役選手に加え、各大学2名ずつOBが参加するこの定期戦に、早大OBとしてコーチの伊東克明氏(平12卒=愛知・大同)が背番号1をつけ、また加賀優太氏(平30商卒=東京・早実)が背番号2をつけて参加した。慶大戦では攻めたサーブで相手に自由な攻撃をさせず、セットカウント2-0(25-11、25-17)で勝利。1試合空けて行われた明大戦においても3連続ブロックなどで勢いに乗り、セットカウント2-0(25-14、25-19)でストレート勝利を収めた。この結果2年連続の全早慶明定期戦優勝を飾り、全日本インカレに向けて弾みをつけた。
★攻めたサーブで慶大に快勝!
まず行われた慶大戦では村山豪(スポ2=東京・駿台学園)のブロックが序盤からさく裂し一気に7-2と5点差に。小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)のサービスエース、武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)のブロックやスパイクなどが次々に決まり7連続得点を奪うなど終始主導権を早大が握る展開となった。14点差をつけて第1セットを先取すると、第2セットは鵜野幸也(スポ4=東京・早実)に代わり加賀、武藤に代わり上條レイモンド(スポ1=千葉・習志野)がコートに立った。上條がいきなり鋭いクイックを決めて早大陣営を盛り上げると、今度は加賀がブランクを全く感じさせないバックアタックを慶大コートに突き刺した。この2人の活躍で勢いに乗り着実に点差を広げ11-8とすると、サーブを打つバックライトのポジションに上條が立った。これまでも何度もサービスエースを放っている上條。今回も打点の高いサーブで何度も慶大のサーブレシーブを乱した。2本のサービスエースを含めた9連続得点に大きく貢献し、慶大を突き放しにかかる。21-9としたところで宮浦に代わり中野博貴(教4=東京・早実)、藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)に代わり伊東コーチ、リベロの村本涼平(法3=京都・洛南)に代わり北川諒(教1=東京・早実)、小林に代わり中村駿介(スポ2=大阪・大塚)と大幅にメンバーチェンジ。最後は中野がブロックアウトで25点目を獲得してゲームセット。『5度目の早慶戦』を勝利で終えた。
現役時と変わらぬ跳躍力でスパイクを打つ加賀
(記事 松谷果林、写真 杉山睦美、安岡菜月)
セットカウント | ||||
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早大 | 2 | 25ー11 25-17 |
0 | 慶大 |
スタメン | ||||
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商) レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実) センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園) センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園) ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西) セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園) リベロ 村本涼平(法3=京都・洛南) |
★勢いを見せ、明大に圧勝!
続く明大戦では宮浦が迫力満点のスパイクを決めて先制し3連続得点を取るも、明大のサービスエースが決まるなどして4-4と同点に追いつかれてしまう。しかし、このセットは鵜野のサーブで相手のレシーブ陣形を乱すと、甘くなった明大のスパイクを村山がすかさずブロック。3連続ブロックを含む6連続得点を決めて12-5とすると、さらに次の鵜野のサーブでも切り返しからの村山、宮浦のスパイクで7連続得点を決め、明大を圧倒した。明大につけ入る隙を与えず、25-14で第1セットを先取。第2セットでは、鵜野に代わりコートに立った加賀が早大に大きな流れを生み出す。加賀が得点を決めるたびにいつも以上に盛り上がり、雰囲気作りに大きく貢献した。序盤はどちらも譲らぬ平行線の試合が展開されるも、加賀のスパイクから早大が勢いづく。現役時代から全く衰えを感じさせない動きでスパイク、ディグ、ブロックと大活躍。点差を広げ、そのリードを保ち続けると最後は伊東コーチのブロックアウトでマッチポイントを決めて25-19。セットカウント2-0で危なげなく勝利を収めた。
声援を受け、スパイクを打つ伊東コーチ
サーブで攻め、そこからブロックまたはレシーブで切り返す、という形が何度も見られ、理想的な展開で2つの勝利を収めた。また今回、上條や中村、中野といった普段リザーブにいるメンバーが活躍し、層の厚さを見せた大会ともなった。全日本インカレまであと約2週間。どの大学も自分たちのバレーボールの完成度を高める時期に入っているはずだ。早大も負けず劣らず、精度の高いバレーボールを追求したい。
(記事 橋本和奏、松谷果林、写真 杉山睦美)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 25ー14 25-19 |
0 | 明大 |
スタメン | ||||
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商) レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実) センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園) センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園) ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西) セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園) リベロ 村本涼平(法3=京都・洛南) |
コメント
加賀優太氏(平30商卒=東京・早実)
――バレーは今どのくらいやられてますか
週1くらいですね。大学の時と比べたら全然です。
――1セット目は後輩たちのプレーを外から見ていましたがいかがでしたか
完全にチームとして出来上がってて、他のチームとは完成度が違うなということを感じました。1回早大を離れて、また早大に帰ってきて改めて完成度の高さを感じました。
――実際にコートに入ってみて雰囲気などはいかがでしたか
とてもやりやすかったです(笑)。早大で練習しないでぶっつけ本番で臨んだので、正直少し不安だったのですが。やっぱりみんなうまくて、すごくやりやすかったです。
――見ていて楽しそうなでした
そうですね。序盤でリードしてくれたので、あまりブレッシャーも感じずにいきいきとできました。
――ご自身のプレーには満足されてますか
思ったよりは出来たので良かったです。合格点ではあると思います。
――これから全日本インカレを迎える後輩たちに向けてエールをお願いします
四冠だとか連覇だとか、必然的に優勝するだろうなというプレッシャーは周りからかけられていると思います。秋季リーグ戦もおそらくそんな中でやっていて、日体大に負けたことで自分たちの中で修正して、勝ち負けにもこだわってはいると思うのですが、それよりも自分たちのバレーをやることを追求しているなと感じました。全カレはプレッシャーを感じると思うのですが、そのスタイルを貫けば自然と結果もついてくると思います。あとは最終日だけ応援に行くので、そこまで勝ってもらいたいです。
藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)
――きょうの試合はいかがでしたか
普段コーチをやってくれているOBの伊東さん、昨年一緒にやってきた加賀さんとまた一緒にできるいい機会でした。その中でも全カレ(全日本大学選手権)前の大事な試合、ということで。良い形で2試合を終えることができて良かったです。
――久しぶりにOBの方々と試合をしてみて
レセプションの時に隣にいて、すごく新鮮というか、懐かしいというか(笑)。すごくいい時間を過ごせました。
――サーブで攻めてからブロックで仕留める、というやりたい形がしっかり出来ているように見受けられました。全日本インカレに向けて弾みのつく内容となったのではないでしょうか
サーブとブロックは、秋リーグ(秋季関東大学リーグ戦)が終わってからかなり強化してきた部分でした。全カレを勝っていくためには重要な部分なので。相手のチーム状況もありましたが、サーブを攻めることを徹底できたことは良かったです。あのような展開を常にこれからやっていけるようにもう少し詰めていきたいです。まだ全カレとして結果が出ていないので何とも言えないですが、うまくみんなで取り組めていると思います。
――久しぶりにOBの方々と試合をしてみて
秋リーグが終わってたくさんの課題が見つかって、その克服にずっと励んできました。きょうも良い形ではありましたが、まだまだ逆に課題も明確に出てきている状況です。それをしっかり1つ1つ潰していきたいです。あと2週間ちょっとしかありませんが、普段の練習からモチベーション高くしていきたいですね。必ず優勝できるよう、もう1度気を引き締めて頑張ります!
小林光輝(スポ4=長野・創造学園)
――きょうの2試合を振り返っていかがですか
そうですね、OBの方が二人入って、加賀さんとは去年全カレ(全日本大学選手権)の決勝で優勝したのを最後にという感じだったので、懐かしさを感じながらできて楽しかったです。
――久しぶりに先輩にトスを上げてみてどうでしたか
やっぱり安心感があって、かっこよかったです。
――今月末の全日本インカレに向けての調整は順調ですか
チームとしては全カレの決勝が完成型というかたちに持っていきたいので、残り練習時間は少ないですけど、それまでみんなで詰めていきたいなと思います。
――全日本インカレに向けて
もちろん最後目指すのは決勝ではありますが、去年もそうだったように、初戦から自分たちに向かってくる相手に、自分たちも向かっていくという気持ちが大事だと思うので、初戦から一戦一戦頑張っていけたらなと思います。
中野博貴(教4=東京・早実)
――今日の試合を振り返って
OBの2人(伊東克明氏、平12卒=愛知・大同、加賀優太氏、平30卒=東京・早実)が入ってくれているなかで、すごくいい雰囲気でできたと思いますし、インカレ(全日本大学選手権)に向けていい弾みになったのではないかなと思います。
――早実の先輩である加賀さんと久しぶりに一緒に試合をしていかがでしたか
加賀さんは個人的に小学校からずっと一緒で、ずっと一緒にやってきたなかで久しぶりに一緒にプレーできて楽しかったですし、学ぶこともすごく多かったです。
――全日本インカレまでに調整していくところはどんなところですか。
今日の試合も含めて、課題っていうのもいっぱい見つかっているので、細かい部分ではありますが、そこを1つ1つ詰めていくことが大事なのかなと思います。今ブロックを練習しているので、3枚そろえるとか、相手が苦しい状況だった時に取りこぼしのないようにとかをやっています。