下級生中心のメンバーでアミノ杯初戦突破!

ア式蹴球男子
アミノバイタルカップ2019 第8回関東大学トーナメント大会 兼総理大臣杯全日本大学トーナメント関東予選
早大 0-0
1-0
東京国際大
【得点】
(早大)61’加藤 拓己

 総理大臣杯全日本大学トーナメント(総理大臣杯)の関東予選を兼ねたアミノバイタルカップ(アミノ杯)が開幕した。8月から9月にかけて開催される総理大臣杯へは32チームの内、上位7チームだけが出場することができる。負ければ総理大臣杯への切符を手放すことになるトーナメント方式の今大会の初戦の相手は、関東大学リーグ戦(リーグ戦)で2部に所属する東京国際大。下級生中心のメンバーで試合の臨み、後半途中から出場したFW加藤拓己(スポ2=山梨学院)の得点で2回戦にコマを進めた。

セカンドボールを拾い、攻撃のスタートとなるパスを多く出した金田

 スターティングメンバーにはMF金田拓海副将(社4=ヴィッセル神戸U18)以外、3年生以下の下級生で構成された。序盤は停滞した試合運びで両チーム互いに決定的なチャンスをつくることができなかったが、徐々に早大がペースをにぎっていく。DF工藤泰平(スポ3=神奈川・日大藤沢)とDF杉山耕二(スポ3=三菱養和SCユース)のラインコントロールで相手のカウンターを防ぎ、DF内の細かいパス回しで攻撃の一歩目に。そして最初のチャンスは28分。FW鈴木郁也(社3=FC東京U18)のポストプレーからMF水野雄太(スポ1=熊本・大津)がダイレクトでクロスをあげ、DF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)がニアでヘディングするもGKにキャッチされ惜しくも得点とはならず。鍬先の流動的なポジショニングで攻撃にも厚みが生まれ、サイドからゴールライン付近までボールを運ぶシーンも少しずつ増えていく。トップチームの公式戦デビューとなった鈴木郁とMF鈴木俊也(商1=東京・早実)の兄弟コンビもチャンスをつくるがなかなかシュートまでは持ち込めない。40分に得たFKのこぼれ球を工藤がシュートするがゴール上に外れ0-0で試合を折り返した。

ピンチを事前に防ぎ、安定した守備を見せた工藤

 後半は速いパス回しで、前線までボールを持ち出すシーンが圧倒的に増えた。MF山下雄大(スポ1=柏レイソルU18)がウラに抜け出すパスを多く出し、後半も早大ペースで試合が進む。そして61分、交代で投入された加藤がリーグ戦の東洋大戦(〇3-1)と流通経大戦(〇2-1)に続きゴールを決めた。DF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)のクロスをDF牧野潤(スポ4=JFAアカデミー福島)が折り返し、それを加藤が左足で大きく振り抜いてネットを揺らした。選手全員がポジションにとらわれず、各々が責任を持ってプレーしていることによってチャンスが多く生まれている。74分に水野に代わりMF柴田徹(スポ1=湘南ベルマーレU18)が入り、すぐにCKまで持ち込むなど存在感を示した。80分には再び加藤がペナルティーエリア外から強烈なシュートを放つもボールはゴール枠外へ。試合終了まで残り10分を切ると東京国際大の猛反撃が始まる。ロングボールを放り込まれるが、早大は頼もしいセンターバックコンビを中心にしっかりと跳ね返す。最後まで高い集中力を見せ、無失点で試合を終えた。

 新チームに変わってからリーグ戦で厳しい結果に苦しんでいたが、競争力を高めたことにより徐々に流れを取り戻してきている。交代メンバーも試合の流れにすぐ対応し、全員で戦う総力戦が続いてチーム内に良い空気が流れている。試合中には仲間を鼓舞する声も多く聞こえ、プレーでも気持ちでも負けない姿を見せた。アミノ杯2回戦はリーグ戦で敗北(●0-1)している法大と戦う。中1日の過密日程ではあるが、総理大臣杯への出場権を懸け絶対に勝利を手に入れてほしい。

スターティングイレブン

 

(記事 大山遼佳、写真 森迫雄介、森田和磨)


早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 千田 奎斗 スポ3 横浜F・マリノスユース
DF 鍬先 祐弥 スポ3 東福岡
DF 17 工藤 泰平 スポ3 神奈川・日大藤沢
DF 杉山 耕二 スポ3 三菱養和SCユース
DF 阿部 隼人 社3 横浜Fマリノスユース
MF ◎7 金田 拓海 社4 ヴィッセル神戸U18
MF 28 山下 雄大 スポ1 柏レイソルU18
→89分 23 清水 駿 政経3 京都橘
MF 19 田部井 悠 スポ2 群馬・前橋育英
→HT 牧野 潤 スポ4 JFAアカデミー福島
MF 33 鈴木 俊也 商1 東京・早実
→57分 18 加藤 拓己 スポ2 山梨学院
MF 29 水野 雄太 スポ1 熊本・大津
→74分 34 柴田 徹 スポ1 湘南ベルマーレU18
FW 32 鈴木 郁也 社3 FC東京U18
→57分 14 杉田 将宏 スポ2 名古屋グランパスU18
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――きょうのテーマを教えてください

新しい大会ということで、新しい雰囲気の中で我々もその変化に対して自分たちの変化をつくって新しいパワーを持ち合わせることをテーマにしました。その中でも練習から調子が良かったこともあり前の4人を新しくしてリフレッシュさせました。彼らがどこまでできるかというのはチームにとっての可能性だと思っていました。うまくできた部分もありますが当然まだまだの部分もあります。でも総力戦という位置づけの中で加藤、杉田、柴田、清水の交代メンバーもその空気をもって新しいパワーを生み出してくれたなという意味では勝利にもっていけましたね。4年生が最初は1人しかいない状況でもチームとしての基盤がかたちになってきているな、という手ごたえがあります。

――メンバーはターンオーバーを踏まえていたのでしょうか

そうですね。大桃とか何人か怪我持ちの選手もいたので次のステージに向かうためのプラスアルファとして考えていましたし、こういうのができないとチームとしてもなかなか難しくなると思っていました。選ばれたメンバーは気合をもって試合に挑んでくれました。

――リーグ戦から良い流れでここまできています

雰囲気は非常に良いですし、自分がやってやろうとかチャンスが来るというのを全員が意識しているのが分かりましたし、メンバーもそうだし色んな可能性を結果が出てきたことで手応えを持ってくれています。次戦の法大戦は非常に重要だと思いますけど、いい流れの中でいい反省やいい兆しも見えたのでこれからあと2日、しっかり謙虚に献身的に自分の体だったりチームのコンディションだったりと向き合ってどう迎えるかが課題になってくると思います。

――きょうはチームを鼓舞する声が特に多く聞こえました

今の4年生はなかなか声が出ないタイプなので(笑)。そういった意味では特に3年生が自分たちの存在意義を見つけ出しつつあるなと感じています。そこは本当にチームとして一番成長を感じています。杉山や工藤、阿部といったメンバーやGKの千田や山田たちが自分たちのチームとしてしっかりとらえてくれているので心強いです。最終ラインを3年生だけで構成したのですが非常に一体感もあって良かったと思います。鍬先は当然ボランチの選手ですが、サイドバックにいても色々な位置で関係性をつくれるのでうちにとっても大きなバリエーションになっていると思っています。

――ここから連戦になります

連戦というよりも1試合1試合だと思っているので、謙虚に献身的にコンディションと向き合うということにチャレンジしてほしいなと思っています。

DF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)

――アミノバイタルカップの初戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

リーグ戦で2連勝していたので、この試合は勢いや早稲田の真価が問われると思っていました。そして自分たちが目指すところは優勝であり夏の全国大会なので、初戦は何がなんでも勝つという意気込みで全員が挑みました。

――先週のリーグ戦からメンバーを大幅に入れ替えて、ターンオーバーの色が濃かったように見えました

でも全員調子が良くて、監督にも「全員のパフォーマンスを見て判断した」と言われていました。ターンオーバーという見方もありますが、自分たちの今のベストメンバーであると自信を持って挑んだという感じです。

――きょうはサイドバックの位置から、インサイドに入っていくプレーなどが目立ちましたが、意識していたところは

僕が内(側のポジション)を取った時に、10番とかがよく付いてきたので、彼を引きつけてサイドのスペースを空けることを意識していました。あとは自分が上がっていくことでゴールも狙ってはいました。

――2本のシュートを打つなど、攻撃の意識が高まっている印象です

そうですね、欲を言えば決めたかったですけれど。自分が前線に絡んでいくことで相手の脅威にもなれると思うので、そこは続けたいと思います。

――先日の東洋戦(○3-1)で初ゴールを決めたことも影響しているのでしょうか

そうですね。昨年まではサイドバックでやる時は守備に重きを置いていて、前線に上がることはあまりありませんでした。でも、今年に入ってからは守備はもちろんのこと、自分にできることは何かと考えた時に、内側に入って中盤の枚数を厚くしてゴール前に迫ることだと思ったので、そこを強みとして生かしていきたいなと考えています。

――90分通じて、チームの出来はどのように考えていますか

前半の試合の進め方だったり、得点後にもっと自分たちでボールを保持して回せていたらもっと楽な展開だったかなと思います。でも、きょうはゴール前のところでセンターバックの2枚がよく跳ね返してくれたし、そこの集中力の高さは本当に良かったですね。

――中1日というタイトな日程で、次戦は法大と戦うことになります

法政さんは強いですし、実力のある選手も多いですが、自分たちは常にチャレンジャー精神で、今の勢いのまま総力戦で食ってやりたいです。