最終節を目前に関東リーグ7連覇達成!

ア式蹴球女子

 およそ4カ月の中断期間を経て、関東女子リーグ戦(関東リーグ)が再開した。勝てば7連覇が決まる第13節は浦和レッズレディースユースとの対戦。ショートカウンターを仕掛けられるなど、苦しい前半の中でDF大島瑞稀(社4=宮城・常盤木学園)が先制点を決めチームに勢いをもたらす。後半一度は同点に追い付かれたものの、81分にFW河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)が豪快な一撃。最終節を前に関東リーグ優勝を決めると共に、3年ぶりに関東大会3冠を獲得した。

 今季の対戦成績が一勝一敗と、勝利が侮れない中で浦和レッズレディースユースとの激闘を迎えた。今シーズン初めて大島を右サイドウイングに起用するなど、新たな試みで挑んだワセダ。中盤を経由し相手陣への展開を仕掛けようとするが、ピッチで滑る選手が多発するなど、わずかなズレから理想のゲームをつくり出せない。「タッチ数が多くなってしまった」(MF松川智主将、スポ4=大阪桐蔭)というようなワセダの隙を盗んだ相手に、センターライン付近からボールを奪取されカウンターを食らうなど苦しい流れに。18分には右サイドから大きくシュートが放たれたが、バーに跳ね返り間一髪を逃れる。その後もリズムをつくり切れず、終始相手ペースの中、39分にMF高木ひかり(スポ4=静岡・常葉学園橘)が流ちょうなドリブルで左サイドを突破。左クロスに合わせた大島がダイナミックなシュートを決め、わずかな好機を生かしたワセダがリードして試合を折り返した。

中盤での起用で結果を残した大島

 続く後半、開始早々にバイタルエリアでFKのチャンスを与えるなど再び苦しい流れになる。55分にはドリブルから自陣に侵入され同点へ。「裏への展開やワイドな展開を増やしていこうと話した」(大島)と選手間での共通意識を持ち、ラインを上げようとするが、両者譲らぬ激しい戦いで追加点までが遠い。そんな中、中盤の松川主将らがパスカットをし、相手陣へとボールを運ぶなど徐々に明るい兆しが見られるようになる。そして迎えた81分、素早いDF堀口佳織(スポ4=千葉・幕張総合)の右クロスを河野がうまく足元に収め、ネットを突き刺す。これまで数多くの決勝ゴールを挙げてきた河野がここでもその力を遺憾なく発揮。2-1での勝利を収め、続く熱戦の中で少ないチャンスをものにしたワセダの関東リーグ制覇が決定した。

決勝スコアラー河野。決定的ゴールにこの選手の存在は欠かせない

 「いい意味で自分たちの目指すべきサッカーが見えてきた」(堀口)と、日テレ・ベレーザ戦(●0-5)から刺激を受け、さらにレベルアップしたプレーで相手を一蹴。関東リーグの連覇を「7」に伸ばし、今季のタイトルを取りこぼすことなく手にしてきた。しかし、「日本一に向けてはまだまだ未完成な部分がある」(松川主将)と現状に満足するそぶりを見せない。全日本大学女子選手権を目前に、残る公式戦はあと1つ。わずかにある時間の中で、チームで「追求」し続ける先に見えるものは何か。最終調整に向け、勢い止まらぬワセダの進化を見逃してはならない。

(記事 渡部歩美、写真 梶井夏葉)

スターティングメンバー

結果
関東女子リーグ戦第13節
早大 2 1-0
1-1
1 浦和レッズレディースユース
【得点者】(早)39大島、81河野(浦)55塩越
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 山田紅葉 スポ3 東京・十文字
DF 2 堀口佳織 スポ4 千葉・幕張総合
DF 5 松原有沙 スポ2 大阪・大商学園
DF 14 菅原靖巴 スポ2 浦和レッズレディースユース
DF 24 渡部那月 社1 兵庫・日ノ本学園
MF 7 高木ひかり スポ4 静岡・常葉学園橘
MF →59分 山本摩也 スポ4 スフィーダ世田谷
MF 6◎ 松川智 スポ4 大阪桐蔭
DF 4 大島瑞稀 社4 宮城・常盤木学園
MF 10 正野可菜子 社4 兵庫・日ノ本学園
MF 15 中村みづき スポ2 浦和レッズレディース
FW 31 河野朱里 スポ1 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)

――関東女子リーグ戦(関東リーグ)7連覇達成おめでとうございます

今まで6連覇してきて、きょうの試合で7連覇がかかっていたということで今は安心、という気持ちが大きいです。

――今月は皇后杯全日本女子選手権(皇后杯)でプロチームと対戦し、力をつけてきた中でのきょうの試合の手応えはいかがでしたか

先週、日テレ・ベレーザ(ベレーザ)と試合したことが一番大きくて。やっぱりベレーザの選手を見て自分たちも刺激を受けた中でのきょうの試合ということで、ミスが目立ち思うように行かなかったんですけど決めるところをきっちり決めることができました。一回は追いつかれたものの、最後の最後に追い返すことができてそれは自分たちの成長できた部分なのかなと感じましたし、まだまだ課題の残る試合だったと思うのでそこをどんどん自分達で改善して、全日本大学女子選手権(インカレ)に向けてより良いものにしていきたいです。

――特に前半は、中盤からボールを持たれてカウンターを仕掛けられるシーンがありましたがどのように調整していきましたか

自分自身も、なかなかボールが足につかず中盤のくさびのパスをミスしてショートカウンターを仕掛けられるシーンが見受けられたのですが、やっぱり簡単にプレーしようということを考えました。前半は、タッチ数が多くなってしまう場面が多かったのですが、後半は全体的にタッチ数を少なくしていこうという話をして、少しずつ改善できたのかなと感じました。

――時折滑っている選手がいましたが、ピッチが滑りやすかったのでしょうか

そうですね、滑りやすくて滑る選手が多かったのかなと思います(笑)。

――試合全体を振り返って苦しい展開でしたが、その中で勝ち抜いた大きな要因としては

きょう勝って、7連覇を決めたいという気持ちもありましたし、全員が勝ちたいという思いを一つにして今の結果が出たのかなと思います。

――インカレに向けて、公式戦は残り1試合となりますが東京国際大戦向けてはどういった調整をしていきたいですか

東京国際大戦もまたアウェイでできるということで、インカレも兵庫で二回戦からあるので、そういうことも意識して自分たちのサッカーを貫くという面では今まで通り変わりなくやっていきたいです。インカレに向けて、どんどん練習試合とか組んでいくと思うので、その中で自分たちの目指すべきことを達成していかなくてはなりません。日本一に向けて未完成な部分がありますので、完成に近づくまで一人一人が追求していきたいと思います。

――最後に、3年ぶりの関東タイトル独占ということでお言葉をお願いします

1年の時に3冠を達成していて、それが当たり前みたいな風潮という中でやり遂げなくてはならないと感じていました。でも、ここ数年はいくつかタイトルを落としていて今回最後の年で、自分たちの代でこのような結果を残すことができて素直にうれしい気持ちと、今後のインカレにもっと成長していかなくてはならない部分もまだまだあると思っています。

DF大島瑞稀(社4=宮城・常盤木学園)

――関東リーグ7連覇、ならびに今季関東タイトル独占となりましたね

前日のミーティングでも7連覇は偉業ではないかとかいう話があって、これまで成し遂げてくださってきた先輩たちがいた中で自分たちもそれを達成できたのでうれしいですね。

――大島選手は前線での起用は大学初のことでしたか

スリーバックの時とかに若干やっていました。

――きょう前線で試合に入ってみて手ごたえはいかがでしたか

まだいまいちタイミングとか、守備であったりとかがわかっていないところがあるので、そこは修正していきたいのですが点取れてよかったです(笑)。

――中でも選手間で声掛けがあったようですが、いつものポジションとは違った難しさがありましたか

守備のポジショニングであったり、いつもは自分が動かす側でできるのですがきょうは動かされる立場で周りが見えていなかったり、コツがつかめていなかったというのが結構ありましたね。

――その中で、得点を挙げて結果を残せたことは自信につながりましたか

そうですね。結構左側で崩せていて、相手が横並びになっていたのでここを走っていけばボール来るかなと思っていたところでいいボールが来たので、合わせられてよかったです。

――後半追いつかれてからも厳しい戦いとなりましたが、その中で意識していたプレーとはどのようなものでしたか

結構流れ的にも相手ペースが多くて、こっちはハーフタイム中に裏の展開やワイドな展開を増やしていこうと話していて、自分側のポジションの裏が空いているという印象だったのでそこに入れて攻撃したいと思っていました。

――試合全体を振り返って、持ち味である突破力は生かすことができましたか

サイドに来て、勝負するという場面は何回かありましたが、崩しきれなかったり仕掛けなきゃいけない場面でパスに逃げてしまうことがあったので、そこは自分から勝負に行かないといけないなと思いました。

――インカレ前に残る公式戦は、東京国際大戦となりましたがその試合ではどのようなプレーをしたいですか

しっかりインカレを意識して、インカレにつながるような良いゲームをしたいなと思います。

DF堀口佳織(スポ4=千葉・幕張総合)

――7連覇おめでとうございます。まずはきょうの試合を振り返っていかがですか

同点に追いつかれて厳しい試合でしたが、勝ててよかったです。

――きょうの試合は優勝決定戦でしたが試合にかける思いは普段とは違うものでしたか

そうですね。7連覇の重みと、今年の目標の全タイトルってとこで、優勝かかっていたので。

――個人的にはどのようにきょう臨まれましたか

今週結構ガチャ(DF大島瑞稀、社4=宮城・常盤木学園)がMFに入って自分は長所が出せて、前に上がれるようになっていたので、攻撃面ではえぐってクロスの精度っていうことを意識して、守備面では絶対に裏取られずに粘り強くやろうと意識していました。

――ベレーザ戦を経てチームに変化はありましたか

そうですね、完敗だったんですけど、いい意味で自分たちの目指すべきサッカーが見えてきたっていうことでベレーザのサッカーを自分たちが目指してやっていくという部分で、ポゼッションであったり、動き出しの部分をすごく意識してチームとしてはできていたのかなと思います。

――きょうの失点を振り返っていかがですか

相手の攻撃が2トップの二人だけで崩してくるっていう結構単調な攻撃だったのに対して簡単にやられてしまったというのはすごい改善しなきゃいけないなという部分で、もうちょっとDFとしては球際行けたらよかったのかなと思います。

――最後に残りの1節に向けて

次も勝って終わりたいと思います。

FW 河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)

――7連覇おめでとうございます。まずはきょうの試合を終えての率直な感想をお聞かせください

優勝を決められて良かったです

――きょうは優勝のかかった首位対決でしたが、かける想いの強さなどはありましたか

前回、ベレーザと対戦したイメージでやっていたので、やはりベレーザの方が格上で、そんなに(浦和レッズレディースユースが)上手いなとかは思わなくて、リラックスしてやることができたので、自分のプレーができてホッとしています

――個人的にはどのような目標を持って臨まれましたか

裏に抜けるプレーを意識しているのですけど、ベレーザ戦で、坂口夢穂選手や多くの選手が連動のプレーを多くしていて、それを分析して、自分達もそうしようと、GKの山さん(GK山田紅葉、スポ3=東京・十文字)とかみづきちゃん(MF中村みづき、スポ2=浦和レッズレディース)とかと話していたので、それを意識して、周りの選手を生かすような動きを意識してやりました

――やはりベレーザ戦から学んだものは大きかったですか

そうですね、練習の意識も高くなりましたし、ゴールへの執着心とか、プレスの早さ、タッチ数、あと周りを見ることとか、すごい基本的なことなんですけど、そういうところを改めて認識することができたので良かったです

――これまで、関カレ(関東大学女子リーグ戦)、皇后杯関東予選など大事な試合で決勝点を決めているのが河野選手ということなのですが

そうですね(笑)そういうのあんまり意識していないので。一試合一試合目、決勝でも普通の初戦でもどんな試合でも、試合は同じ価値だと思ってやっているので、FWとして、点を取るのが仕事なので、それを果たせて良かったなというくらいです

――きょうはとても気持ちの良い決勝点でしたね

そうですね、クロスが上がってきたときに、自分の前に摩也さん(MF山本摩也副将、スポ4=スフィーダ世田谷)がいて、摩也さんも触れる状況だったんですけど、決めたかったんで、オーバーって言って、ちょっと譲ってもらったんで、ありがとうございますって感じでした(笑)

――声かけや連携からゴールは生まれたんですね

そうですね(笑)

――まだあと1節残っています。次節に向けてひとことお願いします

あまり苦手意識とかもないので、自分たちがベレーザ戦で学んだこととか、この試合で学んだこととか全部、また改めてみんなで認識してそれを生かせるような試合がしたいです。