前半リードするも昨年のリベンジ果たせず

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)1巡目も残すところ2試合。早大は昨年度のリーグ戦で2敗を喫した日大との一戦に臨んだ。前半は全員の気合がコートに表れ、素早いトランジションやリバウンド、スリーポイントなど早大の良さを存分に発揮。内容的にもリードした展開で折り返した。後半はシュートがなかなか決まらず、松脇(日大)のスリーポイントなどにも苦しめられ不穏な空気が漂う。F津田誠人(スポ2=京都・洛南)のハッスルプレー、G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)のスリーポイントなどを中心に巻き返しを図ろうとするが、思うように点差を縮められず66-81で惜しくも勝利を逃した。

 第1Q、津田が気迫溢れるリバウンドを見せチームの士気を高めるとG土家大輝(スポ1=福岡大大濠)、C小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)が連続でスリーポイントを沈め、流れを引き寄せる。ディフェンスではC宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)や小室が日大のセンターを抑え込み、オフェンスでは素早いパス回しで日大を翻弄しインサイドからもアウトサイドからも得点を重ねていく。第2Qも勢いはとどまることなく、G神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)がフローターシュートで会場を沸かせるなど、コートに立つメンバー全員がそれぞれの持ち味を出して全員バスケを体現。シューター軍団として名高い日大のスリーポイントにも屈せず38-33とリードを奪い前半を折り返した。

安定して毎試合得点を重ねている宮本

 第3Qはよりタイトになったディフェンスを前に、オフェンスの動きに固さが見受けられた。早大の得点が止まっている間に同点まで追いつかれると、シーソーゲームが続く。「落ち込んではいけないところで落ち込み、自分たちのプレーができなかった」と津田が語るように、この日13本中10本を沈め好調であった松脇のスリーポイントに早大の選手から前半の気迫がなくなっていく。第3Q残り2分で一気に10点ビハインドを背負い最終Qへ。柳川、津田がスリーポイントでチームを鼓舞すると、センター陣がゴール下で連携の取れたプレーで得点。その後も最後まで粘りを見せたが点差をひっくり返すことは出来ず、66-81で昨年のリベンジはならなかった。

プレータイムも増え、積極的なプレーが目立った神田

 前半は早大ペースで進んでいたが後半はチームの雰囲気も落ち込み、勝利をつかむことができなかった。なかなか勝ちきれない試合が多いことに対し「前半は誰でも頑張れるが後半に実力の差が出る」と神田は語った。1巡目あと1試合を残し現在10位と厳しい戦いを強いられている早大。しかし選手たちは1部残留ではなくリーグ上位に食い込むことを目標としている。次週は現在勝率が並んでいる神大戦、昨年王者の東海大戦が待ち受けているが「全員が全力で戦って自分たちのバスケットを再確認すればワセダは勝つ」と語ってくれた津田の言葉を信じたい。

(記事 阿部かれん、写真 工藤竜輔、青柳香穂)

第95回関東大学リーグ戦 9月29日(vs日大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 18 14 14 66
日大 21 12 29 19 81
◇早大スターティングメンバー◇
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
C#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ2=京都・洛南)
G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠)
コメント

F津田誠人(スポ2=京都・洛南)

――今日の試合は何を意識して臨まれましたか

留学生がいるというのもあって、自分たちよりもシュート力も上背もあるチームに対して、自分たちがどれだけ激しいディフェンスをして普段なら相手が決められるシュートを外させたり、留学生のリバウンドシュートをなくそうということを意識してやっていました。

――最後勝ちきれなかった要因は何でしょうか

相手のスリーポイントがいつも入るシュートではあると思うんですけど、普段以上に当たっていたことに対して僕たちがこれだけ頑張っているのになんで入っちゃうんだろうという風に落ち込んではいけないところに対して落ち込んでしまって、自分たちのプレーができない時間帯が長かったのでそれが負けにつながってしまったのかなと思います。

――前半は内容的に勝っていたと思いますが振り返っていかがですか

前半は自分たちがやりたいトランジションだったり、スリーポイントなどがいいリズムでできたというのがあって、結構入っていたんですけど、後半入らなくなった時に続けられなかったので次戦からは生かしていきたいです。

――後半は攻めあぐねていましたがいかがでしたか

土家(大輝、スポ1=福岡大大濠)とか柳川さん(幹也、スポ2=京都・洛南)とかが身長が小さいというのもあるんですけど、ドライブでチームのいつもの練習でなら打てるところでシュートが打てなくて外を探した時に、いつもの練習で僕たちもそれに対して動いたりしていなかったのか、チームで動けていなくて、パスを取られてしまうことが多かったのでそこが原因かなと思います。

――熱いプレーが多く見られましたがご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

僕はどちらかというと自分のプレーでみんなを引っ張っていったり、ディフェンス一本ハッスルプレーをして引っ張っていけたらいいなと思っているタイプなので、そこはリーグ戦を通じて折ってはいけない意志だと思うのでそこは貫いてやっていこうと思います。

――次の試合で1巡目を終えますが意気込みをお願いします

1巡大幅に負け越して残り1戦を迎えているわけで、1部残留を目指しているのではなくてリーグ上位に絡めるようにというチームでみんなでやろうと目標を立てているので、1部リーグに残ろうというだけではやろうと思えば色々な戦術とかあると思うんですけど、そうではなくて上位を目指そうと言っているので次の試合も絶対勝ちにいかないとだめだし、その次の東海大戦も自分たちが全力でやって自分たちのバスケットを再確認することで次の試合にもつながるかなと思っているので、全員が全力でやればワセダは勝つと思います。

G神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)

――試合内容を振り返って

前半は自分たちの求めていたことができていたんですけど、後半は打たせてはいけない選手というのが決まっていたけれど、そこをしっかり最後までこだわることができなかったのが敗因かなと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

今までに比べたらプレータイムももらえていて、シュートまでいける本数も増えてきてそこは良かったんですけど、後はこれからフィニッシュの精度とか、オフェンスをチームでどうクリエイトするかというところをもうちゃっとこだわっていかないといけないかなと思っています。

――リーグ戦ここまで、後半に失速してしまうパターンが多いですがその点に関してはいかがですか

前半は、誰でも頑張ろうという気持ちとか体力的にもフレッシュで誰でもできるんですけど、後半になると実力の差が出るのかと思っています。

――勝敗を分けた部分は

先週に比べればきょうはリバウンドは8割取れていたのでそこは良かったんですけど、シュートの確率やフィニッシュの精度と、後は相手に決められてはいけないところで決められたところが敗因だったと思います。

――来週はリーグ戦1周目の締めくくりとなりますが、どのようなの戦い方をしたいですか

1日目の相手は神大で、そこは自分たちと同じような順位で争いをしているチームなので、絶対に負けられない試合です。2日目の東海大も1試合目はダブルスコアくらいで負けてしまったので、そこをしっかり修正して今までやってきたところ、成長した部分を見せられればいいかなと思っています。

G土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)

――早大の試合内容は悪くなかったように見えましたが後半に引き離されてしまった要因はなんですか

やっぱり相手の14番と10番を抑えようという作戦だったのですが、予想以上にスリーポイントシュートがよく入ったというのがあるんですけど、それ以前に自分たちがチームルールを徹底できなかったということが相手に簡単にスリーポイントを入れさせて、相手のバスケをさせてしまったというのが大きな要因だと思います。

――日大の杉本選手とマッチアップすることが多かったと思うのですが、どうでしたか

やっぱり日本代表のアンダーカテゴリーにも入っている選手でもあり、3X3でもプロとして活躍しているのでその分経験は上なんですけど自分なりに体をはって頑張れたかなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

神大との戦いでそこを落としてしまうと2部降格も見えてしまうので、絶対に負けられないと思っています。この1週間もう1回準備して頑張っていきたいと思います。