【連載】リーグ戦開幕特集『ROAD』 第1回 山本純平×八川修士×富田頼

男子バスケットボール

 1部昇格を目指し、臨んだ今シーズン。インサイドの核を担うF山本純平(スポ4=福岡第一)、非凡なシュートセンスを見せるG八川修士(商4=東京・日大二)、インサイドで力強さを見せるルーキーのC富田頼(スポ1=京都・洛南)。この3人に前期の振り返り、さらには2カ月にわたるリーグ戦への意気込みを聞いた。

※この取材は9月5日に行われたものです。

「常にいい雰囲気でできるように」(八川)

八川

――ではまず本日の試合を振り返っていかがでしたか

山本 ワセダらしいプレーというディフェンスからの速攻が出たところはいいと思うんですけど、前期の時から課題になっていたリバウンドをしっかり取らせないというところがまだできていなかったので、これから成長していかなければいけないと思います。

――今回はこの3人の対談ということになりましたが、顔を見合わせていかがですか

山本 八川君がいてよかったと思います(笑)。

富田 僕と純平さんは筋トレのペア組んでいるので。

八川 僕も純平とはよく話すので。

山本 いや、話さないです(笑)。

八川 一応、話してるつもりなんですけど…。

富田 一方的に?(笑)。

――富田選手は4年生との対談となりましたが

富田 大丈夫です。優しい先輩ばかりなので。

――この3人のメンバーの仲はいいのでしょうか

山本 分かんないです(笑)。

八川 富田とはあんまりあれなんですよ。練習とかでは話したりするんですけど。やっぱり2人は寮なので。

富田 純平さんとは寮生同士なので。

――今回は4年生と1年生での対談ですが、普段から部活内での先輩と後輩の関係性は

山本 仲はいいと思います。上下関係がそんなに厳しくないので。

八川 上下関係がないんじゃないかぐらい?

富田 いやいやいや(笑)。

八川 舐めてますね。

富田 舐めてないですよ(笑)。どこが舐めてるんですか。尊敬しまくってますよ。

八川 こういうこと言う辺り舐めてますね。

――先輩、後輩の仲の良さがわかるエピソードはありますか

山本 頼ではないんですけど、僕は結構声が特徴的で、1年生からバカにされるんですよ。濱田(健太、社1=福岡第一)とか。福岡第一の後輩なんで。

富田 僕は真似してないですよ?何もしてないですから。

八川 2年生の橋本(悠平、教2=東京・早実)とかと仲はいいんですけど、帰りの電車が一緒なので、よく一緒に帰ったりしますね。

山本 みんな仲いいですよ。

――一番仲がいい部活内の人は

山本 とりあえず4年生同士は仲がいいですね。この前も一緒にご飯食べに行ったり。

富田 1年生もそんな感じですね。全体的に仲が良くて、僕らの代は寮生も結構多いので、それで仲良かったりとか。

――寮生同士はやはり仲がいいんですか

山本 誕生日とか祝ったりとか。シュークリーム投げたりとか。

富田 祝ってるんですかね、それ(笑)。

――オフの日はどのように過ごしていますか

山本 最近疲れちゃって、家でゆっくりしてます。

富田 1年生でどっか行こうという話は出ていましたね。この前計画していたんですけど、流れちゃって。

八川 どこ行くつもりだったの?

富田 大江戸温泉行こうって。最初プールだったんですけど、温泉の方がいいんじゃないかって。

――最近ハマっていることは何かありますか

山本 結構みんな漫画持って来たりしています。

八川 部室に漫画置いてありますね。

山本 『キングダム』とか。

富田 まだ一回も読んだことないです。

山本 読んだ方がいいよ。

八川 『弱虫ペダル』とかもあります。そこら辺に『ジャンプ』転がってるし(笑)。後は個人的には最近運転にハマってますね。どこ行くってよりも、親にたまに帰りとかに近くの駅まで来てもらって、帰りは自分で運転して帰ったりとか、最近ちょくちょく昼間とか運転するようにしてます。駐車が課題なんです(笑)。

――運転免許は皆さん持っていますか

山本 僕は持ってます。

富田 僕はまだ持ってないです。

山本 僕ばこっちに来る前に取りました。

富田 一応2、3年の間に取れたらいいなとは思っています。暇があるかどうか。

八川 1年生の間は無理だな。ちょっときついな。

――体育会の活動の一方で、学業の方はどうでしょうか

富田 僕は思ったより大丈夫でした。1個落ちましたけど(笑)。

八川 僕はゼミに入っていないので、普通に授業取って必要単位数だけ取って卒業するという感じですね。

山本 僕はあと卒論と授業2つぐらい取れば卒業です。動作解析のゼミなので、ドリブル動作の卒論ですね。被験者がいっぱいいるので(笑)。

――4年生のお二人は最上級生として意識されていることは何かありますか

八川 常にいい雰囲気でできるように、自分たちが声出しであったりというところから引っ張っていこうというには全員で意識はしています。

山本 いつも4年生でミーティングしていて、こういう話をいつもしています。

――その意識は1年生から感じる部分はありますか

富田 ありますね。僕たちはとりあえずその足を引っ張らないようにしていこうと思っています。

山本 本当か?(笑)

富田 本当です、本当です。僕らの話し合いで出ましたから。

――1年生ではどんな話し合いをしているのですか

富田 リーグ戦始まる前とかに1年生らしく頑張ることだったりとかを色々話し合っています。

八川 各学年で話したことをしっかり全体で共有して、そこから共通意識が生まれると思うので、学年間のコミュニケーションは大事だと思います。

――池田慶次郎主将(社4=東京・京北)はどんな主将ですか

山本 元々真面目なんですけど、その真面目さが際立っています。

八川 結構色んな人に声掛けるようになったなと思います。

山本 前までは自分の中で頑張ろう頑張ろうという感じだったんですけど、いまはもう周りをちゃんと見れるぐらいに視野を広げて、声を掛けてあげたりとかげきを飛ばしたりとか。

八川 色んな人とコミュニケーション取っているなという感じがします。

富田 めちゃくちゃ頼りになる先輩だと思っています。

山本 当たり障りないな(笑)。

富田 いや、でもその言葉通りだと思っていますよ。

「あっという間でした」(富田)

富田

――前期を振り返っていかがですか

八川 途中でディフェンスのシステムとかがいろいろ変わってしまって、それまでやってきたことはなんなんだという不満みたいなのがありながら、結局中途半端に早慶戦(早慶定期戦)までは終わってしまいました。気持ちはすごくあったんですけど、結果として負けてしまったというのはありました。それでも1、2年生が新人戦(関東大学新人戦)でいい結果を出してくれたので、波に乗ってことしのリーグ戦(関東大学リーグ戦)戦っていきたいなと思っています。

山本 八川君が言ってくれた通りですね(笑)。

八川 違う事言えよ(笑)。

山本 僕は前期ずっとケガしていて、あんまり試合に出れなくて、見ていて結果が出なかったのが責任感じちゃう部分があって。このリーグ戦でしっかり頑張れるようにっていうことをずっと考えています。

富田 あっという間でしたね。気づいたらもう終わっているみたいな感じだったので。そんなに考えている暇なかったですね。

八川 トーナメント(関東大学選手権)からあっという間だからね。

富田 一戦一戦じっくり考えている暇なかったですね。余裕なかったです。

山本 気づいたら卒業だよ(笑)。

――前期具体的に良かったところと悪かったところは

山本 きょねんよりアグレッシブさがあったというか、結構オフェンスとかも積極的にガードの人とかがドライブいったりとかしていたので。

八川 チームとしての雰囲気はすごく良かったと思います。目標に向かってみんなで頑張ろうという意識は、きょねんとかよりもいままでよりもすごくみんなそういう意識が高かったというように思いますね。

山本 ただ頑張るんじゃなくて考えながらプレーができるようになったと思います。

富田 きょねんのチームがどのようなチームか分からないんですけど、とても楽しいチームだなと思っています。試合でも盛り上がる時はみんなで盛り上がりますし、練習中もみんなで盛り上がるところは盛り上がるので、一緒のチームで楽しいなと思います。

山本 悪かったところは結構決まり事とかがしっかりできていなかったところです。

富田 あいまいなままやっていましたよね。

八川 すごく短期間で無理やり詰め込んでやったので、本当に細かいところまで徹底できてなかったなっていうのが悪かったところかなと思います。

――スタッフ陣営が今季から大きく変わりましたが、昨年からどんなところが変わりましたか

山本 やっぱり雰囲気づくりをしっかりするっていう感じがすごく増えた感じがします。

八川 監督からはすごく言われるからね。

山本 監督とのコミュニケーションも増えましたね。選手とかも色々プレーについて聞いてみたりとか。

――監督、ヘッドコーチの皆さんはどんな人ですか

山本 面白いです。みんな面白いです。

富田 全員フレンドリーですよね。

八川 いままで自分はBチームで、あんまりスタッフ陣とのコミュニケーションというのがあまりいままでなかったんですけど、ことし入ってから本当に監督だったりとかヘッドコーチの方々とすごく4年生中心にコミュニケーションとれるようになったので、それはすごく変わったなと思います。ありがたいところではありますね。

――今季からAチームとBチームという境をなくして練習しているそうですが、プラスになっているところはありますか

山本 やっぱり競争率が高くなったというところですね。試合に出ていた人でもダラダラしていたらどんどん追い抜かれちゃうぞという雰囲気がチームの中にあって。

富田 チーム内で競う相手が増えているので、プレー一つ一つがやられたくないみたいな気持ちが結構みんなが持っています。

八川 いままで(試合に)出ていない人にとってはすごいチャンスが多いという面ではそれはいいなというように思います。

――今季は実力のある1年生が多く入部していますが、4年生から見てどう映っていますか

山本 本当にスター選手ばっかりなので、高校のスター選手が一気に入ってきたので。

八川 新人戦の時とか5人がJAPANみたいな。

山本 見てて「すげー」って。

八川 超高校級の選手たちです。

富田 高校までです(笑)。大学に入ったら違いますよ。

山本 僕がファウルトラブルになっても富田くんが。

富田 それは本当にやめてくださいよ(笑)。ずっとベンチでファウルしないかヒヤヒヤしてるんですから。

八川 ずっと準備してたもんな。

山本 いつケガするかわかんないよ?

富田 ケガとファウルは本当にやめて下さい(笑)。

――その1年生と2年生で新人戦2位という結果を残しましたが、大会を振り返っていかがでしたか

富田 他の大学は3、4年生中心なので、1、2年生中心のチームはいつも見てるチームとはまた別の感じの雰囲気になっていて、ワセダは学年関係なくみんな仲いいので、そういうチーム力といった面でワセダは勝てたのかなと思います。

――上級生はその新人戦をご覧になっていかがでしたか

八川 上級生も頑張んないとっていう…。

山本 僕たちがいない方がいいんじゃないかっていう(笑)。

八川 嬉しい反面、悔しいというか。

――新人戦はどのようなところがよかったのでしょうか

富田 泥くさいところ、ディフェンス必死に付いて行って、リバウンド、ルーズボールを飛び込んで取りに行くところをずっと全試合通してみんなの共通意識として頑張っていたので、その部分で最後粘り勝ちみたいなところがあったので、そこの部分かなと思います。

八川 ワセダのスタイル、ディフェンスからブレイクっていう本当に激しいディフェンスができていたのかなっていうように思いますね。

「1部昇格しか見えない」(山本)

山本

――夏の間はどのようなところに重点を置いて練習してきましたか

富田 ディフェンスですかね。

八川 まずマンツーマンのディフェンスの基礎をしっかり固めるのと、あとはやっぱりプレスとか。

山本 ワセダの色が強いディフェンスからの速攻というかたちなので、チームの色を出せるようにしっかり練習してきました。

――オフェンスはどういった練習をしましたか

富田 セットプレーめちゃめちゃ増えましたよね。

山本 覚えることいっぱいでした(笑)。

――このチームのストロングポイントは

八川 ディフェンスが自分たちの色だと思いますね。各グループでワセダのアイデンティティーが何かを話し合ったんですけど、やっぱりワセダは泥くさく頑張って、ディフェンスからブレイクを出すっていうのが自分たちのスタイルだなってみんな共通意識持っていたので、それが自分たちの一番の強みじゃないかなと思います。

山本 選手層が厚いので、どれだけ疲れてもどんどん変えて相手をどんどん疲れさせるっていうことができるので。

富田 機動力ありますしね。

山本 そこも強みかなと思っています。

――リーグ戦で大切になることはどんなところですか

山本 一戦一戦成長していくというところと、あとはどれだけチームの色を出せるかっていうところですかね。

八川 苦しい状況こそ原点に帰って、自分たちの強みというのを出していけるようにしていくことですかね。

――富田選手は初めて迎えるリーグ戦ですが、どんな気持ちで迎えていますか

富田 とりあえず足を引っ張らないように、一つでもチームに貢献できるように頑張っていきたいです。

――リーグ戦は18試合と長丁場ですが体力面はどうでしょうか

山本 きついですね。でも、控えの選手が誰が出てもチーム力が変わらないというのが強みなので、出たらみんながみんな一生懸命頑張っていきたいです。

――リーグ戦でキーマンになる選手は

山本 八川さんですかね(笑)。

八川 なんでだよ(笑)。真面目な話、純平もそうですし、木澤(義揶、人4=京都・洛南)とか(池田)慶次郎とか4年生がやはり一番キーマンになってくるんじゃないかと思います。

富田 純平さんがいかにファウルせずにずっと試合に出れるかです。

山本 なんで?(笑)

八川 純平に一番期待したいですね。

山本 みんながみんなキーマンだと思います。誰が欠けてもいけないので、僕も含めて(笑)。

――ライバルとなるチームは

八川 大東大ですかね。

山本 実際どこのチームも油断はできないので、全部のところに一戦一戦頑張っていきたいです。

――では最後にリーグ戦への意気込みと目標をお願いします

富田 チームの目標である1部昇格に向けて、一戦一戦勝つために頑張っていきたいと思います。

山本 1部昇格しか見えないですね。

八川 ここまで相当練習してきたという自信はあるので、それをコートで表現できるようにチーム一丸となって1部昇格を達成したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 東哲也)

◆山本純平(やまもと・じゅんぺい)(※写真右)

1993(平5)年7月21日生まれ。身長191センチ、体重88キロ。福岡第一高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはフォワード。インサイドで早大の攻守のカギを握る山本選手。前期はケガでなかなか試合に出られなかったものの、リーグ戦でついに完全復帰!得点を量産する山本選手に注目です。

◆八川修士(やかわ・しゅうじ)(※写真中央)

1993(平5)年4月20日生まれ。身長176センチ、体重72キロ。東京・日大二高出身。商学部4年。ポジションはガード。最近ハマっていることはドライブと答えてくれた八川選手。課題は駐車だそうですが、その腕前はいかに!?最上級生としてチームをまとめ、1部昇格へ導きます。

◆富田頼(とみた・らい)(※写真左)

1996(平8)年10月9日生まれ。身長190センチ、体重91キロ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部1年。ポジションはセンター。U18日本代表にも選出された経験を持つ富田選手。山本選手とは筋トレのペア、さらには寮も同じだそうでとても仲が良い様子が伝わってきました。期待のスーパールーキーの活躍に期待大!