関東大学選手権が開幕 初戦を難なく突破

男子バスケットボール

 春の大一番、関東大学選手権(トーナメント)がついに開幕。初戦を迎えた早大は明学大と対戦した。開始から16点を連取するなど、いきなり大きくリードする。その後は一度も相手にリードを許さず、終わってみれば92―54と38点差をつけて快勝。初戦を危なげなく突破した。

 開始早々、早大が圧倒した。G石原卓(社2=東京・京北)のスリーポイントシュートで先制すると、その後も今シーズン好調の外のシュートがさく裂。G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)のロングシュートも決まり、開始5分で16―0と大きく点差をつけた。第2クオーター(Q)、さらに点差を広げていくかと思われたがイージーミスが多くなりリズムを失いかける。しかし、ベンチから出場したG長谷川暢(スポ1=秋田・能代工)やC富田頼(スポ1=京都・洛南)が積極的にゴールにアタックして得点を重ねていった。

今季から出場機会が増えている佐藤

 第3Qに入ると早大は高さを生かしたポストプレーを多く試みるが、なかなか得点に結びつかない。ターンオーバーをきっかけに12点差まで詰め寄られてしまう。しかし、デザインされたセットオフェンスからSF伊藤諄哉(人3=京都・洛南)がスリーポイントシュートを鮮やかに沈めると、再び早大ペースへと変わっていく。SG佐藤智也(社3=北海道・札幌日大)がルーズボールに果敢に飛び込みチームを盛り立てる。さらにはQ終了間際、ブザーと同時にスリーポイントラインのさらに後方から放たれた佐藤のシュートがリングに吸い込まれた。第4QもG木澤義椰(人4=京都・洛南)がファウルをもらいながらも難しいリバースレイアップを決め会場を盛り上げる。またC岡野佑紀(スポ1=愛知・千種)がこの試合で公式戦デビュー。身長を生かしたポストプレーやオフェンスリバウンドで明学大に止めを刺した。92―54で勝利し、難なく初戦を突破した。

効果的にシュートを決めた木澤

 「自分たちの目標は青学大を倒すということ」(木澤)と語るように準々決勝まで進めば強豪・青学大と対戦するが濃厚。その目標を達成するためにまずはあしたの法大戦勝たなくてはならない。法大とは今季ここまで1勝1敗。実力はほぼ互角なだけに、いかにここまで取り組んできたことを体現できるかが重要になってくるだろう。この試合では「まだまだ足りない部分があった」(佐藤)と振り返るように、まだまだ本領を発揮し切れていない早大。まず次戦では自分たちのスタイルをしっかりと出して、白星をつかみたい。

(記事 東哲也、写真 渡部歩美、角田望)

第64回関東大学選手権 5月4日(vs明学大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

25 16 32 19 92
明学大 12 16 19 54
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(社2=東京・京北)
SF#25 伊藤諄哉(人3=京都・洛南)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
コメント

G木澤義椰副将(人4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返って

いままでやってきたことをどう表現するかということをチーム内で話してきて、オフェンスは基本1対1、ディフェンスはボールのプレッシャーということをやっていたのですが、しょうがないところもあったのですけれど出だしの部分でちょっと動きが硬くて。ある程度できていたのですが、2ピリくらいから重くなって相手も調子づいてきたので、そこの対応が遅くなってしまって少し追い付かれてしまいました。後半は速攻も出ていたのでそこは良かったと思います。

――今大会に向けてどのような練習をしてきましたか

きょねんはAチームとBチームが分かれていたのですが、ことしからは一緒にやっていて。30人くらいで全員で練習しているのですが、チームが一つになって練習しているというか、きょねんに比べると雰囲気や姿勢がすごく良くなっています。そういったところはしっかりやっていこうという話は監督からもされていて、そこを試合でも出せるかというところは大事になってくると思うので。そこはしっかりできたと思っていて、雰囲気のところは十分だと思います。

――昨年度の5位についての意識はありますか

順位はもちろん大事なのですが、自分たちの目標は青学大を倒すということを掲げています。結果的にベスト4になるのですが僕たちは4年間青学を倒したことがないので、そういった意味でチームではそこを目標に掲げています。そのために、まだあしたの相手は分からないですが、そこも自分たちのやることをしっかりやればいけると思うので、青学大を倒すという目標を置きながら、一戦一戦大事に戦っていきたいと思います。

――ご自身の出来は

おととしからそうなのですが、途中から出て流れを変えるプレーヤーだと自分は思っていて。そういった意味で、出だしから見ていて外のシュートばっかりだなと思っていて、やっぱり積極的にゴールに向かっていかないとファウルももらえないので、自分が出たらもっとゴールに向かってアタックしていこうと心掛けていました。中距離からのシュートは良く入っていましたし、レイアップは少し落としてしまいましたが、積極的に攻められていたかなと思っています。

――試合中もベンチから声が良く出ていたように感じました。声の意識はあったのでしょうか

そうですね。それは監督からもしつこく言われているのですが、出ている5人だけじゃなくて、ベンチや応援席からも、そういったところから声を出すことによってチーム一丸になっていきますし、チームが一つになるにはそういった声も必要だと思っているので。試合前に全員で声出してチーム一丸となってやっていこうという話はしているので、声は良く出せていたと思います。

――副将ということでその意識もあるのでしょうか

キャプテンも副キャプテンもいるのですが、4年生がまとめていかないといけないので。そこは4年生で話し合って、どうやってチームをまとめていくかを練習が終わってからも4年生でミーティングしたりして話しています。雰囲気に関しては練習からしっかりできているなと思いますし、僕自身も副キャプテンとして、練習中からもそうなのですが、チームが崩れて士気が落ちることは避けたいので、そういったところで集めて。キャプテンを中心としてやっているのですが、練習から雰囲気良くできるようにすることで、試合でもそういった良い雰囲気をもったまま試合に入れるのかなと思っています。

――あしたの試合に向けて

ワセダのバスケットをどれだけ表現できるかだと思います。ワセダのバスケはディフェンスを頑張ってブレイクを出すことですし、細かいところだとディフェンスはボックスアウトの徹底をシーズン始まった時から言われているので、そこをしっかりしてオフェンスは強気でリングに向かっていければ勝てる可能性は全然あります。どれだけ強い気持を持てるかが大事だと思うので、そういったところを意識して勝ちたいと思います。

SG佐藤智也(社3=北海道・札幌日大)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

練習でやってきたことが全部出せたっていう訳じゃなくて、ディフェンスの部分でもディナイの部分をしっかりやろうということだったんですけど、まだまだ足りない部分があったので、そこはまたあした練習でやってきているので絶対できるので、そこは修正してやっていけば勝てると思います。

――いいディフェンスの時はいい流れだったと思いますが、ディフェンスの手応えはいかがですか

ボールがポンポン回りすぎていたのでそれを止めることができれば、相手のもらいたい位置でもらわせなければいいディフェンスができると思うので、後はインサイド陣のリバウンドが取れればあしたの法大はインサイドが大きいので、リバウンドさえ取れればリズムが出てくると思います。

――佐藤選手ご自身はベンチからもコート上でも声がよく出ていたと思いますが、意識していたのでしょうか

きょねんまでこの2年間はずっとBチームでベンチにも入ったことがなかったので、試合に出られない悔しさというか外から見ていて何もできない悔しさはわかっているので、ベンチにいるBチームの先輩たちもそういう目で見ているとわかっていたので、声出せるところはしっかりやろうと思って、この2年間の経験が結構大きいかなと思います。プレーももうちょっと練習でやっていることを出せればよかったんですけど、きょう全然シュート打っていなかったので、あしたは切り替えて、僕はシュートが好きなのでシュートを狙ってやっていきます。

――3Q終了間際にはブザービーターを決めましたが

全然入ると思ってなかったので、なんかブザービーター決めたらなんかかっこいいことしてやろうと思っていたんですけど、びっくりしたのでなんもできなくてちょっとダサかったなって(笑)。もうちょっと面白いことやればよかったかなと思います(笑)。

――今シーズンから出場機会が増えてきていますが、個人的な手応えとしてはいかがですか

シュートが上手な選手はいるんですけど、僕もシュートは好きで動きながらのシュートとか態勢崩れたシュートでも打てるので、そこが自分の持ち味だと思っているのでそこは通用しているので、自分でボールをもらいにいって速いシュートを打つとか、後はリバウンドが好きなのでそういう部分でスタメンじゃないので代わって勢いをつけられるように流れを変えられるようなプレーを心がけてやっています。

――もらったらシュートを打つというのはチームとしても意識していると思いますが、佐藤選手の持ち味を通じるものがあるのでしょうか

もらったらシュートというのは自分の中であったので、しかも割と自信があるので僕がそこで引っ張っていければBチームから上がってきた選手なので、下の選手がやれば上の選手もやると思うので、そういうのは底上げという面でもしっかりやりたいです。

――あすは法大が相手ですが、今季ここまで2戦戦っていますが印象はいかがですか

監督がことし明大から来た監督で、きょねん全く明大といい試合する機会がなかったので、いろんな策というかいろんなプレーをやってくると思うので、そこにちゃんと対応できればディフェンスがしっかりできれば問題無いと思うので、インサイド陣のリバウンドと本当にディフェンスとリバウンドをやればそこからは早大のリズムができると思うので、自分たちのできることをできなかったら負けると思うので、塚本さん(清彦ヘッドコーチ、法大)がいるのでそこはしっかりやらないと足元すくわれると思います。一応(東京六大学リーグ戦と京王電鉄杯)2回勝っていますけど、自分たちのやれることをしっかりやりたいと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

きょうちょっと攻め気が足りなかったかなと思っていて、きれいにデザインしようとしたことがあったので、あしたはもっとボールを持ったらすぐシュートを狙って、前に出てきたらドライブというように攻め気を持ってやって、上級生なので周りに声を掛けながらやっていきたいです。

C富田頼(スポ1=京都・洛南)

――今大会の目標は

とりあえず打倒青学大ということで、青学大を倒すことをメインに挑んでいます。

――きょうの試合を振り返って

きょうの試合は、ディフェンスやオフェンスの部分でコミュニケーションが足りなくて、コミュニケーション不足からのミスなどをしたので、そこの部分を修正していけたらいいです。

――京王電鉄杯からはどのような点を意識して練習してきました

ディフェンスですね。ディフェンスで相手に楽なプレーをさせない、ということを軸にやってきました。

――実際にきょうの試合では生かすことができましたか

その部分はできてない部分があったので、もっとあしたから集中していきたいです。

――第3Qから高さを意識したインサイドプレーが見られましたが何か指示があったのですか

そうですね。相手より全体的に身長が高かったのでミスマッチの部分についてちょっと重点的に攻めてみようということだったのでやってみました。

――後半からコート全体で声がよく出ていました

今季初のトーナメント試合ということで、少し硬くなって声が出ていない部分があったので練習通り声を出して勝っていこうということでたくさん声を出しました。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

次の相手は自分たちよりもうまい相手が多くて自分たちよりも大きい相手が多いので、相手の好きなようなプレーをさせないことをメインに、自分たちのリズムでプレーすることを中心にやっていきたいと思います。