拓大に完敗し、6位で新人戦を終える

男子バスケットボール

 迎えた大会最終日、早大は5位を懸けて拓大と対戦した。今大会思うようなプレーができていない早大は、この日も序盤から波に乗れなかった。ディフェンスがうまくいかず拓大に走られ、常に追いかける展開になった。結局一度もリードすることができないまま76-94で敗戦。早大らしいプレーがほとんど見られないまま、今大会を6位で終えた。

プレーでチームを引っ張った河合

 試合開始直後から拓大に攻め込まれる。G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)の速攻や、SF伊藤諄哉(人2=京都・洛南)のミドルシュートなどで得点を重ねるが、早大のミスを確実に得点につなげられ、10-17とビハインドを背負って第2クオーター(Q)を迎える。差を詰めたいところだが、シュート率のいい拓大に追いつけない。SF新川敬大(スポ1=東京・京北)が連続で得点を上げ、最後は河合がブザービーターを決めるが、26―42とさらにビハインドを大きくして前半を終える。

 後半に入ると、リバウンドからのセカンドショットを決められるなど、苦しい展開になる。オフェンスでは、G石原卓(社1=東京・京北)からSF澁田貴大(スポ2=東京・京北)の速攻がきれいに決まり、河合からゴール下のC宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)にパスが通り得点に結びつけるなど、ガードからの攻撃が目立った。さらに新川が第3Qだけで3本のスリーポイントシュートを沈めるなど、外からのシュートも入った。しかしディフェンスのローテーションが甘く、拓大に得点を重ねられ、49-66と離されたまま最終Qを迎える。第4Qは河合がドライブにアシストにと奮闘するが、相手に得点を与えたくないところで続けて速攻に走られてしまう。速い攻めを抑えることができず、最後まで点差を詰められなかった。最終スコアは76-94。積み上げてきた練習の成果を発揮することができないまま敗戦し、6位で今大会を終えることになった。

スリーポイント王に輝いた新川

 初日から選手たちが課題として挙げてきたことが最後までできないまま大会が終わってしまった。小さいチームだからこそ全員でのリバウンドと、チームとして守るディフェンスは必須だった。しかし、ディフェンスがうまく機能しなかったことで、オフェンスでも速攻など早大らしいプレーを見ることはほとんどできなかった。新川がスリーポイント王、石原がアシスト王を取るなど、個人としての活躍は随所で見られたが、チームとして戦うという面で課題も多く残る大会となった。シーズン前半の公式戦はこれですべて終了し、次の大会は秋の関東大学リーグ戦になる。今季最大の目標、1部復帰に向け、課題は多い。これから長い夏を経て、早大バスケ部がいかに成長を遂げるか注目だ。

(記事 加藤恵、写真 東哲也)

第54回関東大学新人戦6月22日(vs拓大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

10 16 23 27 76
拓大 17 25 24 28 63
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 河合祥樹(スポ2=京都・洛南)
G#7 石原卓(社1=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ1=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  新川敬大:20得点
リバウンド 宮脇隼人:10リバウンド
アシスト 石原卓:6アシスト

個人表彰

スリーポイント王:新川

アシスト王:石原

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コメント

G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)

――大会を終えての感想をお願いします

初戦から順位決定戦まで含めて、監督から言われていたことやチームが始まってから今まで3、4カ月でやってきたことが、ひとつもできなかったので、この大会得るものがなかったという点で、無駄な時間を過ごしてしまったというか、悔いの残る大会だったと思います。

――キャプテンとして臨んだ大会でしたがいかがでしたか

高校時代とかもキャプテンをやってきましたが、改めて難しいと感じました。うまくまとめようと思ってもまとまらないこともありましたし、言い過ぎて落ちることもあったりして、チームを引っ張っていくという点ではいろいろ考えることができたので良かったと思います。

――今大会特にできていなかった部分はどういうところでしょうか

うちのチームはほかのチームに比べてすごく小さいので、ディフェンスの部分で、足を使って前からプレッシャーをかけて、みんなでカバーして守るということをずっと言われてきたのですが、そこが全然できなくて、そのせいでオフェンスのリズムもつかめなかったと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

良かったかと言われたらすごく悪かったかなと思います。出だしミスが続いたところでみんなの気持ちがめげてしまったというのがひとつあって、そこからディフェンスも悪くなってしまったりしました。

――リバウンドはずっと課題となってきたと思いますが、リバウンドに関してはいかがでしたか

全員で取りに行くしかないのですが、取る意識はあっても参加していない選手がいるので、そこは練習から強い意識を持てるようにしたいです。次からは3、4年生もいますけど、自分も率先して声を出してやっていきたいと思います。

――早大が走りたい中、相手に走られる場面も多く見られましたが、何が悪かったのでしょうか

自分たちが走ろう走ろうとしていい流れが来たときにターンオーバーをしてしまうと、そのミスひとつで自分たちの気持ちが落ちて、だらだら戻ってきたりしてしまい、そういう気持ちの面で劣っていたのかなと思います。

――これから3、4年生も含めて秋に向けて練習していくことになると思いますが、この夏どのようなことをしていきたいですか

大会を通しても1、2年生がハードに気持ちを出してプレーするということができなかったと思います。全体のチームになった時も、1、2年生も多く試合に出ますし、3、4年生に引っ張ってもらっている部分もありますが、1、2年生がもっと声を出したり激しくできなかったら、3、4年生も引っ張っていく気持ちがめげたりすると思うので、夏はどんなにきつくても足を止めることなく激しくやっていきたいなと思います。

C宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

出だしが悪かったのと、ガードがせっかく運んできてくれたのに自分がちょっとミスが多すぎて足を引っ張ったなという印象です。

――きょうの敗因は

簡単なミスが続いてターンオーバーとかが増えてしまって、そこから相手に多く速攻を出されたことかなと思います。

――きょうは(ジョフ・チェイカ・アハマド)バンバ選手(拓大)とのマッチアップでしたが

とりあえずリバウンドを取られないようにボックスアウトを意識して、リバウンドだけは取られないように意識はしていました。

――今大会全体を振り返っていかがですか

悪い時間が多かったなという印象で、個人的にはゴール下でイージーミスが多かったのでこれから練習で意識して、チームのディフェンスも個人的なスキルもリーグ戦までには完璧にしたいです。

――具体的な課題は

個人的には力強さが足りないなというところで、あとはハンドリングが足りないと思います。チームとしては出だしの入りとチームディフェンスが全然完璧にできなかったのでそこかなと思います。

――今後の目標は

目標はリーグ戦で勝って1部に上がることなので、これから合宿とかあるので、そこでしっかり練習したいと思います。

SF新川敬大(スポ1=東京・京北)
――試合を終えた感想は
新人戦を最初から振り返ると、課題としてチームのまとまりがないのが続いてきて、きょうの試合は最後なので全員でまとまりを作ってチャレンジャーとしてぶつかっていこうと話していたんですけど、やっぱり最後までまとまりがなく終わってしまったのでそこは反省しています。
――初日にキャプテンのG河合祥樹(スポ2=京都・洛南)が「声が出ていない」という話をしていました。そのようなところを意識しようということでしょうか
そうですね。
――3、4年生の大きさを感じる大会になったのでしょうか
はい、感じます。
――なかなか相手のディフェンスを崩せませんでした
ボールを持っている人に任せっきりで、単発な1対1ばかりになってしまって、動きがなくて中にDFが集まったまま狭い状況になってしまったので、もっと動いてスペースを広く取ってドライブするべきでした。
――きょうの敗因は
バンバ(拓殖大)を全員で抑えきれなかったところと、監督にはバンバには点をやられても他に点をやるなと言われていたんですけど、他にも点を取られてしまったのが敗因ですね。
――新人戦を通じて、得たと感じているものはありますか
新人戦になってワセダはよりサイズが小さくなって、自分より20センチ近く背が高い選手につくこともあって、大きい選手の抑え方だったり負けないリバウンドだったり、そういうところを少しは覚えられたかなと思います。
――関東大学リーグ戦までに重点を置いていきたいことは
今回の反省を活かして3、4年生に引っ張ってもらうだけじゃなくて自分達から積極的に声を出して引っぱって、3、4年生のサポートをしていきたいと思います。
――ここまで試合に出続けていますが、いま改めてどのような選手になりたいですか
いまは下のポジションをやらされてることが多いので、背が小さいのでポジションを上にあげていきたいです。自分から積極的にドライブを仕掛けて、ディフェンスを集めて外にさばいたり中の選手に合わせたり自分から作っていける選手になりたいと思います。