流れを引き寄せ慶大に圧勝

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大 13
慶大 0 2 1 6
▽得点者
鈴木潤4、後藤3、秋山2、奥町、池田、森松、菊地

 ことしで30回目を迎える関東学生リーグ戦。初戦の相手である慶大は5月の早慶戦(早慶定期戦)で引き分けに終わった因縁のライバルである。「今回の試合が大一番」(DF丸山将史、政経4=東京・早大学院)というように、初戦から重要度の高い試合であった。第1クオーター(Q)開始直後にAT鈴木潤一(教4=東京・城北)が先制点を決めると、勢いそのままに3点を奪い4-0で第2Qへ。慶大に2点を返されたものの、早大も攻撃の手を緩めず6-2で前半を終えた。第3Q途中から激しく雨が降り出すも、早大の勢いは止まらず。試合終盤には立て続けに3点を入れられるも、宿敵・慶大に圧倒的な点差をつけ勝利を収めた。

 試合開始のフェイスオフでボールを取った早大は、そのまま何度もパスをつなぎ、ゴールの周りでショットを放つタイミングをうかがう。開始1分、左サイドのAT菊地智貴(政経3=東京・早大学院)からパス受けた鈴木潤は、右サイドからショットを打ち先制点。早大は一気に流れを引き寄せ、次々と得点を決めていった。第2Qに入ると慶大も反撃を始め、序盤続けざまに2点を許した。しかし、ここで早大はタイムアウトを取り落ち着いてディフェンスについて話し合う。その後は、早大は流れに押されず本来の勢いを取り戻し、点を重ね、前半は6-2とリードしたままで折り返した。

先制点を決め喜ぶ選手たち

 第3Q、早大の最初の得点はMF森松達(国教3=東京・麻布)によるフリーの状態で正面から放ったショットであった。後半になっても早大の攻撃は止まない。1点返されたものの、8-3と点差を広げた。雨もかなり強くなってきた第4Qは、開始直後AT秋山拓哉主将(スポ4=兵庫・豊岡)のショットが決まる。秋山はこのあともロングショットを決め、この日複数得点を挙げた鈴木潤、MF後藤功輝副将(政経3=東京・早実)とともに早大をどんどん勢いづけた。終盤、慶大の反撃で3点を返されるも、早大の大量得点には及ばず。早大は7点差をつけて勝利した。

鉄壁の守備を見せた丸山

 5月の早慶戦から一段と成長を感じられる試合であった。「早慶戦では守りに入ってしまって、今回は皆で『攻めに行こう』と声を掛け合った」(DF黒瀬聡志、政経4=東京・錦城)というように、特に攻撃の手を緩めないことを意識したという。「ディフェンスが前半まで2、3点に抑えていたのがチームにとって良い雰囲気の流れを持ち込んでくれた」(後藤副将)、「オフェンス陣が点を取ってくれて自分たちもゲームプラン通りに試合を進められた」(黒瀬)というように、ディフェンス、オフェンス両者とも良い働きをした試合であった。しかし、秋山主将はパスのキャッチやシュートにおいてまだまだ「基礎の部分が足りない」という。キャッチの失敗を減らし、またシュートの精度を上げることで、まだまだチームは強くなれるということである。リーグ戦初戦、明るい一歩を踏み出した男子ラクロス部――RED BATS。今後もさらなる成長を重ね、攻めの試合で快勝を見せてほしい。

(記事 今山和々子 写真 小川由梨香、茂呂紗英香)

コメント

AT秋山拓哉主将(スポ4=兵庫・豊岡)

――慶大相手に13-6での勝利となりました。全体を振り返っていかがですか

毎度のように入りは良くて第2Q、第3Qで少し下がるかなと思ったところで、持ちこたえて中押しできたのは練習の成果が出たのかなと思います。

――第1Qから攻撃陣が好調でした

正直直前の練習では早慶戦(早慶定期戦)の反省を踏まえてこの2か月間やってきたことができなくて不安だったのですが、いざふたを開けてみると、反省を踏まえたオフェンスができていたのかなと思います。

――早慶戦を引き分けで終えてからチームとして変えてきたことはありますか

1番変えたのは練習量を増やしたことです。もちろんミーティングなどもしっかりして慶大への対策もしたんですけど、1番しんどい7月や8月の合宿では僕が練習量を増やしたところにみんなしっかり付いてきてくれて、必死にやってくれました。1番は練習量の差が出たのかなと思います。

――第2Qに入り、2点を奪われた後タイムアウトを取りました

ゾーンという守り方をやっていたんですけど、そこがダメで変えようという話だけだったのですが、コーチの方の助言もあってそこからマンツーマンのディフェンスに変わりいい方向に向かったのかなと思います。

――後半に入ってからも順調に得点を重ねました

後半こそ焦ることなくじっくりと粘ってオフェンスができたから点が入ったのだと思います。それは早慶戦が終わってからやろうとしてきてたことで、ひとつのかたちとなったので、自信になりました。

――攻撃陣同様、守備陣も好調なように思われました

黒瀬(DF黒瀬聡志、政経4=東京・錦城)と丸山(DF丸山将史、政経4=東京・早大学院)の2人がいてその次が頑張らないといけない中で、DF高橋洋太(創理4=埼玉・県川越)や中島(DF中島大介、社2=東京・早実)直井(DF直井祐太郎、人4=埼玉・栄東)が結構頑張ってくれたと思います。練習では悔しい思いをしているところを見てきました。また、こうやって結果が出たことに満足することなく、今後もやっていってほしいと思います。

――全体的に良い試合内容だったと思うのですが、反省点を挙げるとすれば何かありますか

僕の反省にもなるのですが、パスのキャッチが下手といいますか、あとはシュートの精度や速さ、打ち方などは今後戦っていく上でまだまだ練習不足なので、基礎の部分が足りないと感じました。

――最後に次戦に向けての意気込みをお願いします

今度の試合は一応集客試合ということで、OBやOG、保護者の方がたくさん来られるので、きょうのように大量に点を取ってワセダ一丸となって勝利し、喜びたいので、また明日から頑張ります。

MF後藤功輝副将(政経3=東京・早実)

――きょうの試合は関東学生リーグの初戦で、相手は慶大でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

早慶戦で引き分けていて、リーグ戦の初戦だったので、絶対に何としても勝とうという中で、相手がケイオーなので、いつもの試合以上に皆気合いが入ってました。

――13-6という結果でしたが、試合全体を振り返っていかがですか

ディフェンスが前半まで2点、3点に抑えていたのがチームにとって良い流れを持ち込んでくれたかなと思います。

――オフェンス陣が13得点決めましたが、どのような準備をしましたか

ケイオーに対する分析は早慶戦が終わってからかなりしてきたので、それが効いたかなと思います。

――ご自身が3得点決めましたが、振り返っていかがですか

早慶戦で活躍できなくて、個人的に悔しい思いがすごくあったので、開幕戦は何としてでも活躍したいなという気持ちで取った点です。

――次戦の成蹊大戦への意気込みをお願いします

次の成蹊大もとても強いので、この勝ちにおごらず、しっかりとした試合をしていきたいなと思います。

AT鈴木潤一(教4=東京・城北)

――春の早慶戦では慶大と引き分けでしたが、きょうはどんな意気込みで挑みましたか

ここからリーグ戦が始まって、日本一を目指してやっているんですけど、その第一歩として絶対に負けられない試合ではあるし、また負けたら引退がグッと近づくなと思って、強い気持ちで挑みました。

――結果的には13-6の圧勝でしたが、試合を振り返ってどうですか

1点目を自分で取ってそこからチームが流れをすごく引き寄せられたので、それがこのいい結果につながったのかなと。流れをずっと自分たちのところに引き寄せられたのが大きかったなと思います。

――先制点を決められましたが、その場面を振り返ってどうですか

自分としてはスタンディングシュートがすごく苦手なんですけど、それが練習していた通りに自分が思った場所に飛んで決められたので、あの瞬間はめちゃくちゃうれしかったです。

――今日は4得点も決められて自身の活躍を振り返っていかがでしたか

自分としては4点決めるまでは良かったんですけど、そのあとは足が止まってしまって他のアタックだったりディフェンスに迷惑がかかっちゃったところがあったのでそこが課題ですね。最後まで走り切るというのが自分の課題かなと。それが見えたことは良かったです。

――慶大も強いチームだと思うのですが、この試合に向けて何か強化したことや対策は何かありましたか

いろいろ対策はしたんですけど、その中でやっぱり一番大きかったのが「攻撃の手を緩めない」というか、守りに入ったら自分たちはやれる(大丈夫だ)と思っていたので、絶対に守りに入らないで攻め続けるというのをチームとして意識してやってきました。

――最後に、成蹊大戦に向けて一言お願いします

きょうは4点だったんですけど、成蹊大戦でも4点にとどまらず、5点6点決めてチームの勝利に貢献できたらと思います。

DF丸山将史(政経4=東京・早大学院)

――開幕戦から慶大が相手でしたが、今回はどのような気持ちで臨まれましたか

やることをある程度決めてやっていて、アタックが向こうは日本代表とかU-22とかそういう人たちにあえて勝負しようしてロングとアタックのところでしっかりと止められれば勝てるのではないかという作戦でやっていました。それが見事にはまってあまり点を取られることなくこっちのオフェンスの機会を増やすことができたかなと思っています。

――13ー6という点数に対してはいかがでしょうか

練習していたかたちがそのまま出たのかなと思っています。失点に関してはもう少し減らせる部分あったのかなと思っているんですけど、オフェンスに関してはやることをやってくれたおかげでしっかり決めるところで決めきれたというので13点も取れたのかなと思っています。

――ディフェンス全体に関してはどのように思われましたか

今回は25番の高橋洋太(創理4=埼玉・県川越)をあえて新しくリーグ戦で出してみたんですけど見事にはまり、1対1の部分でほとんど負けることなく結果を出してくれたおかげで、ディフェンス組織として僕たちも頑張れたというのにつながっているのでそれがすごく良かったかなと思います。

――本日の収穫はいかがでしょうか

ディフェンス全体として7人いる中できょうは7人全員出たので、この慶大との試合を全員経験できたというのはプラスになるのかなと思っています。さらにこの試合で勝つことができたのですごく良い経験を下級生は積むことができたのかなと思っていますし、ディフェンス7人全体として良いイメージにつながっていけばと思っています。

――次は成蹊大が相手ですが、今後の目標について教えてください

もともと目標は全日(全日本選手権)でFALCONSを倒すということでやっているので今回の試合が大一番ではあったのですが、だからといってここで終わりではなくてここから始まりだと思っているので次の相手がどこであってもやることをしっかりやって勝利という結果で他の部員たちに見せることができればいいなと思っています。

DF黒瀬聡志(政経4=東京・錦城)

――リーグ戦(関東学生リーグ戦)初戦、慶大との対戦となりましたがどのような意気込みでこの試合に臨まれましたか

5月の早慶戦(早慶定期戦)は勝てる試合で引き分けてしまったという思いが強かったので、きょうは自分たちの力が出せれば絶対に勝てると信じて試合に臨みました。

――結果として13ー6での勝利となりました。この結果をどう捉えていらっしゃいますか

ディフェンスとしても相手のAT陣を完全に封じることができた感触がありましたし、自分たちのやってきたことが出せて良かったです。

――5月の早慶戦の時と比べて、何か変化や成長をを感じたところはありましたか

みんなで言っていたんですけど、5月の早慶戦では守りに入ってしまって、そこを突かれて追い付かれてしまったので、今回はみんなで「攻めに行こう」と声を掛け合って、それがいい方向に働いたと思います。

――きょうは序盤から早大がリードする展開でした

オフェンス陣が点を取ってくれて自分たちもゲームプラン通りに試合を進められたので、そこはオフェンス陣に感謝したいです。

――きょうのディフェンスについて、個人とチームそれぞれで点数をつけるとしたら何点くらいになると思いますか

個人としては、スタミナ不足の面もあったので65点くらい。チームとしては85点くらいですかね。

――終盤はスタミナ切れの影響か苦しそうな様子が見られました

そうですね、自分が体力がなかったのもあってキツかったですね。

――先ほどきょうの早大のディフェンスは85点とおっしゃっていましたが、残りの15点の部分は何が足りなかったとお考えですか

第4Qで13ー3から3連続で点を取られてしまって。あの3点は防げる得点だったと思います。点差がついていたから良かったですけど、1点を争う試合では連続得点で相手に流れが行ってしまうことは危険なので、きょうはそこが甘かったと思っています。

――最後に今後への意気込みを聞かせてください

ケイオーも関東ファイナルで戦う時にはもっと調子を上げてくると思うので、自分たちも1日1日、常に全力で取り組んで成長し続けたいと思います。