男子部の第3回目は外野手組の対談をお届けする。小出拓実(人4=東京・杉並)、中内俊太朗(スポ4=東京・筑波大付)、渡邊幸太(人4=千葉・市川)、齋藤拓哉(スポ2=青森・弘前学院聖愛)の4人に、現チームの振り返りやインカレの意気込みを伺った。
※この取材は8月22日に行われたものです。
齋藤拓のプレーには華がある(中内)
対談中笑顔の中内
ーーまずは他己紹介をお願いします
齋藤拓 小出拓実さん、通称デックスさんです。チームの中では主務を担っていて、誰もが信頼を寄せる俊足豪打、華麗な守備を持ち合わせたイケメンです。
小出 渡邊幸太です。チームの中では副務として自分をサポートしてくれていて、選手としてはホームランを何本もぶちかますような豪打が出る魅力あふれる選手です。
渡邊 中内俊太朗です。通称はしゅんちゃんです。見てもらったら分かると思うんですけどイケメンで、ユーモアあふれる人です。中内しゅんちゃんあってのチームだと僕は思っているので、是非インカレではしゅんちゃんの写真いっぱい撮っていただければと思います(笑)
中内 齋藤拓哉くんです。見てもらうと分かるんですけどイケメンで。
齋藤拓 よく言われます。
渡邊 4分の3イケメンで大丈夫?(笑)
中内 彼は華のあるプレーをします。よくダイビングキャッチをしていて、インカレでは彼のダイビングに注目して欲しいのと、見た者をとりこにしてしまう力があるので、皆さんにはちょっと気を付けていただけたらと思います。
ーーソフトボールを始めたきっかけは
齋藤拓 僕がソフトボールを始めたきっかけは、なんといっても中内俊太朗さんです。同じ野球上がりっていうこともあって、僕が入学式の時に勧誘していただいて、その時から。外野手としても打撃においても、人としても手本になる中内さんに憧れてソフトボールを始めました。
小出 大学入る前まではソフトボールをあまり知らなくて。大学受験で一浪してたんですけど、その時の塾の先生に勧められて体験練習に来て、いいなと思って入りました。
渡邊 僕は結構特殊で、入部したのが2年生の12月っていう遅い時期で。なんで入ったかというと、田中宏二(人4=大分舞鶴)ともともとずっと仲が良かったんですけど。2年生の冬くらいに体験生の数合わせで来てくれって言われて、全く興味はないけどとりあえず行ったら結構楽しくて。もともと別で個人的にやってたことがあったんですけど、それもちょうど終わるぐらいのタイミングだったので、切り替えるにはちょうどいいタイミングだったっていうのもあって、流れでそのまま入部した感じです。
中内 自分は1年の6月くらいに入部したんですけど、最初野球のサークル入ってて。スポ科なのでダンスの授業があったんですけど、その授業に稲垣(拓朗、スポ4=群馬・新島学園)、畠山(陸主将、スポ4=高知西)っていうスポ推の二人がいまして。ソフトボール部があることすら知らなくて全く興味もなかったんですけど、しつこく勧誘されて見に行ったら、すごいピッチャー(の稲垣)とめちゃめちゃ守備の上手い畠山のプレーに魅せられて、気付いたら入部していました。
ーー試合前のルーティンはありますか
齋藤拓 アップ入る前に好きな音楽を聴くことと、アップ中は基本俊太朗さんとキャッチボールからティー打ったりとかバントしたりとかっていうのを。去年のインカレ前からずっと試合前は俊太朗さんとやっています。俊太朗さんが緊張しいで、そういうのを一緒にやろうって言ってくれたので、それがルーティンになっています。
小出 遠征とか大会だと結構ホテルでの宿泊になって、体が毎回一日通した後で疲れているのもあって、3年生以降は朝起きた時に柔軟入れるようにしてて。軽くですけど、皆でアップする前に柔軟しておくと体がちょっと動いたりするので、取り入れています。
渡邊 試合前っていうより直前の話になるんですけど、バッテを付ける順番とかスパイクを(左右)どっちから履くみたいのは小さい時から同じ順番でやっているので、それがルーティンって感じです。
中内 自分も拓哉とキャッチボールをするところからがルーティンになってます。自分はすごく緊張しちゃうので、彼の顔を見ながらキャッチボールすると落ち着くっていうのがあるんですけど。東日本の時は彼の方が緊張していて、去年のインカレではスタメンじゃなかったので、今年は彼の方が緊張するんじゃないかっていうのを楽しみにしています。
ーー4人のプライベートでの親交は
渡邊 学年が違うっていうのはちょっとあるんですけど、4年生3人は家が遠いっていう共通点があって。家遠い組で飲みに行くっていうのは何回か開催したことがあります。
中内 小出くんは今こんな感じなんですけど、違う一面もありまして、飲んだらすごいという。そういった姿を見られるのもプライベートならではですね。
ーーオフの過ごし方や趣味は
齋藤拓 僕は一人暮らししているので、1週間分作り置きをしたりとか。毎日掃除はしてるんですけどオフの日は結構時間が取れるので、隅々まで掃除しています。
小出 オフの日に関しては結構大学の競技スポーツセンターに行く機会が多くて。練習の時に行くと時間がなさすぎるし、練習前くらいはゆっくりしたいなと思ってしまうので、空いたオフの時間でやろうと。あとは家で動画を観るのが好きなので、家でくつろぐ時間をちゃんと取ってます。
渡邊 家が遠いのもあって平日本当に全然寝られないので、オフの日は気絶しているというか、目が覚めたら大体15時とかで。夕方バイトして、気付いたらオフが瞬殺で終わってるっていう感じで過ごしてます。
中内 自分も寝るのが好きなので、どこか出かけるっていうよりは、基本的に家でゆっくりしています。自分もデックスみたいにドラマとか観るのが好きなので、ドラマ観て昼寝したらオフが終わっている感じです。
自分たちらしく勝ったという試合があまりない(齋藤拓)
対談中の齋藤拓
ーーここから競技の方の質問に入っていきたいと思います。春季リーグから東日本までの戦い全体をチームとして振り返っていかがですか
齋藤拓 これといって自分たちらしく勝ったという試合があまりないなっていうのが正直な印象で。こういう戦い方をしたいっていうのは明確にあるんですけど、それがなかなか思うようにいっていないというのが春リーグから東日本までの試合だったなと思います。
小出 先制点を取られて、そこで盛り返すんじゃなくてそのままやばいやばいみたいな感じになって、点を取られて負ける試合が多くて。先制点を取られるとやばいなっていう空気感が全体にあるなと感じています。
渡邊 二人が言ってくれたのと同じで、自分たちらしさがあまり出せていないというのが正直なところなので、インカレではそこをどれだけ出せるかが鍵になってくるのかなと思います。
中内 関カレ準優勝で、春リーグ3位、東日本3位で。関カレで日体大に勝って以来日体大、国士舘大には勝てていなくて。そこにどうやって勝つかっていうことだけを考えてこの夏はやってきているので、あとはそれを出すだけだと思います。
ーー個人のプレーを振り返っていかがですか
齋藤拓 僕は3月の理科大オープンの時に右肩を脱臼してケガしてしまって、それ以降なかなか思うようにプレーができないという状況が続いていました。春リーグも、スタメンで出させていただいたことはあるんですけど、全試合じゃなくて代打とか、スタメンで出ても2打席とか。そのような形が続いていた中で、現在は肩も完治してしっかり送球もできるようになったんですけど。以前の感覚に戻すのにすごく苦労しているのがまず守備面で一つと、打撃面では僕は最近3番を打つことが多くて、バントをしたり打ったり色々な役割がある中で状況に応じて考えてやらなきゃいけないので、インカレで何番打つか分からないですけど、打順における難しさとかはあるなと思っています。
小出 春リーグではFPとして守備だけで、打撃は全くしてない期間も長くて。全総も1番は打ってたんですけど、なかなか自分の打撃がうまくいかなくて、東日本では6番、7番っていう中軸を担っていて、主に出塁なんですけど、その中で自分ができることをやろうって今は開き直ってやっています。
渡邊 自分は去年の夏に肺の手術をして、そこから後遺症で苦しんでいた期間が長くて。秋は全然打てなかったですし、春も腰のヘルニアで苦しんでそれが今も続いてしまっている形です。マックスの状態に戻すのは無理だと思っているので、インカレでは現状からどれだけ力を出せるかに注力してこれから調整していきたいと思います。
中内 自分は全総に教育実習が被って行けていなくて。3週間チームから離れる期間があったんですけど、その時に自分がチームの中でどういう役割を担っているのか考えることができて。東日本インカレを考えた時に、自分には出塁してチャンスを作って、4番とか1番とかポイントゲッターに回すっていうチームにとって必要な役割があるなということをクリアにできたので、6月以降はとにかく出塁に徹するという形で、バントであったり四球を取ったりすることに徹底して取り組んできました。インカレでもその役割をしっかり果たすっていうところを考えてやっています。
対談中の渡邊
ーー今までで思い出に残っている試合は
齋藤拓 春リーグの慶大戦です。スタメンとして出させていただいた復帰戦なんですけど、その時はすごく緊張していて。今まで打席にもなかなか立てていなくて、スローイングとかも不安がある中で使っていただいて、監督からも結果残して来いって言われて与えられた2打席の中で、2本ともヒットを放って打点も上げることができたので、その時の集中力はすごかったのかなと思っています。インカレでもその集中力があれば大丈夫だと思っているので、集中力を高めていきます。
小出 3年時の全日本インカレの日体大戦が一番思い出に残っています。今も投げてる吉本(和央)っていう相手の投手がいるんですけど、その人に2打席連続三球三振して。全国で結果を残すのは本当に難しいなっていうのを感じたし、自分の無力さを痛感した試合になったので、今でも記憶に残っています。
渡邊 僕も小出と同じで、去年のインカレは入部が遅かった僕にとって初めてのインカレで。全国の雰囲気を初めて味わったっていう意味で印象に残ってますし、日体大との力の差を間近で見た試合でもあったので、そういう意味でも印象的でした。
中内 自分も去年のインカレが一番印象に残っています。9番ライトで出たんですけど、2打席凡退で2打席目は吉本から三振して。全国で勝つことの難しさと、全国レベルの投手のレベルの高さを身をもって感じました。その日体大が次戦環太平洋大とやって、環太平洋大に打たれて負けるっていうところまで見ていたので、いかに自分たちの力が足りていなかったかを感じる試合だったなと思います。
ーー現在のチームの雰囲気は
齋藤拓 いい感じだと思います。目標も定まっていてやることも明確で、残り組まれている練習試合も数少ないんですけど、そこに照準を合わせて。今週末はここまで達成しよう、来週末はここまでやろうというふうに具体的になっているので、とてもいい感じです。
小出 春に比べて厳しい声がチームの中でたくさん出てくるようになって、お互いに厳しい目で見るようになったところが、結構試合に近付いている感じがしていて。練習が一番嫌だというくらい、プレッシャーがすごいですし、試合以上のプレッシャーが練習で出ていると思います。
渡邊 やることが明確になってきて、その分緊張感も増しているしピリピリした空気ももちろんあるんですけど、試合に向かっていく、状態を上げるためのいいスパイスになっているのかなと感じています。
中内 去年のインカレが終わった後に当時の高杉監督から「お前たちの代は優勝できる代だと思っている」と言われて、その時は実感がなかったんですけど。今は自分たちが優勝できるかっていうところよりも、優勝しなきゃいけないと思っていて、それが練習の厳しい雰囲気や皆の意識の高さにつながってきていると思います。東日本の負けも踏まえて集中力も上がってきて、もうインカレ取るだけっていう雰囲気になっているので、とてもいい状態だと思います。
対談中の小出
試合以上のプレッシャーが練習で出ている(小出)
ーー先程「今までの戦いではチームらしさが出せていない」というお話がありましたが、早稲田のソフトボール部のチームらしさとは
中内 やっぱり日体大とか国士舘大と比べると、個の力っていうのはどうしても劣る部分があるので、それをチームとして、打線として、どうやって打ち崩して勝っていくのか。もちろん守備力と、打線の中での役割を自分たちがどれだけ認識して出せるかを考えながらプレーするのが早稲田らしさだと思います。その分、試合では考えすぎて緊張してしまう選手が多いので、今の厳しい練習の中でやってきたから大丈夫という自信が付けば。試合の中では自分たちのいいプレーが出て、勢いに乗ってどんどん、いい意味で調子に乗っていけることが今の代の良さなので、それが今年の早稲田らしさです。
ーーインカレの目標は
全員 優勝です。
ーー優勝するためにチームに必要なことは
齋藤拓 それぞれの役割のスキルや質をどれだけ上げられるかがまず一つ。このチームは一度勢いに乗るとどんどん勢い付いていくので、その勢いを最初にどう付けられるか、最初からどうマックスの雰囲気でいけるかが課題だと思うので、そこは練習から、声出しとかからやっていければいいと思います。
小出 先に点を取ることが大事だと思っていて。先に点を取って自分たちのペースにどんどん持ち込むっていうことと、あとは先に点を取られた時にどう対応するか、どうやって盛り返すかっていうのも大事なのかなと思っています。
渡邊 トップレベルの投手相手に全然点を取れていないっていうのが現状としてあって、そこでどれだけチームの流れというか、個じゃなくて打線として点を取っていけるかが一つ鍵になると思っています。
中内 必要なもの…齋藤拓哉じゃないですか。3番センター。2年生なんですけど、全然そんな感じしなくて。インカレのキーマンになるのは齋藤拓哉、彼の守備とバッティングがチームを勢いに乗せてくれれば優勝できると思います。同じ外野手として負けてられないので、齋藤拓哉のプレーを引き出すと同時に、自分はそれを越えていきます。
ーー今のチームの完成度を100点満点で表すと
中内 98点です。東日本が終わって、練習の雰囲気も、デックスが練習が一番嫌だと言うくらい、一球に懸ける集中力とか自分たちのプレーに対するお互いの目は厳しくなってきていて。残り2週間、今週の練習で1点追加されて、来週総仕上げで1点で、100点でインカレに行けると思うので、98点です。
ーーインカレで個人として見てほしいポイントや強みは
齋藤拓 守備で言うと、守備範囲の広さと肩の強さが自分のストロングポイントだと思うので、平凡な打球を捕るのは勿論なんですけど、フェンス際のホームラン球をもぎ取るっていうことをケガを恐れずにやりたいなと思います。肩ももう回復したので、ランナーが回った時は刺しますし、まずはシートノックから。センターに飛んだら回れないんじゃないかと思わせるぐらい、ぶん投げて。あと毎年シートノックでライトの人(中内)が結構暴投しちゃうんで(笑)そうじゃなくてちゃんとストライク送球します。バッティングは、東日本まではバントとかを重点的にやってきたんですけど、最近はヒットを打つことに重点を置いてやっていて。得点圏打率には結構自信があるので、インカレでは大事な場面で1本出るようにしたいです。あとは、四球で出塁した時に僕バットを置くんですけど、それが結構盛り上がるので。ここを見ろっていうのを1個挙げるとしたら、四球時のバット置き、これでいきます。
小出 足の速さについては自分の武器だと思っています。転がしたらセーフになれると自分でも思うくらい、期待感を持っているので。足の速さが一つ見てほしいポイントです。あとは、自分が出塁したらその後チームが流れに乗ってくれるというか。自分が出塁するかどうかが大事なのかなと思っているので、そこも見てほしいです。
渡邊 僕はバッティングの時、バントとかをするというよりガンガン打ってランナーをかえすっていう役割にいるので、そこを見てほしいのもありますし、他の4年生に比べて経験値がだいぶ浅い分、怖いもの知らずで積極的にプレーしていけると思っているので、そういった積極性も見てほしいなと思います。
中内 自分は肩の強さに自信があるので、センターよりもエグい送球に注目してもらいたいなと思います。攻撃の方は、自分が塁に出るとチームが盛り上がると僕は思っているので、とにかく塁に出てチャンスを作って、3番齋藤拓哉につないでいくっていう自分の気迫を見てもらえればと思います。
笑顔で対談する4人
ーー最後に、インカレへの意気込みをお願いします
齋藤拓 4年生を勝たせます。
小出 最終日まで残って絶対優勝したいと思います。
渡邊 もう引退が目の前なので、最後全力で頑張ります。
中内 高杉さん(高杉聡監督、平10人卒=群馬・前橋育英)と木村さん(木村秀雄コーチ、平8理工卒=山口・柳井)を胴上げして、最後の最後に褒めてもらえるように頑張ります。
ーーありがとうございました!
(取材 西本和宏、写真・編集 田島凜星)
インカレへの意気込みを書いていただきました
♦︎小出拓実(こいで・たくみ)写真中央左
東京・杉並出身。人間科学部4年。チームいちのイケメンと名高い小出選手。彼の出塁でチームが盛り上がります!
♦︎中内俊太朗(なかうち・しゅんたろう)写真右
東京・筑波大付出身。スポーツ科学部4年。教育実習では母校の野球部も訪問したそう。温かい人柄でチームでも頼りにされています!
♦︎渡邊幸太(わたなべ・こうた)
千葉・市川出身。人間科学部4年。ソフトボールを始めたのは大2の冬という渡邊選手。怖いもの知らずなプレーが持ち味です!
♦︎齋藤拓哉(さいとう・たくや)写真左
青森・弘前学院聖愛出身。スポーツ科学部2年。中内選手いわく「見る者をとりこにしてしまう力がある」そう。華麗なダイビングキャッチに注目です!