完全優勝で早慶戦7連覇を果たす

ニュース/ヨット

早慶定期戦 8月17日、18日 神奈川県三浦郡葉山町森戸海岸沖

 今年度、全日本インカレ制覇に向け順調に勝利を重ねていた早大。しかし、先月行われた同志社大との定期戦では苦杯をなめた。

 今回、2日にわたって行われたのは年に一度の早慶戦。早大は470級、スナイプ級ともに第1レースから一度もリードを譲ることなく勝利し、初の7連覇を果たした。

 開会式では、昨年度優勝の早大・大野誠真主将(社4=東京・國學院久我山)が優勝杯を返還。大野主将は選手宣誓も務め、年に一度の早慶戦が幕を開けた。

選手宣誓を務めた大野主将

 出艇前には、港に駆けつけた早慶両校の応援部から部員にエールが送られた。『紺碧の空』や『若き血』をはじめとした各校の応援歌が交互に響く中、両校合わせて16艇が出航した。

応援部からエールを受けるヨット部

 1日目、台風により葉山港が一時閉鎖された影響で、レース開始は昼過ぎに延期に。この日は2レースが行われた。470級の第1レースでは、青山知央(スポ3=神奈川・鎌倉)・高田澪(社4=カナダ・Elgin Park Secondary)/尾﨑健人(スポ1=神奈川・湘南学院)組がトップでフィニッシュ。スナイプ級の第1レースでは服部陸太(スポ4=神奈川・鎌倉学園)・吉見有理(創理2=茨城・土浦一)/中井皓太(創理2=愛知・菊里)組が1位を獲得するなど、初日から慶大を圧倒。早大は各級2レースともに完勝し、翌日に弾みを付けた。

1日目、出艇する安永昂生(スポ3=上智福岡)・松山大祐(創理3=神奈川・逗子開成)組

1日目、出艇する桔川翔太郎(政経3=イギリス・ACS Hillingdon)・中尾桃子(商4=広島大学附属福山)組

 2日目は全4レースが行われた。この日、スナイプ級の桔川/中川芹香(社2=佐賀・唐津東)・中尾組は、第3レース、第5レースで1位に。同級の第5レースでは、早大が上位4艇を独占した。470級でも早大の組が代わる代わる首位でフィニッシュするなど最後まで主導権を与えず、全レースで慶大の得点を上回った。

閉会式後の集合写真

 総合成績では470級、スナイプ級ともに勝利し完全優勝で終え、早慶戦7連覇を達成。伝統の一戦での白星を今後の大会につなげる。

(記事・写真 太田さくら)

◆コメント

スナイプ級クルー 中尾桃子(商4=広島大付福山)

ーー今日の第5レースでは1着でフィニッシュされました。ご自身のレースを振り返っていかがですか

先月の同志社戦で動作を基礎から見直す必要があると再認識して、それが4年生になって1番大きな転換点でした。今回は動作に磨きをかけることができたレースになったのかなと思います。

ーーご自身ラストの早慶戦だったと思いますが、その点に関してはいかがですか

どのレースでも自分がやることは変わらないという点では、早慶戦だから、というふうにはあまり考えていませんでした。ですが、葉山で1番長く過ごしてきた慶應義塾大学と1対1で行うレースが最後だったという意味では、切磋琢磨してきた大学だったんだなと今回のレースを通じて感じました。

ーー夏合宿ではどのようなことに取り組まれていますか

 1番は動作です。関東だけで練習していたときは動作にそこまで劣等感を感じていませんでしたが、同志社、関西の大学とレースをしたことで課題が浮き彫りになったのでそこを詰めています。今回のレースではまだ完成していないなと感じたので、残りの夏合宿ではスピードと一緒に、ペアとして突き詰めていけたらと思っています。

ーー今後に向けて意気込みをお願いします

 1番の目標は全日本インカレ総合優勝です。来月の全日本個人戦では個人戦で結果を出すことが全日本インカレ優勝につながると考えているので、優勝することでチームに勢いを付けたいと思っています。

470級クルー 高田澪(社4=カナダ・Elgin Park Secondary)

ーー終始安定したレース運びでした。2日間のご自身のレースを振り返っていかがですか

全日本個人戦の前にペアを結成してから課題としていた動作を夏合宿で集中的に取り組んできて、その成果が現れたレースでもありました。自分たちのスピードにも自信を持てたレースだったので、その点では良かったです。ケース(レースのルールにおいて抗議の対象になりうること)を起こしてしまって、インカレを考えた時にはロスになるので、全日本インカレまでの期間はペアとしてそれを無くすというのを徹底していけるようにと思います。

ーーご自身ラストの早慶戦だったと思います。その点に関してはいかがですか

 7月に行われた同志社戦では完敗してしまったので、最後のチームレースである早慶戦でチームとして勝てたということは全日本インカレに向けても自信につながりました。個人として振り返ってみると、過去2年間は先輩と乗らせていただいて、ただ必死に船の動きに合わせて自分の動作をするということに精一杯でした。ですが、今年は最上級生として早慶戦を迎えて、3年の青山(知央、スポ3=神奈川・鎌倉)と一緒にコースを考えながら、自分自身もコース取りに関与して勝てたというのがすごくうれしかったです。

ーー夏の期間に取り組んでいることを教えていただけますか

470クルーなので、スピードの貢献度が高いランニング(セールをいっぱいに開き、風下に対して真っ直ぐ船を走らせる)でのスピントリム(調節)を課題にしていました。夏合宿は4分の1終わったところですが、まだ課題はありつつも、ペアとしての完成度は徐々に高まってきています。そこに自信を持ちながら残りの期間、動作のレベルを向上させて動作の面では不安をなくすのと、軽風クルーとして大会に臨んでいくので、ランニングでのスピードでは誰にも負けないような走りを2人でしていけたらと思っています。

ーー今後の試合に向けて意気込みをお願いします

 全日本個人戦と全日本女子インカレ、秋インカレと大きな大会が残っているので、結果を残しつつ、最後の大会になるので楽しみながら、優勝で終われるように、一日一日の練習を大切に過ごしていきたいと思っています。

 

◆結果

▽470級

飯田澪(スポ4=山口・光)・長屋明彦(先理2=東京・学習院)組 12点 1位

安永・松山組 18点 2位

青山・高田/尾﨑組 19点 3位

藤村勇斗(社3=香川・高松商業)/岩永燎汰(スポ1=茨城・霞ヶ浦)・植屋日志(スポ3=静岡・浜松西)/トムソンティモシー啓太(基理1=東京・早大学院)組 44点 8位

団体 93点 1位

▽スナイプ級

桔川/中川・中尾組 12点 1位

服部・吉見/中井組 13点 2位

重松駿(社2=茨城・霞ヶ浦)・大野誠真(社4=東京・國學院久我山)組 17点 3位

河田大智(法3=神奈川・逗子開成)/中川・畠山翔(教3=神奈川・桐光学園)組 39点 7位

団体 81点 1位

▽総合

174点 1位