前回ベスト8の明海大相手に悔しくも完敗

女子バレーボール

 悔しさの残った春季リーグ戦から1か月が過ぎたこの日、早大は東日本大学選手権(東日本インカレ)に臨んだ。3セットマッチの1回戦、対するは前回ベスト8の強豪校、明海大学。高さを生かした速い攻撃になかなか対応できず、出だしから相手のペースで試合が運ばれる。その流れを切れないまま1セット目を大差で献上した。切り替えたい第2セットだが、このセットもボールを攻撃までつなぐことができず、本調子を出せないままセットカウント0―2でストレート負けを喫し、今大会を初戦敗退で終えた。

 

 3部リーグを全勝で終え勢いに乗る明海大相手に2部リーグの意地を見せたい早大であったが、レフトから鋭いスパイクを打ち込まれ先制点を挙げられる。早大も西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)がライトからクロス方向にスパイクを決めすぐさま奪い返す。だが、明海大の高さのある攻撃に守備が対応できず、ブロックの上から叩き込まれ一気に2-6と点差を開かれるが、巻き返すため秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)がブロックアウトを狙い確実に点を決める。しかし、点を取った後のサーブミスなどでブレイクすることができない。ピンチサーバーで中山知花(スポ2=東京・女子学院)を起用しなんとか流れを切ろうと試みるも、相手の堅実な守備にその糸口が見えない。試合展開が苦しいまま最後もサーブミスで失点し、不完全燃焼のまま11-25でこのセットを落とした。

スパイクを打つ秋重主将

 

 後がなくなった第2セットだったが、西崎の攻撃は高い壁に阻まれ決まらず、威圧感が増す相手のブロックにエース秋重のスパイクはコースを絞られ、いきなり3点を連取されてしまう。徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)のAクイックで3点目を取り、そのまま相手のスパイクミスでこの日初めてブレイクする。2点差に詰め寄り逆転したい早大だったが、速攻を交えた速い相手のトスワークに振り回され、じわじわと点差が開いてしまう。状況を打破するためにタイムアウトを挟むも、直後から鋭い速攻をライン際に決められ、明海大の勢いを止めることはできなかった。最後もライトからクロス方向に打ち込まれるスパイクが上がらず、粘りを見せられないまま13―25でこのセットも取ることができず敗北し、悔しさの残る大会となった。

速攻を決める徳山

 

 明海大にストレート負けを喫した今大会、「粘りが見えるプレーが少なかった」と秋重が振り返るように、早大の一番の持ち味である粘り強さが見られなかった。攻撃、守備どちらにおいても一枚上手であった明海大、秋季リーグ戦では同じ舞台で戦うことになる。それまでに、今目の前に立ちはだかる壁を超越し、変革したチームの姿を見せてほしい。

(記事 帖佐梨帆、写真 星野有哉)

セットカウント
早大 11-25
13-25
明海大
スタメン
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)
レフト 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)
センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里)
セッター 南里和(商3=東京・女子学院)
リベロ 山崎葵(社2=岡山・就実)

秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)

――春季リーグ戦以来の公式戦となりましたが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

 (春季)リーグ戦の結果が散々だったので、反省して、東日本(インカレ)は秋リーグに向けてのステップアップの試合ということで、なにか1つ達成して、秋リーグに臨めるような大会にしようという意気込みでした。結果的にはあんまり達成できなかったかなっていう印象があります。

――今日の試合を全体的に振り返っていかがですか

 ディグやつなぎといった粘りが(春季リーグ戦では)なかったので、粘りを今日は見せつけてやろうと思って頑張ったのですが、 そこが見えるプレーが少なかったですし、めっちゃ頑張って練習したのにそれが生かしてないなと思いました。

――春季リーグ戦時のインタビューで今大会に向けてディグを強化したいという話がありましたが、練習の到達度や成果という点はいかがですか

 練習の中で到達度すごい上がっていて、全体的にカバーできる本数だったり、上げられる本数が増えていたのに、成果には出てなくて、大差で負けてしまったというのが結果だと思います。詰めが甘かったなって思います。

――明海大とは春にも練習試合で対戦していたと思いますが、どのような印象をお持ちでしたか

 早いしみんな上手いです。全国大会経験者が何人もスタメンいて、そこの経験の差もあって、印象的にはめちゃめちゃ強い、もう強豪っていう印象を抱いて戦ってました。 練習試合も勝ててなく、ずっと負けていて、今回の大会で頑張ろうと戦う相手だったので、 めちゃめちゃ強いなっていう印象ではあります。

――今日の試合を受けて、今後取り組んでいきたい課題はありますか

 まず2本目のつなぎですかね。1本目は頑張って一生懸命あげているけど、2本目が丁寧じゃなかったり、焦りが見えちゃったりするので、そこの焦りとかをなくして、全員冷静に繋げれるようになったらもう少し点数も見れるのかなと思いました。

――明海大との再戦もある秋季リーグ戦への意気込みをお願いします

 やっぱり(明海大に)リベンジしたいですね。勝つという目標も大事ですが、まず明海大から1セット取るというのが、次のセットに繋がったり、自分たちのモチベーションとアップとかになったりすると思うので、そこにこだわって1セット取るっていうのを目標に頑張ってやっていきたいです。

大松未羽(スポ1=沖縄・首里)

――今日の試合を振り返って

 春リーグ(春季関東大学リーグ戦)が終わって、春リーグで出た課題をすごい練習してきたのですが、実際試合でやるとなにもできなかったまま終わったなという印象がすごい強くて。自分たちのバレーというか、どういう決め方をして、どういう点数のもらい方をして、みたいなのが全然できなかったなという風に感じました。

――今日はいつもよりレセプションが上がっている印象がありましたが、個人的にはいかがでしたか

 レセプションはチームとしても結構良くなってると思ったのですが、やっぱりこの2本目だったり、最後決め切れなかったりとかがすごく目立つ試合だったかなと思います。

――リベロが山崎葵選手(社2=岡山・就実)に変わったことでチームのフォーメーションが変わったことにありますか

 リベロが葵さんになって、レフトが彩有さん(神戸彩有、文構4=長野・松本県ヶ丘 )に変わって、サーブキャッチの体形を意識しました。自分が少し後ろで前(のボール)は先輩に取ってもらうという形のフォーメーションに変えたことが多分レセプションが上がった一番の理由かなと思います。

――今日の大松選手自身の調子はいかがでしたか

 スパイクが全然決まらなかったというか、あんまりテストで合わずに最後まで修正できなくて試合が終わってしまったなという感じでした。レシーブでもあと一歩動かせれば触れるみたいなボールも見逃すとかが多かったので、そこがすごい反省点だと思います。

――相手は打点が高くて、速い攻撃を仕掛けてくる印象でしたが、どのように対応しましたか

 自分の目の前の人を1枚で止めに行くという風に(秋重)若菜さんからも指示がありました。みんなそれぞれ1枚で自分の目の前の人だけを止めに行くという指示だったのですが、やっぱり速さでついていけない部分が多くて、あんまり対応できてはなかったかなという感じはします。

――今日の収穫と反省点を教えてください

 2部(リーグに)は早い(攻撃を使う)チームはいない分、自分たちのこのブロックの形だったりとか、レシーブの戻りや下がりとかが遅いなというのをチームとしてすごく感じました。 自分たちはどっちかというと全部を思い切りみんなが打っている感じですが、明海大はフェイントとか相手の嫌なところをついてくるのがすごい上手いなと思ったので、そこが自分たちにもできるようになったらいいなと思っています。

――最後に秋季関東大学リーグ戦への意気込みお願いします

 春リーグも1勝で終わって、今回も1回戦で負けてしまったので、秋リーグは2つの大会の改善点をみんなでもう1回一から確認しまして、 明海大は2部に上がってくるので、次戦った時に倒せるように頑張りたいです。