敬愛大に敗戦し、連勝が5で止まる

女子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)を全勝で折り返した早大は、大会6日目に敬愛大と対戦した。第1セットは橋本美久(社2=福島・郡山女大附)を中心に攻撃陣が機能し最高の立ち上がりを決めた。しかし、第2セット以降は攻守でミスが目立ちペースを掴むことができない。一方の敬愛大は持ち前の強打で流れを掴むと勢いが止まらず、早大はセットカウント1-3(25-13、22-25、20-25、24-26)で春季リーグ初黒星を喫した。

 自陣のミスから先制点を奪われる形で試合が始まった。一気に流れを持っていかれるかと思われたが、橋本の意表を突くツーアタックを皮切りに3連続得点を奪い試合を優位に進めていく。井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)が2本のサービスエース、中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)がバックアタックを決めるなど攻撃陣が躍動。セット終盤には6連続ポイントを奪うなど終始相手を圧倒し、第1セットを先取する。続く第2セット、山下日和(千葉・市立船橋)が「相手のリズムができてくると、その雰囲気に飲まれてしまいました」と語るように、敬愛大ペースに持ち込まれ持ち前の守備でミスが目立ち始める。特にレセプションが安定せず、サーブポイントを許す場面もあった。セッターを植松知里(文構3=香川・高松第一)に代え悪い流れを断ち切ろうと試みるも点差は縮まらず、第2セットを落とした。

ブロックやクイックで得点を稼いだ齋藤

 流れを変えたい第3セットであったが、春季リーグで初めてセットを落とした焦りがプレーに表れる。サーブミス、レシーブミス、タッチネットなど普段見られないようなミスが立て続けに起こり、いきなり4点差を追う展開に。連続得点で巻き返したい早大だが、流れに乗りたいところでミスをしてしまい第3セットも奪われる。あとが無くなった第4セット。一進一退の攻防が続いた。早大は、齋藤友里(千葉・敬愛学園)・山下の両センターを使ったブロードやクイックを効果的に織り交ぜ相手の強打に応戦した。しかし、セット終盤に6連続失点で逆転を許しその点差のままマッチポイントを握られる。一矢報いたい早大は、中澤の3連続得点でジュースに持ち込むも相手の勢いを止めることはできず試合終了。春季リーグ、1セットも落としていなかった早大が初黒星を喫した。

ブロードで相手を置き去りにする山下

 馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)が「受け身となった事で気持ちのゆとりも無くなりミスを誘発してしまった」と振り返るように、相手のペースに飲まれると攻守でミスを連発してしまい立て直すことができなかった。しかし、きょうの試合は悪い部分だけではなかった。特に、第1セットは理想的な展開と呼ぶにふさわしい内容であった。次の相手は昨年度準優勝校の大東大だが、次戦まで2週間とリーグの日程も味方している。「受け身」ではなく「やりきる」プレーで早大バレーボール部の『新時代』を築いて欲しい。

(記事、写真 友野開登)

セットカウント
早大 25-13
22-25
20-25
24-26

敬愛大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市立船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

第1セットの立ち上がりが良かっただけに、第2セットから点数を追いかける展開で受身に回ってしまいました。
また、ベンチワークで上手く選手たちをフォロー出来なかったことは監督である私の力不足でした…。

――第1セットは内容が良かったが、第2セットからいきなりミスが多くなったと思います。原因はなんだと考えていますか

1セット目の展開のまま2セット目に入ってしまった事が主な要因です。1セット目はやる事すべてが上手く展開したため、本来の形でない事も上手くいっていました。それは攻撃も守備も両側面あったと思います。2セット目から相手がリズムを掴み始めた時、こちらの軌道修正が間に合わず、結果受け身となった事で気持ちのゆとりも無くなりミスを誘発してしまったと反省しています。従って、2セット目の入りで選手たちの気持ちをリセットできなかった私の責任ですね。

――きょう見えた課題は何ですか

ベンチワークです。選手たちコーチ陣は今できることは一生懸命にパフォーマンスしてくれたと思います。選手起用やタイムアウトのタイミングで私のミスがいくつかあったので、劣勢の状況を想定して、しっかりとした準備を詰めていきたいと思います。

――苦しい状況が続くなかで、チームの雰囲気はいかがでしたか

試合直後は少し重い雰囲気や険しい表情の者もいましたが、4年生中心に学生たちはとてもしっかりとしていて、いい意味で「いい加減」の所もあると思っていますので、GW期間中にしっかりと立て直してくると思います。

――次戦に向けて一言お願いします

総当たり戦最期の大東文化大戦になります。勝つことは勿論ですが結果や数値ばかりに囚われずに、リーグ戦開幕に向けて設定した「やりきる」をテーマとした自分たちのバレーを展開します。

山下日和(社1=千葉・市立船橋)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

1セット目は自分たちの流れができていて良かったのですが、2セット目に相手のリズムができてくると、その雰囲気に飲まれてしまいました。そのまま2、3、4セットは気持ちで負けていたと思います。

――きょうはチーム全体としてミスが多い内容でしたが、チームの課題は何だと感じていますか

連続失点になった時に、誰か打つ人を決めて持っていくというのが昨日の試合でも課題で出たのですが、それが今日の試合でもできていませんでした。苦しい時に人任せにしないで自分が決めてやるという気持ちを全員が持たなければいけないなと思いました。

――攻撃陣が機能しないなか、山下選手のブロードやクイックがチームを救っていたように感じています。ご自身の攻撃面をどのように捉えていますか

今日私が決まっているように見えたのは、相手のマークが中澤さんと富澤さんにびっちりとついていて、自分に全くマークがついていなかったからです。それで決まるのは当たり前ですし、もっと2人の負担を軽減させられる場面はたくさんあったし、決めきれないこともあったのでまだまだ課題が沢山あると思います。

――きょうのチームの雰囲気はいかがでしたか

苦しい状況の時に、みんなどうにか明るくしようとしてはいましたが、どうしても表面だけの明るさになってしまっていて、本当の芯の部分は暗い雰囲気が抜けませんでした。そういう時に自信もって明るくなれるような部分をこの2週間で作りたいです。

――次戦に向けて一言お願いします

この敗戦の後に2週間あいだが空くというのは、リーグが自分たちの味方をしてくれた部分だと捉えて、プレーも気持ちもしっかりと切り替えます。来週からは今日のような試合を絶対にしないように、全力で頑張っていきます。