「粘り」発揮できず 松蔭大に圧倒される

女子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)の順位を占う試合。それがこの松蔭大との試合だった。相手の対策をしっかりと練り臨んだ大一番。しかし、レセプションが乱れ、スパイクを決めきることができず、序盤から大量失点を許す。2セット目では、中盤に追い上げを見せたものの一度もリードを奪えないままストレート負け。勝利へ鼻息荒い早大に待っていたのは、入れ替え戦をほぼ決定づけることとなる不本意な結果だった。

 「念入りに相手の対策をして臨んだ」そう森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)が語るように、この試合にかける想いはひとしおだった。しかし、第1セットの立ち上がりから大きなカベにぶち当たる。これまでの試合と同様、森、富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)にボールが集まるものの決めきれない。状況を打開すべくフェイントで揺さぶりをかけるも松蔭大の素早いフォローに拾われ、早大のスコアボードは一向に変わらない。気づけば点差は2―12。選手の表情が曇る。そこから河治えみり(社2=北海道・旭川実)を中心とした守りで、リズムをつかみかけるも、サーブで崩しきることができず、相手の高い打点からくりなされるスパイクに打ちのめされる。収穫を得られないまま13−25で第1セットを終える。

森を攻撃の起点として反撃する

 第2セットに入っても状況は変わらない。斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)のクイックが決まり、先制こそするもののそこから7連続失点。タイムアウトを取るなど、流れを変えるための策は打つも、松蔭大の勢いを止めるには至らない。森のスパイクが決まり、なんとか一点を奪い返したとしても、サーブミスで相手の勢いを助長させてしまう。それでも富澤のブロックで反撃の端緒をつかむと、植松知里(文構2=香川・高松第一)のツーアタックも決まるなど、試合開始から模索していた早大の攻撃がようやく形となる。しかし、序盤の失点が痛すぎた。反撃及ばず、このセットも落とす。第3セットでは、序盤にこれまでとは一転し、拮抗(きっこう)した試合を展開するもまたも連続失点で相手に主導権を握られる。早大は日体大戦からスタメンでコートに立つ、吉内文(スポ2=山口)のスパイクなどで追い上げを見せるも、流れを奪うには至らない。松蔭大のパワフルな攻撃に圧倒され、痛すぎるストレート負けとなった。

痛すぎる敗戦に肩を落とす選手

 「早大らしさ」とは何なのか。それは「ガッツを見せろ、粘りのバレー」と早大の応援歌にもあるように、どんなボールも必死に追いかけ、ガッツでボールをつなぐ「粘り」が早大バレーの特徴だろう。その「粘り」がこの試合見られる場面が少なかった。これまでの試合を振り返ると、粘りが出るか否かが点数に如実に表れている。今日の敗戦が春季リーグ戦の順位に大きく関係することは確かだ。しかし、これで意気消沈してしまっていては今後の試合でも光は差し込まないだろう。ここが春季リーグ戦における早大の「粘り」どころだ。

(記事、写真 遠藤伶 )

セットカウント
早大 13-25
19-25
19-25

松蔭大
スタメン
レフト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
センター 吉内文(スポ2=山口)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返って

1週空けて、残り4戦という中で今日の松蔭大戦は絶対に勝たなければならない試合で、念入りに相手の対策をして臨んだんですが、それ以上に相手が自分たちの対策をしていたっていうこととキャッチが乱れてしまっていて、いい形で攻撃できないで相手に一発で決められるっていうのが多かったと思います。

――1、2セットと序盤に連続得点を奪われる展開でした

連続失点が続くとどうしていいかわからないっていう風になってしまって、結局それは私と富澤がほぼ打っている状況で、私と富澤が決まらず、他の選手も決まらないっていう時に連続失点を奪われているので、そこでどうやって1点を取るか、自分たちの決めパターンがどういう形なのかを確認しなければなりません。あとはレシーブですね。自分たちは1部リーグの中で攻撃力に劣っていると思うから、それをカバーするディグといった守備が大事だと思うんですけど、それがまだ発揮できていないので、守備を頑張って相手の連続失点を誘うのが重要じゃないかなと思います。

――2週間試合が空きましたが、その期間重点的に練習してきたところはどういうところですか

やっぱり、ブロックフォローとつなぎ、サーブが弱いから、練習方法を変えました。あとはつなぎとブロックフォローの強化のために、ひたすらアタッカーがブロックに当てて、それをレシーバーがブロックフォローして切り替えして決めるっていう練習を重点的に行ってきました。

――その練習の成果は生きましたか

1セット目は全く発揮できなかったんですけど、2、3セット目はけっこうブロックフォローもできていたし、つなぎもいい形でできている場面はあったんですけど、いい場面はあってもその後がダメで、同じ選手が連続してサーブミスをしたり、悪い流れを断ち切った後のサーブでミスが出たりというのが多かったかなと思います。

――あすの国士舘大戦に向けて

もう一回全員で気持ちを切り替えないといけないです。やっぱり、こういう時ってコートの中の人が苦しい苦しいってなるんですけど、全員で戦っているわけで、みんなが同じ気持ちを共有しているわけだから、そこで自分よがりにならずに、もう一度選手全員が勝ちたいという気持ちを持って取り組めるような雰囲気だったり環境作りを行い、また全員で戦っていきたいと思います。